大江戸騒動記~棟平屋の軌跡~   作:社畜だったきなこ餅

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思いついたから書きました、今は反省している。
引き続き時代考証やらそう言うのは投げ捨ててるので、頭空っぽにすること推奨です。


求.処刑用BGMを何とか回避した儂が先の副将軍に目をつけられないよう立ち回る方法

 

 

 時は江戸時代、天下泰平の世の事。

 上様に成敗された悪友繋がりの大騒動で、あわや処刑用BGMでデーンデーンデーンされそうになった儂こと棟平藤兵衛は……。

 いつものぶらり歩き用に変装した上で違う着物に身を包み、護衛の新右衛門と共に棟平屋の屋号を掲げている支店にひょっこり顔を出しておった。

 

 

「これはこれは大旦那様、何かご入用でございますか?」

 

 

 そして一発で若い店主に見破られた、あゝ無情。

 店先での立ち話も……と言う事で奥間へ案内される儂であった。

 

 

「新右衛門、バレてしまったぞ」

 

「失礼ながら大旦那様、髪形を変えて着物を変えた程度では早々変装とは呼べぬと思いまする」

 

 

 そして奥間へ行く途中、体幹を揺らすことなく儂に付き従う新右衛門へ問うてみれば返ってくるのは容赦ないツッコミであった。

 嘘だと言ってよ新右衛門……え? ダメだとは思ってたけど儂がノリノリだったから言い出し辛かった? なんかゴメン。

 

 ともあれ、バレたならバレたで

 

 

「バレてしまってはしょうがない、この前少々立て込んでた故お前さんが家庭を持った祝いを渡してやれなんだでな……」

 

「大旦那様、あっしも家内も大旦那様には良くして頂いております。これ以上何かを頂いてはバチが当たりますでさぁ」

 

「鼻たれ小僧だったお前が遠慮するでないわ、遠慮なく受け取れぃ」

 

 

 しきりに恐縮する店主に儂は懐から取り出した割符と証文を、無理やり押し付けるように手渡す。

 証文は万が一店主であるこやつに何かあった時に……こやつの家族の生活を保障する為の言ってみれば保険証書と、手形は結納祝いの品物を受け取る為の引換券じゃ。

 

 空きっ腹を抱え路地裏に項垂れてた孤児を拾って教育を施し、色んな職を斡旋してやった中でもこやつは頭一つ抜きんでて優秀な子じゃったからな。

 教えれば教えるほど頭角を現し、齢二十で番頭になったと思ったら瞬く間に店を一つ任せられるほどになったんじゃもん、そりゃ可愛いわい。

 

 

「何か困っておる事はないかのう? もし閨での活力に困っておるようなら頼れる薬も教えるぞ」

 

「心配無用でありやす、ただ……越前後屋の縄張りが一気に空白になっちまったせいで少々きな臭い様子は出てきておりやす」

 

「ふむ……あやつが持ってたシェアは中々に厄介じゃったからのぅ。新右衛門や、お前から見て合格と言える腕利きを何人か寄越してやれ」

 

「畏まりました」

 

 

 店主がしぇあ?と不思議そうな顔をして首を傾げてるのを横目に新右衛門に人員手配を頼む、というかこやつも便利にこき使っておるよな儂……。

 儂の護衛であり傍付きであると共に、店を物理的に守る為の腕利きの統括と訓練までさせとるもん。こやつに反旗翻されたら儂詰むわ。

 こやつの働きにもあらためて報いてやらんとなぁ……けど、こやつ女人の趣味だけは頑なに教えてくれんのよな。どうしたものか。

 

 まぁコレについてはまた時間を作って考えるとして……変装お出かけの目的も終えたので、新右衛門を伴って屋敷へ戻ろうとした儂じゃったのだが。

 ふと最近傘下に入ったばかりの茶屋を見かけたので、休憩がてら団子を平らげる事にした。

 先の店でも店主に茶と茶菓子を振る舞ってはもらっておるが、儂は団子に目がないのじゃよ。

 

 

「ほれ新右衛門も掛けよ。おーい娘さんや、串団子4本と茶を二つ頼むぞ」

 

「はーい!」

 

 

 恐縮する新右衛門を座らせ、器量の良い娘さんに注文をすればほどなくして出てくる団子と茶。

 まずは茶を一口啜り、程よい熱さと渋みに溜息を吐いて三つの団子が刺さってるスタンダードな串団子にかぶりつき、団子の甘みとほどよいモチモチ感を味わう。

 うーむ、良い仕事じゃ。これだから買い食いはやめられんわい。

 

 

「少々トラブルはあったが、まぁ問題なく切り抜けられたしめでたい話もあれば団子も旨い。今日は本当に良い日じゃのう」

 

「とらぶると言うのが何を指すのか、浅学ながらわかりませぬが良き事かと存じまする」

 

 

 新右衛門もまた団子にかぶりつき、飲み込んだ後に仏頂面のままお茶を啜って儂の言葉に追従する。

 こやつ付き合い結構長いんじゃが、わーりと鉄面皮なんじゃよなぁ。こやつが感情を露わにしたのは早々……いやあったわ、越前後屋が上様にぶった切られたの教えてくれた時割とこやつも焦っておったわ。

