俺達は今、新しいガンプラを作っている。もっとも作ってるのは宮樹で、俺は武装案などを出すだけだが。
今作ってるのはアストレア。宮樹はアストレアを買った模型店で何個かガンプラを買い込んでいた。
そのガンプラというのが、
HG アストレア
HGエクシア
の二つだ。
さて、今も宮樹が絶賛組み立て中なのだが、何せ手持ち無沙汰だ。やることがない。
暇だし、とりあえず宮樹を眺める。
あどけない整った小さな顔立ち。艶のある綺麗な黒髪はボブカットにされている。小柄な体型で細身だが健康的な細身ではある。
一言で言うと可愛いの一言に尽きる。
しかし、年の差があるのだ。
この前聞いたらなんと15歳。高校一年生だそうだ。対する俺は19歳。四つ離れてることになる。
正直、恋愛感情はある。宮樹に恩は感じているし、今もこうして居座るのを許してくれているのだがら頭は上がらない。それに、まだ15なのだ。俺が束縛していい歳でもないはず。
「難しい、よな」
「なにが?」
ふと声に出ていたらしい言葉に宮樹が反応する。
塗装したガンプラを組む手を止め、こちらを真っ直ぐ見て問い掛けてくる。
「それに貴方、さっきから私を見過ぎ。やり辛い」
その宮樹の言葉に謝罪をして、今度はガンプラに注視する。
あれから数ヶ月。ペーパープランから始まったこの機体はすでにあと少しで完成しそうである。
「出来た」
そう考えてると宮樹の言葉が聞こえ、改めて完成したガンプラを見る。
アストレア本体は特に変わった様子がない。強いて言うなら角が無く、マスクをつけている。ふくらはぎには薄い長方形の小さい箱が両方に付けられ、更に見ると両肘に増加スラスターが付けられていた。武装面ではアストレアのプロトGNソードが左腕に装備されている。塗装は白を基調に灰色、黒が使われていた。
無論、射撃武器は腕部のバルカンだけである。
「かっけーな」
「当たり前」
どうやら宮樹もアストレアが元々好きなようだ。
動かしたい衝動に駆られつつ、作業が終わった宮樹に労いの言葉と共に彼女が所望したコーヒーを淹れる。
「改めて、お疲れ、宮樹」
「ん」
極めて端的な返事。
ただ最近はそんな返事でも宮樹の内心がどうなっているのかわかるようになってきた。少しだが。
これは照れているのだ。見ると少し頬も赤い。
「しかし、本当に凄いよな。こんなに綺麗なガンプラ作れるなんて」
偽りのない賞賛に宮樹は少し下を向く。
「女の子なのにさ、こんなにすげーガンプラが作れるって珍しいよな」
自分の淹れたコーヒーを飲みつつ、俺は宮樹に話しかける。
「ガンプラ作ろうと思ったきっかけって何なんだ?」
その瞬間、宮樹は目を勢い良く開き、口に運ぼうとしていたコーヒーカップを床に落としてしまう。
少し小煩い破砕音がし、破片が辺りに飛び散る。
「おい、大丈夫かよ?疲れてんのか?」
そう言いつつ、床に散乱した割れたコーヒーカップから宮樹に視線を移すと、
「っ…あ…」
震えていた。
肩を抱き、背中を丸めて震えているのだ。
「お、おい!どうした!?」
動揺が表に出てしまい、焦った口調で宮樹に問いかける。
宮樹は焦点の定まらない目でこちらを見た。
「そ、その…は…」
どうにか喋ろうとしているのだろう。しかし宮樹の意思とは反し、口が上手く動いていない。
「落ち着けって!ゆっくりでいい。ゆっくりでいいから」
宮樹の両肩を掴み、真っ直ぐこちらを見させる。
すると幾分落ち着いたのか、たどたどしく言葉を紡いだ。
「その、話しは…二度としないで…」
いつものクールで無表情な宮樹とはまるで違う。
怯えた表情に震える身体。まるでその姿は小動物のようで、そういうものに滅法弱い俺は宮樹の頭に手を置き、ゆっくりと撫でる。
「俺が悪かった。だから、安心しろ、落ち着け」
その言ってそのまま撫で続けていると、本当に安心したのか宮樹は眠りについていた。
申し訳ありません。
今回は短めです。