おぜうさまロード   作:さろんぱす。

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沢山の評価&感想ありがとうございます!
こんなにチンチンが集まるとは思いませんでした!ウヒョー!!

・連絡事項
微妙な描写があるのでタグに『R-17.9』と『残酷な描写』を追加しました。
初めてなのでどれぐらいまでOKなのか分かりません。もし削除されたらごめんなさい。
でも1話のモミモミは大丈夫だったのでたぶん今回もセーフはなず。
頼むすり抜けてくれっ! 頼む!!


2本目:虹色

 私がカロリックストーンを掲げ願いを叫んだ瞬間、玉座の間は虹色の光に包まれた。

 それはまるで小惑星すら押し返せそうな暖かな光。柔らかな亀頭を包み込もうとする皮のような優しい七色の輝きだ。

 そしてワールドアイテムによる世界の改変が行われたあと、私の股間には新たな力……直立する虹色の物体があった。

 

「これが……私のチンチン……!!」

 

 ゴクリッ。その姿に私たち(・・・)は思わず喉を鳴らす。それは大きく、太く、長く、そしてレインボー。先端からは透明な液のようなものが流れており、触れれば火傷してしまいそうなその熱量は、まさにワールド・チンチンとも言うべきもの。

 

「キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」

 

 私はその完璧な出来に思わず叫び声を上げる。

 願った自分でもなんだが、まさかこんなデータが用意されてるとは思わなかった。運営様、いままでクソ運営クソ運営言ってすみませんでした! 公式で指揮官クラスの弱体化が発表されるたびに、掲示板に『死ね! まじで死ね!! その前にワールドチャンピオンの次元断層どうにかしろ! 絶対防御とかチートすぎんだろ!!?』とか書き込んでごめんなさい!! だが今なら言える、お前らが神だ!!!

 

 そうして私のテンションは人生における最大値――女学生を初めて落とした日(性的な意味で)をあっさり突破し、それでも止まらずに更に上昇し続けた。が、1周してしまったのか私は少しだけ冷静さを取り戻す。

 

 ――よく考えたら、この2人の前でやるのはちょっと恥ずかしいんじゃない?

 

 「咲夜、<転移門(ゲート)>、おぜうさまの部屋。」

 

 「はい、おぜうさまさま。」

 

 気づいた私は即座に命令を下し、設定されているAIにより咲夜が魔法を発動させる。それは2点間を繋ぎ、失敗確率0%で転移することが出来る門を作り出す魔法。

 

 「咲夜、付いてきなさい。」

 

 私は目の前に現れた楕円形の黒い塊へと足を踏み入れ、そのまま部屋に入ってベッド☆イン。

 その後は咲夜の初めてを奪い、そのたわわな果実を味わい、全身を隅々まで舐め尽くし、時間を忘れてただひたすらに求めあった。

 だって気持ちよすぎたのだ。ワールド・チンチンは最強だった。どれだけ扱っても決して折れず、曲がらず、ふにゃらず、そして幾らでも発射可能。さらに私たちはびっくりするほど相性が抜群だった。もしかしたら咲夜の設定に「おぜうさまとの相性は最高」と書いていたせいかもしれない。

 おまけにこのキャラは吸血鬼。飲食と睡眠は不要で、どれだけ活動しても疲労などは全くない。さらに咲夜もアイテムによって同じ特性を得ている。そのため何時までも溶け合うことが可能だった。あ~、咲夜、咲夜、咲夜、咲夜、咲夜、咲夜……

 

 

 それから私は引きこもりになった。

 

 叩かれるドアのノック音を無視し

 

 外から聞こえてくる『おぜうさまさま!』という声を無視し

 

 恐らくモモンガからであろう、<伝言(メッセージ)>を無視し

 

 ただひたすらに快楽を貪り続ける。

 

 

 ――そして5日目。

 

「いつまでやってんだ!!! このバカどもがぁぁああああ!!!!!」

 

「ぎょわぁあああああ!!!!!」

 

