共和国の旗の下に   作:旭日提督

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やっぱりこの世界はセイバーウォーズで間違いないみたいです。

 シャトルを駆逐艦カルデアに着艦させた私は、早速ブリッジへと赴く。

 現在〈カルデア〉はイードゥー軌道上に待機中で、惑星軌道に敵影がないことは確認済みだ。

 

「あの…………マスター?」

 

 私の後ろをひょこひょこと付いてきたアルトは、不安げな表情で辺りを見回している。

 兵士級じみた帽子の耳当てはそんな彼女の心境を代弁するかのように、いつもより垂れて見えた。かわいい。

 

「心配しなくていい、アルト。すぐに終わるさ」

 

 今回の任務、元から交渉の余地はない。

 ここにBC兵器があるか否か、それを確認すれば済む話だ。―――確認だけで済ませるつもりはないけどね。

 先ずは手始めに惑星スキャン。こんな無人惑星に生命反応があるだけで怪しさ満点だ。

 私は〈カルデア〉をイードゥーの赤道上に移動させ、自転方向とは逆向きに航行させた。

 

「おっと…………これはビンゴかな?」

 

 ものの数分もしないうちに、惑星スキャンに生命反応がヒットする。

 これは、間違いないと見ていいだろう。

 

「アルト。見つけたぞ。降下準備だ。……覚悟はいいな?」

 

「―――はい。いつでも準備万端です」

 

 感知した不審な生命反応に向けて、再びシャトルを発進させる。

 

 イードゥーの大気圏内は大半が雷雲に覆われていて、昼間でもレーダーに頼らないと飛べないくらいに暗い。

 加えて激しい嵐が襲うものだから、機体を安定させるだけでも一苦労だ。

 

「よぅし、見つけたぞ」

 

 件の生命反応があった地点に到着すると、案の定、無人惑星には不釣り合いな人工物の姿が見えた。

 

「いよいよですか、マスター」

 

「ああ。着陸したら一直線に正面に向かう。カチコミだ」

 

 シャトルは施設の宇宙船ポートに脚を下ろし、ガクンと一度だけ大きく揺れて着陸する。

 私とアルトはシャトルのタラップを降りるとすかさずライトセイバーを起動して、一直線に正面出入口へと駆けた。

 

「侵入者ダ、止マレ!!」

 

「げっ、ブリキ野郎!?」

 

 正面出入口が開き、中の照明が視界を遮る。

 気付いた時には、出入口から十数体のバトルドロイドが押し寄せていた。

 

「ってことは…………ビンゴね。アルト!」

 

「はいっ、マスター!!」

 

 私の掛け声に応じて、跳び上がったアルトはバトルドロイドの群れに吶喊し、そのうちの一体を袈裟斬りに両断する。

 

「ジェダイダ、撃テ!」

 

「ラジャラジャ」

 

「っ、突破します!」

 

 バトルドロイド達は突撃したアルトを半包囲するように展開し、ブラスターの引き金を引く。

 

 しかし赤いブラスターの光は彼女の青い光刃に弾き返され、何体かは味方が放った銃弾を浴びて倒れた。

 

「―――マズイ。増援ヲ……」

 

「おっと、私を忘れてもらっては困りますね」

 

 アルトが正面のバトルドロイドを粗方片付けたところで、私は彼女の死角に立っていたバトルドロイドを両断する。

 いやぁ、ジェダイでも縮地って使えるのねぇ。私の外見がアルビノ沖田さんなだけにもしかしたら、って思って修行してみたら、案の定上手くいった。…………まぁ、この世界ならフォースの後押しを受けられる分、簡単なのかもしれないけど。

 

 ―――やっぱりフォースって万々歳ね! 

