共和国の旗の下に   作:旭日提督

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開戦!クローン戦争

ジオノーシスの戦いで勝利を収めた共和国軍だったが、分離主義派の指導者層の捕縛には失敗してしまう。
分離主義者はかねてから準備していた独立星系連合バトルドロイド軍を起動し、銀河各地で先端を開いた。

会戦から程なくして、共和国軍の小艦隊が次々と消息を断つ事件が発生。ジェダイマスター、プロ・クーンの活躍により、この事件は分離主義者の新型戦艦〈マレヴォランス〉によるものだと判明した。

ジェダイナイト、シャルロット・フォン・ブリュッヒャーは、新鋭艦を受領し、ジェダイマスター、ルミナーラ・アンドゥリと共に〈マレヴォランス〉破壊作戦の支援任務に就くことになる………


EPISODE 2.02 クローン・ウォーズ
カリーダ星雲近傍の戦い


 ~アウターリム・テリトリー、カリーダ星雲近傍~

 

 

「見えました、将軍」

 

 私達が乗るニュー級アタック・シャトルの眼前に、紅白の塗装を施された巨大な軍艦が浮かんでいる。

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 ―――ヴェネター級スター・デストロイヤー。

 

 銀河共和国軍の主力艦であり、初のスター・デストロイヤーだ。尤も、この時代はもっぱらクルーザーと呼ばれており、スター・デストロイヤーと呼ばれるのは帝国時代になってからなのだが。

 

 アクラメーター級より二回り以上も大きいヴェネター級の艦体は、確かにスター・デストロイヤーと呼ばれるだけの迫力がある。正直、インペリアル級より好みだ。

 全体のデザインから特徴的なツインブリッジ、4基並んだメインノズルの配置云々、とにかく全てが素晴らしい。

 

 ―――ゲフンゲフン。ヴェネターたんprpr鑑賞会は後回しだブリュッヒャー。今は務めを果たせ。

 

 ―――サーイエッサー!

 

 二言の脳内会議で刺激された英国面を沈静化。頭を指揮官モードに切り替える。ヤン・ウ○ンリープログラムをインストール。私は艦隊指揮官だ。

 さて、余裕をもって優雅たれ。指揮官らしく、冷静に行こうじゃない私。………え、それ違う?あー確かに。これトーサカプログラムだったわ。―――急いでアンインストールしないと。

 

《シャトルN-0157、着艦を許可する。一番ハンガーに向かえ》

 

「了解した」

 

 シャトルはクルーザー側から指定されたコースを取り、クルーザーの左右に割れたフライトデッキへと吸い込まれるように着艦する。

 

「ご苦労、パイロット。よしアルト、ルキア、行くぞ」

 

「了解です、マスター」

 

「イエッサー」

 

 私はアルトとクローン・コマンダーのCT-01/425、コマンダールキアに声を掛け、二人と共に艦内へ入る。

 ジオノーシスでは留守番だったアルトも、いよいよ戦争に駆り出されるのはやはり師としては心苦しい。幾らアルトリア顔(キャストリアのそっくりさん)といえど、彼女はまだまだ未熟なのだ。できる限り守ってやらないと。

 

 そしてコマンダールキア―――何故ニックネームが某女死神と同じなのかは置いといて、彼は私の大隊の副官に就任したクローントルーパーだ。当然バイオチップは「健康診断」と称して密かに抜いた。ざまぁみろパルパルめ。

 原作ではデルタ分隊の指揮官をしていた彼だが、この世界では一般兵からコマンダーに出世しているらしい。装甲服も「リパブリックコマンド」の真っ白なフェーズⅠではなく、黒と白にペイントされている。オプション装備は両肩に黒いポールドロンを着け、腰にはカーマを巻いている。ずいぶんと偉そうになったじゃない、お姉さん感激よ。

 

 ―――こほん。

 

 とにかく、今は時間がない、早く艦橋に向かおう。

 ちなみに本来ルキア(CT-01/425)が率いていたデルタ分隊だが、今は別命を受けてマイギートーに向かっている。きっと彼等なら大暴れしていることだろう。

 

 

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「ようこそ〈ヴィンディケーター〉へ、艦長のネモだ。気軽に呼んでくれればいい。よろしくね、ブリュッヒャー将軍」

 

「こちらこそ、ネモ艦長。しばらく世話になるよ」

 

 ………………んで、なんで艦長が某幻霊サーヴァントなキャプテンなの? 

 私シオンじゃないよ? ねぇ…………

 

 どうもこの世界、ユニヴァースどころではないらしい。――いや、うちの弟子かいる時点で考えても無駄か。

 

 それはともかく、小さい子って可愛いよね。

 

 

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「マスタールミナーラ、此方は準備完了です」

 

《わかりました。艦隊を出します》

 

 出港準備を終えた艦隊は、寄港地であったカリーダ・ショールズ医療センターを出港する。

 今回の作戦は、CISの新型軍艦〈マレヴォランス〉を追撃するアナキンとオビ=ワンの部隊に、敵を近づけないことが目的だ。更に、敵の攻撃目標であった医療ステーションの防衛も任務だ。

 

「ネモ艦長、〈ヴィンディケーター〉を出してくれ。作戦開始だ」

 

「了解。――いやマスターブリュッヒャー。敵影発見だ。総員、持ち場につけ!」

 

