ブラウンシュヴァイクからフォーゲルに転生したけど、立ちはだかったのはヤン・ウェンリー(原作読破済み転生者)だった   作:ひいちゃ

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第31話『要塞対要塞がこんなところで!~第二次フレイア星域会戦』

 ガイエスブルグ要塞。アルテナ星域に配置されている宇宙要塞である。

 なぜ帝国内陸部にあたるこの星域に作られたかは未だに謎である。そのガイエスブルグ要塞は、現世においても貴族軍の拠点として使われ、帝国正規軍を大いに牽制した。

 そのことの反省から、内乱終結後は、主砲ガイエスハーケンのシステムは完全に破壊され、まさにただの置物と化した。ただそれでも、宇宙港の機能や主砲以外の防空システムは凍結されているだけでいまだ健在であり、イゼルローンほどの強力さはないが、要塞としてはいまだ生きているのだ。

 そのガイエスブルグを、パフティマス・シロッコや彼に従う私兵や地球教徒、トリューニヒトの子ら(トリューニヒツ・チルドレン)の残党が占拠し、蜂起した。これは大きな問題である。

 

 さっそく、再編を果たしたワーレン艦隊とケンプ艦隊が急行するが……。

 

「ワーレン閣下!」

「どうした!」

「ガイエスブルグ要塞周辺に重力歪曲反応! ガイエスブルグがワープします!」

「なんだと!?」

 

 そして両艦隊の前で、ガイエスブルグ要塞は空間の歪みを残して消えた。

 それを見たワーレンは歯ぎしりしてうめく。

 

「やはり、ヤン・ウェンリーが言った通りになったか……。ワープする前に制圧したかったが……」

 

* * * * *

 

 一方、そのガイエスブルグ要塞。要塞はワープアウトし、フレイア星域まで到達していた。

 

「ふふふ、見たか、俗物どもめが! このガイエスブルグを使って、私が帝国を潰してくれるわ! その後は同盟を潰し! 私がこの銀河を征服してやる!」

「し、シロッコ様!」

「どうした!?」

「前方に……!」

 

 オペレーターが指さした先。メインスクリーンに映し出されていたのは、なんと、イゼルローン要塞とその前面に展開する、帝国軍フォーゲル機動艦隊群の司令部直属艦隊、そして同盟軍のヤン独立軍、独立軍司令部直属艦隊だった。

 

* * * * *

 

「まさか、我らが同盟軍と肩を並べて戦うことになるとはな。それにしてもヤン提督。本当に卿が私の指揮下に入っていいのか?」

『はい。共に戦うとはいえ、我々はいわば部外者です。その部外者が指揮するというのもおかしな話でしょう。帝国の中でのことは、帝国の者が指揮するというのが筋だと思います』

「そうか、わかった。だが私は戦術に関しては今一つのことがある。助言をいただければありがたい」

『了解しました』

 

 というわけでわしは、同盟軍艦隊とともに、このフレイア星域に展開していた。なぜわしがいるかというと、シロッコとやらの破壊工作により、他の艦隊の出撃が大きく遅れてしまい、すぐに動けるのがわしだけになってしまったからだ。

 しかし、ヤン提督の戦略眼はさすがだ。彼は、シロッコがあの停戦会議の襲撃に失敗した時、ガイエスブルグ要塞を拠点に蜂起し、さらにそれをもって帝国首都のオーディンを突くであろうことを見抜いていたのだ。

 それだけではない。ガイエスブルグのワープ航路まで読み、このフレイア星域で迎え撃つのが適切と導いた。彼によれば、アルテナからオーディンのあるヴァルハラ星域までワープして進むには、ブラウンシュヴァイクからフレイアを経由するルートと、マールバッハ、マリーンドルフ、カストロプを経由するルートの二つがあるが、マールバッハルートは空間が不安定な箇所が多く、ガイエスブルグのような巨大要塞をワープさせるには無理がある。なので彼は必ず1番目のルート……フレイアを経由するルートを通るだろう、とのことだ。

 そこで彼は、アイゼンフート会戦終結後すぐに、イゼルローン要塞に使い捨てのワープエンジンを取り付け、最短ルートを通らせてフレイア星域にイゼルローンを移動させていた、というのだ。むろん、我が帝国へは事後承諾だ。

 なお、それにさいし、トゥールハンマーのシステムに応急処置を行い、一度だけ発射できるようにしたとのことだが、それとワープエンジンの調達については、ヤン提督からルビンスキー元フェザーン自治領主からそれについて問い合わせ、肯定的な答えを得ると、と大至急同盟首都に連絡を入れて、ルビンスキーの(フェザーンでの同盟軍出撃を妨害した罪への)恩赦と引き換えにそれを依頼してもらうなど手を尽くしていたという。本当にたいしたものだ。

 

 ……と。

 

「閣下、感心している場合ではありません。ガイエスブルグから、艦隊が出撃してきました」

「ふむ。結構出てきたな……。向こうは三艦隊か。独特な艦だが……」

 

 一方のヤン艦隊旗艦ヒューベリオン。

 

「あれは……」

「サラミス級を元にした艦みたいだね。見るに、一カ月という短期間で数を揃えるために、かなり設計を簡略しているみたいだ。防御力はこちらの艦よりかなり落ちるだろう。多分それを補うために……」

「閣下、敵艦隊から艦載機らしきものが発進してきました!」

「やはりMSか。しかも、ガブスレイとは、シロッコ氏らしいね。さて、こちらも艦載艇を発進させてくれ」

 

 そして舞台は、わしの座乗艦、シェルフスタットⅡに戻る。敵艦隊が艦載艇らしきものを出してきたのは、わしのほうからも見えた。

 

「閣下、同盟軍から艦載艇が発進しました」

「よし、こちらもワルキューレを出すぞ。同盟軍を遅れをとるな!」

 

 わしのシェルフスタットⅡを始めとした各艦からワルキューレが次々と発進していく。

 

 かくして、この銀河最後の戦い、第二次フレイア星域会戦の幕が開けた!

 




今回、話の展開上、ご都合主義な部分も入れてありますがご容赦ください;

さて、次回、いよいよ第二次フレイア会戦が本格的に始まりますよ!

次回『落ちろカトンボ!~第二次フレイア星域会戦』

転生提督の歴史が、また1ページ
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