ジェダイ(仮)と理想主義者(笑)と退職(無断)者の小話。 作:夭嘉
良い子というのは真面目で、周りの意見を聞く者のことを言うらしい。
正に私のことだよね!
それなのにターキンときたら、正反対とか言いやがった。あいつとは二度と組みたくない。もしそんな任務が来たら、バックれてやる。
ターキンと最後に任務を遂行してから2年程で、クローン戦争が始まった。
そして、私がターキンと決定的な不仲となった出来事が起きた。
今日、あのターキンと組むことになった。お目付け役としてマスター・プロが任務に加わり、シャンドリラ星系の防衛任務に就いた。マスターに従い、“ターキン達”はクリーヴ将軍の艦隊を相手する。
私?私は2人の目を避けて、ハンガーに来ている。
インターセプター戦は嫌いだけど、逃げるには丁度良いんだよね。
「レイン将軍!許可は下りてませんよ!?」
「いーのいーの!R7-D4、ちょっと黙って。」
コマンダー・ウォルフが止めに来るけど、構うことなくデルタ7Bに搭乗する。
ところが、R7がエンジンを切ってしまう。
「R7!なんでよ!はぁ?マスターの命令!?先読みされてたわけ!?マスターのオタンコナス!!」
「ほぅ?それだけ元気があれば敵艦に乗り込めるな?」
「アハハハ…マスター……」
恐る恐る振り向くと、マスターがいた。めちゃくちゃ怒っていらっしゃる。無言なのが余計に恐い。
まぁ、命令を無視したんだし当たり前だよね。
「アリス」
「ハイ」
「クルーザーで指揮を取れ。」
「私が指揮を?ヤッター!」
「ターキン提督の助言を聞くように。」
「えー…」
落胆する私に、マスターは仲良くやれと言う。
はっきり言って無理だ。私は2年前に任務を組まされてから、ターキンが嫌いなんだ。上から目線だし、礼儀がないし、上から目線だし、口煩いし、上から目線だし。
悶々とする私を置いて、マスターはデルタ7Bで部隊を率いて行ってしまった。
仕方なくブリッジへ戻ると、ターキンが嫌そうな顔で口を開く。
「レイン将軍、休んでいては?」
「アハハ無理ぃ。一応ジェダイ将軍だから休めないしぃ。」
不思議なことに、自分の副官のヘクターの方がマシだと思ってしまう。
いや、本当にヘクターの方が可愛げがある。
「レイン将軍!敵艦に動きが!」
「っ!インターセプター出動!!」
クリーヴ艦隊の旗艦から、ヴァルチャー・ドロイドが沸いて出てくる。
インターセプターを向かわせて、私は必死に我慢する。
………インターセプターに乗りたい。
「ターキン提督」
「ダメです。」
「へぇ、私の言おうとしてることが分かるんだ?」
「分かりきったことだ。どうせ、私から離れたいんだろう?」
「もういい。だったら私にも考えがあるから。」
ブリッジの人達が止めるのも構わず、私はハンガーに向かう。
そこには丁度出撃しようとしているYウィングの部隊がいて、トルーパーの1人に声をかける。
「ねぇ、代わって。」
「レイン将軍!?」
「お願い!私に砲座やらせて!」
トルーパーが反論できないのをいいことに、私は砲座に乗り込む。
「レイン将軍、彼の責任は貴女が取ってくださいね。」
「分かってるよ。ありがとう、キャプテン。」
Yウィングが出撃し、私は照準器を解除してドロイドを撃ちまくる。
これすごく楽しい!さっきまで溜まってたストレスの発散に良いね!Yウィングは初めて乗ったけど、これ好きだわ!