 ついにブチギレたモモンガにより部屋に最強化された魔法が撃ち込まれ、ボロボロになった私は強制的に連れ出されてしまったのだった……げせぬ。

 

 

■■■■■■

 

 

 そうして私達3人が数日ぶりに顔を合わせた場所は薄暗い部屋の中。

 ココは常に吹雪が舞う白銀の世界。ナザリックの第五階層『氷河』に存在する氷結牢獄。その中にある拷問室――真実の部屋。

 中には至るところに拷問具が在り、さらに雰囲気を出すためのオブジェクトだろう、恐怖で歪んだまま死んだような顔の死体が複数設置されている。

 特に中央のテーブルに四肢を拘束された形で載せられている『左頬に傷のある男』の全裸死体はまるで本物のような迫力だ。びびったせいか小さくなって被っちゃったチンチンまでも作り込まれており、それまさに匠の技。本来ならR18認定で削除されるはずだが匠すぎて見逃されたのかな?

 

「それでどうしたの?」

 

「その前に股間のソレをどうにかしてくれませんか? 虹色に光っててくっそウザいんですけど!?」

 

「イルミネーション代わりによくね?」

 

 勝手に見ておいてウザいなんて酷いやつである。しかしモモンガが本気で嫌そうなのでしょうがなくスキルをオフにし、股間のソレを消滅させる。

 

「あっ、オン/オフ出来るんですね。」

 

 そうなのだ。私が得たチンチンはなんとスキルの一種だった。

 オンにすればニョキニョキと生え、オフにすれば除草剤を撒かれたかのようにしなしなっと消滅していく。しかも1日に何度でも使用可能。そんな便利なチンチンだ。あえてスキルとしての名前を付けるとすれば<チンチン生成W(ワールド)>だろうか。

 

「で、こんなとこに連れてきてどうするの? もしかして私達を拷問する気?」

 

「くっころですか? くっころなんですか? それとも『絶対に負けたりしないっ!』って言えばいいですか? でもボクはスライムだからほとんどの道具は効かないと思いますよ?」

 

「どっちも違います。お願いだから今ぐらい真面目に話を聞いて下さい。いやマジで。」

 

 だって場所が拷問室なんだもん! そりゃエロい妄想しちゃうのはしょうがないでしょ!? エロゲー的に考えて!! エロゲー的に考えて!!!

 

「それと先に1つ聞いておきたいんですけど、2人ともここが現実になってるのは気づいてますか?」

 

なんだそんなことか。それはもちろん気づいて(・・・・)いる。

 

「もちろん。というかそれは流石に馬鹿にしすぎですよ。」

 

「ヘロヘロの言うとおりよ、当たり前じゃない。」

 

「えぇぇー……」

 

 私達は即座に回答するがモモンガは気づいてないと思っていたのだろう、そこには困惑した雰囲気がある。だがこれはDMMOのプレイヤーならすぐ気づくことだ。なぜならDMMOで使われるナノマシンは使った分だけ補充する必要があった。つまりそれは物理的な限界があるということであり、何日もぶっ続けのプレイは不可能ということ。そしてこれはいくらサーバーやプログラムを改変しようとどうにかなるものではない。

 

「じゃあどうして引き籠ってたんですか? 気づいてたなら出てきて下さいよ。」

 

「逆に聞くけど、長年思い続けた相手と結ばれた時に、別の男の呼び出しに応じると思う?」

 

 はっきり言おう、そんな奴はいない。

 

「モモンガさんってたまに非常識ですよね。」

 

「ええぇぇー……」

 

 ちなみに咲夜は一緒に来ていない。連日ぶっ続けだったせいで大変なことになった部屋を片付けているからだ。ヘロヘロもソリュシャンを連れていないが、恐らく同じ理由だろう。

 

「それでなにがあったんですか? 恐らく重要なことなんですよね?」

 

「あっ、はい、それはですね……」

 

 ヘロヘロからの質問を受け、モモンガは「急に真面目に質問されても違和感が……」と言いつつもこの4日間の出来事を語りだす。

 

 NPCたちが自我を持ち拠点の外に出られるようになっていたこと。

 

