ジェダイ(仮)と理想主義者(笑)と退職(無断)者の小話。 作:夭嘉
楽しそうだなぁと思って書きましたw
どうぞお納めくださいm(_ _)m
これは、アリス・レインがニューヨークに迷い込んだ際の記録である。
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何がきっかけだったのか、さっぱり分からない。
気が付いたら、ニューヨークのセントラル・パークにいた。私は任務の合間に瞑想していただけだ。何もしていない。
あれ?セントラル・パーク?アメリカじゃん。ベーシックがあるから困らないけどさ。
「Hey!Girl!!」
早速アメリカ人に絡まれた。
「君、ジェダイのコスプレしてるの?」
「あ、うん、まぁ。」
コスプレじゃなくて、本物のジェダイだけどね!
服はジェダイ・マントに、焼け跡が目立つブーツ。ローブの下にはライトセーバーがぶら下がっている。どこからどう見てもジェダイだ。
因みに英語圏の某国では、国勢調査でその他を選択した24万人の内、18万人がジェダイの騎士、またはジェダイ教と答えたらしい。ていうかジェダイ教ってなんだよ。フォースの教会でいいじゃん。
つまり、このアメリカでもスターウォーズは文化の一部だ。
「ねぇお兄さん、その辺すごい荒れてるけど、何かあったの?」
荒れているというか、街が襲われたような跡だった。
心当たりがあるけど、自分で思い出したくなかった。
「あぁ、これな……あの穴から襲ってきた化け物共が壊したんだ。」
お兄さんが示す先には、スタークと書かれた高いタワーがあった。
彼が言っているのは、そのタワーの真上の空だろう。
「その化け物達は?」
「スーパーヒーロー達が戦ってくれた。だが、街はこの有様だ。」
「お気の毒に……」
お兄さんと別れ、私はニューヨークの繁華街を歩く。
すると突然、鳥のマークが付いた車が現れて、私を包囲した。
「動くな!」
「両手を頭に置け!」
「はいはい分かったよ。ちょっと!それは返して!」
ライトセーバーを取り返したら、眼帯をした黒人が包囲を通って、私の前に来る。
「突然現れたな。何者だ?」
「私はただのコスプレガールだよ。」
「10分前、セントラル・パークで異常な程のCMBRを感知した。それと同時にお前が現れた。お前は誰だ?」
周りを見渡すと、機動隊員達はまだ銃を向けてきている。
実弾は相手できないかなぁ。
「あのさ、ちゃんと話すから騒々しいのはやめない?」
「………良いだろう。撤収しろ!」
胸を撫で下ろしたのも束の間、車の一つに乗せられる。
あー、やっと思い出した。鳥のマークはS.H.I.E.L.D.のシンボルマーク。それから、黒人の眼帯男は長官のフューリーだ。
いやー、前世の記憶は本当に朧げだな。
「思い出した思い出した。」
「何がだ?」
「何でもない、こっちの話。」
とりあえず、自己紹介だけしよう。
「あ、私アリス・レイン。」
「S.H.I.E.L.D.のフューリーだ。」
「武装解除してくれてありがとう。」
「危険はないようだからな。」
「え?」
「一連の会話から、危険レベルは低いと判断したまでだ。」
「失礼な奴め。」
しばらく走った後、Aのシンボルマークが特徴的な建物が見えてくる。
「わお、本物のアベンジャーズ施設……」
フューリーの後に続いて車を降り、アベンジャーズ本部へと入る。
リクライニングルームのような場所に、あのアベンジャーズが揃っていた。
「ボス、彼女は?」
「本物のジェダイだ。」
アベンジャーズの面々と同じく、私もフューリーを見る。
本気で信じてるよこの人。
「そんなこと一言も……」
「ワープホールから出てきた奴が、わざわざコスプレをするか?」
「しないだろうね。」
「そういうことだ。」
部屋を見渡すと、全員有名人だった。
ブラックウィドウにホークアイ、スタークにアスガルド人のソー、ガンマ線で心身共に変わったバナー博士、そして超人のキャプテン・アメリカ。
彼らに会えて感激だ。
「ファンです!!!」
「あー……見れば分かるよ。」
「僕のファン?」
「あ、貴方は論外。」
「プレイボーイはお断りだとさ。」
スタークは、自己顕示欲の塊だ。私と相性が悪い。話をしたら、絶対口論になる。
「貴女のことは何て呼べばいい?」
「アリスで。いやぁ、会えて嬉しいなぁ。」
「僕達のことをどこで知った?」
「それはもちろん、ニュースで。」
「待て。お前はワープホールから来たばかりだろう。俺達を知っているはずがない。」
「神様、大人の事情があるんだよ。」
そう言うと、アベンジャーズはドン引きした顔をする。まぁ、無理もないよね。小娘が何かほざいてるんだもん。
「レイン、説明しろ。」
「どこから?」
「こちらに来たきっかけからだ。」
「えーっとですねぇ、私は元々この世界の住人でして……」
「つまり、あちらに行って、また戻ってきたと?」
「そういう頭の回転は早いんだね。」
スタークは理解力は高いらしい。ろくに天才と言われるだけある。どうでもいいエゴさえなければ、本当にモテるだろうに…
「瞑想してて、気付いたらこっちにいた的な?」
「感覚の話をしているんじゃない。僕達はその経緯が知りたいんだ。」
「そんなこと言われても、私だってよく分からないし。ていうか、帰りたいんだけど?」
誰も言葉を発しない。
そもそも、この世界でフォースと繋がるのとはできるのかな?
