分離主義者は共和国の惑星ライロスに進攻、瞬く間に惑星全土を支配下に置いた!
共和国はジェダイ将軍マスター・アイマ=ガン・ダーイを指揮官とする守備隊をもって抵抗したが、バトルドロイドの物量を前に玉砕。ライロスの民は、苦しい戦いを強いられていた。
そんな中、ジェダイ将軍シャルロット・フォン・ブリュッヒャーはライロスの戦いに向け出師準備を整えるクルーザー〈レディーマー〉の護衛任務を与えられた……
~コア・ワールド、惑星アナクセス~
アズア宙域、ソリス・アクサム星系に属する第4惑星アナクセス。
平面座標L-9に位置するこの惑星は、共和国軍の大規模な造船所が置かれた一大拠点だ。新鋭艦の建造から損傷艦の修理を一手に引き受けるこの紫と緑に彩られた星は、コレリアやクワットと並ぶ共和国宇宙軍の一大拠点でもある。
ジェダイ将軍シャルロット・フォン・ブリュッヒャーとその指揮下にある艦隊は、ルーサンでの傷を癒すため、この惑星に寄港していた。
「あー、つまりなんだ、今度は護衛任務をやれと?」
「はい。司令部からの電文です」
艦隊司令官のシャルロットに、彼女のコマンダー、ルキアが共和国宇宙軍司令部からの命令書を手渡す。
「えーと、なになに? ……"第51分艦隊はクルーザー〈レディーマー〉をクリストフシスにて待機中の第13分艦隊へ護送せよ"か」
「第13分艦隊……スカイウォーカー将軍とユラーレン提督の部隊でしたね」
「ああ…………どうもうちは、スカイウォーカーと縁が深いらしい。ネモ艦長、出港予定が纏まったら教えてくれ」
「了解だ、将軍」
―――どうもうちは、雑用が多いなぁ。
クローン戦争開戦以来、私の分艦隊はだいたい"クローンウォーズ"劇中から逸れたところで働かされている気がしてならない。ジオノーシスでも主力とは別の場所だし、カリーダ星雲、ルーサンと続けてアナキンの後詰め、援護が主な活躍だ。
…………別に他意がある訳ではないが、 "フォースの意思"に歴史から遠ざけられている気がする。……まさか、気のせいだよね、アハハッ。
フォースの意思だなんて、そんな曖昧なもの、正直言いたくはないんだけど。―――やっぱりジェダイ向いてないや、私。本格的に宇宙軍への転職活動しよっかな。ああ、でもアルトが居る。どうしよう、いっそのこと一緒に宇宙軍に引き込むか?
次なる命令を受け取った艦隊は、出撃に向けて忙しなく動き始める。各部門はそれぞれ機器のチェックや備品の積み込み状況等を監督し、最終的にそれを艦の最高責任者たるネモ艦長が統括する。
「ネモ艦長、私は〈レディーマー〉のオリヴァー艦長と打ち合わせがある。異常があったら逐一報告してくれ」
「わかったよ、将軍。なに、心配ないさ。僕の艦のクルーは優秀だからね」
えっへんと胸を張るネモ艦長。かわいい。
やはり艦長たるもの、自艦のクルーには愛着があるものなのだろうか、彼もなんだか自慢気だ。
「うん、じゃあ任せた! アルトとルキアも、留守番頼んだよー!」
「はい、マスター!」
「イエッサー、将軍」
艦隊をわが愛しの弟子とコマンダーに預け、ドックの別の区画へと足を向ける。正直ホログラムで済む話だが、それだとなんだか退屈だ。艦隊もすぐに出る訳じゃないし、たまには気分転換も兼ねて他のクルーザーにまで足を伸ばしてみようじゃないか。
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という訳で、アナクセスの32番修理ドックにやってきました、美少女将軍シャルロットちゃんです。え? 何? アラサー? …………少し頭冷やそうか。
それはともかく、沖田さんだって天才美少女剣士だって豪語してたんだし、見た目銀髪沖田さんの私が天才美少女将軍を自称しても何ら問題はないと思うのです! …………ですよね?
