ジェダイ(仮)と理想主義者(笑)と退職(無断)者の小話。 作:夭嘉
今回は完全なるネタですw
ちょっと意味深だったり……
とりあえず、気軽に読んでくだせぇw
これは、利害が一致したジェダイとシスの話である。
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クローン戦争の最中、私は“評議会”からの任務でコルサントからそう遠くない星に来ていた。
任務の内容は、至極単純。やりたい放題のどこぞの議員の息子を逮捕すること。その息子は、武力を以って首都を牛耳っているからだ。
私はそのどうしようもない、議員の息子を連行する為に来た。
「大丈夫か、レイン将軍?嫌なら無理をしなくても………最悪、コマンダー・ヘクターと2人で行くぞ。」
「いえ、問題ないです。」
逮捕自体は私だけではできない。だから父親である議員と一緒に同行している。本来なら評議会のジェダイが来るべきだけど、今はジェダイ不足だから私が来ることになってしまった。
「将軍、着きました。」
ベクターの声に、私はコックピットの窓から外を見下ろす。
「レイン将軍、コマンダー・ヘクターとは不仲なのか?」
「そうじゃないんですよ。実は、」
「自分の経歴を捏造しました。」
「ヘクター!!」
「はっはっは!上下関係に無関心と噂のレイン将軍が副官を欲するとは珍しい!」
「私貶されてる?」
「少しは適当さを自覚してください。」
上下関係に無関心って、なんで広まってるんだ。もしかしてフェラスとアナキンと3人で行った任務が原因かな。ちゃんと任務完了してるのに。
ハッチを下ろして議事堂へ向かうと、辺りにはバトル・ドロイドがウヨウヨいた。
「何これ。」
「ドロイド軍です。」
「見れば分かる。なんでドロイド軍がいるわけ?」
「ちゃんと報告書を読んでください。議員の息子は分離派に付いたんです。」
「仲が良いな、君達。」
「「いいえ。」」
空気が悪くて、議員とヘクターをシャトルに帰して1人偵察へ向かう。
あちこちにバトル・ドロイドがいるが、どこか違和感があった。戦略的に、独立星系連合の戦い方じゃない。素人の戦略だ。
問題は、ドロイドの数が多いこと。
ちょっと意味が分からない。
「放置………は、ダメだよね。」
分離派同士ならご勝手にって言いたいけど、そうも言ってられない。
その時、誰かに肩を叩かれ何気なしに振り返ると、咄嗟に視界に入ったものにライトセーバーを抜いた。
「うわぁっ!やめろよ!」
「ブリキ退治!!」
「オレは別のドロイドだ!」
「証拠は!?」
私がそう言い返すと、なんとそのB1バトル・ドロイドは近くにいたB1バトル・ドロイドを撃ち倒した。
「馬鹿じゃないの!?」
「あんたが証拠を欲しがったからだろ!」
「とにかく逃げるよ!」
「そっちじゃない!こっちだ!」
B1バトル・ドロイドに案内されて逃げた先は、地下道だった。
地下道を進んでいくと、1人の人影が見えた。
私はその姿を見て、走る足を止めた。
一気に頭の中が嫌悪感でいっぱいになる。なぜ私がこいつに手を貸さなきゃならないのか。そう頭の中でぐるぐるしてくる。
助ける価値なんてない。
「ジェダイが来ました!シディアス卿!」
「よくやった、ドロイド。」
表の顔は共和国元老院の最高議長。裏の顔はシス、ダース・シディアス。彼のシーヴ・パルパティーンが目の前にいる。
ちゃんと本物だ。
紛れもなく、私を不老の身体にした張本人だ。
「ドロイド、念の為に偵察をしてくるのだ。」
「ラジャラジャ!」
バトル・ドロイドは離れていき、私はシディアスと2人になる。
「久しぶりだな、アリス。」
「昨日会ったじゃん。」
「議長としてだ。」
「同一人物でしょ。」
「ふむ……」
シディアスは、面白くなさそうに私を見る。
私は周りを見渡し、今の状況を整理する。
議員の息子のドロイド軍は、分離派のもの。つまり、ダース・シディアスのものだ。それなのに、ダース・シディアス本人は地下道に隠れている。
思わず吹き出してしまう。
「あはははっ!ドラ息子を操るつもりが、暴走しちゃったんだ!ザマァ!!」
腹の底から、盛大に笑ってやった。不老の身体にされたから、かなりムカついていた。だからめちゃくちゃ笑ってやった。
一頻り笑った後、シディアスを見ると拗ねたような顔をしていた。
「気は済んだか?」
「なんだ、怒らないんだ。つまんない。ドゥークー伯爵はどうしたの?」
「別件で違う任務に行っている。本題に入らせてもらおう。提案がある。」
「え?私が助けると?不老の身体にしたくせに?」
私はニヤニヤしながらシディアスを見る。もちろん下心はある。交換条件で不老を解いてもらえれば、全部解決できるんだから。
「術は解かぬ。」
「は?」
今度は私が不快な顔をする。
「術は解かぬ。」
「聴こえてる。助けてあげるんだから、それくらいの見返りじゃないと吊り合わないでしょ。早く解いてよ。」
「必死なのが見え透いているぞ。」
「………」
今度は私が劣勢になる。
そう簡単には解いてくれないらしい。何年も暗躍し、慎重に計画を進めてきた奴だ。こんな小さな戦いで、私を逃がす気はないようだ。
「そうだな……見返りと言うのなら、選択肢を与えよう。」
「選択肢?何の?」
「それを明かしたら、対等ではなくなる。」
「私の要求が大きいはずないでしょ。不老の術を解くだけなのに。」
「其方にかけた術は、もう1つの計画の要だ。術を解くことは、私にとってデメリットなのだよ。対等な見返りではない。」
もう1つの計画だって?