 私達が出港した直後、眼前に図ったかのようなタイミングでCISの艦隊が現れる。

 数は…………レキューザント級が1、ミュニファンスト級が4、加えてゴザンティを始めとした軽快艦艇が14か。

 

 此方の戦力は、マスタールミナーラの艦隊がヴェネター級1、サウザーン級2、バーゼル級8。私の艦隊がヴェネター級が〈ヴィンディケーター〉と僚艦の〈ハービンジャー〉、サウザーン級1、バーゼル級6、カンサラー級チャージャーC70改装型が2隻。どうやら共和国軍は、私がコレリアン社に設計図を流した軍艦を活用しているらしい。設計者として嬉しい限りだ。

 戦力はほぼ互角だが、敵が1個艦隊なのに対して此方は分散している。このままでは、敵に各個撃破されてしまうな。

 

「マスタールミナーラ、艦隊を一度集結させましょう。このままでは各個撃破される恐れがあります」

 

《分かりました。貴女の提案に従います》

 

 直ちにホログラム装置を起動し、マスタールミナーラに連絡を取る。

 

「プロトン魚雷発射、当てなくて良い、突撃する敵小型艦を撹乱するんだ!」

 

「イエッサー!」

 

「ターボレーザーは大型艦を狙え。弾幕を張り続けろ」

 

「イエッサー!」

 

「航空隊は敵ファイターへの対処を。母艦に一歩も近付けるな?」

 

「イエッサー!」

 

 ネモ艦長の指示を、クローンのクルー達が的確に実行していく。

 流石はキャプテン、敵を上手い具合に撹乱してくれている。

 

「あの…………マスター?」

 

「どうした、アルト」

 

「私も何か、お役に立てることは…………」

 

 ふと、袖を引かれる感覚。

 見るとアルトが、上目遣いで私に訊いているではないか。かわいい。

 

 だが、今は彼女の出る幕はない。幾らジェダイと言えど、ライトセーバー一本で宇宙空間の敵艦をどうにかできる訳ではないからね。

 

「いや、今はないよ。君はここで待機だ。なぁに、気にするな。これも一つの見学だと思って見ているといい」

 

「……わかりました、マスター」

 

 彼女には、今は私とキャプテン・ネモの指揮を見学してもらおう。戦争が始まったからには、いつか彼女も共和国軍のコマンダーとして戦闘に立たなければならない。なのでこれは彼女にとって、部隊指揮を勉強するいい機会だ。

 

「軽快艦艇を全面に押し出せ。マスタールミナーラの艦隊に敵コルベットが殺到している」

 

 私とマスタールミナーラの隊は合流しつつあるが、敵戦力は未だに互角だ。更に分が悪いことに護衛艦の少ない彼女の艦隊はダメージが大きい。既に駆逐艦が3隻沈められた。

 対して私の駆逐艦部隊はまだ余力を残しているので、彼女の艦隊へ援護に向かわせる。

 

「〈ハービンジャー〉、前に出過ぎだ、無理する必要はない。敵を足止めさえすれば此方の勝ちだ」

 

 僚艦の〈ハービンジャー〉は、旗艦〈ヴィンディケーター〉より前に出たが故に敵の集中砲火を受けた。

 今回の作戦は敵の進路を塞ぐのが最大の目的なので、敵を深追いする必要はない。無用な損害を出される前に〈ハービンジャー〉には後退を指示する。

 

「敵スターフリゲート撃沈。しかし我が方も駆逐艦1隻を失いました」

 

「いい調子だ。このまま敵艦隊の足を止めろ」

 

「ファイター隊、一時帰還だ。ベータ中隊に交代しろ」

 

 互いの砲撃で、フリゲートと駆逐艦が爆ぜる。艦船の上空では、CISのドロイド・スターファイターと共和国のV-19トレント・スターファイターが格闘戦を繰り広げている。

 

「将軍、ルミナーラ将軍から通信です」

 

「マスタールミナーラから? よし繋げ、ルキア」

 

「イエッサー」

 

 ルキアが通信機をセットし、マスタールミナーラのホログラム映像が投影される。

 

「マスタールミナーラ、何か進展が?」

 

《はい。――スカイウォーカー将軍が〈マレヴォランス〉の破壊に成功したようです。作戦は成功しました》

 

「了解。―――では我々も戻るとしましょう。ほら、敵さんも逃げてるみたいですし」

 

 マスタールミナーラからの通信は、作戦の成功を告げるものだった。まぁ、私は成功するって知ってたけどね。ここは史実通りだ。

 

 敵艦隊は救援対象の〈マレヴォランス〉が沈んだからか、踵を返すが如く戦闘宙域を反転離脱していく。もう主目的は消えてるんだし、ここで戦い続けても〈マレヴォランス〉を攻撃していたオビ=ワンの艦隊も合流するんだ、敵にとっては益々不利になる。順当な判断だ。

 

「全艦、撃ち方止め。さぁ、戻ろう。目的は達した―――我々の勝利だ」

 

 新型軍艦〈マレヴォランス〉の脅威は去り、共和国軍は勝利を手にした。私にとっても初めての艦隊指揮だったが、まぁ順調といったところだろう。陸戦の時みたいにならなくてよかった。

 

 しかし―――これがあと3年続くのかぁ。

 

 気が滅入るなぁ。

 ま、今はとにかく、次代の平和の為に頑張るとしますか。

 

 

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