ゴジラ対エヴァンゲリオン(仮)  リメイクver   作:蜜柑ブタ

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アラエル編。


でも1話で終わり。


コイツの退治方法は、リメイク前と同じにしました。


第三十四話  使徒は理解したい

 

「ツムグ。」

「なに?」

 ツムグがアダムを食べて、数日後、尾崎達がツムグを訪ねた。

「ネルフの地下に行ってきたんだ。もう何が言いたいのか分かるよな。」

「ああ。うん。」

 とうとう来たかっと、ツムグは顔に出さず思った。

「なぜレイちゃんのクローンをすべて焼き払ったんだ?」

 地下にあったレイのクローン体の全てを熱線で焼き払ったことがバレたようだった。

 しかしそれは想定の範囲内であるツムグは、特にリアクションはせず。

「あのままじゃ、あの子が暗殺されるなりして殺されて、あそこにあるクローンに魂が移ってたかもしれないじゃん。」

 と、悪びれもなく答えた。

「ツムグ…、あんたは…。」

「あそこの映像は尾崎ちゃん、見たんでしょ? あんなの見せられたら尾崎ちゃんはそのままにしてられる? 誰かに見せたいと思う?」

「……。」

 培養液の中を漂っていたレイのクローン体達の映像を尾崎は超能力で見ている。尾崎は何も言えず押し黙った。

「それとも実験したかった? 音無博士。」

「っ、やめて。」

「そうだよね。分かっててもやりたくない。それでいいじゃん。」

 わざとらしい身振り手振りでそう言うツムグ。

 尾崎達は、ツムグのその態度に怒りを覚えたが、過ぎてしまったことなのでこれ以上の追及はできなかった。

 

 

 

 なおアダムが地球防衛軍の手に堕ちたと知って、ゼーレは、阿鼻叫喚であったらしく、取り返そうと刺客を送ったりしたものの、アダムの所在を掴めず徒労に終わることになるのは別の話である。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 そんな中、新たな使徒が出現した。

 

 サハクィエルに続いて、またも宇宙空間に現れたその使徒は、光そのもののような体をしており、翼を広げた鳥のようにも見える形をしていた。

 サハクィエルの時のこともあり、落下攻撃を警戒していたが、落下攻撃をしてくる素振りはない。

 翼を広げて暗い宇宙空間をバックにそこにいる姿は、これまでの使徒の中で特に美しく神々しかった。

 

 この使徒の名は、アラエル。鳥を意味する。

 

「宇宙への攻撃について、前回の使徒(サハクィエル)の時に使用したメーサー砲を使うことを提案します。」

「しかしあれは、あの時(サハクィエルの時)に大破したのでは?」

「新たに開発した物がある。」

「轟天号を宇宙に打ち上げるのは?」

「使徒の攻撃方法が分からぬ以上、それは他の艦隊による総攻撃のために取っておけ。」

「モゲラも加えましょう。」

「いい案だ。」

 モゲラは、ゴジラとの戦いで一回大破(※壊したのはツムグ)して以来出番がほとんどなかった。機龍フィアの運用に疑問符を持つ者達はモゲラの活躍に期待を寄せている。機龍フィアが修理中なのもありモゲラを宇宙へ飛ばす案は案外すんなりと通った。

 そして宇宙空間にいるアラエルへの攻撃のため、準備が始まった。

 巨大砲塔を空へ向けて整え、モゲラや轟天号を始めとした艦隊を打ち上げるためのロケットの準備をしていた。

 その時だった。

 

 柔らかく眩しい光を、アラエルが地上に向けて発し始めたのである。

 

