魔女兵器 〜Another Real〜   作:かにみそスープ

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第12節 〜風に望んで、光に誓う〜

 

 ——時間は遡る。

 

 サモントン都市部の障壁突破から一時間前、ガブリエルとラファエルはデックス家の本邸へと辿り着いていた。

 

「ここもバイオセキュリティで良かったわね。こうして難なく倉庫まで来れたし、火事場泥棒の被害にあってないから宝石は無事そう」

 

「停電時でも機能する防犯機能って割と希少よな。しかも非常電源なしで。あっ、そこの花は触ると……」

 

「分かってるわよ。ダウナー効果を持つ霧を放出するんでしょ。たくっ……気が気がじゃないわ」

 

 植物の防犯機能を潜り抜け、二人の天使はようやく蔦に絡まった鉄製の扉を開き、倉庫の中へと入った。

 そこには目が眩むほどに輝く宝石から、年季の入った杖や王冠といった歴史的遺産などが数多く存在しており、一般人であれば踏み込むだけでも恐れ多い高貴さに満ちていた。

 

 だが二人にとってはそれらは夏場に飛び交う蚊も同然の様に当たり前であり、床に転がる装飾過多な書物と畳まれた絨毯を足蹴にして退かし、目的となる宝石の保管庫をすぐにダイヤル番号と物理キーを入れて解錠し、最低限手袋だけは付けて、さながら強盗の様な乱雑な手先で物色をし始めた。

 

「さて無事に宝石を手にできたわけだが……『エメラルド』はあるわけないか」

 

「『ダイヤモンド』と『パール』はあるけどね。これで伝説のパケモンでも呼ぶ?」

 

「おっ、俗世に嵌ったこと言うね。昔は物知らぬお兄様大好きっ子だったのに」

 

「お兄様って呼んでない!」と照れ隠しにラファエルは啖呵を切るが、言われ慣れているガブリエルは「はいはい」と適当にあしらって物色を続ける。

 

「う〜〜む。『ジェダイト』……つまりは『翡翠』はあったけどどうだ?」

 

「…………何も繋がりは見えないわ。大体、私が『エメラルド』を通して繋がりを認識したのって女装癖……じゃなくて……えーと……」

 

「レンくんのこと?」

 

「そう。アイツのおかげなのよ。こう、手を繋いでもらって……」

 

「ふぅー、初めての共同作業ーっ」

 

「茶化すな!」とラファエルは激怒する。対してガブリエルは手を止めずに「ごめんねぇ」と小慣れた謝罪をした。

 それがラファエルに気に障ったのだろう。子供みたいに頬を膨らまして不機嫌になり「大嫌い」と不貞腐れた。

 

「……でも良かった。本当はお兄様はサモントンを心の底から裏切ったわけじゃないって」

 

「前言はどこいった?」

 

「…………こうなる事態を見据えてウリエル……いえ、ニャルラトホテプから『魔導書』を遠ざけていた。レンやアニーがいる新豊州で『方舟計画』による発生する外交問題を深刻にしないために」

 

 ガブリエルは内心「スルーしたな」と思いながら、珍しく素直になっているラファエルの可愛さに懐かしさが込み上げ、つい幼少期と同じように兄貴分として話し出す。

 

「気にするな。元々成功したら、そのままマジで裏切る気だったから。俺だって皆を助ける聖人じゃない。俺はいつだってお前のことを第一に考えてるからな」

 

「私のことを……?」

 

「ああ。お前はデックスの思想から唯一本当の意味で自由になった子だからな。誰かの従属するはずの天使が、何者にも縛られずに自由気ままに羽ばたく姿…………想像するだけで尊い物だ。眩しくて守らなきゃいけない物だ。例えそれが堕ちる未来が待っているとしても」

 

「堕ちるの前提?」

 

「まあ、お前の羽根のためなら俺が代わりに堕ちるがな。それが兄貴分って物だ」

 

 ラファエルは照れ臭そうに頬を赤らめて指で掻く。

 昔からこうなのだ、とガブリエルに対して心の中で悪態をつく。一々キザなことを恥ずかしげもなく言って、それを違えたことは一度だってない。ラファエルからすれば、それは神に誓うよりも硬い決意の表明だと知っているのだ。