32番ドックに停泊する〈レディーマー〉は赤い旗艦塗装を艦橋天蓋に施された私の〈ヴィンディケーター〉とは異なり、艦橋は全面灰色の一般艦だ。
本来この艦はアナキンの第13分艦隊に所属していた艦なのだが、ボサウイの戦いで損傷して引き上げてきたらしい。どうやら艦の修理はほぼ終わっているらしく、外面からは目立った損傷は見当たらない。
―――13番、私が欲しかったのに。
個人的に13という字には一銀英伝ファンとして思い入れがあったので是が非でも欲しい数字なのだが、あのアナキンなら仕方ない、諦めよう。
タラップに立つ守衛のトルーパーに話を通し、艦内の作戦司令室に向かう。すると、オリヴァー艦長が驚いた様子で振り向くのが見えた。
「えっ、ブリュッヒャー将軍? わざわざお越しになるなんて……別にホログラムでも良かったんですよ?」
「いや、そうは言ってもこれが暇でねぇ。退屈しのぎも兼ねて、お邪魔させていただきました♪」
同年代の知り合いが少ないというのもある、オリヴァー艦長とは、個人的に話がしたいと思っていた。アルトは弟子だし、オーダーの他の連中とはあまり関わりたくないし…………いやぁ、なんだか最近、聖堂もギスギスしちゃってさ、あまり近寄りたくないのよねー。マスターフィストーの弟子にはなんか嫌われてたみたいだし。
「んじゃ、取り敢えず今後の予定といきますか」
「はい。では、現在の状況からですが……」
とりあえず、まずは仕事の話から。
アナキンの分艦隊には近々ライロス攻略任務が与えられる予定であり、〈レディーマー〉はそれに間に合わせるために昼夜問わずの突貫工事で修理されたらしい。そのため艦内設備は一部未修理の部分があり、航海中も技術者が乗り込む予定だとか。
アナキンが待つクリストフシスまでは私の分艦隊が同行し、そこで非戦闘員を回収する。
んで、私は戦いには参加せず、そのままアナクセスまでとんぼ返りだ。面倒くさいが、更に別の任務もこなさなければならないので仕方ない。
余談だが、アナクセスにとんぼ返りした後は新鋭のヴァリアント級アタック・クルーザー〈サティール・シャン〉の公試運転に同行してこれを護衛、次はマイギートーへの船団護衛、更にコア・ワールド哨戒任務―――やることが多すぎる。どれもこれも、クローンウォーズのエピソードにあった覚えがない話ばかりだ。ヴァリアント級に至ってはゲームにしか出ない奴だから劇中云々どころじゃないけど。
いやぁでも、ヴァリアント級もう実戦投入なんだ。時の流れも早いねぇ。あいつはヴェネターの正統進化って感じだから好きよ、私。…………セキューター級? 知らない子ですね。
造船ドックにいた出渠間近のやつ、格好良かったなぁ。いつか乗りたいなぁ、私も。
「あはは…………そちらも予定満載ですね。―――大丈夫です?」
「ええ。護衛や哨戒も任務のうちです。派手さはないかもですが、どれも立派な仕事ですから」
今後の予定を話したら、オリヴァー艦長に若干引かれてしまった。うん、過労もかくや、ゴースト星雲から休み無しの状態だからね。それに合間を見てアルトの訓練もつけなきゃらなんし……なんで今世でも社畜ライフを送んなきゃいけないのよ。せっかくのセイバーフェイスに皺ができたらどうしてくれんのさパルパルめ。どれもこれも、裏でうねうね蠢くパルパルがわるい。
―――KAROSHIしたら末代まで祟ってやる。
「あの…………何かありました? すごい顔ですけど」
「えっ! あ、ははは…………な、何でもありませんよ? 私は大丈夫ですとも!」
沖田さんならここでコフるところだろうが、生憎と病弱じゃない私はコフれない。残念、コフったらしばらくベッドとお友達になれたのに。―――いや、バクダに突っ込まれて即最前線コースだな、この時代なら。
「そうですか。なら良かったですけど」
オリヴァー艦長の視線が痛い。
それもそうだ、こんなハードスケジュール、基本的人権への冒涜だ! だからちょっと、ヴェネターたんペロペロしてもバチ当たらないよね? 流石にアルトを抱き枕にするわけにはいかないし――幾らキャストリアみたいで可愛いといっても、限度というものがある。キャプテンは手出したら後が怖いしなぁ…………
「あ、そうだ。ちょっとお尋ねしたかったんですけど―――」
急に声のトーンを落として、オリヴァー艦長が囁く。
頬に若干の桃色を浮かべた彼女は、外見相応の乙女のようで―――
「スカイウォーカー将軍の好物とか? 知りません?」
ほーん。なるほどなるほど…………
アナキン、やっぱり罪な男ねぇ。
「へぇー、…………好きなの? 彼のこと」
「いやっ!? あの、その…………何というか、激戦が続いてるから、何か差し入れでもと思ったんです……私の艦、しばらくドック入りしてましたし、ブリュッヒャー将軍なら、スカイウォーカー将軍と親しいと聞いたので……」
「うんうん、それはいい心掛けだ。だが、お姉さんの目は誤魔化せないぞ。―――で、一目惚れだった?」
どっちが年上かは知らないけどね。
だけど―――彼のことを考えたら、素直に応援といかないのがもどかしいなぁ。もう相手いるもんな、アナキン。
「だ、だから、違うんですってばぁ!?」
彼女の狼狽に呼応するように、ショートボブの茶髪がぶわっと揺れる。軍服とのアンバランス感が極まって中々に可愛らしい。うんうん、やはり弄ってなんぼだね、彼女。
「もう! 怒りますよ? ブリュッヒャー将軍」
「いやぁ、済まん済まん。ああ、差し入れの話だったね。なら、こんなのとかどうかな」
オリヴァー艦長の変化も堪能したことだし、私は懐をまさぐってあるものを取り出す。
「これは……?」
「私の艦隊で開発した携行食です。ただの携行食と侮ることなかれ! 何とデザートとしても食べられるんですよ?」
これは軍の食糧事情に革命を起こせますとも! ええ!
