カズマ「……」
気がつけば俺は……床は白、周りは黒の部屋にいた
いや、部屋というより空間っていうべきなのだろうか
多分ここが死後の世界ってところなんだろうな
アレ?
なんだ?……今、変なデジャヴュを感じた……
たしか俺は………魔王と相討ちで………死んだんだった………
???「どうして……」
カズマ「は?」
俺は……その声を聞いて驚いた……
なぜなら……
アクア「どうして………私がここに……」
俺の目の前には………あの世界で別れた筈の……ウチのバカがいたからだ……
そしてここでもう一つ気づいたことがある
カズマ「!………格好が……ジャージ!?」
俺は魔王と最終決戦した際……冒険用の服で戦って…死ぬ最後まで着ていた……なのに今の格好はジャージ……
まるで一番最初に戻ったかのように
それに………俺のポケットには……日本で死んだ際にジャージ以外に唯一持っていたサイフが……念の為…中を見てみると
カズマ「……中身が……エリスじゃない……」
そう……俺が異世界に転生した際……サイフの中は円ではなくエリスになっていた……なのに……今見たら円だった……額もしっかり覚えている……
という事は……
カズマ「俺達…」
アクア「私達…」
カズマ/アクア「最初に戻っている!?」
△△△△
どうなってるんだ?
確かに俺は魔王と相討ちしたはずだ
そしてアクア達と別れた筈だ……なのになんで……
アクア「…………佐藤和真さん……あなたには選択肢が3つあります……ですが……貴方だけは3つのうち2つは抜きにして、3つ目の異世界行きにします……」
は?
突然アクアは事務的な対応をしてきたかと思えば……俺の意見なしに俺の選択を決めた
いや、本当に最初に戻ったなら俺が選ぶのは異世界行きだが……
アクア「異世界に行ってもすぐに死なないように……まあ……あなたなら簡単には死なないと思いますが……あなたに一つだけ……強力な転生特典を持たせますのでこのカタログから選んでください………」
そう言ってカタログを投げてきた
………こいつ……もしかして……
俺はアクアの顔を見た
その顔は……何処か…何かを我慢しているようで……泣きそうな顔をしていた
………フッ………バカなやつだな……本当に…
カズマ「決めた……」
いや……最初から決まっていたの間違いだな
俺は立ち上がると
カズマ「俺の転生特典は……」
右手の指をゆっくり前に………
カズマ「アクア……お前だ……」
アクアに………ウチのバカに指差す
アクア「…ふぇ……?」
その次の瞬間……俺たちの足元から光が出たかと思うと……やがて……俺達を光が包んでいった……
△△△△
カズマ「ここは……」
レンガで出来た家々が立ち並ぶ、中世ヨーロッパのような町並みが見え、周りはちょっとした草原になってる十字路に、俺達は立っていた
またデジャヴュが……
これは……ただいま異世界って言うべきなのか…
アクア「なんで?……」
俺は…隣に立っているアクアの方を見た……
アクア「なんで……私を連れ出したの……」
カズマ「……お前……
俺が魔王と相討ちになって死んだこと…………自分のせいだって思ってないか?」
アクア「!」
俺の言葉にビクッとしたがやがて……
アクア「だって……だって………私が……一人で勝手に動いたから………自分一人で終わらせようとしたから……魔王には捕まるし……カズマ達に迷惑かけちゃうし…………カズマが……死んじゃうし……もう……嫌……私が……私なんかが居なければ……カズマが……死ぬ事なんて無かったの……!」
ポツポツと喋りだした
そんなアクアを俺は
アクア「!」
抱き締めた
突然俺に抱き締められた事に驚いて…話していた口が止まった
カズマ「全く……お前は……変な所で責任感じやがって…………確かに……俺が死んだのは……お前のせいかもしれない……けどな………あの時……俺は……あの場で、お前やめぐみん達を守る為に死んだ事に対して……後悔なんかしていない……」
アクア「……!」
カズマ「むしろ……あそこでお前達の内、誰かが死ぬほうが……俺は後悔する……『どうして…助けてやれなかったのか』ってな…………」
アクア「……どうして……ねえどうしてよ!……なんで……私を…選んだの……」
カズマ「はあ?……そんなもん決まってんだろ
アクアだからだ」
アクア「え?」
カズマ「聞こえなかったか?アクアだからだって言ったんだよ………お前は…自分が居なければ良かったなんていってるが………お前が居たから今の俺があるんだよ………家族を失くして……親友達まで亡くなって…この世になんの未練も亡くなった俺に……生きる目的が出来たのは……お前やめぐみんやダクネスが居たからだ」
アクア「……」
カズマ「だから俺……お前に感謝こそすれど、恨んだりはしない………なあアクア……一度しか言わないからよく聞いてくれよ………
ありがとうな………俺と出会ってくれて……俺の……失っていた生きる気力を取り戻させてくれて……俺に……家族が生きていた時の……当たり前だけど居心地のいい場所を…作ってくれて……」
俺は……これまでずっと言わなかった感謝の気持ちを全てさらけ出した
カズマ「そして………また、俺と一緒に来て欲しい……また、俺の隣に立ってほしい……また…一緒にバカやってほしい…」
もう…俺の中で……アクアが居ない世界は考えられない……それくらい俺は……こいつといるのが好きみたいだ…
アクア「……でいいの…」
カズマ「は?」
アクア「……゛わ゛私゛で゛い゛い゛の゛?゛……゛私゛は゛……゛多゛分゛…゛ま゛た゛カ゛ズ゛マ゛に゛迷゛惑゛を゛か゛け゛る゛と゛思゛う゛わ゛……゛そ゛れ゛で゛も゛………゛一゛緒゛に゛居゛て゛も゛い゛い゛の゛?゛……゛カ゛ズ゛マ゛の゛隣゛に゛立゛っ゛て゛も゛い゛い゛の゛?゛……」
おれの胸に顔をうずめていたアクアが……涙を流しながら俺に聞いてきた……
カズマ「今更なんだ………お前が何やらかしても、何時だって何とかしてやっただろ……だから問題ねえよ……………お前は……俺と居たくないのか?…」
アクア「゛ふ゛ぐ゛っ゛……そんなこと無い!……一緒に居たいに決まってるじゃない!!……生まれて初めてよ……ここまで一緒に居たいって思える人に………出会ったのは……」
カズマ「じゃあ…」
アクア「……また、迷惑掛けることになるかも知れないけど………これからもよろしくね!カズマ…」
カズマ「……ああ、一緒に……この世界を、生きていこうな!……相棒…」