ジェダイ(仮)と理想主義者(笑)と退職(無断)者の小話。   作:夭嘉

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闇の崇拝者達【前編】

帝国が滅んで数年後、私は夫と娘と一緒に旅を続けていた。

 

定住を避ける理由は1つ、監視されたくないから。

 

共和国は私達の自由を承諾したけど、無視したわけじゃない。最初の頃は、黙って監視されてやっていた。だけど、これでは自由とは言えない。

 

だから行方を眩まして、旅を始めた。

 

これは、フェラスも同意の上だった。

 

そんな中、噂が聞こえてきた。

 

 

「最悪だ………」

「お前のせいじゃない。」

「けど、世間はそう思わないよ。」

 

 

コックピットで頭を抱える私に、フェラスは事実だと言う。

 

聞こえてきたのは、シス関連のものだった。ただ、問題はシスではなく“ダース・ルシル”だ。ダース・ルシルが、また問題を引き起こしたんだ。

 

シンジケートから聞いた話だと、ダース・ルシルを信奉する者達がいるという。

 

そう、シスである私の信奉者だ。

 

教えてくれたのは、クリムゾン・ドーン。信奉者達が相手にしているのは、共和国だけではない。シンジケートやギャング相手にも、喧嘩を売っている。

 

 

「アナキンには伝えたか?」

「“パドメ”には伝えた。」

「おい、あいつに言わなきゃ意味がないだろ。」

「無理。ブロックされてる。」

 

 

あれから、アナキンは私の連絡を拒否している。理由は分かる。シスとして生きる私に触りたくないんだ。

 

私の生き方は受け入れてくれたけど、彼には罪悪感があるらしい。

 

友達だからこそ、私を許す気はないようだ。

 

 

「パドメに言えば、共和国にも新ジェダイ組織にも伝わるでしょ。」

「お前って奴は………」

「問題はそれよりも、信者達のこと。私は一度だって容認したことはない。」

「シスの信奉者は危険だ。放置はできないな。」

「分かってる。」

 

 

フェラスの言う通り、放置はできない。娘もいる。このまま放っておいて、娘が巻き込まれるなんてダメだ。

 

 

「フェラス、ステフを守ってて。私が動く。」

「だが、」

「信奉者共がつけ上がったのは、私のせいなの。だから、私がケリを付ける。」

「分かった。俺達はシャンドリラへ向かう。気を付けろよ。」

「うん。あんたもね。」

 

 

フェラスにキスをして、急いで支度する。

 

私は1人で町に出て、真っ直ぐある場所へと向かう。

 

どの星にも、シンジケートに繋がっている人がいる。表向きはバーの主人だったり、食堂のオーナーだったり、様々だ。今回向かう先もクラブで、その店のバーテンダーが連絡要員だったりする。

 

クラブに入り、私は人混みを通ってカウンターの男に声をかける。

 

 

「テキラは?」

「あんた誰だ?」

「いいから、ルーシーがライトニングを呼んでるって伝えて。」

 

 

男は不満そうな顔をしながらも、奥に入って“テキラ”と呼ばれる男を呼びに行く。

 

やがて、懐かしい顔がカウンターの向こう側に立った。

 

 

「やはり貴女でしたか。」

「久しぶり、サンダー。」

 

 

出てきたのは、セレノーのドゥークー家に仕えていたあのサンダーだ。

 

分離主義派がシディアス卿に処分されて以来、彼は即座に行方を眩ませた。頭が切れるサンダーは、帝国から逃げ切っていた。その後は反乱軍にも加わり、諜報部に貢献していた。

 

帝国がなくなってからは、この星のクラブを経営して生計を立てている。

 

 

「何年ぶりでしょうか、クラウド将軍。」

「もう将軍じゃない、エレノアでいい。それに、私は今客として来てる。手伝ってほしいことがある。」

 

 

何かを察したのか、サンダーは私を連れて奥の部屋に通す。

 

私が座ると、サンダーは酒を差し出した。

 

 

「再会の酒です、どうぞ。」

「ありがとう。」

「それで、貴女に手伝いが必要とは?」

「パイク・シンジケートと会いたい。」

 

 

そう言うと、サンダーは酒で咽せる。

 

何か問題を起こすと思われたらしい。今の私が静かに暮らすことを望んでいるのは、サンダーも知っている。その私が、自ら嵐に飛び込むなんて、信じたくはないだろう。

 

 

「なぜシンジケートと……」

「別のシンジケートから聞いたんだけど、私の信奉者がいるんだって。」

「貴女の信奉者なら、放っておいては?」

「放置して、娘に何かあったら困る。」

「あぁ、ステフお嬢様ですか。あの子はお元気ですか?」

「元気だよ。って、そうじゃなくて、パイク・シンジケートと会いたい。橋渡しをお願いしたいの。」

 