 それが巨大砲塔を整備していた地上班に降り注ぐと……。

 突然彼らは頭を抱えて苦しみだした。工具を投げるように手放し、高台にいた者は高台から転がり落ちるなどの被害が発生した。

「なんだ!? 何が起こっている!?」

「あの光か…! これがあの使徒の……っ!?」

 地上で待機していた部隊にも光が降り注ぎ、彼らも漏れず苦しみだした。

「うわああああ!」

「やめろぉぉぉぉ!」

「いやだ、イヤダ! イヤダーーー!」

「見るなミルな見るな! 俺の心に入って来るなーーー!」

「やめてくれぇぇぇぇぇ、入って来るなぁぁぁぁ!」

 口々に泣きながら叫ぶ彼らの言葉から、アラエルの攻撃方法が分析できた。

「精神干渉!? それがあの使徒の攻撃か!」

「物理攻撃でもなんでもなく、精神そのものに直接攻撃してくるとは…、いったいなぜ…?」

「ともかくあの光に…、っ!? まずい、光がこちらにも来ているぞ!」

「退避! 退避! 建物内へ逃げろ!」

「あの光に触れるな!」

 光に触れずにすんだ他の部隊が大急ぎで建物内へ逃げ込んでいった。

 アラエルの光は、やがて場所を移動し、地球防衛軍の基地の方へと向かってきていた。

「使徒の光が基地に! 基地に応答願う! あの光に触れるな! 触れたら精神を侵されてしまう!」

 想像を超えた使徒の攻撃に、現場も基地も騒然となった。

 

 地上で待機していたミュータント部隊にも、光は降り注いだ。

 精神系の超能力で耐性があるはずのミュータント達ですら、アラエルの強力な精神干渉に負け、頭を抱えて苦しみだす。

「クソぉぉぉぉ!」

 頭を抱え、悔しさをぶちまける風間。

 このまま全員アラエルにやられてしまうかと思われたが。

 

 ところが。

 

「風間! みんな!」

 

 なぜか尾崎だけは光の中で普通に活動できた。

「やめろ、やめてくれ! みんなの心を犯すのをやめてくれ!」

 尾崎は、遥か彼方にいる使徒に向かって叫んだ。

 尾崎には、何をされているのか理解できていた。だが彼はアラエルの精神干渉で苦しまなかった。

 風間は、尾崎だけが光の中で立っている姿に、驚きを隠せないでいた。

「な…んで…、おま、え、だ…け…。」

 風間は、目の前が暗くなる中そう呟いた。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

 包帯みたいなモノでグルグル巻きになった弐号機が、ボジトロンライフル(陽電子砲)を手に照準を天空へと向ける。

 無駄に電力ばかり喰うその兵器だが、飛距離や威力から言って相当なモノで、宇宙空間にいる敵にも達するほどの飛距離はある。

 ただし兵器としては未完成であるため、大型メーサー砲と比べると兵器としての質は落ちるだろう。しかし、そんな物でも使わざるを得ないのだ。なぜなら設置していた大型メーサー砲が外にあり、そこにアラエルの光が降り注いでいるため使えない状況なのだ。

『殺してやる…!』

 アスカは、凶悪に歯をむき出して声を低める。

 なお、ケンスケは、ミサトがいなくなったミサトのマンションで同居の時に宛がわれていた自室に引きこもっている。ひっそりと加持によりペンペンがいなくなったことも知らない。食事すらも満足に取らず、暗い部屋で足を抱えて顔を伏せていた。

 もしゲンドウがまだ総司令だったなら無理矢理引きずり出されて使える限りエヴァンゲリオンに乗せられていただろう。戦闘に消極的な冬月が総司令をしているため、実質ほっとかれているのだ。それが良いのか悪いのか……。

 光が僅かに差し込む雨雲の向こう側、遙か空の彼方にアラエルはいる。

 照準がそのアラエルに合わせられ、発射する合図が来ると、アスカは引き金を引いた。

 電子のエネルギーを纏った高威力の弾丸が発射され、雨雲を散らし、空の彼方へ飛んでいく。

 しかし、四方八方に張り巡らされた広範囲のATフィールドにより、アラエルへの攻撃は防がれた。

 アラエルが発している柔らかく眩しい光の正体は、ATフィールドなのだ。

 すると地球防衛軍基地に降り注がれていたアラエルの光が第三新東京の方へ移動した。

『退却だ!』

『照準はまだ!?』

『そんなことはいい! アスカくん! ボジトロンライフルを捨てて射出口へ!』

『でも…。』

『いいか! 今回の出撃はあくまで地球防衛軍基地から使徒の注意を引くだけのためだ! それは口頭でも説明したはずだ!』

『っ…!! あたしは、まだやれる!』

『アスカくん! いい加減にしろ! 命令が聞けぬのならエヴァから降ろす!!』

『嫌よ! そんなことならここで死んだ方がマシよ!! ぅ…!?』

『心理グラフ乱れ! 精神汚染が始まります!!』

『いやああああああああああああああああああ!! やめて、私の心に入ってこないで!! 私の心を見ないで見ないで見ないで見ないで!!』

 ボジトロンライフルを落としシンクロで頭を抱えて錯乱する弐号機と中にいるアスカ。やがて弐号機は身体を丸めてその場に横たわった。そうなってやっとアラエルからの光は止んだ。まるで興味が失せたように。

