ジェダイ(仮)と理想主義者(笑)と退職(無断)者の小話。 作:夭嘉
グローグー可愛いすぎて、アリスに保護者やらせてみたw
どうぞご賞味くださいヽ( ゚ 3゚)ノ
モフ・ギデオンの件が片付いて大分経ち、私はナブーの田舎で家族と幸せに暮らしていた。
なんでか知らないけど、ルークから“小さな学校ができた”と報告があった。ノータッチって言ったのに、元マスターだからと進捗を逐一報告される。何度も必要ないって断ってるんだけど、何度も聞き流されている。
そんな折、息子のウィリアムが私に声をかけてくる。
「ママ」
「どうした、ビリー?」
それは庭で、ダンタムとウィリアム用のベッドの相談をしていた時だった。どこかのドロイドがウィリアムに声をかけたのが始まりだった。そのドロイドが密かに息子に接触したようで、ウィリアムに言伝を預けた。
「ふるいおともだちが、ママにあいたいって!」
「古い友達?それよりビリー、知らない人とか知らないドロイドとお話ししちゃダメでしょ。」
「ごめんなさい…」
「ビリー、ママの言う通りだ。これからはすぐパパ達に言うんだぞ。それで、ドロイドはなんて言っていたんだ?」
「あのね、はしのむこうでまってるって。」
家の近くには川があって、その川には橋が架けられている。
ドロイドの言う橋は、それしかない。
「アリス………」
「心配しないで。“友達”って言ってくるくらいだし、すぐ帰ってくるよ。」
「だが、くれぐれも気を付けてくれ。」
「大丈夫、気を付けるよ。ビリー、ちょっと待っててね。」
「うん!」
そのお友達とやらに会いに、私は相手の待つ橋へ向かう。
ここにいるのは、レイアとルーク、モン・モスマしか知らない。例外でボ=カターン達が知っている程度だ。みんなが教えたのなら、敵ではないだろう。
面倒事に巻き込まれなければいいな。
「ええ!?」
呼び出し場所に着いて、私は橋を渡らず立ち止まる。
寧ろ更に数歩下がる。
「久しぶりだな、ジェダイ。」
「何が友達だよ!」
逃げようとすると、相手は静かに引き止めてきた。
「お前を殺しに来たんじゃねぇ。」
「信用できない。キャド・ベイン、私に何をしたか忘れたわけ?」
そう、自称友達を名乗ったのは、賞金稼ぎのキャド・ベインだった。
この男には嫌な思い出しかない。
「あれは仕事だ。恨まれる筋合いはねぇぞ。」
「何の用?どこで私の所在を聞いたの?」
「聞いたんじゃねぇ。探したのさ。噂のある星系をな。」
「すごい執念……」
つまり、ナブー星系を隈無く探したということらしい。それで、私を見つけたということだろう。自力で探し出すとか恐ろしいな。
「そこまでして、なんで私を?」
「ボバ・フェットを憶えているか?」
「うん、この前会ったから。それが?」
「パイク・シンジケートとボバ・フェットの戦争が始まる。そこで、パイクのボスからの取引だ。」
嫌な予感しかしない。
「報酬は払う。人が死んでも、助けを求められても、手を出すな。ギデオンの逮捕に関与したのは知っているからな。」
「ふぅん……私が手を出すと思う?」
「アリス・レイン、家族が大事なら大人しくしていろ。旦那とガキはお前と違って、ただの人間だ。分かったな?」
「いいよ、報酬はいらないし、手は出さない。仮にもジェダイだから、戦争には介入しないよ。」
私の答えは、最初から決まっている。でも、ベインを簡単に騙せるとは思えない。だから最もな答えを差し出した。
「昔と違って物分かりが良い奴だ。だが、なぜ報酬を拒む?」
「何か気に入らないようだけど、ボバへの煽りになる気はないよ。」
「ほぅ?」
「これでも隠遁中だし、面倒なことに巻き込まないでほしいんだよね。」
報酬をもらってしまったら、私はパイク・シンジケートに味方したということになる。ジェダイの影響力は身に沁みて知っている。パイクのボスに踊らされる気は更々ない。
「いいだろう。だが……もしお前がタトゥイーンに現れたら、家族の無事はないと思え。」
「監視なんか付けないでよ?」
「………図々しい女だ。」
「いや、本当にやめてよ。じゃあね。」
何度か釘を刺した後、私はあえて歩いて帰った。
本当は急いで帰りたいけど、ここは冷静にならないといけない。
フォースを使ってベインの様子を探りつつ、私は“逃走”の計画を練る。所在を知られてるから、もうナブーにはいられない。レイアへの連絡は後だ。
