共和国の旗の下に   作:旭日提督

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 この回は、夭嘉様の『ジェダイ(仮)になりました。』とのコラボ企画になります。

https://syosetu.org/novel/225997/

 IFストーリーになりますが、どうぞお楽しみ下さい。
 時系列は、CWS2第3話「フォースの子供たち」の直後になります。



【IF】イレギュラーズ(コラボ企画)

~惑星コルサント ジェダイ聖堂~

 

 

「はあ…………」

 

 今日はなんて一日だ、と思わず溜め息が漏れる。

 

 私───アリス・レインは、評議会からの呼び出しに応じて聖堂の中に備えられた作戦会議室の一つに向かっている最中だ。

 そこで待っている奴のことを考えたら、憂鬱な気分と面倒くささが込み上げてきて何もかもを投げ出したくなる。

 

 とまあ、あれこれと考えているうちに、いつの間にか件の部屋まで辿り着いてしまったようだ。

 

 重苦しい気分に厳重に蓋をして、いざドアのスイッチに手を掛ける。

 

「来たよ。さっさと済ませましょう」

 

 見るからに、面倒くささが滲み出た声色で挨拶する。

 自分ですら分かるほどなのだから、"彼女"にも私の気分は充分に伝わっていることだろう。

 

「きっちり3分前集合。───うん、いい心掛けですね」

 

「そりゃどうも。態々あんたと組まされるなんて、明日には隕石でも降るんじゃないのかと思って」

 

「同感ですね。インターセプターを半年で2機お釈迦にした貴女と組んだら、機体が幾らあっても足りない」

 

「何ですって!?」

 

「………機体だってただじゃないんだぞ。大体、貴女の操縦は破天荒過ぎる。アナキンに教えてもらった方がいいんじゃないですか」

 

「やだよ。アナキンなんて天才型だし。私に分かるわけないでしょ」

 

 目の前に佇む銀髪の女───シャルロット・フォン・ブリュッヒャー。

 彼女は私より二歳ほど年上で一応先輩にあたるジェダイなのだが…………とにかく馬が合わない。

 

 コイツ、普段は不真面目ぶってる癖にやることはしっかりやるんだからさ。おまけにジェダイの掟とか諸々を屁とも思っていないことが言動の節々から感じ取れる。正直、よく分からない人だ。おまけに心が読めないときた。ダークサイダー………という訳ではないと思うんだけどなぁ。だったらここには居られない筈だし。

 私も私でジェダイの生き方には息苦しさを感じることもあるのだけれど、流石にコイツほど露骨ではないと信じたい。アハハ…………

 

 おまけに、顔を会わせる度になにか言い返してくるし。

 口喧嘩で一度も勝てた試しがないのが、なんだが癪に障ってむずむずする。

 ついでだが、ライトセーバーの打ち合いですら勝てた試しがない。正直、こいつの剣は反則だと思う。

 だって、まさか型が無いとか思わないでしょ!?何なのよあの邪剣! 

 

 ───歴史にこんな奴は居なかったと思うんだけど、たぶん、私が知らないだけなんだろう。うん。描かれてた部分が全てじゃない訳だしさ。

 

「で、今回の任務中ってのは何なのよ」

 

「話が早くて助かります。今回は、どうやら調査任務みたいですね。艦隊戦じゃないのは不満ですが」

 

 そしてありがたいことに、今度の任務の指揮官はコイツらしい。評議会からは、任務の内容はコイツから聞けって言われている。

 確かに彼女はクローン戦争で戦果をたくさん挙げているからリーダーを任されるのは納得といえば納得なのだけれど、それでも不満は拭えない。

 

 だからって、わざわざ私を下に付けなくてもいいと思うんだけど! 

 それにあんた! 態々「戦いたいなぁ…………」なんてオーラ、出さなくていいから! 

