『清水谷竜華の〜〜〜』
清水谷〜〜チャンネル〜!!!!!
今年のドラフト会議でエミネンシア神戸から指名を受けた、明明大学のエース二条泉さんが、特別ゲストとして、清水谷チャンネルに出演した。
スーツ姿でレッツゴーポーズを晒すことが、かなり恥ずかしいのか、泉はかなり引き攣った笑顔のままカメラの前で、番組お決まりの決めポーズをした。
それとは対照的に、竜華と福与アナは、もう感覚が麻痺しているので、全く躊躇いがない。こういうのは、恥ずかしがっているほうが恥ずかしく見えるものである。
そんな泉のレッツゴーポーズが不満だったのか、竜華は優しそうな笑顔でダメだしをした。
『泉、なんか笑顔固ない?』
『いえ、そんなことは……』
『入団前から、番組呼んでもらえて嬉しいやろ? 嬉しいやんな?』
『は、はい……嬉しいです』
『じゃあ、もう一回レッツゴーポーズしてみよ。泉の最高の笑顔頼むで!』
ニコニコの竜華とは対照的に、再度生き恥のポーズを要求されて泉の顔が強張る。パソコンのモニター越しに見ている怜の方が、緊張してきた。
「泉、ファイトや……というかこの辺の描写いらんから、カットしろやほんまに……」
そう怜は苦言を呈したが、掲示板では大盛り上がりしているので、チャンネル的にはありなのかもしれない。
【二条泉】清水谷チャンネル実況19
201名前:名無し:20XX/11/16(月)
ななしの雀士の住民 ID:emi6rwaz
ドラフト会議で自分の名前ださなかったことめちゃくちゃ根に持ってて草
221名前:名無し:20XX/11/16(月)
ななしの雀士の住民 ID:emirma0m
>>201
平常運転やぞ
240名前:名無し:20XX/11/16(月)
ななしの雀士の住民 ID:ebi3rmaa
清水谷プロ的には、別に怒ってもないし、むしろ親しい後輩として接してそう
250名前:名無し:20XX/11/16(月)
ななしの雀士の住民 ID:sakrmawg
明明大の二条泉って、竜華ちゃんの千里山での後輩なのな
これは、素晴らしい先輩
269名前:名無し:20XX/11/16(月)
ななしの雀士の住民 ID:yok3mrwa
竜華「嬉しいやろ? 嬉しいやんな?」
ここほんと好き
283名前:名無し:20XX/11/16(月)
ななしの雀士の住民 ID:emirm3mg
これが二条泉じゃなくて、片岡だったらどうなるのか……
291名前:名無し:20XX/11/16(月)
ななしの雀士の住民 ID:sak6rmaz
>>283
地獄でしょ……
せっかく撮影しても放送されなそう
300名前:名無し:20XX/11/16(月)
ななしの雀士の住民 ID:ebi6rwazg
というか誰だよ
清水谷竜華の清水谷チャンネルにエミネンシア神戸の清水谷プロ連れてきたやつ
『清水谷〜〜チャンネル!!!』
無理矢理口角をあげて、1回目よりさらに引き攣った笑顔を浮かべて、一人でレッツゴーポーズをする泉のことを、冷たい瞳で竜華は一瞥してから言った。
『まだ固いわ、というかやらされてる感があるやん? 心からの笑顔でもう一回いけるやろ?』
『は、はい……』
そのあと3回ほど、二条泉は1人カメラの前でレッツゴーポーズを決めたが、竜華のオッケーは出なかった。なお、泉がレッツゴーポーズしている間、竜華と福与アナは無言である。
『泉、そういうところがあかんねん』
『すみません……』
『うちはそういうので、怒らへんけど野依さんとか厳しいからな。先輩と一緒に仕事するなら、予習しとかんと』
『は、はい』
『じゃあ時間もあれやし、次行くけど……また、呼ぶかもしれへんから家で練習しといてな? わかった?』
『はい』
『座ってええよ』
『はい、ありがとうございます』