まずダンタムとウィリアムの安全が最優先だ。
「ダンタム!!」
「どうした?」
「荷物をまとめて。」
家に入って早々、ダンタムに事の説明をする。そして、すぐに荷物をまとめた。必要最低限のものだけ荷物にして、息子を抱き上げてシャトルに乗り込む。
シャトルでスリープモードのR7-D4を起こし、急いでエンジンをかけさせた。
「え、何?違うよ。ルークにお願いがあるだけ。行く理由?」
R7は座標を見て、私がルークの手伝いをすると思ったらしい。だけど、ルークの下へ行くのは別の理由がある。ダンタムも、R7と同じ問いを投げかけてくる。
「この銀河で今一番安全なのは、ルークのところだから。」
ハイパースペースへ入った頃、ウィリアムは疲れて眠ってしまった。
「一番は君だろう。」
「………今回は違う。」
「アリス……」
ダンタムは私の否定に、これからしようとしていることに気付く。
「ごめん。助けは求められてないけど、ギデオンの件で恩があるから。」
「相手はシンジケートだぞ。」
「だからこそ、ルークのところにいてほしいの。ワガママ言ってごめんなさい。」
「………分かった。だが、無茶はしないでくれ。ビリーは君がいないと寂しがる。」
「無茶はしない、約束する。」
ハイパースペースを抜けて、シャトルはルークのいる星へ着き、竹林の中に着陸する。
私は息子を抱えて、夫と共にルークの学校へと向かう。
「アリス!!」
ルークがグローグーと出てきて、私達の来訪に驚く。ウィリアムを下ろすと、グローグーと一緒に学校の中に駆けていった。
私1人の来訪じゃないことに、ルークは怪訝な顔をする。
「ルード議員、お久しぶりです。」
「スカイウォーカー、元気そうだな。」
「ありがとうございます。アリス、一体どうしたんだ?」
「ルーク、ダンタムとビリーをここで守ってほしいの。」
私の頼みに、ルークはまた怪訝そうな顔をする。
「貴女は?」
「タトゥィーンに行く。」
事情を話すと、ルークはダンタムと同じことを言う。
「シンジケートに喧嘩を売るなんて、本気なのか?」
「喧嘩を売るわけじゃない。今回、ボバは町の為に戦いをしてる。助けに行くべきだと思うの。」
私の言葉に、ルークは驚く。
「以前の貴女なら、ジェダイとしての行動はしなかった。一体どうしたんだ?」
「受けた恩を返すだけだよ。それに、私はジェダイとして行くわけじゃない。」
「アリス………?」
「待ってくれ!これは預かれない!」
困惑するルークとダンタムに、私は今回だけだと言う。
そう、渡したのはライトセーバーだ。
「丸腰で行く気か!?」
「言ったでしょう?ジェダイとして行くわけじゃない。まぁでも、ライトセーバーがジェダイの証になるわけでもない。私は私だし。」
ジェダイは、ライトセーバーがあるからジェダイというわけではない。それを言えば、ライトセーバーを持てば誰でもジェダイだ。ジェダイは平和の守護者であり、行動によって是非が決まる。
私が教える身になって、それを学んだ。
オビ=ワンの言う通り、弟子を育てると同時に、私も多くを学ぶことができた。
「分かった。だが、気を付けろ。ビリーと待っている。」
「議員……」
「ありがとう、ダンタム。」
「まーまー」
幼い息子が、私の足元に来る。
「ビリー、良い子で待っててね。」
「びりー、いいこ!」
「うん、良い子。ルーク、お願い。」
ルークは、渋々頷いてくれた。
すぐにシャトルに戻ろうとすると、ルークは呼び止めてくる。
「僕のレッド5を使って。」
「いいの?」
「ああ。それと……」
そこで、ルークはグローグーを呼ぶ。
「一緒に連れて行ってほしい。」
「え?訓練は?」
「グローグーはあのマンダロリアンといることを選んだ。彼もタトゥィーンにいるんだろう?」
「そうだと思うけど……グローグー、会いたいんだね。」
グローグーにとって、マンドーは父親代わりだ。恋しくなる気持ちも分かる。グローグーの意思を尊重してあげたい。
「おいで。」
グローグーを膝に乗せ、私はレッド5に乗り込んで窓を閉める。ドロイド・ソケットには、R2-D2が鎮座した。相棒のR7-D4は留守を頼んであるから、今は頼れない。
レッド5は大気圏を抜け、軌道へと出る。
そういえば、Xウィングを操縦するのは初めてかも。
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