「わぁ……なんだか綺麗な食べ物ですねぇ」
私の手に載せられたのは、青く輝く瑞々しいお菓子。
調理担当のトルーパーに加えてわが弟子アルトを動員して作らせたこの携行食こそ、「ジェットチョコ羊羮マークⅡ」!! 羊羮の再現を狙ったら、素材の関係か何故か青色に…………
ならばいっそと、ジェットチョコ羊羮を目指してみたらあら不思議! 瓜二つなお菓子の誕生です!
ちなみに羊羮は保存食としても優れていますが、なんとこのジェットチョコ羊羮モドキも保存に関しては大変な優れものです。きっと瞬く間にクローン・トルーパーの胃袋を掴むことでしょう!
これにオーダー66を無効化するナノマシンさえ混ぜることができたら…………ぐへへ、待ってろよパルパルめ。
「できればアナキンにも感想を貰いたかったところなんです。丁度よかったので、届けていただいてもよろしかったですか?」
「あ――はい! 必ずや、スカイウォーカー将軍に渡してきます!」
……妙に張り切っちゃってるなぁ、オリヴァー艦長。
う~ん、アナキンにはパドメが居るし、悲恋なのは確実なのよねぇ。だからといって、それをバラす訳にはいかないし……ああ、何だかもどかしいなぁ。
「――まぁ、分かってるとは思うけど、彼、ジェダイだからね。そこは承知してます?」
「…………ええ、はい。今は、彼の下で戦えること。それが幸せですから。分かってますよ、ブリュッヒャー将軍。そこは大丈夫です♪」
「それならよかった。――それじゃ、頼んだよ。オリヴァー艦長」
「はい。首を長くして待っててくださいね、将軍」
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これでよし、と。打ち合わせも済んだし、そろそろ旗艦に戻ろうか。
それにしても、やっぱりナイト様は格が違うなぁ、アハハッ…………
全く、罪な男だよ。
彼女も、砕けて変な方向にいかなきゃいいが…………いや、共和国軍人なら大丈夫だ。そこの分別はつく娘だ、あの子は。
なら、きっと杞憂だな。うん、大丈夫。
■艦艇解説
ヴァリアント級アタック・クルーザー
全長1600mの巨躯を誇る共和国の新型戦艦。ヴェネター級と旧シス帝国のハロワー級ドレッドノートをタイプシップとして設計された。
セキューターとかいう異端児と違って艦型はちゃんとヴェネターに似てる。なのでヴェネタースキーのシャルには舐め回すように鑑賞された。
〈レゾリュート〉
ジェダイ将軍アナキン・スカイウォーカーの旗艦。艦長はウルフ・ユラーレン。ヴェネターⅠ級に属するクルーザー。
◎登場エピソード
クローン・ウォーズ(劇場版)
エイジ・オブ・リパブリック アナキン・スカイウォーカー
クローン・ウォーズ 封鎖線を突破せよ
クローン・ウォーズ トルーパーへの道
クローン・ウォーズ 待ち伏せ
クローン・ウォーズ マレボランス襲来
クローン・ウォーズ マレボランスの影
クローン・ウォーズ 撃破!マレボランス
クローン・ウォーズ 消えたドロイド
クローン・ウォーズ ドロイドの決闘
クローン・ウォーズ ルーキーたち
クローン・ウォーズ 型破りなジェダイ
クローン・ウォーズ 囚人ドゥークー
クローン・ウォーズ ジェダイの遭難
クローン・ウォーズ 侵入者
クローン・ウォーズ ライロスの嵐
クローン・ウォーズ ライロスの罪なき人々
クローン・ウォーズ ライロスの解放
クローン・ウォーズ 破滅の積荷
クローン・ウォーズ フォースの子供たち
クローン・ウォーズ いにしえの巨獣
