元凶を突き止めた共和国・ジェダイ評議会は、アナキン・スカイウォーカーと第501大隊にこの施設の破壊を命令。シャルロット率いる艦隊は、彼等の援護に当たることになった………
ミッド・リムの宙域に属する惑星ルーサンは、分離主義勢力の支配下に置かれている。
分厚いガスに覆われた惑星ルーサンの付近には3つの地殻惑星並の衛星があり、そのうちの一つ、衛星ルーサン2の大気圏内に分離主義者の重要拠点〈スカイトップ・ステーション〉が存在する。
この基地には今アナキン達が潜入し、内部からの破壊工作と敵に拐われたアストロメク、R2-D2の救出任務を遂行している。
わが艦隊の任務は、彼等の活動を支援し、周辺宙域の敵艦を一掃することだ。
~ミッド・リム宙域、惑星ルーサン近傍~
「〈ハービンジャー〉、敵艦隊左翼に回り込め! 畳み掛けろ!!」
「震盪ミサイル、斉射! 右舷のゴザンティを沈めるんだ」
「イエッサー」
スカイトップ・ステーション破壊任務に就いているアナキン達を安全に回収するため、第51分艦隊は独立星系連合の勢力圏である惑星ルーサン近傍にまで足を伸ばした。
敵の重要拠点なだけ警備は厳重で、レキューザント級軽デストロイヤー1隻とミュニファンスト級スターフリゲート3隻、ゴザンティ級クルーザー8隻からなる防衛艦隊が待ち受けていた。
アナキン達は民間船を使って潜入に成功したらしいが、軍艦ではそうもいかない。第51分艦隊とCIS艦隊は、互いの姿を認めるとごく自然な流れで火蓋を切った。
「左舷から敵ファイター、接近!」
「〈フリゲート771〉が盾になってくれています」
CISのドロイドファイター、ヴァルチャー級スターファイター6機が〈ヴィンディケーター〉に肉薄する。その進路上にカンサラー級クルーザー〈T771〉が割り込み、敵機を妨害しつつ連装ターボレーザーの雨を浴びせる。
咄嗟の妨害で進路を塞がれたヴァルチャー級は半数の3機が撃墜されたが、もう半分は目標を〈T771〉に変更し、真っ直ぐ突っ込んでくる。
「ああっ、〈フリゲート771〉が!」
ヴァルチャー級は〈T771〉に自爆攻撃を仕掛け、左舷エンジンと兵装に深刻なダメージを与える。
敵に突っ込まれた〈T771〉は火災を巻き起こしながら進路を外れ、艦隊から落伍する。
「〈フリゲート771〉、後退し戦線を離脱しろ」
《イエッサー、直ちに》
〈T771〉は残ったエンジンを使って戦線を離れ、艦隊後方に退避していく。
「マスター」
ブリッジに響く、凛とした声。
「私も戦場に出ます、マスター! ファイターの操縦ぐらいなら……」
アルトだ。
澄んだ瞳で私を見上げる彼女には、確かな決意の色が宿る。
「アルト」
それに対して、私は―――
「いいかい、戦場なんてろくでもない場所だ。今まで君も見てきただろう」
「それは…………」
やはり彼女には、別の道を歩んで欲しいと思う自分がいる。親心ならぬ師匠心か、あの可憐な弟子には戦場になんて立って欲しいとは思えない。
だが―――彼女も今や共和国軍のコマンダーだ。私一人の勝手で戦場から遠ざけることこそ、軍人としてあるべき姿に反する。
ならば、私が取るべき道は―――
「アルト、60番デッキに向かうんだ。私の〈モルガン〉を使え」
「え? ――――あ、はい! ……ありがとうございます、マスター!!」
命令を受け取ったアルトは、嬉々として司令室を走り去る。あのファイターなら、そう易々と撃墜されることはないと信じて。
......................................