 その後、アラエルは、再び地球防衛軍基地へと光を注ぎ始めた。

 まるでそこに興味を示す相手がいるかのように。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

「それでまた俺に?」

 アラエルの対処方法が分からないため、ツムグに意見を仰ぎに行くことになった。

 レリエルの時もだが、ツムグに意見を求めることに良い顔をする者は少ない。

 ツムグが出す言葉がほぼ100パーセント当たることだけに頼りたくないのと、極力ツムグと接触したくないという嫌悪感からだった。

 機龍フィアが修理中なため部屋で待機していたツムグに、使徒の映像が映されたパソコンを見せた。

「…なんか随分と思い切ったことするなぁ。」

 ツムグが感心したように言った。

「どういうことだ?」

「こいつ(アラエル)、人の心を理解しようとしてるって感じだ。別に攻撃のために精神干渉をしてきてるわけじゃないってこと。」

「なんだと!? 使徒が人の心を!?」

「使徒にしてみりゃ人間って、自分達にはない知恵の実を持つ存在じゃん。だから知りたくなったんじゃないかな。知恵の実がもたらした心ってモノを。その強さを。パワー(力)だけの強さはすぐインフレするから限りが無いし。自分達が勝てば、心ってのを手に入れるんだし。事前調査?」

「攻撃が目的じゃないのか…。奇妙なことだ。」

「しかし、それだとなぜ地球防衛軍基地を重点的に狙う? その理由は…。」

「表にいたミュータント部隊で、たった一人だけ無事だったのがいるじゃん。」

「尾崎少尉?」

「尾崎少尉が基地にいるから、基地を狙ってきてるわけ。」

「なぜ?」

「探れなかったからだよ。まったく見えなかったからだよ、心が。だから知ろうとしている。尾崎の心を知りたがってるんだ。」

「それじゃあ…。」

「それはともかく、こいつに弱点はないのか? どうやったら倒せる?」

「そーだねー。」

 ツムグが勿体ぶるように足をブラブラさせる。

「ちょっと協力してもらおうか。」

「は?」

「赤木博士に連絡して、協力してもらおう。」

「なんだと!?」

 驚く彼らに、ツムグは、ニッと笑った。

 

 

 ツムグが示したことは以下の通りだ。

 ターミナルドグマにあるリリスを磔にしている槍…、ロンギヌスの槍というものがあるので、それを使いたい。

 引っこ抜くのには現時点でエヴァンゲリオンの零号機が最適なので、零号機を動かすためにファーストチルドレンであった綾波レイに協力が必要なこと。

 

「……。」

「レイちゃん、無理しなくてもいいんだよ?」

「いいえ。私、やります。」

 招集されたレイは、承諾した。

「ツムグは、一体何を…。」

 尾崎もそれに同行することを命じられた。

 尾崎が出て行くと、アラエルの光がそれを追いかけるように移動した。

 

 