 セバスに外の探索を頼んだら周囲は草原が広がっていたこと。

 

 闘技場で試したらユグドラシルの能力は全て使えたこと。

 

 NPCたちが忠誠の儀を行ったこと。

 

「待って下さい、忠誠の儀って何したんですか? これはエロい匂いがしますよ。」

 

「まさかギルド長の権限でアルベドやシャルティアに全裸土下座を……!?」

 

「いやそんな事する訳ないでしょ!? 2人の中で俺どういうキャラになってるの!!?」

 

 むっつりスケベの変態予備軍(仮)かな? だってユグドラシル時代から私やNPCのおっぱいをチラチラ見てたし。女性は胸への視線に敏感なのだ。まぁギルドの女性陣はみんな気づいても何も言わなかったが。

 

「それでこの世界でついに本物の魔王になっちゃうんですか?」

 

「違うんですよ。俺は集合しろって言っただけなのに、アイツラいきなり跪いて『ご命令を!』とか言い出したんですって!!」

 

ほんとぉ? 実はこっそり世界征服始めてたりしない? いや流石にそれはないか。

 

「やられた俺だってビビりましたよ。でもまじだったんです。しかもめちゃ重いんです。」

 

「どれぐらい?」

 

「たぶん、命じられたら喜んで自害しちゃいますね……」

 

「うわぁ」

 

 重っ! さすがにそれは私でもびびるわ。でも言われてみれば咲夜も命じたことは1つも断らなかったような。あれっ、もしかして咲夜以外のメイドも全員頂けちゃうんじゃね?

 

「二人だって他人事じゃないですよ? あいつら、おぜうさまさんは『運命を操る吸血鬼』、ヘロヘロさんは『あらゆる物を消滅させる至高の粘体』とか言ってましたから。」

 

「「ふぁっ!?」」

 

「どうもユグドラシル時代のことも覚えているみたいですね。それでどうします? ロール続けますか? 俺は成行きで魔王ロール続行になっちゃいましたけど。」

 

 そんなの決まっている。

 

「もちろん続行よ。異世界でレミリアロールとか最高じゃないの!」

 

「ボクは状況に応じてとしか。でもそれが本当なら裏切られる心配をしなくて良いってことですよね。好き勝手暴れられるよりはマシだと思います。」

 

 この拠点には私達が作ったNPCを初め高レベルのモンスターが大量に配置されている。もし反乱など起こされた場合、PvPクソ雑魚の私としては逃げ出すしかないだろう。

 

「それで、その後はどうしたの?」

 

「えっと、それから騎士に襲われてる村を見つけたんです。それで戦闘力を試すついでに助けにいって……」

 

「タイミングよく襲われる村……飛び込むモモンガさん(主人公)……チュートリアルですか?」

 

 その後もモモンガの話は続いたが、それはまるでゲームのような展開だった。

 主人公の参戦によって救われる村(大半が死亡)、改心して去る騎士たち(デスナイト無双)、そこに遅れて現れる国のお偉いさん(王国戦士長)(物差し)、そして最後に出てくる国の特殊部隊(出落ち)……

 

 

■■■■■■

 

 

「……ということなんです。」

 

 話し終わったモモンガがゆっくり椅子に腰掛ける。その椅子は<上位道具創造(クリエイト・グレーター・アイテム)>によって作られた漆黒の玉座。座る本人が「あー、つかれた」などとオヤジ臭いことを言いながら肩を回していなければすごく様になっただろう。

 

「で、どのへんからギャグなの?」

 

「ギャグじゃないですよ。」

 

 ぶっちゃけ信じられない。特に驚くのはデスナイト無双だ。レベル35の防御特化モンスターに蹴散らされるってギャグよね? デスナイトが無双された(・・・)なら分かるんだけど。でも武技ってのはちょっと気になる。

 

「全部本当です。」

 

「マジですか。」

 

「ついでに言えば戦士長はレベル30ぐらいで、特殊部隊の隊長(ニグン)は第4位階の神官でした。」

 

