ガンダムビルドダイバーズ リビルドガールズ   作:守次 奏

45 / 75
気圧の変化にやられているので初投稿です。


第四十二話「黄昏ビーチサイド・ハニー〜誓いのコア・チェンジ!」

【水着】GBNフォースフェススレ Part.325【開幕】

 

1.名無しのお祭りダイバーさん

このスレッドはGBN内で不定期周期で定期的に開催される大型イベント、フォースフェスについて語り合うスレッドです。コンテストの投票など、専門的な話題についてはフォースフェス個別スレでお願いします。

【GBNまとめwiki】https〜

【GBNコーディネート相談スレ】https〜

【GBNフォースフェスメンバー募集スレ】https〜

 

 

※※※

 

312:名無しのお祭りダイバーさん

いやー、午前の部熱かったな!

 

313:名無しのお祭りダイバーさん

まさかミス・シーサイドが同率一位になるとか思わなかった

 

314:名無しのお祭りダイバーさん

フユちゃんだっけ、リアルアイドルやってるっぽいし「アルス・マグナ」の勢いに押されて芸能事務所もGBNに進出し始めましたねクォレハ

 

315:名無しのお祭りダイバーさん

ダイバールックで私服っぽいやつが充実してんのも有名ブランドやファストファッションのコラボがあるからだし本当探せばなんでもありそうだなこのゲーム、最高がすぎる

 

316:名無しのお祭りダイバーさん

バエルお嬢様がガチで宗教画だったな……

 

317:名無しのお祭りダイバーさん

あれならバエルの元に喜んで集うわ

 

318:名無しのお祭りダイバーさん

でもあのお嬢様ガチでマクギリスが好きか本人の基準でアグニカじゃない奴は相手にしてくれないから……

 

319:名無しのお祭りダイバーさん

FOEさんとオーガとクオンちゃんにボロ負けしてるの勘違いして挑んでった「ボルケーノ」の連中が初手リミッター解除からの20秒で3タテされたのはおハーブが生えますわ

 

320:名無しのお祭りダイバーさん

あの子実力だけなら三桁の英傑と同レベルあるからな、無謀な喧嘩売ってるせいで勝率四割なだけで

 

321:名無しのお祭りダイバーさん

何がそこまで彼女をアグニカに狂わせたのか

 

322:名無しのお祭りダイバーさん

でもすげえわかるわ、原作でイマイチ活躍できなかったからバカにされたりネタにされてる機体全力で作り込んでミキシングを粉砕した時の快感は異常

 

323:名無しのお祭りダイバーさん

そろそろ総合スレ行くか自重しような、午後の部も水着回の消化試合かと思ったらクソ熱くて面白かった

 

324:名無しのお祭りダイバーさん

>>323

お前さん水着フェスは初めてか? あのなんでもありなバレーボールもどきもクッソ熱いのよ、「リビルドガールズ」が初手でレシーブ返しコックピット天誅したのはクソ笑ったけど

 

325:名無しのお祭りダイバーさん

うみみ……(戦慄)

 

326:名無しのお祭りダイバーさん

サ◯ーゴ兄貴このスレにもいて草

 

327:名無しのお祭りダイバーさん

そりゃ海の話だし……

 

328:名無しのお祭りダイバーさん

「リビルドガールズ」といやあいつら決勝まで進んで優勝したんだっけ

 

329:名無しのお祭りダイバーさん

どんな球も拾って殺人スマッシュに繋げるあのSDのサポーターっぷりがMVPだな、シナンジュ改造したやつのスマッシュもやべーけど

 

330:名無しのお祭りダイバーさん

乗ってる奴の性格は正反対なのになんか噛み合ってんだよなあいつら

 

331:名無しのお祭りダイバーさん

傭兵やってるブーメラン戦隊な銭ゲバと元シルバリィの自治厨だっけ? よく空中分解しないよなあいつら

 

332:名無しのお祭りダイバーさん

「リビルドガールズ」といえばアイカちゃんとエリィちゃんがガチっぽい写真ガンスタグラムに上げてて、めっちゃ可愛いんだけどなんていうか目が死んでるっていうかホラーな感じでヒェッ……ってなった

 

333:名無しのお祭りダイバーさん

あの子たちは最初からガチよ、アタシは見抜いてたわ

 

334:名無しのお祭りダイバーさん

ワイトもそう思います

 

335:名無しのお祭りダイバーさん

(´・ω・`) アイ×エリが王道の激重感情百合っぷるならチィ×アキはおねロリかつバディものの爽やかさであのフォースは百合好きには天国よね

 