エミネンシア神戸の清水谷プロは、出だしからいきなり空気を悪くしていく立ち回りを見せて、視聴者を不安にさせていく。
先輩としてそう間違ったことは言っていないのだが、要求が厳しすぎるのと、言い方がキツすぎる。
「高校時代とかわりすぎやろ……いつもの優しい竜華返してや……」
怜は、竜華の変わりように驚いたが、よく考えると、小さい頃から怒らせた時は滅茶苦茶怖かったので、本質はあまりかわっていないのかもしれない。
今だって、電話でヘマした泉を怒鳴りつけている時の400倍くらいは、優しく接しているように見えるし……
席についた泉に、竜華は手早くあたたかい紅茶を淹れて、小さなケーキと一緒に差し出した。
『はい、紅茶』
『ありがとうございます』
自分がやらずに先輩に手をかけさせて、怒鳴りつけられるんじゃないかとビクビクしている泉に、竜華は優しく声をかけた。
『ふふっ、プロ入りおめでとう! 泉、待ってたで!』
『……はい! ありがとうございます!』
『一緒にエミネンシアを盛り立てていこうな! 先鋒は椿野さんとゆみがいるけど1枠は出たり入ったりしとる。食らいついていけや』
『はい!』
竜華は、神戸のチームタオルを泉の肩にかけてから、右肩を優しく叩いた。
先輩の期待と愛情をひしひしと感じて、泉の顔が綻ぶ。
微笑む竜華とは対照的に、福与アナはあまりにも体育会系すぎるやりとりに、普通にドン引きしているのが印象的だった。
607名前:名無し:20XX/11/16(月)
ななしの雀士の住民 ID:ebi6rwagj
これは、素晴らしい先輩
611名前:名無し:20XX/11/16(月)
ななしの雀士の住民 ID:hea6rmaz
千里山高校とかいう闇
620名前:名無し:20XX/11/16(月)
ななしの雀士の住民 ID:emi6rwjz
清水谷プロは、怖いし敵に回すとチームに居場所なくなるけど、後輩の面倒見はよさそう
死ぬほど怖いけど
626名前:名無し:20XX/11/16(月)
ななしの雀士の住民 ID:sakmrwag
全国2位の強豪だった時期は園城寺を筆頭にほんまに強かったけど……
これは、人集まらんわ
645名前:名無し:20XX/11/16(月)
ななしの雀士の住民 ID:yok0mrzg
千里山の出身プロって誰?
661名前:名無し:20XX/11/16(月)
ななしの雀士の住民 ID:ebi6rwagg
>>645
清水谷竜華、藤白七実
673名前:名無し:20XX/11/16(月)
ななしの雀士の住民 ID:sak6rmjwg
>>661
優秀やけど、怖い人しかおらんのほんま草
二条の学生生活すごい辛そう
686名前:名無し:20XX/11/16(月)
ななしの雀士の住民 ID:yok3rm6g
優しいゴリラ、江口セーラさんもおるぞ
699名前:名無し:20XX/11/16(月)
ななしの雀士の住民 ID:mat9mrza
新道寺女子見て、闇が深い闇が深いって言ってキャッキャッしてる新参みると殴りたくなるよな
703名前:名無し:20XX/11/16(月)
ななしの雀士の住民 ID:yok3mrwa
こうやって飴と鞭で洗脳していくんですね……
721名前:名無し:20XX/11/16(月)
ななしの雀士の住民 ID:emirrmg
上級生と話す時は「はい」と「いいえ」以外話すなという新道寺の教えは正しかった
『それじゃあ竜華ちゃん、泉ちゃんの麻雀の長所とか教えてよ?』
『んーせやなあ……泉は、泉は……』
『あれ?』
『そ、その反応は傷つくんでやめてください!』
『せ、せやったわ! でも全然パッと思い浮かばなくてなー』
「あかんやん……竜華、なんかあるやろなんか……」
泉の麻雀の長所がなかなか出てこない竜華に、ダメだしした怜だったが、怜本人も泉の長所が全く思い浮かばない。
泉の長所って……なんやったっけ?