 そしてネルフで放置されていた零号機を起動。

 ターミナルドグマへは、ロープに捕まって零号機を降下。

 目の前にしたリリスの姿に、零号機に乗っているレイは、苦しげに眉を寄せた。

『レイちゃん?』

「…大丈夫です。」

 昇降機からターミナルドグマに降りた尾崎からの通信に、レイは、そう答えた。

 最低限の整備しかされていないため零号機は、若干動きがぎこちないが、リリスに突き刺さっているロンギヌスの槍に手をかけた。

 一気に引き抜かれると、リリスの下半身が一瞬にして再生した。

『足が生えた!?』

『落ち着いて。リリスの下半身が再生しただけよ。』

 尾崎と共にターミナルドグマに降りたリツコが言った。

『…リリスは、死んでいるんですか?』

『……魂がないのよ。』

 リツコは、少し合間を置いてそう答えた。

「……。」

 その会話を聞いていたレイは、複雑な心境になった。

『それで、一体ここからどうするんだ?』

 通信機でツムグに繋ぐ。

『ロンギヌスの槍に触ってみて。』

『は? 触るって…、何の意味が…。』

『時間ないんだから、ちゃっちゃやろうね。』

『…分かった。』

『レイ。ロンギヌスの槍をこちらに。』

 疑問が残るが言われたとおりにするしかなく、零号機に乗るレイにロンギヌスの槍を尾崎の所に近づけさせた。

 目の前にしたロンギヌスの槍は巨大で、とてもじゃないが尾崎がもてるはずがない。

 ツムグが言うのだから何かがあるの間違いないがそれでも疑ってしまう。

 時間もないので恐る恐るといった様子で尾崎はロンギヌスの槍に手を触れた。

『っ、なっ!?』

『えっ!?』

 次の瞬間、ロンギヌスの槍が白く光るとあっという間に縮小し、尾崎が持てる大きさになってしまった。

『槍が…、小さくなった!』

『これは! どういうことかしら?』

 リツコもこれには驚いている。ロンギヌスの槍にそんな機能があることを初めて知ったのだ。

『その槍はね、自由に大きさを変えられるんだ。それ投げればあの使徒は倒せるよ。』

『投げるって…。宇宙まで届くわけ…。』

『届くよ。あの使徒を倒したいって気持ちを込めればね。その槍は強い意志に反応する。さ、早く早く。そうしないと使徒はいつまで経っても倒せないよ?』

『…分かった。やってみる。』

 尾崎は通信機越しに頷いた。

 リツコは、ロンギヌスの槍を持っている尾崎と小さくなったロンギヌスの槍を交互に見て、何か考え込んでいた。

 

 

 

 第三新東京の大地に出た尾崎は、ロンギヌスの槍を持ち直しながら空を見据えた。

 遥か空の彼方、宇宙にいる使徒アラエルはいぜんそこに存在する。

 アラエルの光が第三新東京に降り注ぐ。まるで尾崎が出てくるのを待っていたかのように。

 尾崎は、槍投げ選手のように構え、そして。

「いけえぇぇぇぇぇ!!」

 恐ろしい速さで投げ放った。

 

 ロンギヌスの槍は尾崎の手を離れるとその大きさを変え、どんどん巨大化し、やがて大気圏を突破した。

 そして、アラエルに命中。

 アラエルは、真ん中から引き裂かれるようにロンギヌスの槍に貫かれ、宇宙空間で消滅した。

 アラエルを滅したロンギヌスの槍は、そのまま宇宙空間を飛行し、やがて月に到達した。

 

「や…やった?」

 

 尾崎は、アラエルの光が消えたことで使徒の消滅を感じ取った。

 

 

 

 こうして使徒アラエルは、殲滅された。

 

 

 

 

 

***

 

 

 

 

 

「尾崎君!」

「ミユキ。」

 基地に帰還した尾崎を音無が出迎えた。

「風間達は?」

「風間少尉は意識が戻ったらしいわ。他の人達はまだ治療中よ。」

 そう会話していると、風間が少し足を引きずりながら尾崎のところへやってきた。

「風間、無事だっ…、っ!?」

 風間の無事を喜ぶ尾崎を、風間はガッと殴った。

「…チッ。」

 舌打ちをした風間は、踵を返し、去っていった。

「風間…。」

 殴られた頬を抑えた尾崎は、去っていく風間の背中を見つめることしかできなかった。

 

 

 

 

 

 




ケンスケは、引きこもり。アスカは重体。

風間は、潜在能力で尾崎に劣るため尾崎に嫉妬しています。

アラエルは、その攻撃手段と、いる場所が問題なため、ロンギヌスの槍以外での撃破が思い付きませんでした。

あと、アラエルが尾崎に集中攻撃をしたのは、尾崎の心が見えなかったためです。
アスカに攻撃しておいて途中で止めたのは、心が簡単に見えたからです。そのため見えなかった尾崎を『理解』しようとソッチを集中攻撃。

ちなみに、ツムグの心の方を見た場合、見えないか、もしくは拒絶反応を起こすかも。

リメイク後のラスボスはどっちにする?

  • リメイク前と同じ初号機の意志
  • 初号機と共に蘇ったユイ
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