[鏡の間 - 入学式会場]
「━━━『首をはねろ』(オフ・ウィズ・ユアヘッド)!!」
赤い髪の人がそう言うとグリムの動きがいきなり止まった。
「ふぎゃ!? なんじゃこりゃ!?」
あれは……首枷?
「ハートの女王の法律・第23条『祭典の場に猫を連れ込んではならない』」
「猫であるキミの乱入は重大な法律(ルール)違反だ。即刻退場してもらおうか。」
「オレ様は猫でもねぇ~っ!!」
「こんな首輪すぐに燃やして……あ、あれ? 炎が出ねぇんだゾ!」
「ふん! ボクがその首輪を外すまでキミは魔法が使えない。 ただの猫同然さ。」
「に、にゃにー!?オレ様はペットじゃねーんだゾ!」
「心配しなくてもキミみたいなペットこっちから願い下げだ。」
うわ~以外と辛辣!
「ま、学園からつまみ出される頃には外れてるよ。」
「いや~、相変わらず素晴らしいですね。 どんな魔法でも封じてしまう、リドルさんのユニーク魔法。」
「絶対に欲しい……じゃなくて。僕なら絶対にかけられたくありません。」
学園長が詰め寄ってきた。
「どうにかしてください!貴方の使い魔でしょう!?」
「しっかり躾を……「僕の使い魔じゃありません!」……え? 貴方の使い魔じゃない?」
「知らない人……じゃなくてケモノです。」
「……そ、そうでしたっけ?」
…………………
……………………
「ごほん! では学園外に放り出しておきましょう。鍋にしたりはしません。私、優しいので。」
「誰かお願いします。」
「ぎにゃー! 離すんだゾ!」
「オレ様は……絶対、絶対!」
「大魔法士になってやるんだゾー……!」
そう言うと扉が締まり連れられていってしまった。
(何で、あんなに必死だったんだろう?)
「少々予定外のトラブルはありましたが入学式はこれにて閉会です。」
「各寮長は新入生をつれて寮へ戻ってください。」
学園長が周りを見渡して言った。
「……ん? そういえば、ディアソムニア寮、寮長のドラコニアくんの姿が見えないようですが……」
「アイツがいないのはいつものことだろ?」
「あれ? もしかして誰も式のこと伝えていないのか?」
「そんなに言うならアンタが伝えてやればよかったじゃない。」
「うーん、でもオレ、アイツのことあんま知らないんだよなー。」
……なんかその人可哀想じゃない?
みんな言いたい放題だし。
「━━おお、やはり。」
「もしやと思って来てみたがマレウスは来ておらなんだか。」
「"また"式典の知らせが届いていなかったとみえる。」
「申しわけありません。決して仲間はずれにしたわけじゃないんですよ。」
「どうも彼には声をかけづらいオーラがあるんだよね。」
それを仲間外れと呼ぶのでは?
「まあよい。ディアソムニア寮の者はわしに付いてくるがいい。……あやつ、拗ねていなければ良いが……」
他の人たちは部屋から出ていくが、学園長と僕だけがこの場所に残った。
「━━さて、のび太さん。大変残念なことですが……」
「貴方には、この学園から出ていってもらわねばなりません。」
「適性を持たない者をこの学園へ入学させるわけにはいかない。」
「心配はいりません。闇の鏡がすぐに故郷へ送り返してくれるでしょう。」
「さあ、扉の中へ。強く故郷のことを念じて………」
(……故郷かぁ)
(……あれ、故郷ってどんなだったけ?)
「さあ闇の鏡よ!この者をあるべき場所へ導きたまえ!」
《………………》
「ゴ、ゴホン……もう一度。闇の鏡よ! この者を……」
《どこにもない……》
「え?」
《この者のあるべき場所はこの世界のどこにもまだ無い ……》
《しかし、資質は無にあらず。》
《よって選定に間違いは無い。》
「なんですって?」
学園長が取り乱したように叫ぶ
「そんなこと有り得ない!」
「寮分けできない生徒など適性が無い以外前代未聞です。」
「しかし闇の鏡に選ばれたことも事実……」
「ああ、もう今日はあり得ないのオンパレードです。」
《…………………》
学園長はため息をついて続けて言った。
「私が学園長になってから、こんなことは初めてでどうしていいか……。」
「そもそも貴方どこの国から来たんです?」
「どこの国って日本ですけど?」
そう言うと学園長が考え込んで言った。
「ニッポン……聞いたことのない地名ですね。」
「私は世界中からやってきた生徒の出身地は全て把握していますが、そんな地名は聞いたことがない。」
「一度図書館で調べてみましょう。」
……どうやら僕は異世界に来てしまったようです。
To Be Continued
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