「こちらトレボー、ヴィザード01、発艦を許可する」
《了解! ヴィザード01、出ます!》
〈ヴィンディケーター〉の赤く彩られたフライトデッキが左右に割れ、一機のデルタ7が飛び立つ。
機体上部を白、下部を灰色に染め、右翼にアクセントの赤を差されたデルタ7―――シャルロットの改造型デルタ7イーサスプライト級軽インターセプター〈モルガン〉だ。
通常のデルタ7よりシールド出力と機動力を強化され機体には、シャルロットのパダワン、アルトとアストロメク・ドロイド、R3-Q1が搭乗する。
「ふふん、初任務ですね、R3」
「~~♪♪♪」
ご機嫌なのか、頭をぐるぐると回すR3。
彼につられて、思わず笑みが溢れる。
「さぁ、行きますよ! 特訓の成果、見せてやりましょう!」
雷光一閃。
敵ファイターの集団に突撃した〈モルガン〉は、機体下部に搭載したゾイサイド戦術レーザーシステムを起動し、その火力にものを言わせてヴァルチャー級を次々と凪ぎ払う。
《よう、嬢ちゃん。ようやくお披露目かい》
「ええ! 今までの分まで働きますよ! トルーパーさん!!」
《よぅし野郎共! コマンダーに続け! 絶対墜とされるんじゃねぇぞ!!》
《パープル2了解!》
《オメガ11了解!》
《インディゴ04、了解》
アルトの活躍に触発されて、クローン・パイロット達が彼女を援護すべく集結する。
ある時は大火力の戦術レーザーから逃れた敵機を、ハイエナの如く確実に仕留め、またある時は〈モルガン〉を狙う敵機の背後に忍び寄り、彼女の後背を侵さんとするドロイドファイターに鉄槌を浴びせた。
《オメガ11、イジェークト!》
《コマンダー、可愛いよなぁ》
《ミラージュ06、私語は慎め。墜とされたいのか》
《隊長、俺、帰ったらコマンダーに……》
《おいPJ、止すんだ! それはフラg……》
《ア"ーッ!》
トルーパー達は被害を重ねながらも着実にヴァルチャー級の大群をいなし、航空戦を次第に有利へと導いていく。
あるクローンデルタ7Aのパイロットは恒例行事とも言える緊急脱出を敢行し、あるV-19トレントファイターのパイロットは敵機5機を撃墜し油断したところを墜とされた。インガオホー、諸行無常とはこのことか。
「R3! 目の前の敵機をロックオンです! 狙い撃つぞー!」
「~♪ ~♪」
最後に残ったヴァルチャー級も、哀れアルトの〈モルガン〉に狙われて爆発四散。宇宙から消え去った。
「ふぅ、今回は上手くいきました。みなさんのお陰です!」
「~∥♪♪♪」
《おう、これからも任せておけ、嬢ちゃん》
《コマンダーの背後は我々が守ります。ご安心を》
空戦に勝利したアルト達は、編隊を組み艦隊へ凱旋する。
一方シャルロット率いる艦隊主力の戦いも、佳境を迎えつつあった。
....................................
「敵艦隊、後退を開始しました」
「追撃しろ。全艦、あの軽デストロイヤーに一点集中砲火だ!」
既に独立星系連合はミュニファンスト2隻とゴザンティ3隻を喪い、戦列は総崩れ。対してこちらはクルーザー〈T771〉こそ遺棄したものの、駆逐艦〈D502〉が撃沈されたことを除いて他艦は中破程度の損害で収まっている。
ファイター隊の戦いが上手くいったお陰で、ボマー部隊が大きな戦果を挙げている。
うん、やはり時代は空母機動部隊ドクトリンだな! 制空権さえ取ればこっちのものだ。
「イエッサー。セクター9-5の敵艦に集中砲火」
既に艦隊やYウイングの標的となって集中攻撃を受けていた敵艦は、この一斉射で遂に轟沈。
旗艦を喪ったCIS残党はそそくさと引き上げていく。
「将軍、スカイウォーカー将軍から通信です」
「繋いでくれ、ルキア」
「イエッサー」
どうやら、潜入部隊も任務を果たし終えたらしい。リーダーのアナキンから、私の旗艦に通信が入った。
《やぁシャル。そっちはまだお楽しみ中だったかな?》
「いいや、ついさっき片付いたところだ。その様子だと、君の方も引き揚げかい?」
《ああ。R2も取り返した。奴等のスパイ・ステーションも粉々さ。グリーヴァスには逃げられたけど》
ああそういえば居たなぁ、グリーヴァス。あいついっつも逃げてばっか。戦ったら強敵なんだけどなぁ。
ただ、指揮官としては正解だ。流石はドロイド軍の総司令官なだけはある。
《勿論、君のデルタ分隊も無事さ。今からそっちに戻るよ》
「了解した。ご苦労アナキン。続きは帰ってからにしよう」
分離主義者の情報施設、スカイトップ・ステーションは破壊された。これで共和国軍の分艦隊が待ち伏せに遭うことも少なくなるだろう。艦隊にとって、当面大きな脅威は去ったわけだ。
アルトも今日の戦いで一皮剥けたし、順調順調。
後は―――「動くシャーウッドの森」だな…………。
シャルロットの立ち絵を描いてみましたので掲載します。
作中で本人が言及している通り、セイバーフェイスの白髪沖田さんです。EP2までは赤眼、第一次ジオノーシスの戦い以降は金眼になります。
ジェダイローブは黒で、沖田さんに敬意を表してだんだら模様です。
セーバーは赤色ですが、普段はテンプルガードのライトセーバー・パイクを使います。
白髪沖田さんなので見てくれ"だけ"なら美少女です。中身はヤン・ウェンリーとマーリンを足して割ったような毒舌&享楽主義者ですが(笑)
【挿絵表示】