336:名無しのお祭りダイバーさん

>>333

>>334

気持ちはわかるがダインスレイヴが落ちて来ない内にカップリングスレに戻るんだ、それと>>335、俺もそう思うけどそれはそれとして出荷な

 

337:名無しのお祭りダイバーさん

(´・ω・`) そんなー

 

338:名無しのお祭りダイバーさん

このご時世別に珍しいもんでもないしな

 

339:名無しのお祭りダイバーさん

それはそれとして「リビルドガールズ」もすっかり名前聞く常連だな

 

340:名無しのお祭りダイバーさん

フェススレでも見かけるようになるとは思わなかったわ

 

341:名無しのお祭りダイバーさん

なんか「ビルドダイバーズ」みたいだよなあいつら

 

342:名無しのお祭りダイバーさん

メンツの性格は全然似てないけどな

 

 

※※※

 

「……ってなわけで分捕ってきたぜ10万BC、なんでもありで狭いコートだってんならまあお手のもんよ、アキノありきだけどな」

「いえ、チィ。貴女がいなければ私はスマッシュに専念できなかったでしょう。この手の戦いは得てして後方支援役が軽視されるものですが、私は貴女こそこのフォースの屋台骨だと思っています」

「そりゃどーも、なんか素直に褒められると背筋がむずむずすらぁな」

 

 表彰式での、ミスターMSとFOEさんによるインタビューを終えて帰ってきたチィは優勝の証である金メダルを、特に興味もなさそうにインベントリに仕舞い込みながら、アキノからの激励を受けて少し照れ臭そうに、明後日の方向へ顔を背けた。

 その頬は仄かに紅潮していて、チィもなんだかんだで年相応なんだな、と思いながら四分割された10万BCをストレージにストックしつつアイカは苦笑する。

 フォースフェスは全てのプログラムを終えて、宴もたけなわといった風情でこそあったが、ある意味本番といえるのはここからであり、この夕方から夜九時にかけての時間に行われる、有志たちによる「夏祭り」だった。

 有志といっても出資してるのはほとんどGHCだが、テクスチャ上にそれっぽい発光パターンを浮かべるのではなく、物理演算を利用したプログラムでわざわざ火薬から何からを書き起こして花火の仕組みを一から実現するその狂気の実装と、それを大量のアクティブユーザーを抱えているサーバーで走らせても処理落ち一つすら起こさないGBNの高性能っぷりも中々イカれている。

 屋台の味を再現したイカ焼きをもごもごと頬張りながら、黄昏の時間にそれぞれの夏を過ごしているダイバーたちを見送りつつ、アイカは傍らで苦戦しつつもまたラムネを飲んでいるエリィの姿に苦笑する。

 

「ラムネ、気に入ったの?」

「……は、はい……けぷっ、その……ごめんなさい……はしたなくて……でも、飲むの大変ですけど、美味しくて……」

「あはは。なら良かった。フォースフェスに参加した甲斐があったね。リアルに戻ったらあたしの家でご馳走してあげるよ」

「……本当、ですか……!? けぷっ……あ、あの、ごめんなさい、恥ずかしいところも……見せちゃうかも……しれませんけど……」

「気にしないって、あたしとエリィちゃんでしょ?」

 

 多分気道で持て余した空気をけぷけぷと吐き出している仕草がそうなのだろうけれど、正直なところそのなんだか小さな子供みたいな仕草も含めてエリィのことを可愛いとアイカは思っているし、何よりもう一緒に入浴して一緒に寝床を共にしたのだ。

 寝癖のついたすっぴんだってお互いに見せ合ってるわけだし恥ずかしがることなんてほとんどない。

 リアルではセミロングとショートの中間程度ではあるが、短く切りそろえているのに尚寝癖がひどい自身の髪の毛を指先で弄びながら、アイカはエリィの背中をそっと摩った。

 

「わりーけどもうチィは突っ込まねーからな、そんでアイカ、用件あんだろ? 花火始まっちまう前にとっとと済ませとこうぜ」

「貴女も花火を楽しみにしているのですね、チィ」

「うるさいやい、茶化すなよアキノ……ったく、そんで今度のフォース戦を申し込んできた奴らは……『イグナイターズ』か、まあ、正面から殴り合ったらチィたちがちょい不利ぐらいの相手だね、そんじゃあ……50万賭けようか」

 

