ジェダイ(仮)と理想主義者(笑)と退職(無断)者の小話。   作:夭嘉

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ザ・後編!
文字数の比率がおかしいwww





数奇な師弟【後編】

事態は、思っていたよりも早く進んだ。

 

ニーマ・アウトポストから出てきたデイサンとミラミアは、オーチに囲まれ、すぐに手錠を着けられてしまう。

 

私はすぐに追いかけ、オーチ達が船で去っていくのを見届ける。

 

行き先は分かっている。パサーナだ。

 

パサーナ行きの民間船に乗り、私も後を追った。フードを深く被り、誰にも悟られないように隅の席に座った。パサーナに着くまでの間、誰も話しかけてくることもなく、無事に目的地へと辿り着くことができた。

 

オーチの船はまだ到着しておらず、私は気配を殺して、また砂漠を歩く。

 

ふと、額に汗が流れていることに気付く。

 

 

「結構疲れてる……?」

 

 

こんなに長時間もフォースの幻影を飛ばすのは、さすがに身体がしんどいらしい。額の汗がその証拠だ。でも、まだやめられない。

 

デイサン達を助けてからだ。

 

よし、じゃあ行動開始!

 

オーチの船がパサーナの軌道に入り、人気のない砂漠の方へ降りていく。

 

だけど、着陸はさせない。

 

ミサイルを用意して、オーチの船を狙い撃つ。デイサンなら、切り抜けられるはずだ。船が落ちていけば、オーチはそれどころじゃなくなる。その隙をデイサンがどうにかすればいい。

 

船は煙を上げ、砂漠の地平線へ落ちていく。

 

そこで、私の意識は強引に引き戻された。

 

家で目を覚まし、私はゆっくり立ち上がる。でも次の瞬間、立っていられなくて膝をついてしまった。それからそのまま倒れて、現実から意識を手放した。

 

 

気が付くと、いつか来た“あの空間”にいた。

 

ただ前回と違うのは、見覚えのあるテラスだということ。

 

そして、後ろから懐かしい声が私を呼ぶ。

 

 

『アリス』

『ここ、本当に綺麗な場所だよね。』

『来たことがあるのか?』

『一度だけね。エンドアの戦いが終わった後に、ダンタムが連れてきてくれた。』

 

 

所謂コネである。ダンタムがネイベリー家に頼み込み、パドメの為に追悼をした。エンドアの戦いが終わって、まず来たのがこのネイベリー家の別荘だった。

 

 

『アナキン、なんでここに?』

 

 

親友、アナキンは微笑む。

 

昔と変わらず、若かりし頃の綺麗な姿だった。私も見た目が変わらないから、クローン戦争期を思い出す。唯一違うのは、アナキンの雰囲気が柔らかくなっていること。

 

彼の意図は分からない。前回会ったのは、ジャクーの戦い直前。私が暗黒面に引き摺り込まれそうなのを助けてくれた。

 

今回も、理由があるはずだ。

 

 

『デイサンは無事だ。ミラミアは残念だが……』

 

 

ミラミアは助けられなかった。フォースの定め通りだった。それでも、デイサンは助かった。アナキン曰く、オーチはあの墜落でデイサンが死んだと判断したらしい。

 

不幸中の幸いだった。

 

 

『それで、現れたのはなんで?』

『君はルークに、ジェダイの技を完全に教えていないな?』

『必要ないでしょ。特にフォースの幻影なんて。』

 

 

さっき使ったフォースの幻影は、本来なら命を削る。それくらい危うい技だ。私はシスの秘術をかけられているから、命の危機まではいかない。それでも、今回のように倒れる場合もある。

 

それに、ルークはエピソード8で幻影を飛ばして死んでいる。これから先、ルークは必要とされるのに、死なせたくない。だからフォースの幻影は教えなかった。

 

 

『それでは意味がない。君はジェダイの系譜を継いでいるんだ。ジェダイ・マスターとして、全てを教えるべきだ。』

『だったらアナキンが教えたら?』

 

 

そう返すと、苦虫を噛み潰したような顔をされた。

 

意地悪だとは思う。死んだ者が訓練を施すのは、フォースの女官から受ける訓練の為だけ。無理だと分かっている。でも、これくらい言ったって良いだろう。

 

オビ=ワンが私に訓練しろって言ったんだし。

 

当のオビ=ワンと、父のアナキンは直接関わってこないんだから、私には文句を言う権利はある。

 

 

『アリス………』

『分かってる、ごめん。』

『良いんだ。』

『あれからルークと会ってる?』

『ああ。直近ではエクセゴル関連でルークを助けた。』

『え!?』

 

 

情報量が多い。まず初めて聞く“エクセゴル”という単語に、アナキンがルークを助けたという事実に困惑した。しかも直近だ。

 

説明が聞きたい。

 

 

『ルークが立派だとは言っても、君の弟子だ。少しは気にかけてやってほしい。』

『何かあったの?』

『僕の孫が、暗黒面に誘われている。』

『………』

『知ってただろう?それは構わない。それに対して君の息子のウィリアムは、誘われても振り向きすらしないな。』

 

 

まぁ、ビリーはビリーだから。

 

あの子は幼いながらも、私を守ろうと動く。ダンタムに似てきたと思った。父親と同じく、守る必要がないのに私を守ろうとするんだから。

 

 

『ルークが悪戦苦闘しているのは知っているはずだ。』

『アナキン……なんで私が関わらないか知ってるでしょ?』

『聞くまでもない。それから忠告だが……』

 

 

なぜかアナキンの声が遠くなる。意識が戻り始めているらしい。後ろから呼ばれているような感覚になり、私は思わず振り向くが誰もいない。

 