 まぁいいか、こやつも所帯を持ち子供が出来ればまた変わるじゃろうて……さて一本平らげたし、もう一本も……。

 

 

「あ、御隠居!茶屋ありますし休憩しましょうよ!」

 

「しょうがないのう八兵衛は、団子は一本までじゃぞ」

 

「全くしょうがねぇな八兵衛は、今日の宿がまだとれてないってのに」

 

 

 そんな事思ってたら5人組の旅人っぽい集団もやってきおったわ、雰囲気からするに破落戸からはかけ離れた存在っぽいんじゃが……。

 ……八兵衛にご隠居、いやそんな、まさかのう?

 

 ご隠居と呼ばれた老人を見る、儂よりも齢は上っぽいが足腰はしっかりしておりその足取りは力強く。

 護衛と思われる頭巾を巻いた偉丈夫2名は老人を即座に守れる位置取りを崩しておらぬし、少し離れて歩いておる頭巾を巻いてないのはなんかヤバそうじゃ。

 いやいやそんな、まさかまさか、ねぇ。

 

 

「おや? 私の顔に何かついておりますかな?」

 

「い!? いえいえいえいえ!滅相もない! この辺りで見られぬ割に上等な着物を着ておるから、どこの武家のお方かなと!」

 

 

 儂の視線に気づいた老人……黄色の頭巾が印象的な御仁が、目を細め笑みを浮かべながら儂へ問いかけてきたわ。

 そして思わず飛び出た儂ハイパー失言、武家のお方と言う言葉に八兵衛と呼ばれた男以外の雰囲気が硬化したわ。

 

 

 

 

「ほっほっほ、武家なんて恐れ多い……私はただのちりめん問屋の隠居ですよ」

 

 

 ちりめん問屋の御隠居、かぁ、そっかぁなら安心じゃのー…………って。

 

 

 

 

 どう見ても先の副将軍水戸光圀公じゃねぇかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ?!

 待てよどうなってんだよこの時代!? まともに覚えてねーけど絶対ちげーだろ!?

 

 

「こ、これは大変失礼しました……詫びと言っては何ですが、ここの払いは儂が持ちましょう」

 

「え?いいんですか?! じゃあ串団子を10本ほど……」

 

「おい八兵衛少しは遠慮しろ!」

 

 

 その後表向きは和気藹々と話をしてわかれたんじゃが、生きた心地もしなければ団子の味もわからなんだわ。

 どうなってるの誰か教えてよ、なんで暴れん坊な将軍様がいる大江戸に光圀公きてんの……?

 

 

 こ、これは緊急事態じゃ。何としてもこの事態を凌がねば儂に未来はない……この印籠が目に入らぬかとかされとうない!

 行くぞ新右衛門!作戦会議じゃぁぁぁぁぁ!!

 

 

 

 

 

 

 そしてところ変わり、江戸のとある宿の一室にて。

 貧乏旗本の三男坊徳田新之助と、ちりめん問屋の隠居である老人は茶を啜りながら会談に勤しんでいた。

 

 

「ふむ、なるほどのぅ。儂らが相手をした破落戸は、上様達が成敗した越前後屋の手の者であったようじゃな」

 

「先の副将軍である光圀公の手を煩わせてしまい、申し訳なく……」

 

「かっかっか、ここにいるのはただの隠居老人じゃよ。なぁ? 徳田新之助殿」

 

 

 市井へ溶け込み定期的に悪党を成敗している吉宗であったが、今も目の前で上機嫌そうに笑っている老人相手に砕けた物言いをするのは聊か躊躇われるものがあった。

 身分こそ自分が上であるが潜って来た修羅場に、老獪な手管は未だ目指す頂と言える存在なのだ。

 

 

「そう言えばお主が最近頼りにしておると噂の棟平屋の主人にあったぞ、少々変わった御仁じゃが悪い輩ではないのう。 助平じゃったが」

 

「ああ……俺も色々と世話になっている。 助平だが」

 

 

 何ともやり辛そうにしながらも、徳田新之助としての言葉で自称隠居老人の言葉に同意を示す。

 ちなみに最近教えてもらった中のお気に入りは、『まつけんさんば』と言う名前も不思議な舞踊である。

 

 

「町人からの評判もまるで仏かのような扱いじゃし、火事の度に炊き出しやらしておるようじゃな。稼ごうと思えばいくらでも稼げそうな御仁じゃの」

 

「当人は悪事に手を染めてるつもりのようだがな……」

 

 

 目新しいモノや考えを会うたびに繰り広げてくれる不思議な友人の事を思い浮かべながら。

 

 しかし、あの何とも形容しがたい小心者っぷりは何とかならんものだろうか、そう思う吉宗であった。

 

 

 




なお調べたところ、時代背景的には。

暴れん坊将軍:恐らく1720年ごろ
水戸黄門   :1701年没(らしい?)

だからどう頑張っても時代合わないんですけど、ネタが浮かんじゃったから書きました。
今は反省しております。
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