 チィはアキノからの悪意の全くない指摘に頬を染めながらも即座に元に戻って、金勘定をするときの悪い笑顔を浮かべると共にいつもの右手の親指と人差し指で輪っかを作る仕草を見せながら、アイカたちにそう提案する。

 50万BC。それはめいめいに買い物をしていたフォースの共有財産から考えれば結構痛い出費ではあるのだが、チィが強気の条件を出すときは大体が勝てると踏んだ時だ。

 アイカはにやりと唇に三日月を描くチィを見据えて問いかける。

 

「その心は?」

「アイカ、お前なんか隠してんだろ?」

 

 ──それもチィたちにも秘密にしときたい、とっておきの切り札だ。

 厳重に施錠した鍵を開け放ち、胸の扉から心を覗き見たかのようにチィはアイカからの問いにそう答えた。

 秘密にしておきたい、というわけではなかったのだけど、確かに何かサプライズっぽいことはしたくて、それで色々と考えた結果次のフォース戦前のブリーフィングでお披露目するつもりで。

 あわあわと両手を振りながら頬を赤らめるアイカに、キャノンボール・バリボーにエリィと出なかった時点でバレバレだぜ、と追撃をかけつつ、チィは手にしていたリンゴ飴を一息に噛み砕く。

 

「まあ怒ってるわけじゃねーよ、ただそんだけ気合込めて作ったってことなんだろ、その隠し球は? だったら勝とうが負けようが派手にいこうじゃねえか、誠意は言葉じゃなくて金額……いわばこいつはチィがお前の可能性に出せるご祝儀みてーなもんだぜ、アイカ」

「あはは……やっぱりチィちゃんには敵わないなっ☆」

「へっ、伊達に銭ゲバやってねえからな……っと、とりあえずその『イグナイターズ』の兄ちゃんには伝えとけよ、チィが代理やっても構わねえけど、あいつら仁義を重んじるタイプだかんな」

 

 それだけ残すと、チィはひらひらと手を振りながら踵を返して、大量の水ヨーヨーを左手にぶら下げ、噛み砕いたリンゴ飴の代わりに綿飴をインベントリから取り出すと、それに豪快にかぶりつく。

 

「チィ、どこに行くのですか?」

「んあ、食べ歩きとか射的とか? アキノも来る?」

 

 チィはとりあえずアイカとエリィのズッ友コンビの邪魔にならないように「夏祭り」を巡るつもりでいただけで、特に行き先は決めていないし、やることも花火を見るまでは時間潰しだとさえ思っている。

 そういうこともあり、チィは何の気無しに問いかけるアキノへとフルアーマーな左手を差し伸べたのだ。

 差し伸べられた手に対する反応は、困惑だった。

 早速エリィと二人きりの世界に入ってラムネを飲んだり、「インディア・エリア」から出張してきたSSSランクダイバーが営むアクセサリー屋の露天で彼女に似合いそうなものをアイカは決めているし、アキノは別にそれについても、チィの行動についても何か咎める意図があったわけではなく、ただ純粋な疑問として問いかけただけだ。

 結論からいってしまうと、アキノが仮想の海での出来事とはいえ、誰かに夏祭りを一緒に巡ろうかと誘われるのは、生まれて初めてだったのである。

 だからこそ、差し伸べられた手にいつかのアイカから、そして他ならぬチィが提案したことで寄り合ったあの日の、フォース結成未遂の日を思い出して、アキノは小さく涙ぐんだ。

 

「……っく、ぐすっ……申し訳ありません、チィ」

「え、何? そんなにイヤ? チィと夏祭り行くの泣くほどヤなことなの?」

「……いえ、違います……こういったお祭りに誰かから誘われたのは、生まれて初めてなので……感極まってしまったのです……」

 

 アキノは右手で顔の下半分を覆って涙を堪えるが、あまりの出来事に閾値を超えたそれはぽろぽろと絶え間なく碧眼から溢れて止まらず、仮装の浜辺をそっと静かに濡らしていく。

 ──まあ、そうだろうな。

 そんなことを思っても言わなかったのは優しさなのか甘さなのか。

 金勘定以外での行動なんて損得ぐらいしか考えていなかったからこそ、チィもまた己の中に芽生えた感情に、少しばかり複雑な思いを抱くのだ。

 

「……ああ、そういう……それこそ、生まれて初めての相手がチィみたいな銭ゲバで良かったわけ?」

「……いえ、でしたらそれこそ私のような……」

「あーもうまどろっこしい! ほら行くぜアキノ! 景品はどうでもいいけど射的のおっちゃんカモってキャノンボール・バリボーの延長戦と洒落込もうぜったく!」

 

