宙に踊り出たジムクゥエルファキオは真っ逆さまに落ちていってた。なにせ、操縦方法がわからない。
「どうやるんだよ、これ!」
ガムシャラに操縦棍ならぬ、操縦球を動かす。
周りのギャラリーのあーあ、という声が聞こえた時、ようやくブースとの仕方が判明し、ジムクゥエルファキオは持ち直した。
頭上からの落下をなんとか防ぎ着地する。
「さっきのフィールドは宇宙だった気がするけど…今度は地上、砂漠なのか」
辺りを見回し、索敵をする。
こっちは不慣れだ。向こうはこっちを見つけていると考えたほうがいいな。
そのまま索敵を続けてると、突如ミサイルが数発押し寄せてきた。
「っ…!」
機体を急いで後ろに下がらせる。その直後、さっきまでいた場所が爆炎に包まれた。
「っぶねぇー…って!」
安堵したのも束の間、煙の中から敵機と思われる機体がビームサーベルを手に飛び出してきた。
「またゲルググかよっ!」
真横に振られる光刃をなんとかしゃがんで避け、敵を真正面に捉える。しゃがんだまま、蹴りを真正面に繰り出してみるが、やはり当たらず。突き刺そうと振り下ろされるビームサーベルを脚部に増加されたスラスターを全開にして後ろに下がり、なんとか避ける。
改めて見ると、異形だ。あのゲルググは。
全身に追加された多量のミサイルポッド。それを補うかの如く装備されたであろう巨大なバックパック。
「なんか武器は?」
真正面を睨みながらどこにいるかわからない少女に尋ねると、
「ある。全部で二つ」
よし、奮起し女の子の声に従いながら武器のスロットを開く。
開くとそこには…
「なんだ、これ」
そう、あったのは全て、全部、余すことなく近接装備だったのだ。
どう戦えと。
「ま、やるか」
一度目を閉じ、再び開ける。
相対す敵に向け、ブーストを吹かす。
「はええ!」
相手の驚愕の声と共に敵機に肉薄し、武器スロットから一番目、ナイフを選択する。
脚部に増加されたスラスターが横に開き格納されたナイフを両手で引き抜く。展開されたナイフを逆手に持ち、相手を引き裂こうと横に凪いだ。
「くそが!」
そう相手が吐き捨てて後ろに下がりつつ、ミサイルをこちらに向けて乱射してくる。
こちらに向け固まって飛んでくるミサイル群に、俺はナイフを一本投げつける。
辺りが炎に包まれ、観客が固唾を飲んで見守る中、俺の機体はトップスピードでゲルググに肉薄した。
「生きてやがったのかよ!」
相手がビームサーベルを引き抜き、こちらにミサイルを放ちながら向かってくる。
二番目のスロットを選択、片手に持つナイフを格納し、バックパックにあるビームサーベルを二本抜き、順手と逆手に構え、なおも突進する。
向かってくるミサイルをビームサーベルで切り裂きながらその爆風を使い加速していく。
観客の歓声を背に、俺は集中していた。
視界が狭くなる。相手がより鮮明に見え、それ以外がおぼろげに霞んでいく。
ようやくクロスレンジになり、相手のゲルググが光刃を横に凪ぐ、俺はそれを再びしゃがんでかわすと、相手は下段の回し蹴りを放ってくる。
それを跳んで回避し、こちらも回し蹴りを放ち、更に蹴りを真正面から入れて後ろに一回転して後ろに下がる。
「っらあ!」
間髪入れずに二本のサーベルを相手に向けて投げつける。
サーベルは相手の両足を貫き、地面に固定した。
「な、なんだよ…なんなんだよてめぇはよぉ!」
「沈め!」
相手に何かをさせる暇を与えずに接近し、残った一本のナイフを引き抜き頭部を切り飛ばし、脚部を切断、そして胸部にナイフを突き刺した。
一応後ろに下がり、爆発に巻き込まれないようにして敵機が爆炎に包まれたのを見つめていると、俺の勝利を告げるであろうセリフが流れ、青白い光が消えた。
俺を包むのは歓声、歓声、歓声。
「あの子何者だ?」
「初心者だそうだぞ!」
「初心者であの動き、ニュータイプなのか!?」
「あの、弾幕のゲルググを破るなんて…できるなあの子!」
等々と周りのギャラリーはだいぶ騒いでいる。
すると、また袖をひっぱられた。
「お疲れ様」
女の子が俺を労うかの如く、少しおじぎしながらそう言ってくれた。
「ありがとう、色々教えてくれて、助かったよ」
「貴方、何者?」
「俺は式野詩桜、よろしく」
そう言いながら手を差し出すと、
「宮樹椎乃」
と彼女も自己紹介をし、握り返してくれた。
ということで二話目投稿です。
一話最初の投稿では失礼しました。
ではこれからも読んでくだされば幸いです。