早速フォースを探ったら、認識範囲の拡大はできても、テレキネシスと先読みはできなかった。恐らく自分の身体をどうこうするのは可能だけど、ミディ=クロリアンのないこの世界では何もできない。
フォースの意志は、なぜ私をこちらに通してしまったんだろう。
「ライトセーバーは……」
「起動できるか?」
フューリーに起動するように言われ、恐る恐るヒルトを握る。
ライトセーバーは無事に起動し、鈍い音を立てプラズマの刃を形成した。
「すごいな!本物のライトセーバーだ!」
バナー博士が楽しそうな表情で見てくる。その後ろのスタークも、私のライトセーバーを凝視している。この2人にヒルトを渡したら、永遠に返ってこなさそうだ。
「ミス・レイン、教えてくれ。どういう仕組みでプラズマの刃が出るんだ?」
「核はクリスタルだよ。」
「設計図とかないのか?」
スタークの詰問に、私は分からないと答える。
「さぁ?」
「絶対にあるはずだ。ライトセーバーも機械だろ。」
「スターク、ジェダイのことをどれだけ知ってる?」
「こいつはアニメを観ないんだ、悪いな。」
「そうね、スタークは幼稚だって言って観ないのよ。」
「おい、僕がいつそんなこと、」
「把握した。」
「話を聞け!」
ライトセーバーの作成は、ギャザリングの過程で行われる。
カイバークリスタルを探して、見つけて、帰りのクルーシブルで自分のライトセーバーを作る。ジェダイたる者、光明面の繋がりを見つけられなければ話にならない。ライトセーバー作りも、ジェダイになる為の試練なんだ。
私もクルーシブルで、このライトセーバーを作った。
TVシリーズ版のクローンウォーズの途中、ギャザリングについてそう語られる。
アベンジャーズの面々に、一連の流れをざっくり話した。
「設計図なしで作り上げたのか?冗談だろ?」
「冗談じゃない。」
「どんなものにも見取り図はあるはずだ。」
「キャプテン、概念は凍る前のままなの?」
「四次元キューブと同じだ。我々には理解できるものでもないだろう。」
この中では、ソーが一番感覚的に理解しているかもしれない。
「ライトセーバーが全部同じ設計なら、簡単に作れるよね。でもジェダイのライトセーバーは、誰一人として同じものはない。ジェダイは自分に合ったライトセーバーを、自分で作るの。」
「確かに。ムジョルニアが量産されては困るな。」
「神様、意見が合うね!ちょっと飲みに行こうよ!」
「おい、下手に動き回るな。何も解決していないぞ。」
フューリーに止められ、仕方なくキッチンのワインセラーを漁る。
結局のところ、ライトセーバーに必要なのはクリスタルじゃない。自分を信じてあげなきゃ、ライトセーバーは作れない。
あ、このワイン高そう。
「美味しそう!あ、あとこれも……手土産に!!」
「それは俺のワインだ!!」
ソーが手を伸ばしてきて、私はワインを抱えたまま躱す。
だが次の瞬間、渦巻く穴が開く。それは、私が躱した先にあった。私はそのまま穴に倒れ、暗闇の中に落ちていく。
こんな状況だというのに、私はワインボトルを必死に抱き締めていた。
気が付くと、ホーム・ワンの1室で眠っていた。
夢なのかと思ったけど、私の腕の中にはちゃんとワインがあった。
これは手土産だ。美味しく戴こう。
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アリスが消えた後、アベンジャーズはジェダイとしての彼女ではなく、アリス本人に親しみを抱いていた。
「彼女、ジェダイらしくないわね。」
「性格はさて置き、やけに大人ぶっていたな。」
ナターシャとバートンが、ストレートに感想を言う。
「相当な修羅場を潜ったんじゃないのか?」
「キャプテン、君と同じにするな。」
「どう見ても20歳くらいだろう?」
アベンジャーズは、アリスが20代に見えていた。
一人を除いて。
「いや、彼女は見た目より長く生きている。」
「ボス、どうしてそう思うの?」
「目を見れば分かる。レインは数え切れない死を目にし、我々より多くを学んでいる。私の推測では、レインは40年は生きているだろう。」
『Oh,My god……』
フューリーの目に、曇りはない。
アベンジャーズは、彼の洞察眼に驚かされるのだった。
ジェダイは、いつどこの世界でも神話だ。
continue……
次こそ……次こそエレノア編の小話書きたい!!
もう少しお待ち下さい泣