 

 ───まあ私も私で、たまに息抜きに暴れたい時とかはあったりするけど。

 

「先日、スカイウォーカーとタノが分離主義派の秘密施設をムスタファーで発見した話は聞いてますね。評議会と軍は、類似の施設がまだあると踏んでいるらしい」

 

 一段と、抑揚が低くなる彼女の声。

 コイツとも知り合いのアナキンに聞いてみたら、いわゆる"軍人モード"って奴らしいけど、どうにも慣れない。

 

 ああもう、勘弁して欲しい。

 この急な空気の切り替え、本当びくっとするんだから。

 

「どうかしました?」

 

「いや、何でもない。続けて」

 

「コホン! では…………」

 

 いつの間にか彼女の隣に控えていた、Rシリーズのアストロメクがホログラムを投影する。

 そこには、ある星系の星図が映し出されていた。

 

「件の施設は、先日評議会から盗み出されたホロクロンの情報に記されていたフォース感応者を収容していると見られている。何せ、あと一人見つかっていませんからね。我々の任務は、この施設の調査です」

 

 ああ、そういえばそんな事件あったなぁ。

 キャド・ベインがホロクロンを盗み出して、ホロクロンの情報に基づいてフォース感応者の赤ん坊を各地で誘拐していた話だ。

 赤ん坊がシディアスの手先のダークサイダーの戦士にするために危うく改造されかけていたところを、アナキンとアソーカが間一髪で間に合ったんだ。

 

 ───でも、おかしいなぁ。あの話はそこで終わっていたと思うんだけど。

 

 だけど、まだ一人見つかっていないとなれば急がなくちゃ。あんのにっくきシディアスの手先にされる前に、何としてでも助け出さないと。

 

「先行偵察艦〈センチメンタル・ジャーニー〉の情報から、敵戦力の大まかな配置は分かっている。我々はここを強襲突破し、敵施設内に突入。この施設の実態を解明し、誘拐されたフォース感応者を救出する。いたってシンプルですね」

 

 ───あれ? いつの間にか、攻撃の話になってない? 

 最初、調査だって説明していたと思うんだけど。

 

「あの…………」

 

「何です?」

 

「さっきあんた、"調査任務"って言わなかったっけ」

 

「ええ、勿論。調査です。ですが敵戦力が展開しているので、排除します」

 

 ───脳筋だ、コイツ…………

 

「私の艦隊からクルーザーを一隻手配しました。敵の施設はどうやら秘匿施設らしいのでろくな艦隊戦力も展開してません。まぁ、鎧袖一触でしょう」

 

 ───何やってるのさ…………

 

 どうやら彼女は、自分の軍権を乱用してスター・デストロイヤーでカチコミを掛けるつもり満々のようだ。

 いや、だから、調査って…………

 

「敵に勝る戦力で仕掛けるのは王道中の王道ですからね。行く手に現れる敵は全て撃破する魂胆で仕掛けます。…………何か質問は」

 

「いや、もういいよ。何でもない」

 

 ───もう、なるようになれぇ~。アハハ……

 

 

 ……………………………………………………

 

 

 ………………………………………………

 

 

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 ……………………………………

 

 

~ミッド・リム 某星系 ヴェネターⅠ級スター・デストロイヤー “ヴィンディケーター ”~

 

【挿絵表示】

 

 

「見えました、将軍。例の惑星です」

 

「軌道上を封鎖する! 一隻たりとも惑星から逃がすな!」

 

「イエッサー!」

 

「ネモ艦長、惑星へのジャミングは任せました」

 

「了解だ。魚一匹通さない網を張るぐらいの緻密さでやっておくよ」

 

 …………さて、こうして目的の惑星系まで到着したわけだけど。張り切ってるなぁ、彼女。

 

 あとついでに、この艦の艦長さんがカワイイ男の子なのが唯一の癒しでした! ハイ!! 

 

「目標施設付近の敵はどうだ」

 

「ハッ! ドロイドが一個分隊と…………対空砲が幾らか、ジャングルの中に隠蔽されているようです」

 

「空爆を仕掛けるぞ。アルト、ファイター隊を率いて敵施設周辺の防空戦力を一掃しろ」

 

《了解です、マスター!》

 

 クルーザーの甲板が開いて、Yウィング・スターファイターが何機も飛び出していく。

 今の声は、どうやら彼女のパダワンみたいだ。

 確か、アルトって言ったっけ。

 彼女はこのひねくれたマスターと違って、素直でかわいい子なんだけどなぁ。少し話したことのある私ですらそう思うんだから、コイツが溺愛してるってのもさもありなんだ。

 

