ジェダイ(仮)と理想主義者(笑)と退職(無断)者の小話。   作:夭嘉

76 / 95
フレンチが食べたい_:(´ཀ`」 ∠):
誰かご馳走してくれぇ


シスのグルメ旅行

これは、エレノア・クラウドとシーヴ・パルパティーンのグルメ旅行の記録である。

 

────────

 

某年、某日。

 

私は議長の護衛で、ナブーへと訪れていた。

 

議長の護衛は建前だ。本来の目的は、“主”の屋敷でシスの訓練をする為である。私とアナキンは議長のお気に入りというレッテルがあるから、今回のようなこともおかしなことではない。

 

そして今、訓練を終えた私と議長は市場に来ている。

 

 

「議長!議長!これ美味しそうですね!」

「さすがはネル。それはナブーの特産品で作られたパイだ。食べるか?」

「良いんですか!?」

「日頃頑張っている弟子の為だ。」

 

 

目を輝かせる私に、議長は後ろから小さく囁く。

 

議長はパイを買ってくれて、さらにコルサントでも食べられるように手配してくれた。

 

一生従います!!!

 

 

「議長!これは!?」

「気付くのが早かったな。その魚は高級魚で、今が旬なのだよ。」

「つまり……!?」

「察しが良い。脂が乗っているということだ。」

「議長………」

「どうした?」

「私ここに永住したいです。」

 

 

いや、無理なんだけどね?

 

あと数年待たないと、ジェダイから解放されないから無理だ。

 

魚も購入してもらい、次に見つけたのは果物屋だった。見た感じはごく普通の桃なのに、なぜか色と形が綺麗だった。不思議なことに、とても唆られる。

 

 

「気になるか?」

「はい!この桃は何なのですか?」

「最近市場に出回ってきたものでな、桃特有の甘味に加えて、熱を与えると特段香りが増すように品種改良されたのだ。」

「焼き菓子に最高じゃないですか!!」

「その通り。これも買っていこう。」

「ありがとうございます!!」

 

 

あちこち回って袋をたくさん抱え、私達は屋敷に戻った。買ったものは全てパルパティーン家お抱えのシェフに預け、私と議長は地下室へと降りる。地下にあるのはトレーニングルームだけではなく、ワインセラーもある。しかも、部屋丸ごとワインセラーだ。

 

何しに来たかと言えば、もちろんワインを飲む為だ。

 

主のワインは美味しいものが多くて最高!!

 

 

「ではネル、ここで問題だ。」

「はい?」

「其方はシスの名を得る際、何を捨てる?」

 

 

突然の問いに、私は悩む。

 

シスに必要なのは、快楽と欲、それに力だ。対して不要なのは、友情や良心、優しさ。今の私は、どちらも持っている。

 

シスに不要なものを持っている私は、普通の答えでは主を満足させられない。

 

それなら、答えは1つ。

 

 

「全てを捨てます。夢を叶える為には、貴方に従うだけで良いのですから。」

「よろしい。それこそ、ネルだ。おっと、料理が出来上がったようだ。ディナーにしよう。」

「はい!!」

 

 

こうして素直に喜ぶ私は、単純だ。夢を叶える為に、何も考えなければ何も問題はない。私は弟子である前に、シディアス卿の僕なのだから。

 

 

「お待たせ致しました。」

「やった!!」

 

 

テーブルに着いてすぐ、お通しが運ばれてきて、食べ終わった後に前菜が運ばれてくる。新鮮な野菜を使った前菜を食べ、次にスープが運ばれてくる。

 

湖水地方で採れた芋のスープが、大変美味です。

 

そして!今日買った高級魚!この後メインの肉料理があるけど、これがメインと言っても過言じゃない!

 

 

「美味しい……!脂が最高…!」

「幸せそうだな。」

「幸せです!」

 

 

議長は苦笑いする。

 

ジェダイだから、こんな豪華な料理食べられないし仕方ない!!

 

 

「来たあああああああっ!!」

「ネル、シェフが引いているから落ち着け。」

「すみません……」

 

 

お口直しのソルベ!

 

今日買った桃のシャーベットが、口の中に淡く広がる。最高すぎる。早くジェダイをやめて、豪華料理を満喫したい。

 

 

「マイノックのグリルでございます。」

「………」

「何ですか?」

「マイノックが好きな人間女性は本当に珍しいものだ。」

「美味しいですもん。」

 

 

マイノックが好きなのは私だけじゃないよ?トワイレックの好物らしいからね?トワイレックに至っては丸焼きみたいだけど。

 

 

「桃のタルトとエスプレッソです。」

「議長……」

「どうした?」

「エスプレッソはいつまで経っても美味しく思えません……」

「その内美味しいと思えるだろう。安心したまえ。」

 

 

甘いものは好きだけど、エスプレッソは本当に苦手だ。舌がお子様なのは、泣きたくなる。こんなに美味しいものをたくさん食べているのに。

 

コース料理が終わり、私と議長はコルサントへ戻る船に乗り込む。

 

私はさて置き、議長は忙しい方だ。その合間に私を鍛えてくれるなんて、本当にすごいお方だと思う。こんなに完璧な方は、他にいない。

 

ジェダイが議長の正体に気付くはすがない。

 

時が来るのが楽しみでならない。

 

早く全てが終わってほしい。

 

 

continue……

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。