ジェダイ(仮)と理想主義者(笑)と退職(無断)者の小話。 作:夭嘉
ボバ本編後編!!
なんだこれ。
グローグーの案内でモス・アイズリーの適当なドッグに着陸したものの、私は困惑している。
「いらっしゃ〜い!おめめちゃ〜ん!」
おばちゃんがグローグーを抱っこして、私とR2はフリーズする。
てか、この人誰?
「えっと、グローグーの知り合い?」
「あんたこそ誰だい?」
「私はアリス。グローグーの付き添い兼マンドーの友達。」
「あいつに友達いたんだね。」
友達ではないけど、まぁいいや。
おばちゃんはペリ・モットーと名乗った。このハンガー・ドッグの経営をしているそうだ。どうやらマンドーとも知り合いらしい。
「それで、マンドーは?」
「モス・エスパで仕事だよ。なんだい?落ち着きなって。着いたばかりじゃないの。」
R2がモットーさんに向かって急かす。
「R2、待ってて。私が見てくる。」
「ならあたしが送っていってあげるよ!」
「え?」
「ほら行くよあんた達!」
彼女はリクショーを用意してくれて、私はグローグーを抱えて隣に座った。グローグーは人目に付かないように私の着るマントで隠して、しっかりガードする。
「よーし!出発!!」
ドロイドが走り始め、リクショーは猛スピードで動き出す。
「ありがとうモットーさん」
「ペリでいいよ!あんたは新共和国の人かい?」
「違うよ、私はただのアリス。」
モス・エスパに近付くにつれて、騒音が大きくなっていく。辺りにはパイク達が転がっていて、所々から煙が上がっていた。この光景は、私にクローン戦争を思い出させた。
本当なら、私は手を出してはいけない。
けど、私は黙って見ていられる程賢明じゃない。
「マンドー!!」
ようやくマンドーを見つけ、ペリが彼を呼ぶ。
だが、すぐに怒鳴り返される。
「引き返せ!」
「え?」
「引き返せ!!」
「何だって?」
私の耳は何かの稼動音を捉え、マンドーと同じ方向を見上げる。
次の瞬間、スコーペネク・ドロイドが角から現れた。
「引き返せえええええ!!!」
ペリの叫びに、リクショー・ドロイドはすぐに動き出す。私は振り落とされないように、リクショーにしがみ付いた。マンドーも台座の後ろに乗り、私達は必死に逃げる。
「やっほーマンドー!」
「アリス!?」
「驚くのはまだ早いよ。」
「マンドー、見てご覧よ!」
マントを捲ると、マンドーはグローグーを二度見する。
グローグーは嬉しさのあまり、マンドーに抱き付く。
「なんでここにいる!?」
「グローグーがあんたを選んだってこと。」
「お前は何しに来た?」
「私?グローグーの付き添いと、ボバの応援。ちょっと前に、キャド・ベインが釘を刺しに来たんだよね。」
「キャド・ベインだと!?」
「引っ越し不可避になっちゃったから、応援に来たの。」
次の角を曲がろうとしたら、スコーペネク・ドロイドがリクショーにかなりの距離を詰めていた。
私はブラスターを取り出し、マンドーに加勢する。
「おい!もっと速く走れないのか!」
「もっとスピード出しな!」
「ちょっ…!安全運転して!?」
ペリはそう言って、レンチをリクショー・ドロイドに投げ付ける。スピードは上がるが、スコーペネク・ドロイドは相変わらず攻撃の手を緩めない。私達は何度も撃つが、シールドのせいでドロイドのボディに傷一つ付けられなかった。
「マンドー、ちょっと行ってくる。」
「おい、よせ!」
「あんた危ないよ!」
「平気だって。」
「ダメだ!!」
シールドを越えて、スコーペネク・ドロイドの下に潜り込もうと思ったけど、2人に止められる。
その瞬間、スコーペネク・ドロイドの弾がリクショー・ドロイドに当たり、リクショーはひっくり返ってしまった。
「っ…」
手を伸ばして、私は台座から放り出されながらもペリをフォースで捕まえ、落下の衝撃から守った。私は受け身で転んだ後、真っ先にグローグーを見る。グローグーはマンドーが庇っていて、思わず安堵した。
「驚いた、あんた何者だい?」
「大した人じゃないよ。」
迫るスコーペネク・ドロイドに、私達は必死に応戦する。そこで、スコーペネク・ドロイドは突如上を向いた。その隙に、私達は建物の影に退避する。
「わお……」
建物の上からランコアが現れ、スコーペネク・ドロイドはそのランコアに応戦する。背にはボバが乗っていて、彼がランコアを操っていた。スコーペネク・ドロイドとぶつかり合い、マンドーが反対側の薄くなったシールドを潜り抜けようとする。