シディアスの計画は、クローンを使ってジェダイを滅ぼすことだけじゃないらしい。私の身体を不老にして、何かを企んでいるようだ。なぜシディアス自身ではなく、私に術をかけたのか謎だ。
だったら、求めることは1つだ。
「分かった。じゃあ、1つだけ質問に答えて。」
「それだけで良いのか?」
「別にいい。お気に入りはアナキンでしょ?なんで大した才能もない私に構うわけ?」
「光と闇、善と悪……その間で揺れる其方が魅力的だと気付かんのか?」
「私悪に走ってないし。」
「例えの話だ。」
つまり、私は面白い存在って言いたいのか。なんでシディアスを楽しませなきゃいけないんだ。私が雲隠れして余裕ぶっこいたシスが倒れるのを見たかったのに。
心の底から溜め息が出る。
「納得いかない。」
「だが、それが私の答えだ。」
「めちゃくちゃ不本意だけど………マジで不本意だけど………一先ず脱出する。」
「頼もしいな、アリス。」
「今話しかけないでくれる?」
シディアスを連れ、ドロイド軍の死角を通って首都のプラットフォームへと向かう。
途中途中でバトル・ドロイドと遭遇し、そのドロイドはなぜか私が切り倒していた。
「なんで私ばっか戦ってるわけ?」
「其方は現役ではないか。」
「なんか腹立つ……」
ヘクターに暗号通信を送り、私達はプラットフォーム近くのランド・スピーダーの影に隠れる。
なぜ止まったかと言うと、例のドラ息子がそこにいたからだ。
「うわぁ……性格悪っ。」
「アリス、失礼だぞ。」
「本当のことじゃん。」
私達が見ている先で、ドラ息子は民に理不尽な扱いをしていた。彼を捕まえれば民は救われるし、シディアスは邪魔者を排除できる。問題は、私1人でドラ息子をどう捕らえるか、だ。
本音を言うと、シディアスを逃したくない。
けど、私は既に問いに答えてもらうという報酬を得た。報酬とは言いたくないけど、取引は成立してる。何もできないのがもどかしい。
「どうするつもりだ?」
「真正面から行く。」
「何……?」
「聞こえなかった?正々堂々と出て行くって意味だよ。」
「待て!アリス!」
シディアスを無視して、ランド・スピーダーを飛び越えて出て行く。
それから、私は口笛を吹く。
「なっ…!?ジェダイ!?」
「やぁ、えっと……名前なんだっけ?」
「殺せ!!!」
「全く………面倒臭い。」
ドロイディカが3体出てきて、私はライトセーバーを構える。
でも余裕を私に与えたくないのか、ドラ息子はすぐに攻撃命令を出した。私は咄嗟にフォース・プッシュして、両端のドロイディカを押し飛ばす。壁に当たったドロイディカは煙を上げ壊れ、真ん中の1体は私にレーザー弾を撃ってくる。
私はレーザー弾を偏向させながら距離を詰め、勢いよくスライディングする。
シディアスが驚く中、私はスライディングでドロイディカのシールドの中に滑り込んだ。
「何っ!?」
ドラ息子も驚いていた。
シディアスの反応もドラ息子の反応も傍目に、私はライトセーバーでドロイディカのボディーを両断する。
「さて、と。もうドロイドはいないみたいだけど?」
いつの間にか追い付いていたヘクター達が他のバトル・ドロイドを倒していた。ドラ息子は議員立ち会いの下、ヘクターが拘束していた。ドラ息子が連行され、私は辺りを見回してシディアスを探す。
奴の姿を見つけられず、近くのトルーパーに声をかける。
「将軍、どうされました?」
「黒いマントを着た胡散臭い男いなかった?」
「いえ、いません。なぜです?」
「いや、何でもない。」
あいつ逃げやがった。
帰ったら文句言いに行こう。私1人働くなんて不公平だ。シディアスは問いに答えただけなのに、対等じゃない。
「レイン将軍、戻りましょう。」
「分かった。」
ガンシップに乗り、私達はクルーザーへと帰還する。
その後、ドラ息子は法廷で裁かれ、刑務所に送られることとなった。刑期は、10年。長いけど自業自得だ。
そして気になるシディアスは、何気ない顔で議長オフィスにいた。文句を言いに行ったら、あれでも譲歩していたとほざかれた。
あいつ、譲歩の意味分かってんのかな。
それに、もう1つの計画があると言っていた。ジェダイを滅ぼす以外に、何の計画があるのだろう。どうせしょうもない計画だろうけど。
いずれにせよ、私にかけた不老の術は私だけでなく、銀河にも悪影響らしい。
解く方法を見つけなきゃ。
本当に、面倒臭いことをしてくれたな、シディアス。
fin.