ジェダイ(仮)と理想主義者(笑)と退職(無断)者の小話。   作:夭嘉

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鮭鍋月様、お待たせしました!
遅くなってしまい大変申し訳ございませんm(_ _)m

どうぞお納めください…!


ビリー少年のお願い【後編】

ウィリアムはヘラと一緒に〈ゴースト〉で待機させ、私とゼブは〈ファントム2〉で村に降り立った。村の中に入ると、私達は唖然となる。ラサットは誰一人としていなくて、静かすぎて廃村のようだった。

 

誰もいないのに、家の中には数日前まで生活していたような痕跡があった。

 

ラサットに何かがあったんだ。

 

 

「ゼブ……」

「この村にはチャヴァがいた。」

「何かまずいの?」

「チャヴァは預言者だ。俺が侵略するなら、まずあの人を狙う。チャヴァが危ねぇ……」

 

 

村の家を2人で回っても、何も手掛かりを見つけられなかった。生活の痕跡はあっても、どうやって消えたのか、ヒントすらない。しかも連れ去られたはずなのに、争った形跡もない。

 

 

「ゼブ、何か見つけた?」

「いや……」

 

 

議事堂に入って声をかけると、ゼブはひどく落ち込んでいた。

 

無理もない。同族が連れ去られたんだ。ゼブにとって、もう1つの家族でもあったのに。

 

 

「アリス、俺の考えを聞いてくれるか?」

「どうしたの?」

 

 

ゼブが何かに閃き、真っ直ぐ私を見る。

 

 

「ジェダイの力を貸してくれ。」

 

 

その言葉に、私はゼブの意図に気付く。

 

ウィリアムがリラ・サンに行きたがったことと、私がこの星に来ることになったことは偶然じゃない。フォースに導かれていたんだ。ジェダイとしての私が必要とされている。

 

ジェダイでなければ、この問題は解決できない。

 

私は直感的にそう思った。

 

ゼブと私はチャヴァが暮らしていた神殿に入り、祈祷室へと入る。

 

 

「俺も最初は信じていなかった。だが、あんたやエズラを見ていると、アシュラを信じられる。アリス、ラサットを救ってくれ。」

「手は尽くすよ。」

 

 

祭壇に上がり、私はアシュラ、フォースに心を開く。深く呼吸して、リラ・サンの空気、エネルギー、そしてフォースに耳を傾けた。神殿のフォースが助けてくれるような気がした。

 

感覚を極限まで研ぎ澄ませて、私は目を閉じる。

 

 

「何かがおかしい………」

「アリス、大丈夫か?」

 

 

違和感を感じた瞬間、強い苦しみを感じた。フォースが悲鳴を上げている。頭が痛くて、思わず蹲ってしまった。

 

この苦しみが何なのか、私は知っている。

 

前にも感じたことがある。

 

 

「ゼブ……!急がないと!!」

「何だと……?」

「まだ間に合う!〈ファントム2〉を出して!!」

 

 

私とゼブは〈ファントム2〉に走り、星の裏側まで向かう。

 

今ならまだ間に合う。帝国の残党は、まだ出航していないはずだ。奴らの狙いは、多くのラサットだ。

 

“奴隷”になんかさせない。

 

 

「いた!あそこ!!」

 

 

眼下にはAT-AT2機と、ストーム・トルーパーが2中隊、デス・トルーパー2人、生き残りの将校が1人が確認できた。

 

ゼブにハッチを開けてもらい、私は淵に立つ。

 

 

「何をする気だ!?」

「ゼブはウォーカーを潰して!私は下の奴らを叩く!」

「待て!おい!アリス!!」

 

 

聞こえないふりをして、私はハッチから飛び降りる。

 

落ちながらライトセーバーを起動させ、ウォーカーの側面に刃を突き立てる。落下のスピードが緩くなり、私は受け身を取って着地した。着地したと同時に地面にフォースを放ち、半分のトルーパーを吹っ飛ばした。

 

 

「アリス・レイン!!!!!!」

 

 

将校、ウィンドライダーは私の顔を見るなり、怒りを露わにする。

 

 

「ラサットは解放する。下衆な真似はさせないよ。」

「貴様…!隠遁していたんじゃなかったのか!?」

「私が隠遁しようがあんたには関係ないでしょ。」

「お前達!その女を殺せ!!」

 

 

残ったストーム・トルーパーはラサットを引っ張り、デス・トルーパー2人が前に出てくる。

 

デス・トルーパーはエレクトロスタッフを持っていて、距離を詰めてくる。

 

 

「あんた達、やめるなら今の内だよ。」

「馬鹿なことを。」

「お前は今から死ぬんだ。」

 

 

