共和国の旗の下に   作:旭日提督

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Grand Battle_1

「戦場に事の善悪なし。ただひたすらに斬るのみ―――覚悟!」

 

 セーバーを逆手に構え直し、両手で握ってからの突撃。

 一撃目突きは、容易く逸らされて弾かれた。

 敵は私の突きを弾いたセーバーをそのままに振り下ろし、上段からの一撃を繰り出す。

 右足に重心を移し、瞬時に後方へ飛び退く。

 敵の攻撃を遣り過ごした私は、次なる一手として敵の左側に飛び込んで、横薙ぎにセーバーを振るう。

 敵はそれを宙返りで躱し、そして間髪入れずに牙突。

 迫る深紅の剣先に刃を当てて力を逃がし、隙を作る。

 敵の刃をいなして自由になったセーバーパイクの、もう片方の刃を起こして不意打ち――外れた。そう上手くはいかないか。

 そこに下段からの振り上げが飛来。金色の刃で押し留める。――が、如何せん地力が違う。フォースの差が、小手先の技量ではどうにもならないほど開いているのだ、まともに正面から殺り合っては押し負けるのは此方か。

 加えて敵は名の通った大剣豪。…………やはり、所詮は支給品のセーバーパイクでは限界か。

 

「ほぅ…………」

 

 ソーラ・バルグは、不敵な笑みを浮かべながら、鍔迫り合いを演じる私を見下ろす。

 

「評判は聞いていたが、戦となるとまるで別物ではないか、シャルロット」

 

「どうも。何分戦場ですから」

 

 シャルロットは元来、ずぼらな性格の快楽主義者だ。任務はそつなくこなすが、問題行動も多い。それが、オーダーでの彼女の評価だ。事実、ソーラ・バルグが聖堂で目にした彼女の姿は、だいたい眠たそうにしているか、図書館辺りで惰眠を貪るか、休みの日には酒を浴びる。そんな状態の日が多かった。

 

 にもかかわらず、単なる支給品のライトセーバー・パイクでここまで自分と渡り合う彼女の姿は、意外といえば意外だった。

 

 そして―――本来の得物がセーバーパイクでないことも、彼には手に取るように感じられた。

 

「はあッ!!」

 

 後方に飛び退き、鍔迫り合いから離脱して仕切り直しを図るシャルロットに対し、即座に青白のフォース・ライトニングを放つソーラ・バルグ。

 

 来たか。ならば―――

 

断空(Luft Schneiden)!」

 

 左手を眼前に突き出し、迫る攻撃的なフォースを拒絶する。

 断空(フォース・シールド)。以前から練習していた、フォースを断つ防壁だ。

 展開した掌から盾状に広がったフォースの壁は、自身を害するフォースを防ぐ即席の城塞と化す。――今のところ、形にできたのは私だけの筈だ。

 

「フォースを"斬った"か。いや、断ったのか。まさか、貴様が斯様な技すら身に付けておったとはな。驚きだぞ」

 

「それはどうも。けど、煽てたって何も出ませんよ」

 

 彼の称賛を、額面通りに受け流す。

 ぶっつけ本番だったけど、上手く行ったのは僥倖だ。

 私はセーバーを構え直し、このウィークウェイの剣豪と相対する。

 

「…………にしては、何故実力を隠す? その程度で俺を斬れるとでも思ったか!?」

 

 台詞を言い終わらないうちに、跳躍からの回転斬り。

 純粋なパワーに重力を上乗せしたその一撃は、只でさえ華奢なシャルロットの身に余る。それに加えて、怒りの感情を攻撃力に変換――ダークサイドのフォースを絡めて繰り出されたそれは、並のジェダイなら受け止めることも能わないだろう。

 

 今までの様子見から一転、彼が得意とするヴァーパッドを解放し、暗黒面の力を爆発させた彼を前に、流石のシャルロットも後退りしてしまう。

 

「いつまで実力を隠す気だ? まさか借り物のセーバーで、俺のヴァーパッドの相手が務まるとは思っていまいな」

 

「まさか。―――確かに、貴方に対して全力で挑まないのは、些か失礼でしたね」

 

 そんなこと、屁にも思っていませんけど。

 

 まぁ、しかし――借り物のセーバーを慣れないフォームで振り回してるうちは、まともな戦果なぞ望めまい。

 しかし―――"元の形"が読まれているならば、単に得物を変えただけでは食いつけまい。やはり、一太刀浴びせるには"アレ"しかない、か……。

 

 金色のライトセーバー・パイクを捨て、懐から一振の鍔付きセーバーを取り出す、

 

「―――仕切り直しです。行きますよ」

 

 迸るは、赤の刃。

 新たに取り出したセーバーを、「平晴眼」の位置に構える。

 

「やはりな、貴様の得物はシングルブレードのオーソドックスなセーバー。先程から癖が見えておったわ」

 