でも、アナキンの忠告は聴こえた。

 

しっかり聞かせていただきましたよ。

 

 

「アリス!!!」

 

 

目を覚ますと、ルークとダンタムが顔を覗き込んでいた。

 

私は自宅のベッドの上で、寝かされていた。

 

 

「大丈夫か?」

「心配したんだぞ。マスター・スカイウォーカーがいなければどうなっていたか……」

 

 

ルークの顔を見て、“エクセゴル”の話を思い出す。

 

私は瞬時に弟子の腕を掴み、真っ直ぐ見上げる。

 

 

「某惑星でアナキンに助けられたって本当?」

 

 

“アナキン”という名前に、ダンタムは驚く。彼にとっても懐かしい名前だろう。そしてルークは、もっと馴染み深い名前だ。

 

何せ直近の話なのだから。

 

 

「………本当だ。」

「一体何の話だ?」

 

 

ダンタムに問われ、私はデイサンの話と、ルークが秘密裏に動いていたことを話した。デイサンの話はルークにとって知らない話で、逆に問い詰められることとなった。これだけの事態になったから、ルークにはある程度話すことにした。

 

 

「デイサンは無事なのか?」

「デイサンはね。ミラミアは……」

「そうか、残念だ。」

 

 

ダンタムに答えた後、少し虚しくなる。

 

もっと自由に動けたら良いのに。私の存在がイレギュラーだから、慎重に動かないといけない。いろいろ行動はしたけど、結果は芳しくない。

 

 

「ルークはなんでアナキンに助けられたの?」

「タイソンで瞑想していたら、石に転送されたんだ。」

「あれってそんな機能あるの?」

「私も知らなかった。フォースは何が起こるか分からない。あれは私が知るべきもので、行くべき場所だったのかもな……」

 

 

着いた先が、その“エクセゴル”だったらしい。

 

 

「アリス、マスター・スカイウォーカーが君に話があるそうだ。」

 

 

その言葉に、私はベッドから起き上がってルークの前に立つ。

 

 

「ダンタム、ルークに計画の話はした?」

「まだ話していない。話すつもりか?」

「話す。私だけの問題じゃないって、よく分かった。計画も変える。」

「計画だって……?」

「ルーク、よく聞いて。」

 

 

私は、ルークに計画のことを話した。私とダンタム、デイサンしか知らない話だ。ルークだけじゃなくて、レイアにも話すつもりだ。

 

一通り話した後、今度はルークの話を聞く。

 

ルークは元々、拐われたカルリジアンの娘を探していて、辿り着いたのがタイソンのシーイング・ストーンからの、“エクセゴル”だったという。それから私が消えた後のパサーナに追い付いたけど、オーチの船は墜落後、消息不明ということだった。

 

そこまで捉えたのに、手掛かりがゼロ。

 

そんな中での、私の謎の動きだったらしい。

 

 

「これも計画の1つか?」

「そう。デイサン達を助けることが、未来への一歩だった。このことは彼にも話してある。だから2人共覚悟はしてたと思うけど、ミラミアのことはまだ後悔してる。」

「アリス、君はできる限りのことをやったんだ。」

「ルード議員の言う通りだ。悪いのはシスの信奉者であって、君じゃない。」

 

 

それは分かっている。だから後悔しているんだ。もっと何かできたのでは、と。

 

 

「ルーク、近々会いに行く。レイアも呼んでおいて。」

「レイアも?」

「これからの計画を話す。2人にも協力してほしい。」

 

 

2人はアナキンの子供で、フォースが強い。だから必要になることも増える。本当は私の都合に巻き込みたくはないけど。

 

 

「分かった。だが、くれぐれも無茶はしないでくれ。まだまだ教えてほしいことが山程あるんだ。」

「もう教えることはないって言ったじゃん。」

「父によれば、君はあえて教えなかったものがあると言っていたが?」

「アリス……」

「それは私が教えたくないの。ダンタム、その顔はやめて。どうしても知りたいなら、古い文献でも探して。」

 

 

私が笑顔で言うと、ルークは不服そうな顔をする。

 

 

「さて、そろそろ行くよ。また会おう、マスター・レイン。」

「フォースと共に、マスター・スカイウォーカー。」

 

 

ルークは椅子から立ち、家を出ようとする。

 

そこで、ルークは思い出したかのように振り返る。

 

 

「ヒントくらいは教えてくれたって良いだろう?」

 

 

昔と同じ表情を纏い、ルークは私にせがむ。昔と変わらないルークに、私は思わず微笑んだ。それと同時に、安心もした。

 

ルークは変わらないけど、まだまだ成長途中だ。

 

やっぱりルークは死なせたくない。

 

 

「やだ、教えたくない。」

「アリス、子供みたいなことをするな。」

「失礼な!ダンタムだってよく止めるでしょ?」

「それは君が、」

「あ、うん、また来るよ。」

 

 

ルークは巻き込まれまいと足早に出ていく。

 

その後、私はまたホロクロンにメッセージを残して、デイサンに届くように仕掛けを施した。メッセージは無事受け取られて、私はスカイウォーカー兄妹に計画を共有した。

 

後は、“子供達”次第。

 

私は見守るだけだ。

 

あ、ルークへのヒント?

 

宙域くらいは教えてあげた。全部を教えたら訓練にならないからね。教え足りないって言ったのはルークだ。そこまで手を出す気はない。

 

あれから、ようやく静かな生活へと戻った。

 

次は10年後か、20年後か………

 

私の役目は、まだ終わってはいない。

 

 

continue……

 

 

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