ブラウンシュヴァイクからフォーゲルに転生したけど、立ちはだかったのはヤン・ウェンリー(原作読破済み転生者)だった   作:ひいちゃ

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ここから、いよいよリヒテンラーデとの最終決戦に入ります。

そして訪れる、ブラ公最大の危機!


第6話『さよなら、シェルフスタット』

 さて。オーディンの衛星軌道上、及びヴァルハラ星域を掌握した我が艦隊群だが、肝心の宰相・リヒテンラーデには逃げられてしまった。

 どうするか……と考えていると、我が旗艦シェルフスタットに通信が入った。ローエングラム司令長官からだ。

 

『宰相には逃げられたか』

「はい。あの逃げ足には、恐れ入るばかりです。真似ようとは思いませんが」

『全くだな』

「問題は、宰相がどこに逃げ込んだかですな。自領のリヒテンラーデ星域か、それとも、フェザーンに亡命か……」

 

 わしがそう尋ねると、ローエングラム司令長官は最初からわかっていたかのように即答した。

 

『いや。あの老人にとって、帝国の権勢は自分の命の次に大切なもののはず。それを捨てて亡命するとは考えられんな』

「ということは、リヒテンラーデ星域で、最後の抵抗に出ることが考えられる、と」

 

 わしがそう言うと、彼はうなずいた。

 

『うむ。それで、戦いを終えたばかりであるが、卿に命じる』

「ははっ」

『先行してリヒテンラーデ星域に進出し、星域の状況及び宰相軍の戦力を偵察すると共に、宰相軍をけん制せよ。私も、ミッターマイヤー、ロイエンタール、ビッテンフェルト、ワーレンの艦隊とともに、そちらに向かう。もし宰相軍が撃って出てきたら迎撃してかまわぬが、主星エルヒンゲンの攻略は私が到着するまで控えよ。宰相が、隠し玉を用意していないとも限らぬ』

「了解しました。オーディンとヴァルハラ星域はどうなさいます?」

『卿が宰相派の巡検艦隊を壊滅させた以上、心配はあるまい。宰相派の残存艦隊には、キルヒアイスの指揮下に入るように伝えておく。それと、レンネンカンプの艦隊もまもなく、貴族軍残党掃討の任務を終え、オーディンに帰還する。それだけあれば、宇宙は問題はなかろう。地上にはキルヒアイスとケスラー、モルトがいる』

「であれば、私も安心してリヒテンラーデ星域に迎えます。改めて、了解しました。それでは我が艦隊はこれより、リヒテンラーデ星域に向かいします」

『うむ。卿の帝国軍人と』

「しての責務を全うせよ、ですな」

『……うむ。頼むぞ』

 

 そして通信は切れた。ローエングラム司令長官、最後にちょっと面白くなさそうな顔をしていたな。まぁ、今までのちょっとした仕返しができて少しすっきりした。懲罰を喰らったりしないか心配だが、彼に限ってそんなことはないだろうから大丈夫だろう、うむ。

 さて、これから忙しくなるぞ。

 

「よし、艦隊を再編。済み次第、リヒテンラーデ星域へ向かうぞ」

「了解しました」

 

* * * * *

 

 さて、そんなわけで我が艦隊群はリヒテンラーデ星域にやってきた。

 今のところ、宰相軍が出てくる気配はなさそうだが。

 

「よし、さっそく偵察を始めるぞ。何か嫌な予感がするので、無人艦を一隻、惑星エルヒンゲンに向かわせろ」

「了解しました」

 

 さっそく偵察を出す。

 スクリーンに、偵察艦からの映像を映し出させると、美しい惑星エルヒンゲンの姿が現れた。それはどんどん大きくなってくる……エルヒンゲンに接近しているから当然だが……が。

 

「なんだあれは?」

 

 エルヒンゲンの衛星軌道上に、何か羽らしきもののついた物体が浮かんでいるのを見つけたのだ。

 

「防御衛星でしょうか?」

 

 と、次の瞬間!

