ジェダイ(仮)と理想主義者(笑)と退職(無断)者の小話。 作:夭嘉
続きです!
前日譚って大事だと思うんですよね!!!
どれくらい経ったのか、私は呆然としていた。
更に、給仕が増えて議員2人にお酌をしている。2人はもう会談を進める気はないみたいだ。まぁ、目的は和平会談じゃないらしいけど。
「しかし残念だ。顔は悪くないのに、性格が悪い。」
誰のことだろう。
「全くだ。ジェダイ、その性格は直らんのか?」
「勝手に期待してがっかりするのやめてくれる?」
なんか腹立つ。しかもケツ痛くなってきた。ずっと座ってるのも苦痛だわ。
「さて、ジェダイ。仲間はどこにいる?」
どうやら見逃す気はないらしい。
この星は中立惑星。国王の立場も中立だ。国王は手出しできないと分かっていて、アナキン達の居場所を聞いてきている。
「教えられない。」
「状況を理解しているのか?」
「知らないんだから、教えられるわけないじゃん。」
「嘗めた真似を…!」
そう言って、議員は私のポシェットを漁る。その中からキャンディを取られて、私は思わず焦る。次いで小さなガラス瓶も取り出された。
「なんだこれは?」
「………ぃ…」
「聴こえないぞ。」
「香水!いいじゃんジェダイが持ってても!!」
「お前、本当にジェダイか?」
「ほっといてよ!」
私が拗ねたように言い返すと、2人は爆笑する。
「これは面白い!ジェダイの責任感の欠片もないどころか、ジェダイらしくない女だ!」
「ジェダイらしくなくて悪かったね!ジェダイの生活がつまんないんだから仕方ないでしょ!」
「なぜかは分からんが、お前のマスターに同情するよ。」
マスターは関係ないだろ。これは私の趣味だ。とやかく言われる筋合いはない。
よーし!!そろそろアクション起こさなきゃ。
「ところで御二方、ジェダイを毒で殺せるとお思いで?」
「ああ、思っている。現に、顔色が良くないじゃないか。」
「顔色は別として、ジェダイはあらゆる訓練を受けている。精神探査も耐えるし、ある程度の痛みもコントロールできる。対して、貴方達には何ができるんでしょうねぇ?」
「我々には権力がある!お前達ジェダイが、決して手にしないものだ!」
「権力、ね……」
人は、権力を持つと変わってしまう。例外はあれど、目の前の2人は権力の重圧に呑まれてしまった。そして、欲に支配された。
「民は何て言うんでしょうか?」
「私は民意の下、議員となった。私の決断は、民の決断だ。」
「では、後任の方は?彼は貴方を警戒していました。」
元々、議員の2人を訝しんだのは、“代議員”である後任の彼だ。平和の守護者であるジェダイに相談する程に、民が苦しんでいたようだった。直接見ていなくても、本気で民のことを考える彼を見れば、事実だとすぐに分かる。
「議員の座を渡すものか。あの男も処分するつもりだ。後任を選んだのは世間体の為だからな。だが、もう必要ない。」
「そうですか。貴方達に情けは不要みたいですね。」
私がそう言うと、後任の男が大広間に入ってきた。隣には秘書らしき女性がいる。どうやら手続きが終わったらしい。
「遅くなって申し訳ありません、マスター・ジェダイ。」
「私は大丈夫です、“議員”。」
「議員だと!?」
「議員は私だ!」
「いいえ、違う。貴方の自治権は、共和国元老院により剥奪されました。よって、後任の彼が自治権を引き継ぎます。」
彼の話を聞いた後、私は彼に共和国元老院に連絡させた。ジェダイである私に、政治的関与は無理だ。今回の私の任務はただの護衛だ。
だから、彼に解決してもらうしかなかった。
何が言いたいかと言うと、私は責任を負いたくない。
それに襲われるなら、まずナイトの私からだろう。私が“元議員”の気を引き、彼から注意を逸らさせた。これが、議事堂に残った理由だ。
「クソ!何もかも終わりだ!証拠も証人も消してやる!!」
