~惑星ライロス上空~
《インディゴ1、
《ロト3、FOX2!!》
《イヤッホゥー、ハゲタカを一機殺ったぜ!》
《パープル4、後方に敵機だ、気を付けろ!》
《チッ、援護を!》
《トルーパーさん、今助けます!》
《オメガ11イジェークト!》
惑星ライロスの上空で、分離主義者のヴァルチャードロイドと格闘戦を繰り広げる共和国宇宙軍第51分艦隊のスターファイター隊。ライロスに駐留する独立星系連合軍の多さから援軍として駆けつけた彼等は、クローン戦争開戦以来培ってきた空戦技術を如何なく発揮する。
コマンダー、アルト・エーベルヴァインが率いるこの5個飛行隊の援軍を得た共和国グランド・アーミーは、ライロスにおける制空権を獲得。以降の作戦をより円滑かつ迅速に遂行することができた。
「将軍! 友軍の航空隊です!」
「あれは……ブリュッヒャーの部隊か」
地上で首都レッスーを目指すアナキン達第501大隊は、露払いとして首都上空に向かうファイター隊の姿を見上げた。
先陣を切る味方部隊に負けじと彼等も、進撃の手を緩めずに前進する。
「レックス! 部隊の進撃ペースを上げろ。僕等も派手に暴れるぞ」
「イエッサー。よぅし聞いたな野郎共! 首都へ一番に入城するのは俺達だ! 続け!」
アナキン・スカイウォーカー率いる第501大隊、オビ=ワン・ケノービ率いる第212突撃大隊を中核とする共和国グランド・アーミーは、ファイター隊の活躍に鼓舞されて士気を高め、来る首都の決戦に備えた。
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「艦長、新たな脱出ポットを確認。回収作業に移ります」
「わかった、続けてくれ」
「了解です」
惑星ライロスの軌道上に、艦体を紅白に染めた3隻のクルーザー。
シャルロット麾下の第51分艦に所属するヴェネター級〈ヴィンディケーター〉〈アービトレーター〉〈ハービンジャー〉だ。
ライロス軌道上を封鎖すると同時に、先の戦闘で破壊された友軍艦艇の生存者救出に取りかかる艦隊旗艦〈ヴィンディケーター〉の艦橋に、シャルロットの姿はない。
彼女は艦長のネモに指揮を委ね、自らに与えられた自室に閉じ籠っていた。
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「お言葉ですが、違法な命令には従えません。正当であると仰るなら、その法的根拠を明らかにして頂きたい、パルパティーン最高議長閣下」
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「私は民主主義国家の軍人です、閣下。故に、個人に忠を誓うわけにはいかないのです」
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「交渉は決裂した。…………結果は見えていたがな。コマンダー・フォックスに通信を。"オペレーション・グランドオーダー"を開始する」
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「オルデランが? …………わかった。ガイエスブルクに命令を。ファイル72の開封を指示して」
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「新共和国の軍縮要請? …………跳ね退けろ。奴等は何も分かっちゃいない」
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「パルパティーンが復活? ほら見たことか。アレは私とは別ベクトルの妖怪だ。1回復活したらあと100回はあると思え。…………それはともかく厄介だな。即応軍をフォンドアへ。先ずはワールド・デヴァステイターとかいうあのふざけたデカブツをぶっ壊す」
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「イラムのファースト・オーダーは核の炎に包まれた、か。これで奴等も、流石に相互確証破壊の恐ろしさを学んだだろう」
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「ロンゴミニアドの照準をエクセゴルに向けろ。それと…………〈オーバーロード〉に出港命令を。惑星を中性子掃射する」