ていうか、ランコアって飼い慣らせるんだね。
「アリス!」
「危ない!」
咄嗟に振り返り、テレキネシスでドロイドの脚を受け止める。私は深呼吸して、そのままフォース・プッシュした。スコーペネク・ドロイドがふらついたところを、ボバのランコアが捻り潰す。
「もう1機いる。先に行くぞ。」
「いいよ、行って。」
ボバとマンドーが仲間の下へ行き、私はペリとは違う方へ走る。
「どこ行くんだい?」
「もう1機も、ランコアで事足りる。逃げ出したパイクを一掃してくるよ。」
「気を付けなよ。」
「ありがとう。あ、手錠ある?」
ちゃんとした手錠はなかったが、ペリが即席で作ってくれた錠をもらった。
路地裏に入ると、パイク2人が私に気付く。当然ブラスターを撃たれるけど、ツタミニスで偏向させ、2人の武器を落としてやった。私がジェダイだと悟った2人は、今度はナイフで応戦してくる。
パイク達を捻り倒し、私は2人に即席の手錠をして座らせた。
「クソ!」
「俺達を敵に回すとどうなるか分かってんのか!?」
「あんた達がそれ言うの?」
「何だと!?」
「せっかく助けてあげようと思ってんのに。」
正しくは利用だけどね。
ボバ達の為に、敵側の証人が必要だ。町の人達が証言するだろうけど、ボバの存在を正当化する為でもある。この2人には、その為の証人になってもらう。
「ボバ達には殺さないように口添えする。どうする?私の言葉に乗るなら、ベインからも守るよ。」
「ベインはパイクが雇ってんだ!俺達を殺すはずねぇだろ!」
「本当に?あんた達、逃げ出す気じゃなかったの?」
2人は言葉を詰まらせ、顔色が青くなる。
そう、2人はパイクが負けると思い、逃げ出そうとしていた。クローン戦争でも、同じような人がいた。いつの戦争、どんな戦争でも、逃げ出す者は必ずいる。
「幸い、今のベインにはボバしか見えてない。私の取引に応じれば、生き残る可能性はある。」
「可能性?お前の保証はないのか?」
「決めるのはトップのボバ。私は口添えするだけ。どうする?」
パイク達は顔を見合わせる。
その時、ベインが死んだのを感じた。ボバが殺したらしい。ベインもボバも、私も老いた。なるべくしてなった結果だ。
「マンドーに連絡しておくから、ここにいて。」
「おい!俺達は放置か!?」
「ふざけんな!」
「私急いでんの!誰のせいで巻き込まれたと思ってるわけ!?」
言い返してやれば、捕虜2人は口を噤んだ。
誰のせいと言えば、パイクのせいだ。ベインも、そのパイクが送り込んできた。迷惑以外の何物でもない。
レッド5のあるドッグに戻り、私はR2に帰る旨を告げる。
マンドーに捕虜の場所を教えた後、R2にエンジンをかけさせた。
「遅刻?仕方ないじゃん。はぁ!?私のせいじゃないからね!?」
コックピットに乗り込み、R2-D2に操縦を丸投げする。
と、そこで低い声が私を呼び止めてきた。
「挨拶は無しか?」
「やぁボバ。」
ボバは私を見据えて、無言で気に入らないという顔をする。
「ジェダイの手は必要なかった。」
「だから嫌がると思って、ライトセーバーは置いてきたし、今日はただのアリス・レインとして来たの。」
「騙されると思っているのか?俺は知っているぞ。ライトセーバーがジェダイの証というわけじゃない。」
「あのね、ボバ。私はギデオンの件で恩があるから来たんだよ。これが最初で最後だよ。」
不穏な空気に、R2-D2が私とボバを交互に見る。
「クルーザーで会った時と全く変わってないな。」
「貶してる?」
「さぁな。だが、友人として礼を言う。」
「でも、ハンを殺そうとしたことは忘れてないからね?」
「あれは後悔していない。それに、奴は自業自得だ。」
「相変わらずだね。捕虜は殺しちゃダメだよ。じゃあね、ボバ。」
窓を閉め、レッド5はゆっくり浮上していく。
グローグーはマンドーの下へ戻り、町には平穏が戻った。市長や各リーダー達、パイクの頭領はフェネックが始末したらしい。これで、タスケンの無念は果たされただろう。
クルルサンタン?帝国時代に酷い目に遭ってるから、相棒無しで帰ります。サンティ、マジで怖い。チューイが恋しくなるくらいに。
私は家族の下へ帰って、しばらくした後に移住した。息子の為にも、危険な場所から離れなければならない。政治的な面はダンタムが、シンジケートやギャングなどの悪党からは私が守る。誰にも手は出させない。
家族の未来の為に、私はジェダイの道を歩く。
continue……