「流石ですね。やはり剣豪の目は誤魔化せませんか」

 

 とっくの昔に見破られていたことぐらいは想定内。だが、暗黒面の圧が強過ぎる。まるで蒸れた夏の夜のよう。

 

「しかし、その色には驚いたぞ。だが、暗黒面の力を感じる訳でもなく、かといって光明面を前面に押し出す訳でもない。―――貴様、何者だ」

 

「さあ。ジェダイなんて、籍を置いてるだけですし。それと、勘違いしないで頂きたい」

 

「む…………」

 

 一点だけ、訂正させて貰うぞ。

 此の刃の色は…………

 

「此の色は、私が忠を立てた共和国(くに)の色だ!」

 

 逆手に持った刃を、顔面の右側に構える。

 同時に、右足に重心を移し、歩法の準備。

 

「我が秘剣の煌めき、受けるが良い!」

 

 ――― 一歩、音越え。

 

 未だ未完成なれど、此処が決め刻。

 長く打ち合い続けては、此方の手の内が読まれてしまう。ならば、奇襲効果が最大限に発揮できる今仕掛ける他ない。

 

 ――― 二歩、無間。

 

 速く、疾く――! 

 此の身を授かった宿命か、秘められた才を解き放つ。

 本物には成れなくとも、せめて、この一刀は。

 

 ――― 三歩、絶劒。

 

 奴の真中に、"ほぼ同時に"赤色の刃を突き立てる。その数、三撃。

 

 取った――――! 

 

 両手には、確かな感触。

 

 奴を斬ったという、確かな手応え。

 ……だが、あまりにも呆気なさ過ぎる。

 幾ら我が秘剣、絶劒・無明三段(偽無明三段突き)を受けたといえ、相手はあのソーラ・バルグ。そう簡単に倒せるような相手ではない。

 今の剣さえ、奇襲効果を利用してある程度のダメージを与えれたら僥倖と思って繰り出したものだ。本来なら、その間に離脱して、撤退するつもりだったのだが―――

 

「ごふ―――ッ!?」

 

 な―――何故!? 

 

 倒れるは、彼でなく、私。

 

 貫かれて焼けた肺が、空気を求める度に激痛を伴って悲鳴を上げる。

 

「些か、直線的過ぎたな。ブリュッヒャー」

 

 ああ―――なんて、無様。

 

 渾身の一撃にも関わらず、かの大剣豪は、さも簡単にいなしてしまう。――これでは、合わせる顔すらない。

 

 ―――暗い、月。

 

 倒れる傍ら、ふと視界に、暗くて黒いこの惑星(ほし)の月が一つ。

 

 まるで、屍人のように浮かんでいた。

 




■人物設定

●シャルロット・フォン・ブリュッヒャー

出身地:カリダ
誕生:47 BBY
種族:人間
性別:女性
身長:158cm
体重:45kg
スリーサイズ:B88/W55/H83
髪の色:白銀
目の色:赤、後に金色
肌の色:白色
セーバーの色:赤
       金※ライトセーバー・パイク
特技:機械弄り、艦船設計(コルベット以上の軍艦に限る)
好きな物:甘味、ブランデー
苦手な物:きめ細かい生活、政治家
天敵:パルパティーン
属性:秩序・中庸・人
所属:ジェダイ・オーダー
   銀河共和国
    共和国グランド・アーミー
     第7星間兵団
    共和国宇宙軍
     オープン・サークル艦隊
      第3艦隊
       第51分艦隊
師匠:サイフォ=ディアス
弟子:アルト・エーベルヴァイン
奥義(スキル):断空(フォース・シールド)
   絶劒・無明参段
座乗艦:ヴェネターⅠ級〈ヴィンディケーター〉


●ドクターアンバー

出身地:タイソン
誕生:?? BBY
種族:近人間
性別:女性
身長:156cm
体重:43kg
スリーサイズ:B78/W58/H80
髪の色:赤色
目の色:琥珀色
肌の色:薄橙
セーバーの色:―――
特技:薬品製造
好きな物:研究、波瀾万丈なイベント
苦手な物:猫、策略家
天敵:ドゥークー
属性:混沌・善・地
所属:銀河共和国
    共和国宇宙軍
師匠:―――
弟子:なし


●アルト・エーベルヴァイン

出身地:コルサント
誕生:36 BBY
種族:人間
性別:女性
身長:154cm
体重:42kg
スリーサイズ:B73/W53/H76
髪の色:金色
目の色:翠緑
肌の色:白
セーバーの色:青色
特技:フィールドワーク
好きな物:きめ細かい生活、シャルロット
苦手な物:ぐうたらな生活、マスターに付く悪い虫
天敵:アンバー
属性:秩序・善・星
所属:ジェダイ・オーダー
   銀河共和国
    共和国グランド・アーミー
     第7星間兵団
    共和国宇宙軍
師匠:シャルロット・フォン・ブリュッヒャー
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