 ──だから、チィはこいつのママでもなんでもねえ。

 自分の中にそういう鬱陶しさだとか諦めにも似た感情があることを認めながらも、どうしてか落涙するアキノを放っておけず、中途半端に伸ばされた手を強引に取って、チィは露店街のある方向へアキノを引っ張っていく。

 

「あっ、ちょっと、チィ……!」

「たこ焼き」

「は……?」

「チィは水ヨーヨーで左手塞がってっからアキノの奢りな、それでいいだろ?」

 

 誠意は言葉じゃなくて金額だからな、友情料金だ。

 チィの唇が紡いでいたその言葉だって紛れもない本心で、涙ぐんで本当に嬉しそうにはにかむアキノを見ていると、なんだかチィの中にも穏やかな仮装の春にも似た、今まで抱いたことのない感情が顔を出してきて、そのやり場に困ってしまう。

 それでも、チィはその思いが嫌いじゃなかった。

 例え、嫌おうとしても反応がそれを拒むことを理解していた。

 誰かがガンプラに懸ける思いがあるように、魂があるように、それはきっと人と人の間にも介在するのだろう。

 繋いだ手が伝えてくれる仮想の温もりを胸に仕舞い込むようにチィはいつも通りニヒルに笑いながら、三人前の食事を買って、二人前を頬張っていくアキノの健啖っぷりと、そこに笑顔があることを受け止める。

 ぶっちゃけ、GBNの中でも海の家や屋台で出てくる料理なんて四十点かそこらが限界で、現実同様に特別に美味しいわけではない。

 チィは記録でしか知らないが、二年前の第一次有志連合戦においてチャンピオンであるクジョウ・キョウヤがその主人を務めるフォース、「AVALON」のフォースネストで振る舞われた料理は、味覚フィードバック機能がベータ版と呼べるようなお粗末な出来だった時でも、一流シェフが作った味がしたらしい。

 それでも、仮にチィがその有志連合戦とやらにいて、チャンプから一流の料理を直々に振る舞われたとしても。

 

「ん、たこ焼きうめぇな中々」

「そうですか?」

「少なくとも今までチィがGBNで食ってきた飯の中では一番うまい」

「……水やアイスコーヒー、果ては氷を食べてまで粘っているからでは?」

「こんにゃろう」

 

 せっかく人が言うとこ、風情のあることを言ってみせようとしたのに台無しだ。

 アキノの鈍感っぷりに呆れながらもチィはその言葉を疑似感覚が伝える安っぽいソースと小麦粉と蛸の味と共に呑み下して、代わりに一つ、心の中で言葉を紡ぐ。

 ──例えチャンプに呼ばれて飯を奢ってもらう機会があっても、迷わずチィは今アキノから奢ってもらったたこ焼きを選ぶだろうよ。

 言ってもきっとアキノは首を傾げるだけだからこそ、言葉に代えてチィはアキノの手を引いて、屋台を巡り続ける。

 そこにある想いに、本物と偽物、現実と仮想の国境線は引かれていないと、ここにある全ては紛れもなく仮想でありながら本物だと、「はじめての夏祭り」をリードするように、いつの間にか浴衣に着替えていたチィは慌てて水着から浴衣にダイバールックを切り替えるアキノの手を引いて、電海に浮かぶ黄昏の浜辺を走り続けるのだった。

 

 

 

「オレたちからの挑戦、受けてくれて感謝するよ」

 

 フォースフェスの翌日、ロビーに集まった「リビルドガールズ」に向けて、ザフトの赤服に身を包んだ明るい茶髪の男、グラウカッツェは手を差し伸べながらそう言った。

 

「いえ、あたしたちもあんな条件でしたけど……大丈夫でしたか?」

「何、博打は嫌いじゃないんでね。放課後の部活みたいだと思ったオマエたちが思ったよりスリルを求めてることには驚いたが……いいじゃないの、そういう若さ、嫌いじゃないぜ」

「あはは……それじゃ今日はよろしくお願いしますっ☆」

「互いに勝った負けたに拘らず、いい試合にしようぜ」

 

 がっちりと握手と言葉を交わしたグラウカッツェとアイカは、それぞれフォースメンバーの元へと戻って、戦場として指定された、「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」に登場する工業コロニー、アーモリーワン内部へと向かうべくフォース戦を承諾し、決戦の場へと解けていく。

