ジェダイ(仮)と理想主義者(笑)と退職(無断)者の小話。   作:夭嘉

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フェラスにあれをさせたくて………
でも長くなってしまったので、一旦切ります………


足せば1に成る。【前編】

めでたくジェダイ・ナイトになって数年後。

 

私はジェダイ・ガーディアンに割り当てられた。ジェダイは3種類の役割に分けられ、私はその中で一番知られている役割に就いた。主な役割は護衛任務や治安維持。

 

評議会メンバーのマスター・プロは弟子の私に遠慮などなく、ガーディアンに就いたのに時折コンスラーの任務も振ってくる。私に平和的交渉は無理なのに。過激な交渉の方が得意だ。

 

そんなある日、私はアナキンと一緒に引き摺られていた。

 

 

「アナキン、だから通信に出るなって言ったのに。」

「間違えて繋げたのは貴女だ。」

「2人共、逃げていたのはお互い様だろ。」

「フェラス、僕は任務に向かおうと、」

「あ!私1人の責任にする気!?」

「アリス……」

「この場合、責任を取るのはナイトの貴女ですよ、マスター・アリス。」

 

 

パダワンだと思って油断していた。

 

私とアナキンを引き摺ってるのは、フェラス・オリンというパダワンだ。シーリ・タチというジェダイの弟子で、ドン引きするくらい真面目。何が言いたいかというと、不真面目な私とは正反対なのである。

 

事の発端は、ナイトの私を筆頭に、フェラスとアナキンで3人の任務を宛てられたことが始まりだ。

 

 

「貴女は何が嫌なんですか?」

「いや、だってさ、議員の護衛とか暇じゃん。」

「アリス、」

「何?文句ある?」

「マスター・アリス、言葉は選んだ方がいいですよ。」

「えぇ?」

 

 

身体を反らせて見上げると、マスター・プロが私を見下ろしていた。

 

気が付けば、私は引き攣った顔で笑ってた。

 

 

「マ、マスター……」

「アリス、気を遣って安全な任務にしたというのに、何か不満でもあるのか?」

「いえ!とんでもない!」

「なら良い。オリン、スカイウォーカー、アリスの指示に従え。」

「はい、マスター。」

 

 

面倒臭いと思っていたら、マスターは追い打ちをかけてきた。

 

 

「アリスがサボるようなら、“最高評議会”に連絡しろ。」

「マスター・プロ、大丈夫ですよ。」

「ほう?」

「俺が見張ってますから。」

「………」

 

 

マスター・タチ、もうこの子ナイトで良くない?

 

マスターがいなくなって、私達は元老院のオフィス・ビルへと向かう。

 

今回の任務は議員の護衛だけど、ジェダイ3人を付けられたのは理由がある。なんでもその議員は過激派なんだとか。悪人じゃないみたいだけど、恨みを買うこともあるようで、ジェダイの護衛が派遣されたらしい。

 

議員の名前は……忘れた。

 

 

「失礼しま……議員は御二人でしたか。」

「いや、議員は私だ。彼は私の後任だ。」

「初めまして、マスター・ジェダイ。」

「よろしくお願いします。私はアリス・レインです。右からアナキン・スカイウォーカーと、フェラス・オリン、パダワンの2人です。」

 

 

挨拶が終わり、私は議員から予定を教えられ、護衛の為に計画を立てる。アクシデントにも備えて、旅先の建物や惑星についても頭に叩き込んだ。

 

なぜって、楽がしたいだけです。

 

コルベットに乗り込み、操縦席にはアナキン、副操縦席にはフェラスを座らせた。

 

 

「この場合、操縦席は貴女では?」

「確かにそうかもね。でも、何事も経験が、」

「最もらしい理由に聞こえるが、アリスは操縦したくないだけだろ?」

「ああ、私もそう思う。」

「議員までやめてもらえます?」

 

 

1週間前にコルベットをダメにしたばかりだから、念には念を、避けただけです。

 

インターセプターとコルベットの操縦って、結構違うんだよね。勝手が違うと、どうも操作を誤ってしまう。避けるに越したことはない。

 

まだ貨物船の方がいい。

 

 

「よし、ハイパースペースに突入。」

「ハイパースペースに突入します。」

 

 

フェラスがそう言うと、アナキンはハイパードライブを起動させた。

 

船はパダワン達に任せて、私は議員と仮オフィスで予定を再確認する。

 

 

「着いたら私が議員の後ろで護衛、パダワンの2人には、お互いが視認できる距離で……えっと、話聞いてます?」

 

 

視線を感じて議員を見ると、私を凝視していた。

 

 

「噂で貴女は不真面目だと聞いていたが、そうでもないな。」

「誰ですか、そんなこと言った奴。」

「ただの噂だ、気にするな。ジェダイの務めをしっかり果たしているんだ。貴女は充分真面目だと思うがな。」

「ありがとうございます。議員、私のことはどうでもいいので、話を進めて良いですか?」

「ああ。スケジュールを調整しよう。」

 

 

どこか腑に落ちない感覚があるけど、今は任務優先だ。

 

今回議員が遠出した理由は、和平会談の為だ。議員は共和国の使者として、会談の会場であるこの星に来たのだった。過激派とはいえ、共和国の使者を1人で行かせられない。だから私達ジェダイが派遣されるんだ。