《インディゴ1、ボムズ・アウェイ!》

 

《ヴィザード03、ボムズ・アウェイ!》

 

《オメガ11イジェークト!》

 

《ああっ、オメガがまた墜ちたぞ!》

 

《この人でなし!》

 

《落ち着けジャン・ルイ、指揮を引き継ぐんだ》

 

 無線で、ファイター隊が爆撃を始めたことを示すコールが鳴る。

 それと同時に、レーダー画面に映っていた敵反応が一気に消え去った。

 多少の被害は出たみたいだけど、目的は達成したようだ。

 それはそれとして、この艦のファイター隊、矢鱈と無線五月蝿くない? 

 

「───敵地上施設、沈黙したみたいだね」

 

「よし、では行きましょう。ガンシップの準備は済んでいますね」

 

「え? あ、うん…………」

 

 さっきから、コイツのペースに振り回されてばかりだ。…………確かに、戦いが上手いというだけある。さっき空爆が始まったかと思ったら、あっという間にドロイド軍を制圧していた。

 

 いやもう、コイツ一人でいいんじゃないかな!? 

 

 

 …………………………………………………………

 

 

 ……………………………………………………

 

 

 ………………………………………………

 

 

 …………………………………………

 

 

「ゴーゴーゴー! ボサッとするな!」

 

「左から暗殺ドロイドだ!」

 

「怯むな、斬れ! 進め!!」

 

「イエッサー! 将軍の命令だ! 徹底的に叩き潰せ!」

 

「ポチっとな! これで終わりだ!」

 

「…………口数が多いぞ、スコーチ」

 

「へいへい、黙って片付けますよ、っと!」

 

 …………なにこれ。

 

 いざガンシップで地上に降りるとなったとき。()()()クローン兵がたくさんいるなぁと思ったけど、私は何も考えないようにした。

 今思えば、嫌な予感から目を背けたかったんだ。

 

 ───やっぱり戦争になってるじゃん!! 

 

 心の中でそう叫んで、飛来するレーザーをライトセーバーで弾き返す。

 

「ボス、フィクサー。左から回り込め」

 

「イエッサー!」

 

「スコーチとセヴは私と来い」

 

「了解です」

 

 そんな私の心境を知ってか知らずか、彼女は淡々とクローン達に指示を出す。

 

「クッソ! 何なのよこのドロイド!」

 

 暗殺ドロイドは、壁や天井をつたってこちらを翻弄するかのように距離を詰めてくる。

 レーザーを弾き返して落としてやろうと思ったけど、これがどうして、中々当たらなくてイライラする。

 

「マスターレイン、集中して下さい」

 

「あんたはいいよね……ッ! 戦いも上手だし、部下も精鋭揃いみたいだし……さっ!」

 

 やっとの思いで、暗殺ドロイドを一体倒す。

 

 だけどその間に彼女は、連れてきたクローン・コマンドーと一緒に全てのドロイドを片付けていた。

 

 …………やっぱり気に入らない。

 

「そういえばあんた、そのセーバー…………」

 

 ふと、彼女のライトセーバーが視界に入る。

 さっきから気になってけど、やっぱりそうだ。

 

「なんでテンプルガードのセーバーなんて使ってるのさ」

 

「ああ、コレですか? いやぁ、実は色々ありましてね、アハハ…………」

 

 長い柄の、黄色いダブルブレード式のセーバー。聖堂で何度か見たことがあったからすぐ分かった。

 私の質問をはぐらかすように、彼女は愛想笑いをして返す。

 

 ───絶対何かある顔だ、これ。

 

「それよりもフィクサー、施設のスキャンは終わりましたか?」

 

「イエッサー、間もなく終了します」

 

 話の流れを切るように、彼女は緑色のアーマーを着たクローン・コマンドーに尋ねた。

 

 すると、コマンドーの腕から施設のスキャン結果を示すホログラムの見取図が浮かび上がる。

 

「要救助者はどうやら…………この部屋にいるようですね」

 

「突撃します。デルタ、武器の再装填は済ませておけよ」

 

「イエッサー」

 

 え、突撃? 