 つまりレベル22~28ってことか。こんなことする前にもうちょいレベル上げするべきじゃね? それじゃGvGで役割持てないわ。

 

「う~ん、ボクは話を聞く限りモモンガさんの行動は特に問題無いと思いますよ。陽光聖典っていうのも全員捕まえたんですよね?」

 

「そうなんですけど、情報聞き出そうとしたら死んじゃったんですよ。どうも質問に3回答えると死ぬ魔法が掛かってたみたいで。そこの机に乗ってる死体がその隊長です。」

 

えっ、あれオブジェクトじゃなかったの? うわー、触らなくてよかった。

 

「ああ、それでボクたち……いえ、この場合はおぜうさまさんを呼んだわけですね。」

 

「ええ、蘇生したいんですけど、もし別の場所に飛ばれたら厄介なので。」

 

 ユグドラシルでは蘇生された場合、生き返る場所は4つの選択肢から選ぶことが出来た。それは自分のホームポイント、ダンジョンの入り口、近くの街の中、そして最後がその場――死体のある場所だ。そのことから恐らくモモンガが危惧しているのはココ以外の場所で生き返られること。つまりは私達の情報の持ち逃げだと分かる。しかし、幸か不幸か……相手にとっては確実に不幸だが、私にはそれを防ぐスキルが存在する。

 

「しょうがないわねぇ」

 

 やることを理解した私は全裸で横たわる陽光聖典隊長の死体に対しスキルを発動させる。

 瞬間、死体の真下から赤黒い腕のようなものが何本も伸び、そのまま死体へと絡みついて全身を覆っていく。これは私が収めているクラス『悪の将軍(イービル・ジェネラル)』の特殊能力(スキル)、『冒涜の呼び声(レイズ・オーダー)』だ。

 

「オッケー、掛かったわよ。」

 

 このスキルの効果は対象に『魔法やアイテムで蘇生効果を受けた場合、自動的にその場で生き返ってしまう』というデバフを与えること。一言で言えば『死んだ相手を殺し直す』ためのスキルであり、つまりは『えっ、もう死んじゃったの? じゃあ生き返してまた殺そうぜ!』という身も蓋もない邪悪なスキルである。

 

「さてどうでしょうね。」

 

 ユグドラシルでは死んでしまうと装備アイテムを1つドロップするため、相手を殺し直せるこのスキルはめちゃくちゃ凶悪だ。何ヶ月もかけて作った装備が追加で1つ奪われるというのはまさに悪夢であり、ユグドラシルの嫌いなスキルランキングでも常に上位だった。

 

「……ふむ、どうやら消えないみたいですね。」

 

 ただしこれはあくまで行動を制限するデバフを与えるだけであり、対象を蘇生する効果そのものはない。そのためこのスキルを知ってる者は使われると仲間による蘇生を諦め、5レベルダウンのデスペナを全て受け入れて自己蘇生(リスポーン)により安全な場所へ逃げるのが定石だ。

 

「つまりこの男はユグドラシルを知らない、もしくはユグドラシル的リスポーンシステムは存在しないってことですか。」

 

「いやもしかしたら死ぬのが趣味のドMかもしれないですよ? 昔居ましたよね『このくらいで俺が止まると思うなよ! 』とか言いながら裸でずっとゾンビアタックしてたやつ。」

 

「それってシャルティアに抱きついて消えていった(垢BANされた)やつよね。よく覚えてるわね。」

 

 シャルティアとはギルドの変態TOP―ペロロンチーノが作ったレベル100のNPCだ。銀髪・吸血鬼・おっぱいと私と完全に被っており、更にガチ構成で総合力最強。しかし創造主により設定にPADと書き込まれ、配置場所が浅い階層だった為にしょっちゅう変態共に絡まれていた可哀想な子である。

 

「でもこの男ってユグドラシルの魔法を使ってたんでしょ? もしかしてたまたま知らないだけなんじゃないの?」

 

「う~ん、ボク的には判断できませんね。考えたらどれもありそうですよ。」

 

「まぁそのへんは蘇生してから直接聞いてみましょう。じゃあワンド使いますね。」

 