元議員は通信機で、私兵を呼び出した。わらわらと出てきた兵達に、後任の議員は後退る。元議員と同じように、後任の議員も過激派だけど、これでは多勢に無勢だ。
その時、彼の後ろから女性が前に出る。
これも、作戦の内だ。
「フェラスー、早く助けろー?」
「さっきまでジェダイらしかったのに。どうして貴女はそうなんですか。」
「え?現実逃避してるだけだよ?それより早くー。ケツ痛くなってきた。」
「恥ずかしいのでもう黙ってください。」
「どうなっている!?」
「女がジェダイだと!?」
議員の秘書は、懐からライトセーバーを取り出して起動させる。
そう、議員の後ろにいた秘書は、女装したフェラスだ。美形であるフェラスなら、誰も疑わない。美形男子の女装は、本物の女よりも女らしく見える。
私より女らしいからね、うん。
「な、なんだ!?うわああああああああああっ!!!」
「やめ、ろ、おおおおおおおっ!!!」
アナキンが放り込んだドロイド・ホッパーで、私兵の多くか倒れていく。残った者は、アナキンとフェラスのライトセーバーに投降した。肝心の元議員達は、後から入ってきた王国軍に捕らえられ、連行されていった。
私の枷は外され、ようやく自由になった。
だけど毒を注射されているから、すぐに解毒剤を投与して治療しなければならない。
「アリス!大丈夫か!?」
「アナキン、騒ぎすぎだって。ちょーっと待ったぁーフェラス!!まだ変装解かないで!!」
「なんでだよ?」
「ホロ撮らせて!!」
「あんた病人だろ。」
ホロディスクに収めようとしたら、フェラスに真っ二つにされてしまった。アナキンに至っては、真っ二つにされたホロディスクを更に粉々にしている。どうやら、2人の気に障ったようだ。
私、何か悪いことしたのかな。
「マスター・ジェダイ、すぐにドクターを、」
「大丈夫ですって。毒を注射されたのはわざとですから。」
「何ですって!?」
「議員、アリスは確信犯です。」
今回毒を食らったのはわざとだ。
本来なら、アナキンやフェラスが毒を栄養剤にすり替えることもできた。でも、それをしなかった。毒をわざと食らうことで、元議員を油断させることができる。
そして何より、しばらく任務に駆り出されなくて済む。
毒を理由に休養を取りたい、が本音だ。
「いくら作戦とは言っても、ヒヤヒヤする。今後はやめてくれないか?」
本気で心配しているような表情で、議員は私を見つめる。
こんなの日常茶飯事なのに。
「申し訳ありません。では議員、後はお願いします。」
「いや、会談はもう不要だ。圧政の元である先代議員も逮捕された。コルサントに戻ることにする。」
「分かりました。アナキンとフェラス、議員をお願い。」
「はい、マスター・アリス。」
「アリス!ちゃんと休むんだぞ!」
「もちろん!しっっっっっかり休むよ!!」
議員をパダワン2人に任せ、私は医療ドロイドに引き摺られて議事堂の医務室へと向かった。
その後、共和国の条例を無視した議員2人は、自治権を正式に剥奪された。後任である代議員の彼が議員となり、自治権を引き継いだ。議員2人は民意の下、賠償金や監視付きなど、厳しい罰を受けることとなった。
そして、私はジェダイ聖堂の自室で点滴を受け、マスター・プロから外出禁止令を出された。
「アリス、体調は、」
「元気だよ!!」
「じゃあ任務に行けるな。報告してくる。」
「待ってアナキンやめて!?」
冗談抜きで、誰も病人の私に優しくない。
その数年後………
「今回護衛に付く、アリス・レインです。」
「私はダンタム・ルード。お会いできて光栄だ、レイン将軍。」
下心大有りの彼が、異性に無関心の私を護衛に指名してきたことで、全てが変わっていった。
その再会で、彼が過激派と言われる理由を知ることになるのだった。
continue……