 

大抵は何も起きないから暇だけど、もしものこともある。

 

護衛の説明をした後、私は用意された部屋で仮眠して、フェラスのアナウンスで目を覚ました。

 

コルベットが目的の惑星に着き、船は軌道から地上へと向かった。着陸すると、中立を表明している指導者が私達を出迎えた。

 

その指導者はこの星の国王で、会場を用意してくれている。

 

 

「ようこそ、共和国の方々。おや、そちらのお嬢さんは?」

「彼女はジェダイです。私の護衛で同伴しています。あちらとあちらの若者の2人も、護衛のジェダイです。」

「左様か。マスター・ジェダイ、歓迎しよう。」

「どうぞ御見知り置きを、国王陛下。」

 

 

国王と近衞兵に案内され、私達は議事堂へと向かう。

 

会談はすぐに行われる。私はパダワン達に目で合図して、予定通り視認できる距離で辺りに気を配らせた。

 

私は議員に伴い、議事堂の中へと入った。

 

私が相手方に挨拶した後、議員は和平会談を始めた。後任の人も議員の隣に座り、私は一歩後ろで周囲の気配を読み取る。

 

 

「マスター・ジェダイ、お茶は如何でしょうか?」

 

 

給仕のソロシアンが紅茶を差し出してくれるけど、私は丁重にお断りする。毒を疑っているわけじゃない。議員方を差し置いて、1人飲むつもりがないだけだ。

 

長い話し合いが続き、会談は一旦締められた。

 

議員達は議事堂のゲストルームに案内され、私は部屋の外で待機する。

 

 

「マスター・ジェダイ」

 

 

議員の後任が声をかけてきて、私は彼に応対する。

 

 

「どうされました?」

「実は……議員のことでお話があります。」

 

 

彼は、私に議員の話をする。一通り話を聞き、彼は自身がしたことも打ち明けた。少し考えた後、私は予定を変えることにした。

 

それから、フェラスにコムリンクで連絡をする。

 

 

「フェラス、今から言う指示をよく聞いてね。」

『はい、マスター。』

 

 

フェラスにある指示を出して、私は後任さんに考えを伝えた。

 

備えあれば憂いなしってね。

 

────────

 

その翌日、私は議員達と一緒に大広間へと入った。

 

昨日の続きを始める前に、議員は私に席へ寄るように促す。

 

 

「マスター・ジェダイ、どうぞ席へお座りください。」

「なぜ私が?」

「平和の守護者たるマスター・ジェダイにも、会談に参加してほしいんだ。」

 

 

国王も議員2人に同意する。

 

でも、私はそれを断った。

 

 

「議員………お言葉ですが、私の任務は護衛です。和平調停は、私の役目ではないんですよ。」

「では仕方ない………」

「え?」

 

 

議員に肩を引かれ、私は強引に座らされる。それと同時に、肘掛けに手首を拘束された。面子の表情を見る限り、国王は無関係だ。

 

 

「まさか本当に私を押さえにくるなんてね。」

「おい、不敬だぞ。」

「どっちが?和平会談なのに暴力沙汰を起こして、何事もなかったことにはできないよ。」

 

 

私の煽りに、議員2人は怒りの表情を見せる。

 

 

「貴様……!」

「全く………共和国万歳!!」

「「は……?」」

「陛下、部屋の隅に避けてください。」

「何だと…?」

 

 

私の合図に、ガラス張りの天窓が割れた。私だけが微動だにせず、議員達と国王は腕で顔を覆い踞る。その直後に、フェラスとアナキンがワイヤーで大広間に降りてきた。

 

私の指示通り、フェラス達はまず国王を保護する。

 

アナキンが嫌そうな顔をしながらも2人は任務を優先して、私を置いて大広間を脱出した。

 

 

「あいつら……!」

「心配するな。あの2人はまだ半人前。ジェダイ・ナイトさえ押さえれば問題はない。」

 

 

2人の視線が私に注がれ、思わず笑ってしまう。

 

議員達は、私がここにいる理由を知らない。

 

 

「議員方、これが最後の情けですよ。」

「うるさい!!」

 

 

右頬に重い痛みを感じ、横っ面を殴られたのだと認識した。

 

頬がズキズキするけど、我慢だ。

 

 

「議員」

 

 

私は共和国の議員に、静かに声をかける。

 

 

「忠告しましたからね。」

「忠告だと?お前1人で何ができる?」

「私まだ元気だけど?」

「生意気な!おい!あれを持ってこい!」

 

 

ソロシアンの給仕が、恐る恐るシリンジを手渡す。議員はそれを引ったくると、針の封を切った。中身は、恐らく毒だろう。

 

議員は乱暴に、私の腕に針を刺す。

 

 

「無力化してしまえば、こっちのものだ。」

「ジェダイ如きが調子に乗るな。」

「良い案がある。この女が死ぬまで、ゆっくり眺めようじゃないか。」

 

 

2人は嫌な笑みを浮かべ、給仕に料理を持って来させる。

 

しかし、失敗した。毒は想定外だった。あとはフェラスとアナキンを信じるしかない。

 

いや、2人なら大丈夫だ。

 

なぜなら、私なんかよりジェダイの責任感が強いから。

 

 

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