共和国の旗の下に   作:旭日提督

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 重症を負ったシャルロット。
 彼女はジェダイ・オーダーから2週間の休養を言い渡され、療養に努めていた。
 そんな折、ある調査を進めようと決心したシャルロットは、知己の賞金稼ぎとの連絡を試みた。


EPISODE 2.22 ザ・ロストミッション
探し物は面倒くさい


 ~惑星コルサント、ジェダイ聖堂~

 

 

「人探し、ですか?」

 

 きょとん、と首を傾げるアンバー先生。

 

 そんなに私の台詞が珍しかったのか、"貴女にしてはらしくない頼みですねぇ"なんて溢す。

 

「ええ。ちょっとばかり顔見知りの賞金稼ぎを雇いたかったのですが、連絡先も何も分からず仕舞いで……」

 

 いつか会った賞金稼ぎのあの二人に、頼みたい仕事ができた。

 だけど、肝心の通信方法が知らない。ホロネットのサイトからアクセスしたら、私に足がついてしまう。なので、私以外の誰かを介して、連絡する方法が欲しかった。

 

「なるほど。でしたら知り合いの探偵さんにでも頼んでみましょう! こう見えてわたし、意外と顔も広いんですよ?」

 

「探偵?」

 

 これはまた、意外な答えだ。

 アンバー先生の手札の多さには毎回驚かされる。

 

「ええ。昔ちょっとご縁がありまして。コクトーさんっていう方なんですけど、ちょっと連絡取ってみますね」

 

 やけに聞き覚えのある、フランスの詩人みたいな響きの名前。ここでその名前が出てくるか。

 

 ともあれ、先生のお陰でこの問題は何とかなりそうだ。

 

 

 ……………………………………………………

 

 ………………………………………………

 

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 ……………………………………

 

 ~惑星コルサント、ココ・タウン~

 

 聖堂を抜けた私達は、アンバー先生が手配したという探偵との会合のため、ココ・タウンの一角に所在するデックス・ダイナーというレストランに足を運んだ。

 聞いた話によればこの店の店主はオビ=ワンの友人らしく、パルパティーンの息がかかってないことは確実だ。なので情報漏洩防止の観点からも、私はこの店を会合場所に指定した。

 

「いらっしゃい、ジェダイの客とは珍しいな」

 

 店に入った私達を出迎えたのは、ベサリスクの店長だ。今は昼の喧騒が落ち着いた頃らしく、店の中は思ったよりも静かだった。

 

「オビ=ワンから、ここはいい店だと聞いていまして。一度足を運びたかったんです」

 

「おお、あのオビ=ワンの友達か! 道理で……なるほど。あそこの探偵さんを呼びつけたのはあんたか」

 

「お察しの通りです。迷惑はかけません、しばらくお邪魔いたします」

 

「ああ、俺もあんたの仕事の邪魔なんかしないよ。まぁ寛いでいけ」

 

 店主に案内されるがままに、奥のボックス席に案内される。

 

「そういえば貴方、私がよくジェダイだと気付きましたね」

 

 今は私服の筈なのに。

 欺瞞の意味も込めて、アンバー先生から貰った群青の着物を纏っていたが、一瞬で看破された。伊達にオビ=ワンの友人をやってる訳ではない、ということらしい。

 

「雰囲気が、な。あんたは少々変わってるが、見る人が見りゃ気付くぜ。それに、連れの嬢ちゃんはもろに雰囲気出てるしな」

 

「なあっ!?」

 

 ベサリスクの店主は視線を変えて、アルトを指してそう言った。

 ローブで顔を隠していた彼女だが、変装が見破られてわなわなと顔を赤くしている光景が目に入る。

 

「ま、そういうこった。んであんた、名前は」

 

「申し遅れました。ナイトのシャルロットです。此方はアルト、私の弟子です」

 

 私とアルトは店主に一礼し、名前を名乗る。

 

「俺は店長のデクスターだ。あんたとはいい関係を築きたいもんだな。…………もう一方の嬢ちゃんはジェダイじゃないみたいだが……」

 

「あらあら、お気付きでしたか。私はただのお手伝いさんですよー」

 

「ほう…………まぁ、深くは聞かねぇ。注文なら、そこのドロイドに頼む」

 