 

 今、突撃って言わなかっ───ああっ、もう先行ってるし! 

 本当、何なのよもう…………! 

 

 …………翻弄されること約5分。やっと彼女が立ち止まった。

 ある扉の前で立ち止まった彼女は懐から徐にハンドブラスターを取り出すと───え、ブラスター? 

 

 ヒュンヒュンヒュン! っと、小気味いいリズムでブラスターのトリガーが引かれたかと思うと、ドアロックのコンソールパネルが無惨に破壊されていた。

 

 ガゴン! と鈍く開き始めるドアに向かって、ブラスターをセーバーに持ち換えた彼女はいの一番に突っ込んでいく。

 

「御用改めです! 抵抗するものは悉く斬り伏せよ!」

 

 ライトセーバーを突き付けながら、室内に居るであろう敵に向かって言い放つ彼女。

 

 やけに様になっているのが、なんだか無性にむかつく。

 

 …………コイツ、顔と声だけは良いのよね。中身はほんっと捻くれた外道ジェダイだけど。ブラスターも遠慮なく使うしさぁ。

 

 コマンドー達に続いて室内に足を踏み入れると、一体の育児ドロイドが赤ん坊を突き出しながらカッターの刃を展開していた。

 

 それを彼女は一気に姿勢を屈めて避けて、セーバーの刃で胴体を一閃する。

 ドロイドをバラバラに切り裂いた彼女は、放り出された赤ちゃんをフォースで引き止めてキャッチした。

 

「よっ、と…………片付きましたね。よしよーし、もう大丈夫でs…………」

 

オギャア! ンンギャアー!? 

 

 ~~~~~~ッ!? 

 

「あっ、ちょ…………だ、大丈夫だから…………」

 

オンギャア! ギャアーッ! 

 

「あっはは! あんたが怖いんだってさ、その赤ちゃん」

 

「むぅ…………ほ、ほらー、わたしは優しいお姉さんですよー?」

 

ギャアーッ! ンンギャー!! 

 

「ぐっ!…………中々手強い…………!!」

 

 彼女がドロイドから赤ん坊を取り上げると、赤ちゃんはびっくりしたのか盛大に泣きわめいてしまう。

 

 それを彼女は必死にあやそうとするが、中々赤ちゃんは泣き止まない。さっきまでの戦闘マシーンじみた彼女とは打って変わって、赤ちゃん相手にうろたえてる様子が面白い。

 

 すると彼女は、抱えていた赤ん坊を唐突に私に渡す。

 

 ────え? 

 

「じゃ、後は任せました。デルタ、撤収準備だ!」

 

「あの…………あれでいいんですか?」

 

「───スコーチ、命令に従え」

 

「サー、イエッサー!!」

 

「ボス、フィクサー、セヴ、直ちに撤収するぞ。戦略的撤退だ!」

 

「ハァ。了解です、将軍」

 

「あっ、待てこの! 逃げるなぁ!?」

 

 

オギャア! ギャーッ! ンンギャーッ!! 

 

 

 …………………………………………………………

 

 

 ……………………………………………………

 

 

 ………………………………………………

 

 

 …………………………………………

 

 

 後で評議会になんでコイツと組ませたのか聞いてみたら、どうやら私に戦闘経験を積ませるためだったらしい。

 いやまぁ、確かに戦闘にはなったけどさ───つまり、最初から評議会はこうなるのが想定済みだったってこと!? 

 

 本っ当、人の気持ちを考えない奴!!! 

 

 だけど、今回の任務で一つだけ学べたことがある。

 

 それは、コイツと組んだらどんな任務でも必ず戦争になるということだ。

 アナキンも三度の飯より戦闘が好きとか散々な言われようだったけど、彼女のそれは明らかに度が過ぎている。

 

 ───コイツとは二度と組んでやるかっ!! 

 

 帰り路のスター・デストロイヤーの艦内で、私は思わず心の中でそう叫んだ。




 この度は、コラボして下さった夭嘉様に御礼申し上げます。ありがとうございました!!

 シャルっちと夭嘉様のアリスさん、多分気が合わないよなぁという話をしていたらこうなってしまいました(笑)
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