共和国の旗の下に   作:旭日提督

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 カダーヴォの戦い!

 銀河各地を転戦するシャルロットに与えられた次なる任務、それは悪名高いザイゲリアン奴隷帝国に囚われた惑星キロスの植民者、そして彼等の救出に向かうも返り討ちに遇い今や奴隷へと身分を落とされたアナキン・スカイウォーカーとオビ=ワン・ケノービ、アソーカ・タノとキャプテン・レックスの救援だった。

 艦隊を惑星カダーヴォ上空に展開したシャルロットは、遂に奴隷帝国との戦端を開いた………


カダーヴォの戦い

 ~アウター・リム・テリトリー カダーヴォ星系 惑星カダーヴォ軌道上 ヴァリアント級スター・デストロイヤー ”ユリシーズ ”~

 

 ローラ・サユー以来も転戦を繰り返した私の第3艦隊は、誘拐されたトグルータの植民者を解放するためにかの悪名高いザイゲリアン奴隷帝国の領土、カダーヴォ星系に足を踏み入れた。コバーン提督と共に艦隊を展開した私は、デルタ分隊のガンシップと護衛戦闘機を惑星地表に送り出し、艦隊は大気圏上層部で待機する。

 ちなみに、ネモ艦長は〈ヴィンディケーター〉以下の第3艦隊主力を伴って奴等の本土、惑星ザイゲリアへ向かっている。今頃奴隷で富を築いた犯罪者共は震え上がっていることだろう。いい気味だ。

 

「コバーン提督、要救助対象は?」

 

《もう収容した。後は煮るなり焼くなり、好きにするがいい》

 

 惑星カダーヴォの地表から、一隻のアークワイテンズ級軽クルーザーが上昇する。

 コバーン提督が指揮している〈ハンド・オブ・ジャスティス〉だ。

 彼は先程の通信通り、作戦の第一段階である誘拐されたトグルータの植民者とアナキン、オビ=ワン、そしてクローン・キャプテン・レックスの救出に成功したようだ。

 

「わかりました、後は好きにさせてもらいますよ。…………〈ジオノーシス〉を前へ、カターヴォに対する軌道爆撃を開始する。――――奴隷帝国など、滅んでしまえばいい

 

「マスター? いま、何か……」

 

「いいや、何でもないよアルト。よぅし、艦隊は惑星大気圏まで降下。敵軍の施設をピックアップしてくれ」

 

「イエッサー」

 

 クローンのブリッジ士官が、地表のスキャン結果から奴隷帝国の施設を選別し、パネルにその結果を表示していく。

 私はその結果に従って、カダーヴォの大気圏内に降下させた艦隊各艦をそれぞれの目標に移動させた。

 

 しかし、奴隷、かぁ。

 いつぞやにザイゲリア占領計画を上申したが、まさか実現してしまうとはな。

 

 奴隷制度。

 

 この銀河に蔓延る癌の一つだ。共和国は明確に法を以て奴隷所有を禁じているか、法の力が及ばない辺境はおろか、コア・ワールドの富裕層に至るまで奴隷を所有する者や組織は多いと聞く。これだから、共和国は腐ってるんだ。―――全て焼き払うことができたなら、どんなにどんなに心地いいことか。

 

 ――――いかんな、任務に集中だシャルロット。余計なことは考えなくていい。

 

「〈ジオノーシス〉はポイントα、〈エンフォーサー・ワン〉はポイントγに移動中。本艦はポイントβ、奴隷矯正施設の直上です」

 

 囚われていたキロスの入植者達を載せたコバーン提督の〈ハンド・オブ・ジャスティス〉は、今しがたハイパースペースへと離脱した。―――後は、こちらのターンだ。隸下の揚陸艦も順調に所定の位置へ移動しつつある。

 

「ブリュッヒャー将軍、ただいま戻りました」

 

 プシュー、というドアロックの解除音とともに、ボス達デルタ分隊が艦橋へ足を踏み入れる。どうやら、カダーヴォの奴隷矯正施設から救出したアナキン達も一緒のようだ。

 

「お疲れ様、デルタ。貴官らは休息に入れ。ここからは艦隊の仕事だ」

 

「イエッサー。それでは、失礼します」

 