 

パイク・シンジケートと会えるように頼むけど、サンダーは乗り気じゃなかった。

 

しかも嫌そうな顔をしている。

 

 

「共和国は知っているんですか?」

「知らない。でもパドメには言ったし、問題ない。」

「しかし盟約があるはずです。」

「シスとして活動するわけじゃない。大丈夫だよ。」

 

 

サンダーに食い下がると、何とか了承してくれた。

 

彼が連絡をして、私1人で合流することになった。パイク・シンジケートは向こうから来るらしく、私はこのクラブで待つだけ。

 

あと、彼らに見返りを用意しないと。

 

 

「エレノア」

 

 

カウンターに出ていたサンダーが、慌てて控え室に入ってくる。

 

 

「絶対店に出ないでください。」

「何?どうしたの?」

「噂をすれば、貴女の信奉者が現れました。」

「なんで私の信奉者って分かるの?」

「見れば分かりますよ。」

 

 

サンダーの言葉に、私はホールを覗き込む。

 

彼がなぜ私の信奉者と言ったのか、よく分かった。

 

私の首には、シディアス卿に彫られた古代シス語がある。私と同じタトゥーを持つ者達が、ホールにいる。彼らが、ダース・ルシルの信奉者達だ。

 

どうやら、誰かを探しているらしい。

 

控え室に戻ると、サンダーが裏口に通してくれた。

 

 

「恐らく、目的は貴女でしょう。」

「ほんと、サンダーって鋭いよね。」

「どう見ても貴女を探しています。ホールにいた客には目もくれず、控え室を見ていましたから。」

「え、こわ。」

 

 

迎えを待っている余裕はなさそうだ。

 

その時、ブラスターを撃たれて私とサンダーは身を隠す。信奉者共が次々と現れ、確実にサンダーを狙っている。誰を先に潰せばいいのか、よく分かっているみたいだ。

 

 

「サンダー!先に逃げて!」

「しかし貴女は、」

「私は大丈夫だから!」

「すぐにパイクが来ます!少し辛抱してください!」

「ありがとう!」

 

 

サンダーが逃げたのを見計らい、私はシスの言葉を吐く。

 

これ以上、被害を広げるわけにはいかない。

 

 

「お待ちください!」

 

 

生命エネルギーを使おうとすれば、信奉者に止められた。

 

まさか止められるとは思わず、思わず信奉者の後ろにフォース・プッシュをしてしまった。

 

 

「我々は敵ではありません。」

「嘘は吐かない方がいい。クリムゾン・ドーンから聞いてるから。」

「分かりました。お互い嘘はやめましょう。率直に言います。我々と来てください。」

 

 

素直に行く奴はいない。

 

はっきりNOと言った。

 

 

「私の信奉者って言ったっけ?私は銀河なんかどうでもいい。だから行く気はないよ。」

「ルシル卿、貴女は全てを知らない。」

「全て?」

「我々は、“シス”の信奉者です。ヤヴィン4へ同行してください、ルシル卿。貴女やシディアス卿では役不足なんですよ。」

 

 

その瞬間、信奉者達はスタン・ビームを撃ってくる。

 

だけど当たるわけもなく、私はスタン・ビームを避け続ける。所詮相手は非フォース感応者。私の敵にはならない。

 

 

「では、強行手段でやらせていただきます。」

「っ!?」

 

 

さっきまで何も感じなかったのに、いきなり信奉者のフォースを感じ取れるようになった。即座に、脳裏でイサラミリが浮かんだ。私の真似をして、イサラミリのバブルを使ったのか。

 

私を腕力で止められないと諦めたのか、他の信奉者達はブラスターを投げ捨てる。

 

ところが、信奉者達はナイフを取り出して自らの手の平を切りつけた。

 

何をするのか予期して、咄嗟にUターンする。

 

 

「逃がしませんよ。」

「っ!!」

 

 

大量の生命エネルギーが渡り、男はシスの言葉を吐く。緑色の炎が四肢を拘束して、私は男の下へ引き摺られていった。他の信奉者達は生命エネルギーがなくなり、次々と倒れていく。

 

自らの命を何とも思わない彼らに、僅かでも恐怖を覚えてしまった。

 

 

「っ……やめないと取り返しの付かないことになるよ!」

「我々の望みは、シス帝国の再建。貴女では止められない。」

 

 

首に微かな痛みを感じて見てみると、シリンジで刺されていた。

 

眠気が襲ってきて、強制的に意識の底へ呑まれていく。

 

意識を取り戻したら、全員地獄に突き落としてやる。

 

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