 モモンガが死体へ向けて蘇生の短杖(ワンド・オブ・リザレクション)を使用する。蘇生魔法の発動に伴い、ニグンという男の体がビクンッ! と揺れ、さらに彼はそのまま腰を突き上げるようにビクンビクンと跳ね続ける。それはまるで死体がエア騎乗位をしているよう。

 

「うわっ、なにこれ。きもっ。」

 

 モモンガがドン引きしているが私も同意見だ。少なくともユグドラシルではこんなキモい演出はなかった。もしこれが蘇生を拒否しているのだとすれば、どれだけ嫌がってるのか想像もつかない。

 

「せめてパンツぐらい履かせるべきでしたね……」

 

 あとヘロヘロ、そういう事は先に言え。おかげで見たくもないチンチンが揺れてるじゃないの。ブルンブルンやぞ。

 

 

■■■■

 

 

 黒い世界があった。それは全てがドロドロに溶け合ったような空間であり、同時に全てが安らかに眠ることを許されるような神聖さも併せて存在していた。

 そんな中、ニグンは何かが自分の全身を覆って行くのを感じた。さらに誰かの手が自分をどこかへ運ぼうとする気配。

 しかしニグンはそれを振り払おうとする。それはあまりにも邪悪な気配を放っていたからだ。だが最初に自身を覆ったなにかのせいで、腕も足も動かすことが出来ない。それでも諦めず必死に抵抗しようとして全身に力を入れるが、出来たのはせいぜい腰を前後に動かすことだけだ。

 そうこうしているうちに眼の前で爆発したように光が広がった。そして重たい眼をゆっくりと開き――

 

「おはよう、ニグン。いい夢は見れたかな?」

 

「あ、ああああああああ」

 

 ニグンの顔が驚愕に歪む。眼の前には一番見たくなかった相手――豪華な玉座に座る、自分を捕らえたドクロの魔王の姿があった。さらにその左右には側近なのか別の存在までいる。

 

(いったいなにが……? 自分は確かに死んだはず。)

 

 ニグンは動揺しながらも必死に思考を巡らせようとした。しかしモモンガが発言の方が早い。

 

「聞きたいことが出来たのでな、生き返ってもらっただけだ。」

 

 ニグンは完全に思い出した。

 

 陽光聖典としてガゼフ・ストロノーフを抹殺する為の特殊任務。

 王国貴族を買収してガゼフの装備を剥ぎ取った。

 別働隊が辺境の村々を虐殺することでおびき出した。

 そして最後に大量の召喚天使による包囲殲滅。

 

 しかしモモンガと名乗る謎のマジックキャスターの出現により状況が一変した。

 召喚してあった天使たちはゴミのように消し飛ばされ、自分の安寧の権天使(プリンシパリティ・ピース)もあっさりやられた。

 最後に切り札(魔封じの水晶)を使って第7位階の天使を召喚したが、それも一撃で消滅した。

 

 そして拷問室のような部屋に連れ込まれて……

 

(いや待て、こいつは今なんと言った? 私を生き返らせ(・・・・・)た、だと? それはまさか……)

 

「クックック、どうやら理解出来たようだな。」

 

 ニグンの顔がさらなる驚愕へと変化する。

 その表情には深い絶望の色があった。

 

 

 

 

 

 うわー、モモンガの魔王ロールパナィわ。内面しらないと私でも騙されそう。

 

 このニグンってのもきっと『もし本当なら死んでも逃げることは出来ないのでは?』なんて思っているんでしょうね。まぁ実際は強制効果は私のスキルで蘇生はアイテム、つまりモモンガにそんな力はないけどね!