 

 ブツッ

 

 突然、偵察艦からの映像が途絶えた。

 

「やられたのか? しかし、一体何が起こったのかわからぬな……」

「防御衛星からの攻撃かもしれませんが……」

 

 参謀長のナイゼバッハも頭をひねっている。彼にも、何が起こったのかわからないようだ。

 むぅ、これはやはり、ローエングラム司令長官が言っていた「隠し玉」かもしれんな。

 

「よし今度は、五隻ほどを、分散して向かわせよ。そうすればさすがにわかるだろう」

「了解しました」

 

 そして再び送り出す。そしてエルヒンゲンに接近していき……そしてわしは見た!

 

 エルヒンゲンの一角がピカッと光ると、そこから光線が放たれ、それはあり得ない曲がり方をしながら進み、偵察艦の一撃を貫いて撃沈させた!

 曲がり方がありえないのもそうだが、光線の威力もなかなかのようなものだ。さすがに、トゥールハンマーやガイエスハーケン、カストロプにあった火炎直撃砲ほどではないが、それでも、一撃でエネルギー中和磁場を突き破り、戦艦を撃沈するほどの威力はありそうだ。これが、宰相の隠し玉か……。しかし……。

 

「光線を曲げる原理はわからぬが、これは厄介だぞ……」

「ありえない方向から攻撃を受ける可能性もありますからな……」

 

 ナイゼバッハと二人して考え込む。そこに。

 

 警報が鳴り響いた!

 

「何事だ!」

「我が艦隊群の斜め後方から敵艦隊! 怒涛の勢いで接近してきます!」

「迎撃せよ!」

 

 さっそく我が艦隊からレーザーやミサイルが飛び、敵艦を撃破していく。だが、奴らはそれでもひるまず、なおも突撃してきた!

 その勢いはすさまじいようで、中には我が軍の艦に衝突して共に自爆するものまでいた。この被害も考えず突っ込んでくる動き、これは……。

 

「AI制御の無人艦か……! 謎の兵器にAI制御の無人艦。とことんまで楽しませてくれるな……!」

「ど、どうするのだ、フォーゲル司令!?」

 

と、ヒルデスハイム伯か聞いてくる。いたのね、君。

 

「仕方あるまい。ここで回頭するわけにもいかぬ。敵艦隊がやってくるのとは逆の方向に後退……いや、この場合は前進か。とにかく急げ!」

 

 かくして我が艦隊は、敵の無人艦隊から逃れるように宙域を進んでいく。だがそれは、敵の狙い通りであり、我が艦隊を窮地に追い込む布石でもあったのだ!

 

「司令、前方に!」

「エルヒンゲン! しまった、あの無人艦隊は、我々をここに追い込むための……!」

 

「ものだったのか」と言おうとしたその時!

 

 ドゴオオオオオ!!

 

 艦橋を激しい振動が襲った!

 

「何事だ!?」

「直撃です! レーザーらしきものが、我が艦の予備燃料庫を貫通しました! 燃料に引火、消火不能!」

「さらに被弾! 火器管制システムがダウンしました!」

 

 オペレーターの報告にぞっとする。もし炎が動力炉に到達したらやばすぎる! 本当にレーザー水爆の弾薬庫でなくてよかった。

 ともあれ、このままではわしらもこの艦と運命を共にすることになりかねん。こうなったら即断即決だ。

 今までご苦労だったな、シェルフスタット……。

 

「仕方あるまい。司令部を他の艦に移す。一番近い戦艦はどれか?」

「はっ。レグナシュトルムであります」

「よし、では退艦し、その艦に移乗する。急げ!」

 

 ただちに退艦及び司令部移転の準備を進めるわし。そして……

 

 わしの旗艦・シェルフスタットは大きな閃光を発して、爆沈した!!

 




さぁ、果たしてブラ公inフォーゲルの生死は!?

この物語はここでバッドエンドになってしまうのか!?

次回

『この世界は銀英伝であって、ヤ〇トではありません!』

転生提督の歴史が、また1ページ
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