ジェダイ(仮)と理想主義者(笑)と退職(無断)者の小話。   作:夭嘉

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小娘(嘘)の出張【中編】

誰かさんが連行された後、私は留置所に忍び込んだ。

 

格子越しに、“彼”に笑顔を向けて手を振る。

 

 

「久しぶり〜」

「久しぶりに会うジェダイ・マスターに対する態度とは思えねぇな。」

「あんたこそ有名人に対する態度が酷いよ、ヴォス。」

 

 

キファーの男、クインラン・ヴォスは不満な顔をする。

 

 

「有名人だと?悪評の間違いじゃねぇか?」

「失礼な!まぁでも、呪われたジェダイとしては有名だよね。」

「洒落にならねぇな。」

 

 

ヴォスはオーダー66を生き延びて、帝国の追手からも逃げ切っていた。ヴォスの他にも、生きているジェダイはいる。だけど反乱軍の下には来ず、皇帝と戦ったジェダイは私とルークだけだった。

 

 

「出してあげようか?」

「ぶち込んだのはお前だろ。全く……」

 

 

ヴォスはロックをフォースで解除すると、外に出てくる。

 

没収されていたライトセーバーを渡し、私達は留置所の外へ出た。

 

 

「こんなところで何やってんの?」

「お前……他のジェダイの報告書を読んだことはあるか?」

「ない!」

「だろうな。」

 

 

オビ=ワンとかアナキンとか評議会に読めって言われてたけど、読んだ試しがない。

 

ヴォスの話によれば、彼は伯爵と親しかったらしくて、助けを求められたらしい。まさか伯爵が息子に殺されると思わなかったみたいだけど。皇帝が死んた後、ヴォスが生きていると知った伯爵は必死に助けを呼んだそうだ。

 

 

「それで、お前は?」

「私は新共和国の依頼。」

「新共和国ねぇ……」

「何か問題でも?」

 

 

ヴォスは何か言い辛そうにしていた。

 

助けを求める手を、どうして拒んではいけないの?

 

 

「レイン、共和国と関わるのはよせ。」

「なんで?」

「ジェダイが共和国に加わると、ろくなことにならねぇ。ジェダイはジェダイで動くのが良いんだ。余計なことはするな。」

「………」

「お前も分かってるだろ。」

 

 

そんなことは分かってる。

 

ジェダイが共和国と関わって、傲慢になっていった。それがアナキンを暗黒面に堕としたも同然だ。腐ったオーダーとつまらない掟を守った結果、ダース・ヴェイダーを生み出したんだ。

 

今度は、私が暗黒面に堕ちるかもしれない。

 

ヴォスはそれを危惧しているんだ。

 

 

「ジェダイの誇りがあるなら、共和国の使者として動くのはやめろ。ジェダイとして、何ができるか考えるんだ。」

「それはジェダイ・マスターの助言?」

「お前もジェダイ・マスターじゃねぇのか?」

「マスターの称号なんて、ただの肩書きだよ。」

 

 

オーダーが滅んだとはいえ、私は掟を破った。ルークのマスターとしても未熟なのに、ジェダイ・マスターと自ら名乗るなんて不相応だ。私は、やっとジェダイになれただけ。

 

 

「弟子と一緒にシスを倒しただろ。」

「私じゃない。それに、自害してるからマスター失格だよ。」

「レイン、自害もフォースの導きの1つだ。為るべくして成ったんだ。お前は悪くない。」

「やめてよ。ヴォス、黙って見ているつもりはないから。帝国軍の残党を捕らえる。」

 

 

街を出ようとすると、トルーパーが現れた。

 

私とヴォスは立ち止まり、包囲するトルーパーにすっとぼける。

 

 

「何か用?」

「お前達、余所者だな。」

「あんた達が余所者でしょ?帝国軍は軍縮して、拷問も禁止されたはずだけど?」

「あれは大宰相が勝手にやったものだ。」

「おかしいなぁ。マス・アミダって帝国のNo.2じゃなかったっけ?」

 

 

アミダが協定にサインして休戦されたはずだけど、あの人に実権はない。大宰相は飾りだ。何人かのモフや将校は納得していないだろう。

 

 