2人同時にエレクトロスタッフを振り下ろしてきて、私は片方をライトセーバーで叩き下ろして踏み付ける。足で押さえながら、もう片方のエレクトロスタッフは刃をぐるりと回して、デス・トルーパーの手から捻り飛ばした。

 

飛んでいったスタッフは、ラサットの子供を抱えるトルーパーに当たり、電流がそのトルーパーを気絶させた。

 

 

「クソ……!」

 

 

デス・トルーパーの1人をウィンドライダーの方へ投げ飛ばし、踏み付けているエレクトロスタッフを蹴り上げて、もう1人も気絶させた。ストーム・トルーパーの一斉射撃も、ライトセーバーとツタミニスで偏向させ、地上のトルーパーは全て倒し終わった。

 

レーザー弾の防御は、もちろんフォームⅢだ。誰に教わったかと言えば、鬼のオビ=ワンである。つい最近、フォースの女官の修行を終えたばかりで、理由も分からず霊体の鬼=ワンに叩き込まれた。

 

え?修行の様子?ほぼぶーたれてたけど?

 

そこで、ゼブからの通信が入った。

 

 

『アリス!聞こえるか!?』

「何!?」

 

 

コムリンクに返事をすると、嫌な予感がした。

 

 

『悪い、1機目で手こずった!2機目がそっちに行ったぞ!』

「潰すの意味分かってる!?」

『援護する!何とかしてくれ!』

「分かったよ!任せて!」

 

 

向かってくるAT-ATに走り、砲弾を避けながら足の間に潜り込む。そしてライトセーバーで足を切り、すぐに脱出した。AT-ATは自重で傾き、支える足が切られているせいで斜め右に倒れる。

 

溜め息を吐きながら、落ちたブラスターを拾ってAT-ATのハッチを開ける。

 

 

「やめ、」

 

 

予め安全装置をかけて、中にいるパイロットを全員スタンする。それから着陸しているゴザンティ級クルーザーに入り、その船のクルーも全員スタンした。

 

ヘラ達が受けた任務は“逮捕”だ。

 

全員刑務所に送るつもりだ。

 

 

「マスター・ジェダイ」

 

 

そう声をかけられ振り向くと、チャヴァが挨拶をしてきた。

 

 

「お久しぶりです。ご無事で安心しました。あ、ちょっとお待ちを。」

 

 

コムリンクでゼブを呼び、降りてくるように言う。ゼブが来ると、ラサットは口々に礼を言っていた。何と言っても、今回はゼブの尽力が大きい。

 

 

「しかし、なぜウィンドライダーはリラ・サンを知っているんでしょう?」

「さぁね。だが、ラサットもこのまま傍観は難しいだろうねぇ……新共和国に助けを借りたい。」

「“シンドゥーラ将軍”に伝えます。」

「“アリス”」

 

 

一旦〈ファントム2〉に戻ろうとすると、チャヴァに呼び止められた。

 

 

「フォースと共にあれ。」

「ありがとうございます。貴女もフォースが共にありますように。」

 

 

まずヘラに連絡をして、共和国の防衛軍を寄越してもらうように手配した。それからゼブに息子を連れてきてもらい、ウィリアムは念願のリラ・サンに降り立つ。預言者のチャヴァから息子に祈祷をしてもらい、私達はリラ・サンを立ち去った。

 

その後、ウィンドライダー率いる帝国の残党達は共和国の収容所に収監された。トルーパーは数年で出られるとは思うけど、ウィンドライダーはジャクーの戦いに参戦した後、生き延びて逃げている。同じく収容中の、同期のリー艦長とは違って、生きている間に出ることは難しいだろう。

 

あとは、私のことだ。

 

エンドアの戦いから10年は経っているけど、あれから何も変わっていない。私は老化せず、容姿に変化は表れなかった。

 

シディアスが死んだところで、私の術は解けなかったらしい。

 

何度も考え、私は計画を立てた。

 

 

「ママ!ジェダイの戦い方を教えて!」

「ビリーが大きくなったらね。」

 

 

リラ・サンから帰って数日後、家でスピーダー・バイクを直しながら、息子にそう言ってはぐらかす。

 

ウィリアムに、ジェダイの技は教えたくない。

 

息子にはジェダイの道に縛られず、自由に生きてほしい。息子と、近い未来で産まれるレイやベンの為にも、ジェダイやシスに左右されない銀河にしたい。

 

その為にも、ファースト・オーダーは倒さなければならない。今回のことで、銀河がどういう状況なのかよく分かった。

 

私の選ばれし者としての役目は、まだ終わってはいない。

 

未来の為に、愛する人達の為に歩き続けよう。

 

 

continue……

 

 

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