ジェダイ(仮)と理想主義者(笑)と退職(無断)者の小話。   作:夭嘉

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めっちゃ力んで5,000字wwwww

ニューリーダー様、大変長らくお待たせしました!
どうぞご賞味(笑)くださいw


【リクエスト回】異端者のお遊戯

マレヴォランスが撃破された後、私はライロスの制圧に手を貸した。タンバーは武闘派じゃないし、ティラナス卿の指示だから動いただけだけど。何より、退屈な制圧だった。

 

そこで、セレノーで待機していた私は、退屈すぎて遊びに行くことにした。

 

因みに、主とティラナス卿は了承済み。主曰く、共和国を引っ掻き回してやれ、とのこと。共和国を引っ掻き回すってことは、主も巻き込まれる可能性があるんだけどね。

 

共和国領、惑星オルデランの首都に降り立った私は、真っ先に酒屋に向かう。

 

 

「クラウド将軍、何をしているか分かっているのですか?」

「分かってるよ。だって、ここにしかないワインが欲しいんだもん。」

 

 

ティラナス卿が了承する条件として、お目付け役の同伴を指示してきた。彼は伯爵邸で唯一、私の素性を知っている警備班の人だ。彼のお陰でセレノーを自由に動けると言っても過言じゃない。暗号名はサンダー。

 

 

「買ったら早々に帰りますよ。」

「もちろん!あ、待って!あの店も行く!」

「私は保護者か……?」

 

 

酒屋を出た後、次は香水のお店を指差す。

 

戦場に立つことが多い私は、煤と埃と血生臭さが何度も染み付く。結婚願望を叶える為に、少しは女の子らしくしたいんだよね。どんなに着飾っても、戦いの臭いが残る女はモテない。

 

 

「貴女らしくない。」

「だからこそだよ!」

「全く…貴女は、っ!将軍!!」

「はぇ?」

 

 

店頭のサンプルを見ていると、サンダーに腕を引かれる。

 

何事かと思いきや、避けたところには弾痕があった。近くに人の気配はないから、狙撃されたと思われる。フォース感応者の私より先に気付くなんて、やっぱりサンダーは優秀だ。

 

というか私が気付かないなんて、少し気を抜き過ぎたかもしれない。

 

2人で人混みに紛れ込み、ドッグのシャトルを目指して走った。

 

 

「これ、私狙いだよね?」

「確実に貴女の頭を狙ってますね。」

「こっわ。あんたは逃げても大丈夫そうだから、先に帰ってて。狙撃手と話してくる。」

「馬鹿なことはやめてください!本当に殺されたらどうするんですか!?」

 

 

本気で心配するサンダーに驚く。いや、これはたぶんティラナス卿に絞められるのが嫌なだけか。だとしても、心配する必要はない。

 

 

「私を誰だと思ってんの?」

「そうですね………ルシル卿。」

 

 

私は1人で出て行き、狙撃手がいる方向に向かって首を切るジェスチャーをする。それから近くにある店の前に立ち、中を指差した。店内に入ってコーヒーを2つ注文して、私は相手を待つ。

 

 

「お客様、他にご注文はありますか?」

「角砂糖、あと2つくれる?」

「畏まりました。」

 

 

トワイレックのウェイトレスが角砂糖を置いて、カウンター奥に消える。

 

砂糖をカップに落として、私はコーヒーを混ぜながら静かに待った。

 

 

「随分余裕みたいだね。」

「ありがとう♡」

「敵を嘗めると足元を掬われるよ。」

「それは大丈夫。」

 

 

反対側に狙撃手が座り、私はもう1つのコーヒーを差し出す。

 

マスクを外して、ちょっと驚いた。狙撃手は女性だ。目付きの悪い厳つい男を想像していた。

 

しかも美人、羨ましい。

 

 

「毒は入ってないから飲んで。」

「敵を招き入れるなんて、どういう魂胆?」

 

 

私を信用したのか、彼女はカップに口を付ける。

 

 

「味は確かに良い。」

「でしょ?私がジェダイだった頃、よく来たんだ。ブラックは苦くて飲めないけど。あ、名前教えてよ。私はエレノア・クラウド。」

「あんたの名前は知ってる。フェネック・シャンド。」

 

 

このお姉さんやばい。

 

フェネック・シャンドといえば、ギルドを通さずに依頼を受ける、凄腕の殺し屋兼賞金稼ぎだ。あちこちに引っ張り凧な、ベテランでもある。酒屋で真っ直ぐ私を狙う辺り、只者ではないと思っていたけど、さすがに笑えない。

 

 

「アタシを呼び出したってことは、何か話があるんでしょう?」

「あ、うん。依頼主教えて?」

「できるわけないだろ。」

「だよね。じゃあ、捕まるから教えて?」

「“じゃあ”で言うことじゃないよ。何を企んでいる?」

 

 

笑顔で手を差し出すと、不信感を持たれてしまった。

 

 

「あのねスナイパーさん、私はフォース感応者だから、大体のことは分かるの。」

「へぇ?」

「共和国領にいる私を撃ってきたってことは、依頼主は共和国の元老院議員の誰かでしょ?私議員が嫌いだから、やられたらやり返すの。あんたは私を引き渡せば報酬はもらえるし、私はやり返せるし、美味しい話でしょ?」

