さあ、本日も龍宮院京極の3分クッキングのお時間がやってきました。
本日作る料理はこちら
「豚の肉吸い風」です。
短い時間で簡単に、今日のおかずを作っちゃいましょう。
…やめよう。柄でもないことを考えるとそれこそ作る料理がマズくなる。
今日はとりわけシャクに触る殺され方が多かったからせめて料理中は機嫌良くあろうと考えたのが悪かった。無理にテンションを貼り付けて良いことなど無いのだ。
サイコパス御用達ゲームとして悪名高い幕末をプレイしてから京極の生活は変わった。
時刻までに食卓につかなければ家からの食事は取り上げられる都合上、次第に自炊をする機会が増えた。今日は最近新しく買ったレシピ本の料理を試していたのだ。
冷蔵庫から豚肉を取り出し食べやすい大きさに切る。包丁の音が普段より大きめなのは気のせいだ。
大体なんなんだクッキング天誅って。
家事場は包丁に溢れているからと言って文字通り料理を作りながら殺しにくるやつがあるか。
片手でデカイ中華鍋を振り回りながら投げて来た包丁が避けられないのはどういう絡繰なんだ。
殺してきたやつも何故中華風料理人スタイルなんだ。おちょくるのも良い加減にしてほしい。
つまるところコスプレイヤーに舐めプされながら殺されたという事実。これが京極の心を非常にささくれさせていた。
その苛立ちを表すように、すでに火にかけておいた鍋の水がボコボコと泡を立てていく。白だし、みりん、酒を適量入れて、先ほど切った豚肉を投入する。
次に別鍋で豆腐を茹でるらしいが同じ鍋でも同じだ同じ!
適切なサイズに切った豆腐をポチャン!と投入する。これで粗方完成なのだから本当に簡単だ。
いやしかしクッキング天誅された後、現場に戻るとレイドボスさんが完成された料理を食べていたのは本当に謎だった。何故彼はそこにいたのかそして他の奴らはどこに消えたのか…いや間違いなく彼が皆殺しにしたのだろう。
京極自身レイドボスからの「一口食べる?」の返答に迷っているうちに斬り伏せられた身だ。
同じことが現場で起こっていたとしてもまるで不思議ではない。
すでに炊いておいたご飯を茶碗に盛り、自分用の食卓に常備菜とともに並べる。完成品を器に移し、軽く七味を振ってパクリ。
…うん。
豆腐が芯まであったまっておらず少し冷たい。
こんなに単純な料理でも手順を省けば弊害が現れるのだ。
レシピを順守すること、人を見かけで判断しないこと。レイドボスさんは身敵即逃げを徹底すること。1人食べる京極は肉吸いとともに教訓を反芻していた。
なお次に敵を前にするときには忘れている模様。