クローン・ウォーズ 砲火を抜けて
クローン・ウォーズ 囚われたジェダイ
クローン・ウォーズ 逃亡者
クローン・ウォーズ 誇り高き兵士たち
クローン・ウォーズ ダソミアの魔女
〈レディーマー〉
アナキンの小艦隊に属するヴェネターⅠ級艦。艦長はエリン・オリヴァー少佐。
◎登場エピソード
クローン・ウォーズ ジェダイの遭難
クローン・ウォーズ ライロスの嵐
クローン・ウォーズ 砲火を抜けて
〈トランクィリティ〉
ジェダイ将軍ルミナーラ・アンドゥリの旗艦。カリーダ星雲近傍にてシャルの艦隊と共闘した。ヴェネターⅠ級艦。
◎登場エピソード
クローン・ウォーズ 型破りなジェダイ
クローン・ウォーズ 闇のマント
クローン・ウォーズ ジェダイの遭難
〈ネゴシエーター〉
ジェダイ将軍オビ=ワン・ケノービの旗艦。本作での登場シーンは「カリーダ星雲近傍の戦い」にて間接的に言及されたのみ。ヴェネターⅠ級。
◎登場エピソード
クローン・ウォーズ 封鎖線を突破せよ
クローン・ウォーズ マレボランス襲来
クローン・ウォーズ マレボランスの影
クローン・ウォーズ 撃破!マレボランス
クローン・ウォーズ ホロクロン強奪
クローン・ウォーズ アソーカを救え
〈レナウン〉
ヴェネターⅠ級。ゴースト星雲近傍にて独立星系連合と交戦後、行方不明になる。
◎登場エピソード
クローン・ウォーズ 生きていた兵士
クローン・ウォーズ 惨劇へのカウントダウン
〈アービトレーター〉
第51分艦隊のヴェネター級艦。シャルロットの麾下に属する。
◎登場エピソード
Clone Wars Adventures
〈ヴィンディケーター〉
シャルロットの旗艦。艦長はネモ。ヴェネターⅠ級の最初期生産ロッドに属する。
余談だが、「反乱者たち」に登場するインターディクター艦は本艦と同名の「ヴィンディケーター級重巡洋艦」という艦級から改造されたものである。(レジェンズ設定)
◎登場エピソード
本作オリジナル
〈ハービンジャー〉
第51分艦隊に属するヴェネター級。〈ヴィンディケーター〉とはカリーダ星雲から僚艦。EP6のエンドアの戦いで登場したテクター級に同名艦がある。
◎登場エピソード
本作オリジナル
〈ガーララ〉
ヴェネターⅡ級。シャルのビジョン内でARC-170スターファイターにブリッジを破壊される。
◎登場エピソード
エピソード3/シスの復讐
〈サティール・シャン〉
ヴァリアント級アタック・クルーザーの試作艦。アナクセス造船所で建造中。艦名は大銀河戦争時の伝説的な英雄にちなんで命名された。
◎登場エピソード
本作オリジナル
〈デファイアント〉
第51分艦隊に属するアクラメーター級。転属する以前はオープンサークル艦隊に所属しており、テスの戦い等に参加し、一時的に501大隊とアナキンの母艦を務めた。
◎登場エピソード
クローン・ウォーズ(劇場版)
〈レヴェラー〉
アクラメーターⅠ級艦。艦長はギラッド・ペレオン大佐。第一次ジオノーシスの戦いにおいてヨーダとシャルロットを運んだ艦。
◎登場エピソード
The Clone Wars: No Prisoners
Republic 64: Bloodlines
Republic Commando:True Colors
〈プロセキューター〉
アクラメーター級。ゴースト星雲近傍で行方不明となり、奴隷商人に襲撃されていたところをデルタ分隊に救出された。
◎登場エピソード
スター・ウォーズ:リパブリック・コマンド