 

 

これが独立星系連合の星なら、こっち側の議員に狙われていることになる。だけど、今回は共和国領にいた。つまり、共和国の議員の誰かだ。誰だろうとどうでもいいけど、黙ってやられる気はない。

 

共和国を掻き回すには丁度良いしね。

 

 

「それで、どうする?」

「分かった。あんたを“共和国”に引き渡す。」

 

 

結局、フェネックは雇い主を教えてくれなかった。でも、共和国とは言った。もしかしなくても、議員の誰かが依頼したんだ。

 

何倍にもしてやり返してやる。

 

 

「取引成立ってことでいい?」

「いいよ。ほら、手を出しな。」

「はい、どうぞ。」

 

 

手錠をかけられ、私はフェネックと一緒に彼女の船に行く。

 

フェネックの船に入り、彼女は共和国に連絡する。すぐに共和国軍のジェダイ将軍が来るらしい。フェネックがコルサントに連れて行くより、ジェダイが来た方が私を確実に連行できると判断したみたいだ。

 

まぁ、私はその方が都合良いけどね。

 

 

「誰が来るって?」

「さぁね。ところで、スタン指示をされたんだけどどうして?」

「あぁ、私がフォース・ドレインを使うからだよ。」

「フォース・ドレイン?」

「相手の生命エネルギーを奪うの。大丈夫だよ。あんたの生命エネルギーは奪わないって。フォースに意志に誓ってもいい。」

 

 

大事な取引相手は殺さない。殺すなら、これから来るジェダイだ。私を連行できるものならしてみればいい。

 

 

「おいでなすったよ。」

「おぉ、ほんとに来た。」

 

 

ジェダイ・シャトルから降りてきたのは、まさかのオビ=ワンだった。降りてきたのはオビ=ワンだけじゃなく、隣にはキ=アディ=ムンディもいる。本気で私を捕らえようとしているらしい。

 

 

「お前が簡単に捕まるとはな……」

「いやいや、このお姉さん怖いからね。」

 

 

逆に考えれば、これはオビ=ワンとムンディを殺すチャンスだ。客観的に見れば不利なのに、自然と口端が上がってしまう。

 

殺し合いだもん、楽しまなきゃ。

 

 

「フェネック・シャンド、報酬だ。受け取れ。」

 

 

フェネックはケースを開け、報酬を確認する。確認が終わったフェネックはケースを閉じ、取引が成立した。報酬を抱え、彼女はジェダイに忠告する。

 

 

「アタシはもう関わらないからね。彼女、とんでもない食わせ者だよ。さすが戦犯なだけあるよ。」

「ああ、分かっている。もう立ち去ってくれて構わない。」

「じゃあね。武運を祈るよ。」

 

 

フェネックはどっちに言ったのか分からないけど、そう言ってシャトルに乗り込む。フェネックの船は飛び去り、私とジェダイだけになる。

 

これからが本番だ。

 

 

「ネル、連行される気はないんだろ?」

「よく分かってるじゃん。何の為にわざと捕まったと思ってんの?」

「あの賞金稼ぎは利用されたのか。なんと不憫な……」

「あのお姉さんに非はないよ。さて、本気でやろうか。」

 

 

フォース・ライトニングを自ら浴びて、手錠を破壊する。昨日受けたばかりの、折檻の傷なんて構わない。苦痛は力になる。

 

恨みや憎しみ、怒りはシスの力の根源だ。

 

感情のままに戦おうじゃないか。

 

 

「楽しくなってきたぁ。」

「クラウド、こちらは2人だ。お前に勝ち目はないぞ。」

「あはははっ!戦争に毒されたんじゃない?数で負けるなら、シスはとっくに滅んでるから!」

 

 

ムンディは2つの脳と2つの心臓があるくせに、何も分かっちゃいない。モール卿が現れた時もシスは滅びたと否定して、ティラナス卿の暗躍も否定した。

 

そして何より、“主”の正体を見抜けていない。

 

ジェダイがシスを裁こうなんて、嘗め過ぎだ。

 

 

「ネル、お前は間違っている。」

「は?何が?」

「シスは生き延びたんじゃない。生き長らえただけだ。違いが分からなければ、お前はここで捕まる。」

「馬鹿じゃないの?私が連行されるわけないでしょ。あと、私はエレノア・クラウドじゃない。私はダース・ルシル。シスの暗黒卿だよ!!」

 

 

オビ=ワンが持つ私のライトセーバーを奪い返し、ムンディに切りかかる。オビ=ワンがムンディに加勢して、私は2人を相手にする。2対1なのに、負ける気がしない。

 

 

「ネル!後悔するぞ!」

「後悔するのはそっち、だよ!」

 

 

ムンディのライトセーバーを蹴り落とし、全力のフォース・プッシュをする。ムンディはジェダイ・シャトルに当たり、気絶した。私とオビ=ワンの戦いになり、彼は苦悩の表情を浮かべる。

 

 

「まず1人。次はあんた。」

 

 

