[鏡の間 - 入学式会場]
学園長に連れられて来たのは、僕が目覚めた部屋の扉の前だった。
前とひとつだけ違ったのは中から聞こえくる、たくさんの声だ。
「違いますよ!」
扉を勢いよく開けるなり学園長が言い放った。
「あ、来た。」
「まったくもう。新入生が1人足りないので探しに行っていたんです。」
「さあ、寮分けがまだなのは君だけですよ。狸くんは私が預かっておきますから、早く闇の鏡の前へ。」
「ふぐぐー!!!」
なんか窒息寸前みたいになってますけど?
《汝の名を告げよ》
「えーと、野比のび太です。」
《野比のび太……」》
《汝の魂のかたちは………》
………………
…………………
《わからぬ。》
「なんですって?」
《この者からは魔力は感じられるものの……色も、形も、まだ今はわからぬ。》
《よって、どこの寮にもふさわしくない!》
そう闇の鏡が言うと周りからヒソヒソ声が聞こえてきた。
「資質のない人間を黒き馬車が迎えにいくなんてありえない!」
「生徒選定の手違いなどこの100年ただの一度もなかったはず。」
「一体なぜ……」
あ!そこで手を離したら……
「もごもご…ぷはっ!」
「だったらその席、オレ様に譲るんだゾ!」
グリムが拘束を解いて飛び出して来た。
「あっ待ちなさい! この狸!」
「そこのニンゲンと違ってオレ様には資質があるはずなんだゾ! だから代わりにオレ様を学校に入れろ!」
「魔法ならとびっきりのを今見せてやるんだゾ!」
何かを察したように数人が備える。
「みんな伏せて!」
「ん゛な゛~~~!!」
また青い炎の爆発が起きて、部屋いっぱいに火の手が上がった。
「うわあ!! あちちちっ! 尻に火が!」
慌てた様子で学園長が言った。
「このままでは学園が火の海です!
誰かあの狸を捕まえてください!」
「チッ……かったりぃな。」
「アラ、狩りはお得意でしょ?
まるまる太った絶好のオヤツじゃない。」
「何で俺が、テメェがやれよ。」
喧嘩している場合じゃないと思いますが?
「クロウリー先生、おまかせください。」
「いたいけな小動物をいたぶって捕獲するというみなさんが嫌がる役目、この僕が請け負います。」
「さすがアズール氏。内申の点数稼ぎキマシタワー。」
御託はいいから早く何とかして下さい。
「なあ、誰かオレのケツの火ぃ消してくれてもよくねえ!?」
誰か早く水を持ってきてあげてー!
「みなさん、私の話し聞いてます!?」
……なんかみんな揉めているみたいですね。
「はあ…。狸捕まえるくらいアンタがやりゃいいだろ、センセー。」
「さっきから狸、狸ってオレ様は狸じゃねーって言ってるんだゾ!」
……なんかドラえもんを思い出すな。
「偉大なる魔法士になる男・グリムとはオレ様のことだゾー!」
「威勢のいい小動物ですね。リドルさん、お願いできますか?」
「違反者は見逃せないからね。さっさと済ませるとしよう。」
グリムは調子にのって手当たり次第に火を吹きまくってる。
「見ろ!オレ様はつえーんだゾ!」
なんか二人組がグリムの方に向かった。
あっ、グリムが逃げた!二人に追われてる。
……どうやら追い詰められたみたいです。
To Be Continued
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