 いかついカターン・アーマーを纏った4人のクローン・トルーパー達は、踵を返して居室へと向かう。その足取りは、軍人らしく毅然としている。

 

「さーてオビ=ワン。まーた無茶苦茶やったんですか。私が回収するの、これで何度目です?」

 

「少なくとも、3回はあったかな。いやいや、毎度ながら君には世話になる」

 

「全くです。まだサーリッシュの借りも返して貰ってませんよ?」

 

「ハハッ、これは申し訳ない。だが生憎手持ちがないんだ、何分奴隷体験コースだったからね。今回もツケで頼むよ」

 

 すっかり定番となってしまった、ボロボロのオビ=ワンと彼を回収する私という構図。艦橋クルーも、すっかり彼に馴染んでしまった。

 

「ところでブリュッヒャー、艦隊は何をしている? 任務は僕達の救援じゃなかったのか?」

 

「ええ、その通りです。ですが、―――他にもう一仕事ありましてねぇ。これが帰れないんですわ。なんなら、シャトルの一機や二機は出しますけど?」

 

「いや、僕は構わない。尤も、そこのボロボロなマスターは早く後方送りにするべきだと思うけどね」

 

「ははっ、同感」

 

「君たちなぁ…………」

 

 アナキンと呼吸わ合わせて、奴隷体験コースからお帰りのジェダイ・マスターの方向を振り向く。

 あはっ、オビ=ワンったら怒っちゃって。青筋がこれでもかと見えますよ。

 

「とりあえず、オビ=ワンはブルーミルクでも飲んで寝ていたらいいんじゃないですかねぇ。という訳で、アンバーせんせーい?」

 

「はいはーい! 呼ばれてきました貴女のマジカルアンバーちゃんでーす! 今回の患者さんは貴方ですかぁ? ささっ、どうぞこちらに」

 

「ああっ!? ちょっと待てシャルロット、何だこれは―!?」

 

 どこで待機していたのやら、私が一言呼んだら何処からともなく現れた白衣の悪魔アンバー先生。

 彼女はドロイドのようなアームの付いた担架でオビ=ワンを強引に捕獲すると、ガラガラと担架の車輪を鳴らしながら医務室へと駆けていく。

 

「もうっ、病人は暴れちゃ駄目ですよー。大人しくして下さいまし?」

 

「なんでさー!!」

 

 なにやら怪しげな注射を打たれて黙らされるオビ=ワン。うん、見なかったことにしよう。

 

「…………大丈夫なのか、アレ」

 

「うん、多分」

 

 あれでも、一応は医者として優秀だというのだから驚きだ。全く、世界とは奥が深いものですねぇ。

 

「そういえばマスターブリュッヒャー。ここに留まった目的って何なんです?」

 

「ああ。軌道爆撃だよ」

 

 アナキンの傍らに侍るアソーカからの質問だ。そういえば私、アナキンやオビ=ワンとは腐れ縁みたいな関係だけど、彼女とはあまり面識ないんですよねぇ。

 

「共和国はザイゲリア奴隷帝国の復活を重く見ている。今回の軌道爆撃をもって、奴等に圧力をかけるのさ。―――奴隷政策の放棄か、全滅か。まったく、パルパティーン議長もえげつない」

 

 さて、私が受けた命令であるが、それはカダーヴォへの軌道爆撃を以てザイゲリア政府に今回の事件の賠償と、奴隷帝国の解体を迫るというものだ。何処の時代でも、人とは共通の敵がいれば団結するもの。ザイゲリア奴隷帝国という分かりやすいサンドバッグをボコボコにすることで、政権の支持率向上と名声の拡大に繋げようというのがパルパティーン議長の狙いらしい。尤も、その命令が元老院の議決に基づく合法的なものである以上、民主主義国の軍人たる私に拒否権など無いのだが。

 

「議長が?」

 

「ええ。ジェダイとクローンが奴隷にされたという事実を最高議長は随分と重く見ているようだ。ついでに言えば、元老院は恫喝(交渉)が失敗した場合は本土爆撃も辞さないらしい。ザイゲリアン(クソ野郎共)に多少の理性があることを祈るよ」

 

「まさか。奴等にそんな知性があったなら、もっとマシな稼ぎ方をした筈さ。そんな奴等に情けなんていらないと思うが、無人の衛星から砲撃するとは。優しい最高議長らしいやり方だ」