「ねぇキャプテン?このランプ何?」
分かりきっているけど、あえて聞いてみる。
「恐らく………旗艦からの通信ですね。」
「“恐らく”じゃなくて、確実にだよね!?」
出たくないけど、出ないと余計に怒られる。怒られることは確実だけど、別に悪いことをしているわけじゃない。そう、私は悪いことをしていない。
よし、繋げるか。
『シルバー3の砲手、今日はやけに冴えてるな。』
「そ、そうですか?」
『トルーパー、帰還したら昇進だ。認識番号を言え。』
「えっとぉ……」
キャプテンに助けを求めるけど、あろうことか聞こえないふりをされた。
操縦が大変なのは分かるけど酷くない!?
『答えられなくて当然だな。“レイン将軍”、しっかり報告書に書かせていただこう。』
「あんた面倒臭いよターキン!!」
私だと分かってて、白々しく聞きやがって!
もうラストネームで呼び捨てしてやる!
戦いはクリーヴ艦隊が撤退したことで、勝敗が決した。マスター率いるスターファイター部隊が活躍したお陰だ。Yウィング部隊も活躍したけど、マスターがクリーヴの旗艦に大ダメージを与えたのが大きかった。
ハンガーに戻ると、マスターが私の乗るYウィングを待ち構えていた。
マスターの姿を捉えた私は砲座から降りられず、いなくなるのを待つけど、そんな期待は儚く消えた。
恐る恐る砲座を降りると、マスターは私を呼ぶ。
「アリス、お前は何をしたのか理解しているのか?」
「あの…私も戦いたくて………」
「お前の独断で、事態が悪くなることもある。ターキン提督が嫌いなのは分かるが、少しは行動を慎め。今回は何もなかったが、次はそうもいかないぞ。」
「でも……」
「クリーヴ将軍には気付かれなかったかもしれないが、あれだけドロイドに命中させていれば、砲手がジェダイだと気付く者もいる。そうなれば、我々は貴重なパイロットとジェダイを失うことになる。心に留めておけ。」
「…すみませんでした……」
そうだ、私が目立てば狙われる可能性だってある。キャプテンが巻き添えになっていたかもしれないんだ。今回は運が良かっただけ。
勝手な行動をした私のせいで、キャプテンが死んでいたかもしれないんだ。
マスターの言う通りだ。
「ターキン提督には私から言っておく。もう仲良くしろとは言わない。だが、煽りに乗るな。」
「はい……」
「コルサントに戻ったら、1週間は謹慎だ。」
「はい、マスター……」
謹慎とは言っても、ただ待機するわけじゃない。マスターの言う謹慎とは、イニシエイトに授業をすることだ。次世代を育てるのも、ジェダイの務めだ。
ただし、私は授業が苦手だ。
謹慎中、私はイニシエイト達と過ごすことになる。
スケジュールを考えれば、イニシエイト達の授業は大変だ。
コルサントに戻った後、私は評議会から正式に授業をやるように命令された。大隊はヘクターが指揮を取り、緊急時だけ戦場に駆り出され、ハードスケジュールとなった。
今回のことは、深く反省している。
ターキンのこと以外は、行動を改めよう。
────────
10年後。
わざと帝国に捕まった私は、見張りのストーム・トルーパーにその話を話して聞かせる。
「つまり、あんたは問題児だったと?」
「違う!私が言いたいのはターキンがクソ野郎だったってこと!!」
「おい!失礼だぞ!」
「知るか!」
「なっ…やめろ!うわああああああっ!」
帝国のシャトルの中で、私は懐のスイッチを入れた。仕掛けてあったドロイド・ホッパーが作動し、トルーパーはみんな電流で気絶する。フォースで気絶したトルーパー達を、シャトルから押し出してハッチを閉じる。
最近ターキンがしつこいから、わざと捕まって悪評流してやろうと思ったのに。
なんでみんなして私が問題児って言うわけ?
まぁ、仕返しに奴の旗艦を吹っ飛ばしてやったからいいか。
continue……
クリーヴ将軍はデヴァロニアンで、ジェダイ粛清後にケイナンとも会っているそうですw
クリーヴまじイケメン(*´꒳`*)