 

 あまりにも臭いセリフだったので「気分転換でもしないと空気に耐えきれない」と感じたラファエルは、宝石の保管庫から離れて手頃なテーブルに腰でも掛けようと、テーブルの上にある数多の高級品を退かそうとする。

 

 

 

 ——その瞬間、ラファエルの心に衝撃が走った。

 

 何気なく手に取った『箱』——。

 それは初めてスカイホテルで『エメラルド』を通じて回復魔法を使った時よりも、遥かに強い魔力がこの身と共鳴していたのだ。

 

 

 

「……ねぇ、この箱って見覚えある?」

 

「箱?」

 

 そう言われてガブリエルはラファエルの手元にある箱を見た。

 

 それは特定の手順で動かすことでのみ開く『細工箱』あるいは『からくり箱』と呼ばれる類の物だ。大きさは約20㎤ほどであり、外装はよくある黒色に塗装した木材仕様であり、それ以外には特に目を引く特徴がない。どこからどう見ても一般流通してる箱と同じなのだ。

 

「見覚えしかないが、ここでは絶対見ないな」

 

 なぜこんな安物がデックスの倉庫にあるのか。ガブリエルは疑問に思うがこの際それはどうでもいい。外見はどうあれ中身が宝石であればそれでいいのだ。

 

 ガブリエルは己が誇る鑑識眼を持って、その細工箱を把握して少々時間は掛かりながらも簡単に細工を全て攻略して、その箱の中身を取り出した。

 

「……『隕石(メテオライト)』?」

 

 箱の中身は『隕石』だった。大きさは15センチほどであり、外見が作り物みたいにワザとらしい緑色と光沢を放っていること以外は、そんじゃそこらにある石ころと大差はない。

 

 だがラファエルは理解していた。目に入った瞬間、本能的にそれがどういう物なのかを。

 

 その隕石はスターダストやオーシャンの情報が入っていた『剛和星晶』と『剛積水晶』と全く同じ『情報生命体』という情報がこれでもかと内包された物だ。

 いつぞやの『リーベルステラ号』や今回の『方舟基地』で触れた『剛和星晶』の1.5メートルと比べれば遥かに小さくはあるが、その中身の質は全く見劣りしていなかった。

 

 

 

 

 

 ——来い。可愛い従者よ。

 

 

 

 

 

「……なに、この声?」

 

「声? 何を言ってるんだ……って、おい!?」

 

 ラファエルが譫言のように呟くのと同時、ガブリエルから乱暴に隕石を奪い取って食い入るように見つめ続ける。まるでその隕石に目があり、それと目を合わせるように釘付けとなっているようだ。

 

 側から見ればラファエルがただ大きな石を持っているだけの状況だ。ガブリエルですら全貌が掴めず、ラファエルの動向を追う。

 

 しかしそのラファエルだけが、ある『声』が心身を蝕みように話しかけているのが聞こえていた。

 

 

 

 ——我が従者よ。目覚めの時だ。

 

 

 

「誰よ……あんた誰よ……!?」

 

 

 

 ——我が名を伝える必要はない。人には名状し難い名だ。

 ——我は汝の主神でありながら主神にあらず。

 ——しかして汝は主神と我の従者である。

 

 

 

 ——さあ、手に取れ。我が写し身となる『宝玉』を。

 

 

 

 ——さすれば汝は絶対的な魔力を身に宿す。

 

 

 

「魔力……」

 

 心臓の鼓動が大きく、そして早くなる。

 絶対的な魔力。それは今ラファエルが一番欲している物であり、それさえあればXK級異質物を動かして、モリスの負担も賄えるし、水脈を操作して水を確保することもできる。サモントン都市部にいる避難民を守ることができるのだ。

 

 

 

 ——悩むことはない。

 ——その魔力さえあれば、全てを助け出すことができる。

 

 

 

「すべてを……」

 