 一通り挨拶を交わした店主は、奥の厨房へと戻っていく。

 まさか、アンバー先生のことまで見抜くなんて。やはりこの店主、只者じゃないらしい。

 

「――――流石はオビ=ワンさんのご友人です。私のこともお見通しとは」

 

「ははっ、上には上がいる、って事ですね」

 

「ククッ、ざまぁみろです腹黒割烹着。マスターは手籠めにできても、エイリアンには通じないみたいですね」

 

「ちょーっ、アルトさーん!?」

 

 アルトはあの一件以来、アンバー先生への当たりは柔らかくなった。かといってライバル意識は相応にまだ強いらしく、アンバー先生が形勢不利と分かれば挑発するのもしょっちゅうだ。

 こうしてアルトやアンバー先生と談笑しながら、案内されたボックス席に腰掛ける。

 そこには既に、全身を黒でコーディネートした黒髪眼鏡の地味な男が腰掛けていた。

 

 ―――間違いない。彼だ。

 

 まだ名乗ってはいないものの、容姿から見て、彼がアンバー先生の知り合いの探偵に違いない。

 

「久し振りです、ドクターアンバー。今度はどんな厄介事ですか」

 

「およよー、感動の再会だというのに開口一番それですか、コクトーさん」

 

 私は悲しいです、と目尻を袖で隠しながら大袈裟に演技するアンバー先生。演技臭いのは生来の性格とはいえ、やはりどうにも胡散臭い。

 

「貴女に限って、そんなことは無いでしょう。それよりも、どういう風の吹き回しですかドクターアンバー。また何かよからぬことを企んでるんじゃないでしょうね」

 

「コクトーさんったら、人を何だと思ってるんですか! こんなにかわいい美少女をいじめるなんて。そんなにわたしをいじめるなら、あの恥ずかしい絶倫伝説、ここでバラしちゃうんですからね」

 

「なあっ!? ドクターアンバー!?」

 

 アンバー先生のからかいで、急に顔を真っ赤にする彼。どうもただならぬ関係らしいが、一体何があったのか。

 それはともかく、アンバー先生は自重というものを覚えて下さい。

 

 

「コホン! えー、そこの妖怪狐は放っときまして……=ああ、自己紹介がまだでしたね。僕はフォーミュラ・コクトー、彼女から紹介されてるとは思いますが、ただの探偵です」

 

「ああーっ! 無視しないでくださーい!」

 

「この度はお世話になります。私はジェダイナイトのシャルロット、んで彼女は弟子のアルト。ま、見ての通りオーダーでは鼻つまみ者ですよ」

 

「それはまた、大変そうで」

 

「マスター!? 素行不良はマスターだけですよ!?」

 

 私も巻き込まないで下さい、と上目遣いで怒るアルト。かわいい。

 なんか雑音が聞こえる気がするけど、幻聴だろうか。

 赤髪の腹黒割烹着なんていない、いいね? 

 

 さて、コクトーさんを待たせるのも悪いし、早速本題に入るとしよう

 

「それで、依頼の内容ですが―――アシュタレトとジェーン、この二人組の賞金稼ぎに連絡を取りたい」

 

「賞金稼ぎ? ははっ、こりゃまたジェダイの厄介事ですか。一応尋ねますが、何を頼むんです? まさかドゥークーの首とかじゃないでしょう」

 

 冗談めかして言うコクトー。確かに、ジェダイが賞金稼ぎとつるむなんて、世間一般のイメージからしたら胡散臭い。こうして探りたくなるのも頷ける。

 だが、生憎と今回はそんな物騒な仕事の依頼じゃない。

 

「いやぁ、そんな血生臭いものじゃないですよ。ちょっと調べ物で手を借りたくて―――――――彼女達には、オバ・ダイアの月に行ってもらいたいんです」




今回から新章突入です。
 クローンウォーズ編は三章構成の予定になりまして、この「ザ・ロストミッション」は中編になります。原作ではCWS6のタイトルですね。

 コクトーさんの元ネタはお馴染み型月作品「空の境界」から、黒桐幹也です。声繋がりで遠野志貴の要素も若干入っています。裏設定ですがアンバー先生とはただならぬ関係(意味深)だったとか。今はツンギレな奥さんがいるようです。
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