 

「さて、命乞いでピーピー叫ばれるのもめんどうだ。<支配(ドミネート)>……よし、ここに居る3人の質問に答えろ。」

 

「あっ……」

 

 モモンガが発動した魔法を受け、ニグンの瞳から光が消える。それは陵辱系エロゲでクリア直前のヒロインのような姿だ。

 

「これでもう質問して大丈夫なのよね?」

 

「ええ、大丈夫です。試しに何か聞いてみてください。」

 

 モモンガに確認を取り、私は質問を投げかける。対してニグンからはスムーズに答えが返ってくる。

 

「初体験いつ?」

 

「12のときです。」

 

「ちょっ、なに聞いてるんですか!?」

 

 12ってはやっ! もしかして昔はお姉さまに頂かれちゃった系のショタだっただろうか。まさか左頬の傷はお姉さまに付けられた所有物の証!?

 

「モモンガさん、こいつきっとヤリちんですよ。」

 

 即座にヘロヘロから判定が飛ぶ。長年のシステムテストにより鍛えられたその分析力から導き出されたその答えは、恐らく間違ってはいないだろう。

 

「そういうのは止めましょうよ。」

 

「えぇ~、ちょっとぐらい良いじゃない。」

 

 そして尋問が始まった。ニグンの口は自身でもびっくりするほど滑らかに動き、問われるままに知りうる限りの情報を吐き出していった。たとえそれが法国の秘密だろうと、そして恥ずかしい秘密だろうとお構いなしだ。

 

(くっ、いっそ殺せ!)

 

 ニグンはきっとそんなことを思っているのだろう。しかし私たちの質問は止まらない。初体験の相手、性感帯、好きな体位。そうしてあらゆることを根掘り葉掘り聞き出され……

 

「6大神、8欲王、13英雄、それから口だけの賢者……って来てるプレイヤー多すぎぃ!!!」

 

 この世界にきて5日目。私たちはようやく世界の現状を知った。

 

 

■■■■

 

 

「先に来てるとかずるい、ずるくない?」

 

 100年単位のアドバンテージとかずるすぎない? むかしのシミュレーション(C○v)でもそこまで露骨なハンデは無かったと思うんだけど。 これはガ○ジーだってガチギレして全面戦争しちゃいますわ。

 

「ほとんど滅んでるって話ですけど、でもそれだけ来てると間違いなくこっそり隠れてるのも居ますよね。」

 

 だろうなぁ。わたしだったらずっと拠点に引きこもってるわ。

 

「で、他に聞いておきたいことは無いですか? なければこの辺で切り上げますけど。」

 

 周辺国家の状況、政治形態、宗教、文化、通貨、魔法、地理、モンスター、それから大体の街の位置、その他色々……うん、もう聞くことは無い気がする。

 

「ボクはないです。ところでこの人はどうするんですか?」

 

「雑魚っぽいし死体に戻せば?」

 

「お、お待ちを! わたしは必ず役に立ちます!! どうかご再考を!!」

 

 私たちは尋問を切り上げようとするが、それに対し魔法を解除されたニグンが必死に売り込みをかける。ここまで必死になられれば普通なら多少は罪悪感が湧くだろう。しかし私達の決定は変わらない。

 

「レベル20代の神官はちょっとねぇ。」

 

「中途半端すぎますよね。」

 

 これが戦士なら武技の研究で使えたし、第5位階が可能なら蘇生役アルバイターでワンチャンあった。第6位階で<大治癒(ヒール)>が使えれば契約社員だ。しかしコイツが使えるのは第4位階まで。ぶっちゃけ役に立たない。まぁ必要になったらまた生き返せばいいだろう。デスペナがユグドラシルと同じならあと数回は蘇生できるから。

 

「というわけで今回は機会がなかったということね。」

 

「乙でーす^^」

 

「そぉい☆」

 

「ぎょわああああああ!!!!」

 

 ヘロヘロがぶっかけたアイテムによりニグンが悲鳴を上げならドロドロに溶けていく。それはヘロヘロの我慢汁が白色になったVer――『ヘロヘロの一番搾り』だ。白い液体が体中にかかったまま死んでるその姿は、オブジェクトとしてこの部屋の演出に1役買うこと間違いないだろう。個人的にはぜったいに近寄りたくない。

 

「ところでヘロヘロ、いま人間殺したけどどんな感じ? わたし全くなんとも思わなかったんだけど。」

 

