ジェダイ(仮)と理想主義者(笑)と退職(無断)者の小話。   作:夭嘉

94 / 95
A×E×S -S side-【後編】

目を覚ますと、私はアリスの旗艦にいた。

 

私は医務室にいて、点滴されていた。医療ドロイドが慌てて駆け寄るけど、そんなこと構うことなく腕から針を抜く。急いで私服に着替えて、私はブリッジに走った。

 

時々クルーザーが揺れて、まさかと思ったけど戦闘中だった。

 

ブリッジに入ると、私達がいるのは惑星ケッセルだった。

 

 

「サム!良かった!大丈夫か!?」

 

 

ブリッジにいたオビ=ワンが、私に気付いて声をかけてくる。

 

そこで、私は違和感を抱いた。

 

 

「アリスは……?」

 

 

ついでに言うと、アナキンもいない。

 

このヴェネター級クルーザーは、アリスの第908艦隊の旗艦だ。アリスはジェダイ将軍で、本来なら指揮する立場にいる。つまり、旗艦のこのブリッジにいないのはおかしい。

 

 

「私がインターセプターに乗せた。」

「え、指揮は?」

「総指揮は私がしている。今回はネルを捕まえたいからな。アリスには特攻してもらった。」

 

 

一気に心配になった。

 

あのアリスに器用なことができるんだろうか。

 

 

「大丈夫なの?」

「あれでもマスター・プロの弟子だ。厳しく鍛えられているから問題ない。」

「あー……」

 

 

それを聞いて納得した。今のアリスはその反動だろう。あの人、絶対逃亡癖があるな。

 

 

「私もインターセプターに乗るよ。」

「それこそ大丈夫か?」

「うん。ちょっとアリスを助けないといけない理由ができたの。」

 

 

エレノアの術を受けて、私は別世界を垣間見た。一種のパラレルワールドみたいなものだ。その中には、未来だと思われるものもあった。

 

私が気になったのは、アリスが“ダース・ヴェイダー”と対峙していたこと。

 

何より気になったのは、アリスが歳を取っていないこと。私がさっきエレノアからされたことを考えると、アリスはシスから何かの術を受けたみたいだった。それに、強いフォースを感じた。

 

アリスには何かある。

 

 

「一体どうした?」

「シスの企みを止めるだけ。」

「気を付けろ。」

「ありがとう。」

 

 

ブリッジから出て、私はハンガーベイに走った。

 

ハンガーベイに着くと、コマンダー・ヘクターにある機体の前に案内された。

 

 

「ケノービ将軍のデルタです。ケノービ将軍から指示を受け、準備ができております。」

「他の機体にしない?」

「デルタはジェダイ用に仕様変更されています。ケノービ将軍は貴女なら使い熟せる、と。」

「だったらアリスがこっちの方が良かったんじゃない?」

「レイン将軍はダメです。先日自身のデルタをお陀仏にしたばかりなので。」

 

 

苦笑いしながら、私はオビ=ワンの言葉に甘えてデルタに乗り込む。スイッチを全部入れて、私はハッチが開き切るのを待たずに、隙間から飛び出した。

 

ドロイド・ソケットには、オビ=ワンとよくいるR4がいる。

 

 

「よろしく、R4。」

 

 

R4は元気良く返事して、私は通信回路を開く。

 

発進してすぐ、オビ=ワンやアナキン達から通信が入ってきた。

 

 

『サム、アナキンに続け。』

『私じゃないの!?』

『僕の腕の方が上でしょう?』

「私もそう思う。」

『ひどくない!?』

 

 

アナキンの機に続いて、私は旋回しながらヴァルチャー・ドロイドを撃ち落としていく。R4が上手くフォローをしてくれているお陰だ。

 

私が出てきたことで焦りを感じたのか、〈ディスペアー〉から有人機が出撃してくる。

 

 

「ダース・ルシルが来たよ!」

 

 

エレノアのインターセプターは、アリスの機体を明確に狙っている。しかも、撃墜まで行かなくても動けなくする気だ。絶対に阻止しなければならない。

 

 

『OKサマンサ!◯ラゴン◯ールの悟◯式で行くよ!』

「ちょっと待って意味が分からない!」

『Zの引き延ばし用の運転免許取得編あるじゃん!私とサマンサしか分からないやつ!』

『アリス!どういうこと!?』

『サマンサ!よく聞いて!私達にしか分からない戦法なの!行くよ!』

「待って…!?心の準備が…!!」

 

 

私の声も虚しく、アリスはわざとエレノアの機に追尾させた。確かあの免許編で、悟◯はコントロールの失った車から脱出している。無人の車、炎上、脱出の単語しか引っかからない。

 

つまり、どういう意味?

 

 

『アリス!!』

 

 

アナキンの悲鳴にも似たような声に、私も絶句する。

 

アリスはエレノアに至近距離まで近付かせると、緊急脱出する。脱出したアリスは酸素マスクを着けていて、ジェットパック代わりにR7-D4に貼り付いていた。そのままアリスとR7は旗艦を目指し、エレノアは間一髪で避けたものの掠ってしまい、仕方なく引き返していった。

 

肝心のアリスのデルタは、エレノア機の後ろのヴァルチャー・ドロイドに当たり大破してしまった。

 

同時に、〈ディスペアー〉率いる艦隊は撤退していった。

 

アナキンが追おうとするけど、それはオビ=ワンが引き止めていた。

 

 

『深追いはするな!』

『しかし、』

『アリスとサムがいる状態で追跡するつもりか?』

『………戻ります。』

 

 

私達も旗艦に引き返し、アナキンが報告書を作りに行った。どうしてアナキンが報告書を書いたかと言うと、ブリッジに戻ったらコマンダー・ヘクターのアリスへの説教が始まったからだ。インターセプターを潰したのは、一度や二度だけじゃないらしい。

 

ヘクターが説教している間、私はオビ=ワンに声をかけた。

 

 

「今回は残念だったね。」

「まだチャンスはある。だが、アリスとお前を加えるのはやめた方が良さそうだ。」

「そうだね。じゃあ、私はそろそろ帰るよ。ダース・ルシルに借りは返したからね。」

「ああ。今回は助かった。感謝しているよ。………苦労するね。」

 

 

まだ終わらない説教を見て、私はオビ=ワンに小さく呟く。

 

 

「アリスはトゥーカだと思って、我慢している。」

「悟り開いてない?」

 

 

オビ=ワンの目が据わってる。怖い。程々にしようね、アリス。

 

一旦ヘクターを止め、私はアリスやヘクターに別れを言い、迎えに来た〈ホーガ・フォレスト〉に乗って艦隊を後にした。

 

その後、私はいつもの日常へ、アリスは戦場へ、オビ=ワン達も戦場へ戻っていった。

 

開戦前にアリスに言われた、悪夢の話がかなり気になるけど、あれはアリス自身の問題だ。アナキンとアリスの関係は、特別だ。正反対のように見えて、2人には共通点も多い。

 

未来が暗いものじゃないことを、祈り続けるしかない。

 

未来は、常に揺れているのだから。

 

 

continue……

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。