この小説の五割は、セイバー成分で出来ています。
私にも、パダワンができるようです
「やぁオビ=ワン。調子はどう?」
ジェダイ聖堂の一角で、偶然任務帰りのオビ=ワンに出会った私は、からかうように声を掛けた。
「シャル! いつからそこに?」
私がいることを想定していなかったのか、彼は驚いたような仕草を取る。
「んー、ちょっと前から、かな? で、任務はどうだった? また生意気なパダワンに振り回された?」
くすくすと、彼を茶化すように話し掛ける。
こうしていると反応が面白い。彼、堅物だからなぁ。
「誰が生意気ですか、マスターシャル」
すると、むすっとした表情を浮かべたアナキンが、抗議の声を上げる。
「僕がいなければ、今頃オビ=ワンは溶岩の底ですよ」
「アナキン。確かにそうだが、元はと言えば君が相手を挑発したからじゃないか」
「フン、挑発もなにも、相手は最初からやる気だった。遅かれ早かれああなってましたよ」
オビ=ワンとアナキンが、互いに言葉の応酬を繰り広げる。
映画やクローンウォーズで見られたような、二人の日常だ。
「まぁまぁ、落ち着きなってアナキン。オビ=ワンも困ってるよ」
「むっ…………貴女が言うなら、仕方ありませんね」
不服そうに、アナキンが言葉の矛を収めた。
「パダワンを持つと大変ね、オビ=ワン。まぁ、私はしばらくこのままでいるつもりだから、関係ないけど」
スクリーンの中ではいいコンビに見えていた二人だけど、実際のところはかなり大変らしい。オビ=ワンもオビ=ワンで、パダワン卒業即弟子を取って、しかもそれが期待の"選ばれし者"なんだから、受けるプレッシャーは相当なものだったろう。それでよく、ここまでアナキンの面倒を見れたものだと感心する。
―――そんな彼の姿を見ていたからこそ、パダワンなんて、ちっとも取る気にはなれなかったし、取るつもりもなかった。
「それはどうかな、シャル。噂に聞いた話だが、君もパダワンを持つことになるそうだぞ?」
―――なに?
「えっ…………私が、パダワンを……?」
「ああ。評議会も、お前が弟子を取れば少しはマトモになると踏んでいるんじゃないかな?」
予想外の、オビ=ワンの情報。
まだ暫くは悠々自適なジェダイライフを送る予定だったというのに、パダワン…………だと…………?
想定外だ。
確かに私は、ジェダイの中ではアウトロー気質な不良組だ。オーダーがそんな私に責任感を芽生えさせようと、パダワンを取らせる流れは理解できなくない。
だけど、オーダー66に備えた生存圏の確保すらままならないというのに、ここにきて後進の育成とは。
私は頭を抱えた。
弟子を取ったら、そっちの育成に時間を取られるじゃない! お陰で研究が進まなくなる。
まだまだ自前の宇宙艦隊すらろくに編成できていないというのに、更に時間を削られるなんて。
艦隊だって、つい最近巡航艦クラスを一隻造り上げたばかりなのだ。必要な規模には、まだ遠い。
そう考えたら、弟子を取っている暇なんてない。
だから、私は断ろうと思っていたんだけれど…………
そう、"彼女"の姿を見るまでは。
「こんにちわ! アルトと申します、マスターシャルロット! ご指導の程、よろしくお願いします!!」
…………天使だ。
それが、彼女の第一印象。
天使が、目の前にいる。
キノコみたいなでっかい帽子を頭に乗せて、犬耳みたいな耳当てを揺らす。
その金の髪は癖っ毛で、所々跳ね返っているのが可愛らしい。
翡翠の瞳は少女らしくくりくりで、疑うことを知らない純粋さを湛えていた。
そして溌剌な◯澄ボイス…………これはもう、間違いない。
――――アルトリア・キャスターに瓜二つな、天使が私の目の前にいた。
…………よし。
決めた。
私、この娘をパダワンに取る。
この娘にオーダー66なんて悲劇、体験させてたまるものか。
絶対に、死なせてなんてたまるものか。
―――これが、私と彼女…………アルトとの出会い。
クローン戦争が始まる、僅か一年前のことだった。
この小説は5割のセイバー成分と、五割のクローン成分から構成される予定です(暴論)
キャストリアは天使。異論は認めません。
ようやくヒロイン兼ユリアンポジの子の登場です。
アルトの外見は、キャストリアの容姿に一臨の帽子+肩出しのジェダイの着物です。