オビ=ワンとプラズマの刃をぶつけ合い、私はひたすら攻めまくる。“ザ・マスター”とも呼ばれるオビ=ワンは厄介だ。守りの型を崩すには、並大抵の技量では不可能。

 

場数で言えば、私の方が少ない。

 

だから、私はジェダイが嫌がる戦い方を選ぶ。

 

 

「ネル!やめろ!!」

 

 

気絶したムンディに、懐から出したブラスター・ピストルで撃つ。

 

狙ってはいない。目的はオビ=ワンを間に入らせることだ。ムンディではなく、オビ=ワンが当たればいいだけだから。

 

 

「っ!!」

 

 

ところが、間に入ったのはクローン・トルーパーの部隊だった。トルーパーの1人が割って入ったことで、そのトルーパーが負傷しただけで終わってしまった。オレンジのマーカーが入った部隊が、ムンディを囲む。

 

オビ=ワンは勢いを取り戻し、一気に間合いを詰めてきて、私のブラスターを切り壊す。

 

私は咄嗟にライトセーバーで防御して、シスの言葉を吐く。

 

 

「なっ、なんだ、っ!?」

 

 

ライトセーバーを通して、私はオビ=ワンの手を石化しようとした。異変に気付いたのか、慌てて離れたオビ=ワンは手を見下ろす。

 

 

「フェアな戦いはない。そう教えたのは、ジェダイだよ。」

「ネル……いや、ダース・ルシル。お前がしているのは戦いじゃない。虐殺だ。」

「それが?」

「何も感じないのか。」

「敵に同情しろって言いたいわけ?無理に決まってるでしょ。」

 

 

感じるとすれば、楽しさだけだ。殺される奴らは、弱いからつまらない。それだけだ。

 

 

「あーあ。つまんなくなっちゃった。もう帰るわ。」

「黙って見逃すと思うか?」

「撃てっ!!」

 

 

クローン・コマンダーの指示で、私に一斉射撃される。

 

だけど、私は撃たれる瞬間に左腕を真上に上げた。その“合図”で、私の目の前にコンテナが落とされる。コンテナが盾になり、一斉射撃で穴が空き、その穴からガスが漏れた。

 

私は袖で口を塞ぎ、上空のシャトルに跳ぶ。

 

閉じるハッチに滑り込み、シャトルはすぐに軌道へと出た。

 

 

「サンダー、ナイスタイミング。」

「そろそろ貴女が飽きるのではないかと思ったんです。」

「飽きたというか、興が醒めた。お迎えありがとう。」

 

 

コックピットのサンダーに再三お礼を言って、私は個室の寝台に横になる。

 

トルーパーさえ来なければ、オビ=ワンとムンディを殺せていた。戦争を仕掛けたのはシスだけど、トルーパーは思ったより面倒臭い。ティラナス卿とシディアス卿の計画に賛同したけど、クローンが厄介になりつつある。

 

まぁ、最後さえ役に立てば文句はない。

 

これで、元老院も頭を抱えることだろう。

 

ザマァ見ろ、元老院議員。

 

────────

 

その後、評議会会議場でエレノアについて話し合われた。帰還したオビ=ワンとムンディは、エレノアの危険性について進言する。ヨーダは2人の言葉に、眉間を寄せる。

 

 

「クラウドは殺しに快楽を感じている。」

「説得は無理か……」

 

 

ムンディの言葉に、ウィンドゥは溜め息を吐く。

 

 

「ネルは新たなシスの秘術を使いました。私の手を、石にしようとしました。このまま放置はできません。」

「依頼したター議員は、酷く怯えておる。」

「議長は何と仰っていますか?」

「共和国での手配は犠牲者を増やすだけ、と。」

 

 

しかし、ジェダイ評議会は全員一致でエレノアの逮捕を覆さなかった。まず、ヨーダがジェダイへの転身を信じていたからだ。ジェダイはそれを利用されているとは知らず、ヨーダに続いてオビ=ワンも信じ続けた。

 

 

「マスター・ムンディ、フェネック・シャンドがエレノアと組んでいた可能性はありますか?」

「いいえ、あり得ません。」

 

 

アリーの問いに、ムンディは否定する。

 

 

「マスター・ムンディの言う通りです。仮に組んでいたとしても、彼女はネルに脅されていた可能性があります。いくら凄腕とはいえ、シスに逆らうことは叶わないでしょう。」

「マスター・ケノービ、マスター・ムンディ、ご苦労だった。」

「引き続き、エレノアの捜索を続けよ。」

 

 

会議が閉廷して、評議会の面々は会議場を出て行く。

 

最後に残ったフィストーは、コルサントの夕焼けを見つめる。

 

フィストーは、会議で一言も発言しなかった。エレノアの師であるフィストーは、弟子が闇に沈んでいくのを感じた。悲しみが大きくなり、彼は膝の上で拳を握る。

 

やがて、フィストーは立ち上がって会議場を出て行った。

 

ジェダイとエレノアは互いの考えていることなどつゆ知らず、想いを巡らせる。

 

このすれ違いさえも、シスの手の平の上とは誰も知る由はなかったのだった。

 

 

continue……

 

 

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