 事前の情報共有では、相手の「イグナイターズ」はリーダーであるグラウカッツェがガンダムタイプを、そして残りの三人がグフの系譜にある機体を使う、ということがチィから伝えられていた。

 

『グフタイプってのが何かわかんねーけど……想定されんのはグフカスタム、フライトタイプ、重装型、もしくはイグナイテッド辺りだな、外れたらわりーけどイグナイテッドは確実に、派生機のクラッシャーかもしんねーけどいると思うよ』

 

 グフ。ガンダムベースでも広く人気を誇っている、初代ガンダムにおいて「ランバ・ラル」大尉が乗っていた機体であり、それの各種バリエーションも含めて売れ行きがいい商品だと店長が太鼓判を押していたことをアイカは思い出す。

 

『やっぱヒートロッド、あれと格闘戦特化でアムロを追い詰めたのが人気の秘訣なのかねぇ』

 

 ノリスだって事実上シローに勝ったようなもんだし、ハイネだって印象に残るキャラだった、作り手にもグフが好きな人が多いんだろうねぇ。

 しみじみと語りながら、サンプルとして展示された「HGCEグフイグナイテッド(一般機)のポーズをいじるときに、赤色のクリアパーツで掲載されていた鞭のようなものを店長は持たせていた。

 確か、触れた相手に電撃を流し込むスタン系武装だったはずだ。

 どんなグフであれ、基本的にはそれを持っていると思って警戒しなければいけない。

 仲間たちが次々と戦場へ飛び立っていく中、アイカは自身の手で作り上げた新たなる剣を振るうべく、その操縦桿をキツく握りしめる。

 

『え、エリィ……リビルドウォート、発進します! アイカさん、ご武運を……!』

 

 一足先に、昼休みに「それ」を見ていたエリィが、戦場に飛び立ったのを確認して、アイカは少し変わった重量バランスを手に馴染ませるように、カタパルトへと愛機の足を下ろした。

 ──君は、GBNを、そのガンプラを愛しているのかい?

 いつかチャンプが問いかけてきた言葉が脳裏をよぎる。

 しかし、今のアイカであればそこに惑うことなく答えられる。

 

「コメットコアガンダム……ううん、違う!」

 

 カタパルトから戦場へ飛び出していく愛機の姿は確かにコメットコアガンダムを原型としていたが、その装備は大きく様変わりしていた。

 アンテナはユニコーンガンダム3号機フェネクスのパーツを利用することで「精霊の冠」と呼べるほど荘厳な形状に、しかしその向きは原型機と同じであり、剥き出しだった肩にはSDCSウイングガンダムゼロ(EW版)からコンバートされた装甲が施され、そして。

 

「コアチェンジ……コメットトゥフェアリィ、エボリューション! これがあたしの上に進むための翼、どこまでもこの世界を旅するあたしの……『フェアライズガンダム』だッ!」

 

 その背には、幅詰めや肉抜き埋めなどの工作が施された同キットからコンバートした真っ白な翼と、原型機から引き継いだ縁であり魂であるビルドボルグが接続されていた。

 アイカが叫んだ、明日への翼。

 主人の想いに応えるべく──【コメットコアガンダム】を核とした、【フェアライズガンダム】は雄々しくも可愛らしく、その翼を広げて戦場に白い羽のエフェクトを振りまいていく。

 星屑から、願いを運ぶ妖精へ。そして、与えられたその力は戦場を切り裂く「妖星」たるべく、アイカは新造したアタッチメントである「コアバスターライフル・フェアライズ」を構えて、その号砲を戦鐘の代わりに、生まれ変わった愛機と共に戦場の空を羽ばたくのだった。




後継機登場、これもまたコアチェンジ?


【フェアライズガンダム】……アイカがリビルドウォートと密かに並行して開発していたが、どこまでが自分の限界でどこまでが機体の限界なのかがわからなかったためにパーツの設計図だけで止まっていた、新たなる愛機。コメットコアガンダムを文字通りその「核」として、足りなかった部分にSDCSウイングゼロEWからコンバートした装甲を足し、機動力を強化しつつ「カッコ可愛く」まとめた渾身の作。尚、アンテナの変更についてはエリィとの連携をより強化するためという目的の他にも一つ機能が隠されている。

尚、名前は「Faily」と「Rerise」のダブルミーニングであり、ここからもう一度皆と共に、エリィと共にGBNの空を、この世界を旅するというアイカの願いと、いつか「コアガンダム」の本当の使用者と出会ったときに伝えるべきことを伝えるためにこの電脳の空を、架空のソラを飛ぶという誓いが込められている。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。