竜華が真剣に悩み始めるのを見て、泉の顔がみるみる青くなっていく。
番組的にまずいと思ったのか、福与アナが助け舟を出す。
『竜華ちゃん、麻雀の話はやめとこっか? ほら好きな食べ物とかそういう話しようよ』
『いや、きっとあるはずなんや! 泉の長所が! うちはそれを見つけたい』
『そ、そう……』
801名前:名無し:20XX/11/16(月)
ななしの雀士の住民 ID:ebimrzzg
あかんやんけ……
810名前:名無し:20XX/11/16(月)
ななしの雀士の住民 ID:sak9mrwjw
ガチで思いついてなさそうなのほんと草
821名前:名無し:20XX/11/16(月)
ななしの雀士の住民 ID:emi9rm0m
実際、もう竜華ちゃんトッププロやし……
それと比較して長所とか言われても、ある選手のほうが珍しそう
『んー泉はなーーー』
『は、はい…………』
竜華のやたらと長い時間稼ぎの前置きに、泉が不安そうに返事をした。
『守備がうまい?』
『なんで、疑問系なんですか!?』
『いや、まあうちより下手やしなあと思って……あ、でも、守備上手いやろ泉? 守備上手いやん?』
『は、はい……ありがとうございます……』
勝手に守備が上手いことにし始めた竜華の采配に、掲示板がどよめく。
「あ、あかん……ほんまに泉がなんの取り柄もない子みたいになってるやんけ……」
急に心配になってきてしまった。なんか竜華も泉のことをたてるようにしてくれや。
その時竜華が、思いついたというふうに顔が明るくなった。
『泉はな、短所がないことが長所な選手なんや』
921名前:名無し:20XX/11/16(月)
ななしの雀士の住民 ID:emi0gcma
雑魚では?
930名前:名無し:20XX/11/16(月)
ななしの雀士の住民 ID:sak0mrwa
それ裏返すと、なんの取り柄もないってことなんだよなあ……
『は、はい……』
明らかに不服そうな顔をした泉に、怜は少しハラハラするが竜華は特に怒ったりはしないようだ。
『泉はそこそこセンスあって、メンタルも強いし、打点も低くないし、聴牌速度も早いほうやから……目立った長所とかないけど、総合力で勝っていけばええやん? 長所探しとか始めるから麻雀が崩れるんよ』
『な、なるほど』
『プロ麻雀の世界で、長所だけで通用するのなんて一握りやし……長所があるっていうことは相対的に短所があるってことや。長所なんてないほうがええ』
『全体的にレベルアップすること、心がけてやれば結構通用するやろ』
『ありがとうございます!』
竜華の話は、掲示板ではあまり評判が良くなかったが、怜は納得してしまった。
長所があれば、必ずその部分は対策されてしまう。対策によって自分の麻雀が壊れていく期待の雀士達も多い。
「長所はいらないかあ……なかなか竜華もええこと言うやん」
竜華はひとしきり泉の短所の少なさを説明し終えると、来年のペナントレースに話を変えた。
『それじゃあ、泉。1年目の目標きめていこっか? どのくらい活躍したい?』
『まずは、先鋒で初勝利をあげたいです』
謙虚にそう答える泉のことを竜華はジロリと睨みつけた。
『ゆみは1年目、8勝してたで?』
『そ、そうですか……』
竜華にプレッシャーをかけられて、再び泉の顔が強張る。
『泉なら、10勝くらいけるやんな?』
『え!?』
『いけるやろ?』
『は、はい……できます』
『できなかったら?』
『で、できるので大丈夫です。10勝します』
やたらカタカタしながら、不可能そうな目標を連呼させられる泉の姿を見て怜は思った。
「泉はメンタル強いし、普通に活躍するかもしれへんな」