 

 淡々と、この命令の実情をアナキンに語る。

 わざわざ軌道爆撃に特化したアクラメーターⅡ級まで投入するのだ、ザイゲリア政府がこれで理解(・ ・)してくれたら被害も最小限で済むのだが…………

 アナキンもアナキンで、やはり年少期の経験からか、奴隷帝国に対していい感情はないらしい。―――最高議長への心証は、私では覆しようがない、か。ここは史実通りと覚悟した方が良さそうだな。

 

 

【挿絵表示】

 

 

「〈ジオノーシス〉〈エンフォーサー・ワン〉の両艦が爆撃を開始しました」

 

「そのまま続けさせろ。エレイシア艦長、奴隷矯正施設を粉微塵に破壊してくれ」

 

「了解です。〈ユリシーズ〉、両舷微速。現地点に留まりつつポイントβに向け艦砲射撃。撃て」

 

 3隻のアサルト・シップとアタック・クルーザーによる軌道爆撃が開始され、カダーヴォの大地は溶けて次第に赤く染まっていく。ものの10分もしないうちに惑星地表に点在するザイゲリアン奴隷帝国の施設は破壊し尽くされ、惑星は文字通り原始に還った。

 

「ルキア、マイクを頼む」

 

「イエッサー」

 

 私はマイクを取り、ホログラム装置を起動した。

 通信の送信先は、惑星ザイゲリア。奴隷帝国の本土だ。

 

「…………ザイゲリアに告げる。私は共和国宇宙軍中将にしてジェダイ・ナイトのシャルロット・フォン・ブリュッヒャーだ。今回は、貴国の不法行為によってわが共和国軍が被った損害について"話し合い"に来た」

 

 一呼吸置いて、再びマイクを手に取る。

 

「貴国が共和国の国民を誘拐し、軍の装備を破壊した件に対する謝罪、及びその賠償。そして貴国の奴隷政策の放棄と共和国への保護国化。我々銀河共和国は、貴国に対し以上4点を要求する。回答期限は24時間以内だ」

 

 さて、ザイゲリア政府はどう出るかな。今回の要求、文字通り主権の放棄だ。ザイゲリア側からすれば謝罪だけでも屈辱だろうに、奴隷政策の放棄なんて論外だろう。つまり、結果が見えきった出来レースに他ならない。

 

「万が一要求が受け入れられないというのならば、わが共和国宇宙軍は貴国に対する本土爆撃を実行する。君達にも見えている通り、わが軍は3隻のクルーザーで貴国の植民地を完膚なきまでに叩き潰した。―――君達の頭上のクルーザーが何隻か、数えられない訳ではあるまい。…………賢明な回答を期待する」

 

 一方的な通信は、そこで終了した。

 

 さて、敵さんはどう動くかな。

 

 ……………………………………………………

 

「将軍、ザイゲリア側から回答です」

 

「なんだ、存外に早いじゃないですか。で、結果は?」

 

 要求から十数分後、ザイゲリア側からの回答文が届く。

 予想より早いなと感心しつつ、部下のトルーパーに読み上げを命じた。…………まぁ、結果なんて分かりきっているんですけどね。

 

「ハッ……"誇り高きザイゲリアン奴隷帝国は、共和国による不当な侵略に対し抗議し、謝罪と賠償を要求するものである"です」

 

 案の定、ザイゲリアの回答はノー。まさか軌道封鎖してるネモ艦長の第3艦隊本隊を見てそれを言うとは、奴等は余程の自殺志願者らしい。やれやれ、あんまり"この手"は使いたくなかったんだけどなぁ。

 

 

「―――全艦に通達。これより我々アウター・リム第3艦隊は、惑星ザイゲリアに対する"壊滅的軌道爆撃(ベース・デルタ・ゼロ)"を実行する。各員配置にかかれ!!」




ア:どーも、ステラリスで一番わくわくするシーンはコロッサスで惑星掃射するときのマジカルアンバーちゃんです!

シ:いや、そんな設定ないでしょうアンバー先生。で、なんですこのコ○エースじみた空間!?


という訳で、宇宙モノのRTSで軌道爆撃するときが一番たのしい瞬間だとおもいます( )
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