「それで、どうする?」

「逃げるに決まってんだろ。」

「OK」

「待て!っ!!」

 

 

スモークグレネードで煙を起こし、私とヴォスは逃走する。

 

住宅街の屋根を跳び走り、私は後ろからトランスポートが追ってくるのを見てヴォスに声をかける。

 

 

「追ってきてるよ。」

「任せろ。」

「任せろ?あんた何を、」

 

 

ヴォスは向きを変えたと思うと、飛んできたミサイルをテレキネシスで捕まえる。そしてミサイルの勢いを殺さず、身体を捻ってトランスポートにぶん投げる。撃ち返されたミサイルは右舷を壊し、トランスポートを撃墜させた。

 

そのトランスポートの隣のトランスポートも、爆風で墜落した。

 

 

「さすがキファーだわ。」

「ありがとよ。」

「褒めてないから!」

 

 

おかしい。いつもとポジションが逆だ。

 

私達はその場を脱して、私が泊まっていた宿屋に向かうことにした。

 

中に入ると、私は目を疑った。

 

 

「そんな……」

 

 

思わずそう呟いてしまった。

 

宿屋の中は荒らされ、オーナーは不在。留守番させていたR7-D4もいない。どうやら一緒に連れて行かれたようだった。

 

 

「お前のせいじゃない。」

「分かってる……」

 

 

2人で口を閉ざしていると、後ろで物音がした。

 

私達は、同時に侵入者の首にライトセーバーの刃を添える。

 

 

「な、何を、」

「何者だ?」

「僕は、この宿屋の跡取りです。父からSOSを受けて、駆け付けました。」

 

 

彼の言葉に嘘はない。

 

私とヴォスはライトセーバーを収め、物騒な真似を詫びた。

 

 

「貴方達は……ジェダイですか?」

「ジェダイは滅びた。お前の勘違いだ。」

「いいえ、違います!そのライトセーバーはジェダイの証です!伝説通りだ!」

「伝説は伝説だよ。私達がそのジェダイからヒルトを奪った可能性もあるんだよ?」

「そうは思えません!お願いです!父を助けてください!」

 

 

青年の叫びに、私達は顔を見合わせる。

 

だけど、次の言葉で私はキレそうになった。

 

 

「元はといえば、貴方達のせいだ!」

「は?」

「貴女がここに泊まった話は、父から聞いていました。なぜ大人しく身包みを剥がされてくれなかったんですか!」

 

 

それは違うでしょ。騙されて盗られるのと、あえて盗られるのは違う。それに、私が被害に遭わなかったからと責められるのは、大間違いだ。

 

非があるのは、行動しろと言ったこと。私の言葉通りに行動した結果、オーナーは捕まってしまった。オーナーが捕われた件は、間違いなく私のせいだ。

 

 

「あのね、一人で旅する女が黙ってやられるわけないでしょ。」

「ですが、」

「確かに、行動しろと言った私が悪かった。」

 

 

私がそう言ったから、オーナーは伯爵の息子に従わなかった。

 

そして、オーナーは反逆者として捕われたんだ。

 

 

「でも、訂正する気はない。」

「何ですって!?」

「革命というのは、民がするもの。私達“ジェダイ”は関与しない。1人より2人、2人より10人……10人より、大勢ってね。」

「大勢……?」

「団結は、国民の権利だよ。行くよ、ヴォス。」

 

 

宿を出て、私達は真っ直ぐ伯爵邸を目指した。

 

ヴォスは伯爵の義理を果たす為、私は新共和国の依頼を果たす為に、伯爵邸へ向かった。

 

 

「成長したな、レイン。」

「これでも責任感はあるからね。」

「どうだか。昔のお前なら、形振り構わず伯爵邸に行って、帝国軍の残党も伯爵の息子もとっちめていただろ。」

「そんなこと………あるわ。」

「ほらな?」

「うるさい。」

 

 

私以上にルールを守らない人に、成長したとか言われても嬉しくない。まぁでも、ヴォスが私を認めてくれている証拠だ。なんでオビ=ワンはこんな人と仲良かったんだろう。不思議で仕方ない。

 

これでも、私とヴォスはジェダイ・マスターだ。

 

私も、ジェダイ・マスターと見てもらえるように行動しなきゃ。

 

 

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