「あっ、そういえばそうですね。いつものノリだったので気づきませんでした。ボク的には……うーん、なんともないです。」

 

「モモンガは?」

 

「俺もお2人と同じですね。というか人間自体が虫程度にしか感じられないみたいで。」

 

 つまり私達は身も心も異形になってしまったということなのだろう。モモンガの例えで言えば、先程のヘロヘロの行為は虫に殺虫スプレーしたような感じだろうか。うん、罪悪感なんて湧くわけないわ。

 

「じゃあボクはそろそろ部屋に戻りますね。次は明日…いや3日後…やっぱり3ヶ月後ぐらいに集まりましょう。」

 

「いや長すぎですよ。ここに来るとき、これからしばらくは1日毎に集まって会議しましょうって説明しましたよね?」

 

「その時はソリュシャンの事で頭がいっぱいでした。」

 

「正直に言うわ、ぶっちゃけ聞いてなかった。」

 

 だってチンチンを床ズリされた状態で連れてこられたのだ。まともに話を聞くなんて無☆理。

 

「じゃあ改めて聞いて下さい。これからしばらくは毎日会議しますからね? ギルド内も外も調べることが沢山ありそうなんですから。ほんと頼みますよ。」

 

「えー、もう何百年もアド取られてるんですし、今更焦る必要なくありませんか? おぜうさまさんも何か言ってやってくださいよ。」

 

「うーん、私はヘロヘロに賛成ね。というかモモンガこそ一旦休むべきよ。貴方のことだから4日間働きっぱなしだったんでしょ?」

 

「それはそうですけど。でももしかしたらって考えるとつい……」

 

 このギルド長は昔からこうだ。頑張りすぎな上に何かあると自分を犠牲にしようとするところがある。まったく、私達はだれもそんなこと望んでないというのに。

 

「モモンガさん、ボクが言うのもなんですが心というのは意外と疲弊するものなんです。だから休みましょう。というか4日ぶっ続け仕事とかドン引きです。」

 

「おふたりとも……心配する振りしてサボろうとしてません?」

 

 心配してるだけなのに疑うなんて酷いギルド長だ。私達はただ部屋に籠もっていたいだけなのに。

 

「そ、そんな訳ないじゃない。これは純粋に心配しているだけよ。……で、アンデッドだから飲食と睡眠は無理だとして、性欲の方はどうなの?」

 

「それは一応あるみたいです。けどモノが無いから意味ないですよ。」

 

「そこは好きな肋骨を突っ込めばいいじゃないですか。」

 

「なにに!!?」

 

 そんなやり取りをしつつも、私はだんだん咲夜のおっぱいが恋しくなってきていた。だから手っ取り早く済ますために装備していた指輪の効果を発動させる。それは引退したギルメン『やまいこ』からもらった流れ星の指輪(シューティングスター)。3度だけ経験値消費無しで超位魔法<星に願いを(ウィッシュ・アポン・ア・スター)>を発動させることが出来る超レア指輪だ。

 そして私は発動した<星に願いを(ウィッシュ・アポン・ア・スター)>へ望む効果を口にする。

 

「モモンガにチンチンを与えよ」

 

「ええええええ、なんで!!???」

 

 その後、私は指揮官クラスのスキルでアルベドへ連絡を取り、モモンガを任せて部屋へと戻った。モモンガを押し付けた時のアルベドの顔は長年の思いが成就した乙女の顔であり、餌を与えられたワンコのようであり、――同時に全てを喰らい尽くそうとする肉食獣のような笑顔だった。合掌。




変態's「シャルティアちゃんペロペロ!」
シャルティア「助けてペロロンチーノ様!」
ペロロンチーノ「俺のシャルティアがあんな奴らに……ウッ!!(ビクンビクン」

ご愛読ありがとうございます。
とりあえず建国までの大まかなプロットは作り終えました(書ききるかは不明)

モモンガさんの行動は4日目まで原作と同じです。つまり誤発注済み。
星空がきれいだったからね。しょうがないね。

・追記(08/24)
誤字脱字を修正しました。指摘してくれた方々、有難うございました!
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