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…………ハァ。
どさっと、人工重力に身を任せる。
ひどい倦怠感と頭痛―――動く気にすらならない。
ライロスの地上戦も佳境に入り、宇宙も平穏。なので艦隊指揮をネモ艦長に、ファイターの指揮をアルトに預けて久々に瞑想していたのだが…………ビジョンは明瞭で、断片的だ。
前々からどうやら「シャドウ・ハンド作戦」が実行されるであろうことは薄々と察していたが、これは確実と見ていいだろう。だがレジェンズ、カノンどっちだ? ―――今までのビジョンは、そのどちらとも取れる内容が含まれていた。だから余計に、益々未来が見通せない。
しかし…………肝心のオーダー66前後がわからない。ビジョンに現れるのは断片的な会話だけで、大局的な情報は何一つとして手に入らない。ようは、まだまだ手探りで行けってことか。
まぁ、フォースだって万能じゃない。ビジョンだって不確定だ。これは参考程度に留めて、その時その時で判断した方がいいのかも。
瞑想を終えた私は、そう結論付ける。何事も囚われすぎはよくない。もっと柔軟に考えよう。この世界に万能なんて無いんだし、それぐらいの心意気でいるのが丁度いい。
―――背後に、気配。
自室の外に、誰かいる。
覚えのある気配を感じた私はドアのロックを解除して、彼女を部屋に迎え入れた。
「…………調子はどうだ? オリヴァー艦長」
背中越しに、この華奢な軍人に声を掛ける。
「最悪です。これで2度目ですよ、艦を喪うのは」
彼女の姿は、無惨に変わり果てていた。
瑞々しい肌は半分が焼け爛れ、合成皮膚を移植された痕はまるでフランケンシュタインのよう。同じく焼けた右目には、視力補正機能付きの義眼が埋め込まれている。
漂流期間が長かったからだろう、バクタに一週間突っ込んで尚、傷痕は治りきらなかった。
「前の艦は、確か〈スウィフト・リターン〉だったかな。つくづく貴女も運がない」
「全くです、オマケにトゥークの糞野郎のせいでこの姿ですよ。乙女にはひどい所業だと思いません?」
乗艦を喪うのは2度目だという彼女は、自嘲気味にそれを話す。身体の半分が焼けたのも、相当精神にキてるようだ。まぁ、ここまできたら、むしろ悪運が強いとも言うべきだろうか。
「軍人なら、仕方ないでしょう。明日は私も丸焼けになるかもしれない、そういう世界だからね、ここは」
とは言うものの、案外元気そうな彼女の言葉に対して、仄かに笑って返事を投げる。
「ところで―――"アレ"の感想はどうだった? オリヴァー艦長」
「えっ!? ああー、はい。"案外悪くないな"と。貴女が作ったにしては、とも言ってたような……」
いつまでも、辛気臭い話ばかりだと気が滅入る。
丁度いいことだし、前彼女に渡した「ジェットチョコ羊羮マークⅡ(仮称)」の感想を訊いてみた。
案外…………ってことはアナキンの奴、ゲテモノかなにかだと思ったな? さては。
―――あんたの生活スキルの噂はパダワンから聞いてるんだ。青色にキラキラ輝く謎の物体を渡されたら、誰だってそう思うさ。
突如として頭に響く浪○ボイス。本当にそう言ってきそうなところがまた再現度高い。
…………アレ、作ったの私じゃないんだけどなぁ。
ともあれ、評判が悪くないのはよかった。これで本格的な量産にも乗り出せそう。
既にペルタ級1隻を回してもらう手筈は付けたから、そいつを給糧艦に改造してジェットチョコ羊羮の量産工場に仕立て上げる。こんだけあっちこっちでこき使われているんだから、それぐらいの要請は聞いてもらわなくちゃフェアじゃないでしょ。
そしてそいつを兵士に配れるだけバラ巻いて、クローン達の忠誠と人気をゲットだぜ! ―――オマケにこっそりナノマシン混ぜとこ。ぐへへ、パルパルよ、如何なクローンといえど美少女の魅力には抗えまい! はーっはっはっは!! (棒)
―――それは半分冗談として、彼女が生きていたことは素直に嬉しい。顔見知りが突然死にましたなんて、そう何度も聞きたいことじゃないからね。見た目こそセイバー顔だけど、沖田さんほど切り替えは上手くないんだし。オマケにアレの感想も聞けたし、後でアナキンは改造するとしよう。…………腹いせじゃないよ?