 

 ちなみに、今の得物はダブルブレード式セーバーだからか、無明三段突きの再現はむずかしい。―――いや、アレは修行云々でどうにかなるようなモノではないし、当たり前っちゃ当たり前か。

 

 

 …………さて、バトルドロイドはこれで全部片付いた。

 後は強盗よろしく施設を隅々まで蹂躙して、陰謀を丸裸にしてやるだけだ。隠匿は公開に劣る、白日の下にさえ曝してしまえば如何な陰謀といえど砂埃のように消え去るのが運命だ。

 

「さぁて、行くぞアルト。ジェダイ様の御用だぁ!!」

 

「はいっ、マスター。御用です! 覚悟しろぉ!」

 

 手始めに、監視塔とかから見ているであろう施設管理者を挑発するため、監視カメラに向かって叫んだ後破壊する。

 

「侵入者ダ、殺セ」

 

「ラジャラジャ」

 

 ガシャガシャと忙しない機械音を立てながら接近するのは、B1バトルドロイドとB2バトルドロイドの混成中隊だ。

 …………毎度思うんだけど、彼ら、狭い通路内で綺麗に整列してるものだから、後ろの連中が完全に遊軍なのよねぇ。やっぱり彼らはお馬鹿さんみたい。

 

「へぇ…………何体来ても同じだってのに。―――速攻で片を付けるよ、アルト!」

 

「ええ、お任せを、マスター」

 

 慣れ親しんだ金色のダブルブレード式セーバーを構え、アルトと共にバトルドロイドの群れへと突撃する。

 

 ―――全てのブリキ野郎が片付くまで、3分とかからなかった。

 

 ……………………………………………………

 

「さぁて、頼みの用心棒はもういない。いい加減出てきたら?」

 

 バトルドロイドを蹂躙した私は、何個目か分からないカメラに向かって叫ぶ。

 今のところ、〈カルデア〉に残ったR3から報告はないから、イードゥーから脱出はしてない筈だ。もし地表から宇宙船が上がってきたら、〈カルデア〉が拿捕する手筈になっている。

 

「はぁ…………激しいのは歓迎だけ? まさか空振りで済ませるつもりじゃないでしょうね」

 

 これまで見てきた部屋は全部ひっくり返したが、お目当てのモノはなかなか見付からない。怪しい扉やら壁は片っ端から切っているが、隠し扉の一つも見えない。

 

「いい加減出てきなー。抵抗は無駄だぞー、あんたの母さんは泣いてるぞー」

 

「そ、そうですよ! マスターに従った方が身のためですよ!」

 

 棒読みでカメラに連呼する私に続いて、アルトも初々しく挑発する。かわいい。

 

 カツン。

 

 ―――ふと、鋭い足音が廊下に響いた。

 

「へぇ…………まさか、本当にジェダイが来るなんて。簡単な仕事だと思ったけど、やっぱりヤバいんじゃない、ジェーン」

 

「まぁまぁ、引き受けたからにはやるしかないしょ、気楽になる早で行ってみよっか」

 

「…………気楽にできる相手ならいいけどね!」

 

 廊下の影から現れたのは、黒髪赤眼の小柄な女と、金髪翠眼のスタイル良さげな女の二人組。共に得物はブラスターのようで、手には銃のようなものを持っている。―――が、黒髪の方は剣も持っているようで、接近戦でも油断ならない。

 

 それは置いといてこの二人、どう見ても…………

 

 ――スペースイシュタルとカラミティ・ジェーン!? 

 

 いやいや、アルトはともかく、なんでこの二人まで? ここは本当はスターウォーズじゃなくてサーヴァントユニヴァースだったんですかー! 

 

 そっくりさんで済ませるには、私やアルトと違って向こうの本家さながらだし、やっぱりユニヴァースなのかなぁ。そういえば水着沖田さんもユニヴァースだし、キャストリアもヒロインXも元は同じ存在だし…………ああもう、どうなってるんですかー!! 

 

「…………あの、マスター?」

 

 …………うん、やっぱりこの世界、ユニヴァースだったみたい。




スターウォーズの世界で銀英伝ムーブしたい主人公、周りはいつの間にかユニヴァースに染まっていたみたいです。
パロディを本家に放り込むという暴挙。
ちょうどEP"Ⅱ"に差し掛かる頃ですし、あの二人も登場はセイバーウォーズ"Ⅱ"でしたね。
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