共和国の旗の下に   作:旭日提督

21 / 125
聖堂はコイバナもタブーです

~コルサント、ジェダイ聖堂~

 

 

「やぁ、マスターオビ=ワン。元気にしてたかな」

 

 聖堂を歩いていると、向かいからオビ=ワンとアナキンの二人組が歩いてくる。任務帰りか何かだろうか。

 

「マスターシャル? ああ、見ての通りさ。全く、やんちゃな弟子を持つと大変だよ。君が羨ましい」

 

「マスター、それはどういう意味ですか」

 

 不服そうなアナキンが、すかさずオビ=ワンに反論する。

 EP1の可愛らしい姿は何処へやら、反抗期真っ盛りの青年ジェダイへ成長していた彼は、背丈もオビ=ワンを抜いていた。

 端から見れば、まるで父子のよう。

 

「なに、そのままの意味さ。なぁシャル、一日だけでも交換してみないか?」

 

「それは面白そうだ。……だけど、うちのアルトは渡さないよ」

 

 オビ=ワンが冗談めかしてそんな提案を投げ掛けるが、きっちり断っておく。

 あの娘は私の癒しなんだ、誰にも渡さん。

 

「あれはあれで手のかかる娘だからねぇ。そう簡単には渡せないさ」

 

「それは残念だ」

 

 周りからは大人しくて真面目な子というアルトだが、けっこう猪突猛進君達なところもあるし、実は地味にサボり癖もあるから面倒を見るのもちょっと大変だったりする。そういう面も含めて可愛いんだけどね。

 それに、一日でも彼女が淹れた紅茶が飲めなくなるのはつらい。何、自分で淹れろ? 私の家事スキルは壊滅的なんだ、察してくれ。

 

「…………ところで、何か良いことでもあったのかいアナキン。顔が浮かれているよ」

 

「ほぅ、君も気付いていたか」

 

 普段と違って、何処かうわついた雰囲気のアナキン。

 ほーん。これはもしや…………

 

「僕は普段通りですよ、マスターシャルロット」

 

 彼はそれでも平静を保とうとするが、こっちにはバレバレだ。ついさっきニュース速報でナブーシャトルの爆破事件をやっていたから、おおよその理由は想像がつく。

 

「マスターシャルにもばれてるんだ、諦めろ。実はな…………アミダラ議員の護衛を頼まれているんだ」

 

「ほほぅ、アミダラ議員の護衛かぁ。もしかして君……」

 

「なっ…………有り得ませんよ! 掟に反します」

 

 ―――図星か。

 

 頬をやや紅く染めた彼は、全力でそれを否定する。

 

 未来を知ってるとかは関係なく、見る人が見れば察せられるぐらいにはバレバレだぞ、アナキン。

 

「ふふっ、分かっているとも。まぁ頑張れ、色々とな」

 

 若きスカイウォーカー弄りもできたことだし、そろそろ戻るか。

 

 擦れ違う二人に軽く手を振って、その場を後にする。

 

 しかし…………もう「エピソード2」の冒頭まで来ているのか。いよいよだな。猶予期間はあと3年、ってところか。

 

 軍内部でのコネ作りに艦隊の錬成…………まだまだやることは多いなぁ。帝国への反逆プランだってまだまだだ。マッハで腐敗する新共和国(カノン)とかいう無能集団にも対処しないといけないし…………ハァ、疲れるなぁ。

 

 なんて色々考えてたら、いつの間にか自室前。

 どうも、最近時の流れを早く感じる。私もいい年になったかなぁ―――まだまだバリバリの20代だぞ…………? 

 

「ただいまぁ~アルト。今日の紅茶は蜂蜜とブランデーマシマシで頼むよぉ~」

 

「マスター!? 第一声がそれですか? …………ってか、さっき飲んだばかりですよね? 昼間からそんなにブランデー入り飲んでたら体に毒ですよ?」

 

「いいんだ、アルト。たまにはそうしたくなる時だってあるさ」

 

「はぁ…………分かりました。ただし、明日のブランデーは減らしますからね?」

 

「ぅえっ!? …………マジで?」

 

「マジです」

 

 最初は無邪気で可愛らしかったアルトも、近頃はなんか青王に似てきた気がする。こう―――なんか、真面目な委員長ムーブが多い。

 

 ―――最近、なんだか弟子が冷たいです。

 

 

 

 ―――いや、あんたが堕落しきってるからでしょう(byアルト)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうした、アナキン」

 

「いえ、何でもありませんよ」

 

 シャルロットが去って数刻、聖堂内のエレベーターにて。

 

 彼女と会ってからというものの、落ち着きの無さに拍車がかかったアナキンを気遣って、オビ=ワンが声を掛ける。

 が、彼は頑なにいつも通りだと主張し、オビ=ワンもパドメに会うのが近いからだろうと結論付けた。

 

 ―――ほほぅ、アミダラ議員の護衛かぁ。もしかして、君……

 

 ―――ふふっ、分かっているとも。まぁ頑張れ、色々とな。

 

 バレている…………? 

 

 いや、だとしたら、最後の台詞は一体…………

 

 内に秘めたパドメへの想いを気付かれたのか、と焦るアナキンだったが、彼女はそれを咎めるどころか、応援するような節だってある。

 それが余計、彼の心に混乱を呼んでいた。

 

 ―――そうだ、僕はジェダイなんだ。掟を、破る訳には…………

 

 ―――堅いなぁ、少年。なぁに、人間には自然なことさ。そう難しく考えるな。何も籍を入れるのだけが愛の形ではないぞ? 

 

 心の中で、夢魔のようなシャルが呟く。

 飄々として囁く彼女は、ジェダイというよりむしろ暗黒面の手先のようだ。

 

 ―――執着は、暗黒面に繋がるんだ。

 

 ―――いやいや、それこそ飛躍し過ぎだろう。何なら家庭をもったらみんな暗黒面に堕ちるのか? それは暴論って奴さ。

 

 ―――そう、だよな。

 

 シャルの否定は、尤もだ。

 愛情は執着に、ひいては暗黒面に繋がるというが、それだったら、世界はもっと暗黒面に溢れている筈だ。

 

 ―――まぁ、そうすぐ結論を出せる問題じゃない。自分の心で、ゆっくり考えていればいいさ。

 

 ―――すまない、心配してくれているんだな、ありがとう。

 

 心の中でシャルに諭され、幾ばくかの余裕ができたアナキン。その後、パドメと会うときには何とか平静を保てたとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 いやはや、そう易々とやるもんじゃないね、これ。

 

 他人の心にまで入れるなんて、本当フォースって何でもアリだけど…………いや、そう滅多に使うもんじゃないな。

 

 まぁ、ともかくこれで、少しはマシになってくれたら良いんだが…………




EP8、9の描写を見たら、これぐらいのことは出来そうな気がする。
シャルロットのモデルは外見アルビノ沖田さん、中身ヤンリスペクトの一般人ですが、マーリン成分も含んでいます。むしろマーリンを書いてるつもりでシュミレートしてます。
ところでプロトマーリンって可愛いよね。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。