実験体は僕のカレンの夢を見るか?   作:クリストフ・愛宕

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 オットーとカレンは友人として、互いに家を行き来するようになった。

アポカリプス家はオットーが将来、両家の仲を取り持ってくれるとして、二人の交流を容認することにした。

カスラナ家もまた、崩壊獣討伐の任務で家を留守にしていることが多いことと、カレンに良い友人ができたとしてオットーを歓迎した。

カレンとオットーは両家の思惑は違えど、事実上の両家の公認の仲となった。

二人の交流が家族間の公認となり、人々にも知られてくると、オットーを公の場や本人を前にして悪く言う者は次第にいなくなっていった。

しかし、人々の見る目が変わったことに当のオットーは気付いてはいなかった。

初めての友人であるカレンと過ごす日々に夢中になっていたからだ。

 

「オットーはどんな本を読んでるの?」

カレンがオットーの家の本棚を眺めながら尋ねた。

「今読んでるのは航空力学の本だよ。

ちゃんと理解できると模型の飛行機をさらに遠くへ高く飛ばせるようになるんだ」

「その本、私にも少し読ませてくれる?

私も理解できるなら、オットーの助けになれるかも」

カレンはオットーから読んでいる本を借り、しばらく読むもうーん…と唸った後に

「私はオットーの助けにはなれないかな…」と申し訳なさそうに本を返した。

「本を読むのは苦手みたい。

オットーのようにこの本をスラスラと読めないわ」

「だったら短い小説から読むと良いよ。この小説なんか短いけど面白いよ」

オットーは自分のお気に入りの小説を本棚から取り出し、あらすじと最初の数行をカレンに読み聴かせた。

「オットー、そのまま続けて読んでみてくれる?」

「いいけど…どうして…?」

「オットーの声でそのお話を聞いてたら、心地いいなと感じたの」

カレンに促されるままに、オットーはその物語の続きから読み始めた。

カレンは物語に没頭する真剣な聴き手だった。

読み手であるオットーにも、カレンが物語を通してどのような感情を抱いてるのが、

言葉がなくとも伝わってきた。

本を通してカレンが自分のことを熱心に聞いているような感覚になり、オットーの朗読にも熱が入っていった。

カレンから伝わってくる感情を通してオットーも物語に没頭していった。

オットーは朗読に夢中になり、カレンのことを忘れて読み入った。

その心地よさに、カレンは思わず眠り込む。

部屋の中が徐々に淡い茜色の夕焼けに染まってゆき、そして灰色になろうとしていた。

小さな吐息を立てて眠り込んでいるカレンに気づく。

オットーはたまらなく幸せな気持ちになっていた。

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