 思考が早くなる。傍に叫ぶガブリエルの言葉なんてこの世にないと錯覚してしまうほどに、ラファエルのが思考が加速して世界を停滞させる。

 しかし、そんな中でも『声』だけは響く。いやむしろ埋め尽くす。ラファエルの身体を、思考を、精神を。犯すようにラファエルの全てを蹂躙していく。

 

 

 

 ——それにもう、置いてかれるのは嫌だろう。

 ——何の力にもなれない自分は嫌だろう。

 

 ——レンの力になれないのは、もっと嫌だろう。

 

 

 

「……っ!!」

 

 その言葉はラファエルの内に眠る心情を貫いた。

 ラファエルは今まで陰ながらに支えてきた。『OS事件』は彼女の『治癒石』がなければ全滅していたし、ソヤがガブリエルを捨て身の攻撃で打倒した時もあった。

 

 だけどそれはラファエル自身が頼りにされてるわけじゃなく、ラファエルが持つ『回復魔法』を頼りにされてるだけ。現にラファエルではなく『治癒石』の方が解決してるのが実情だ。

 それに『回復魔法』だって便利ではあるが、事態を解決するための術は一切持たない。今回の『時空位相波動』だってラファエルは一度たりとも力になれていない。むしろ『エメラルド』をなくしてしまい、こうして無駄な行動を取らざる得なくなっている。

 

 いや、今回だけじゃない——。

 南極での事件もハインリッヒが主に戦闘を受け持ち、スノークイーン基地での謎もレン自身が解き明かした。

 猫丸電気街での『天国の門』だって自分は蚊帳の外だった。レンはその身を駆けて事態を究明しようとしたのに。

 マサダブルクの時でも放っておかれた。それどころかニュクスの方が作戦に関わっていたし、レンが頭を使ってエミリオ救出のために尽力し、そのエミリオがマサダブルクを襲う二酸化炭素の砂嵐を両断して『聖女』として地位を確立させた。

 

 それに『OS事件』も『スクルド暗殺計画』の時もラファエル自身は無縁だった。レンが『霧守神社』で修行してる時だって、自分の知らぬところで絶え間なく怪我をして、そして知らない間に強くなった。

 

 それは——今回の『時空位相波動』が発生する前に起きていたアレンとの一騎打ちでも、見事に勝利できるほどまでに。

 

 ラファエルが知らないところで、皆が少しずつ前に進んで成長している。『魔女』として活躍はできないと踏んだアニーだって、SIDの補佐官としての訓練をして力になろうと努力している。

 

 だというのに自分だけ前に進めない。

 どうして私は前に進めない。一緒にレンとアニーと行けない。

 

 

 

 ——自分に力があれば。

 ——力さえあれば、変わることはできるだろうか。

 

 

 

 ——無力で何もない『自分』を変えられるだろうか。

 

 

 

「……どうせ受け入れなきゃ、何もできないのよ。よこしなさい、私にその力を」

 

 

 

 ——ならば受け取れ。我が力を、我が権能を。

 

 

 

 そうして『声』を受け入れると、ラファエルの中で『何か』が爆けるように広がり、全身の細胞という細胞へと魔力を行き渡らせる。

 生まれ変わったように視界はクリアになり、あらゆる関節がしなやかになって、活力が溢れて身体を作り替えるように漲ってくる。

 

 

 

 ——まるで自分の身体じゃないかのように。

 

 

 

「おい、ラファエル……お前…………手がっ!?」

 

「手……?」

 

 

 そう言われてラファエルは自分の手を見た。

 

 手は黄色を帯びた『緑』に変色していた。

 それどころか『手』そのものがおかしくなっている。骨という骨が溶けきって、皮膚が鱗のように逆立っている。指もタコの触手のよう蠢いていて、一目で人間じゃないと判断できるほどに変貌していた。

 

 ラファエルは恐る恐る自身の顔を触って確認する。

 鱗のような手でも分かる。顔も手と同じように鱗に覆われて、棘でも出ているかのように逆立っている。

 

 想像するだけで悍ましい。自分が今どんな顔、どんな図体でその場にいるのかを。

 

 

 

「……私こそが至高の芸術、美しさだったと思っていたのに」

 

 

 

 しかし、それは前兆だと言わんばかりに変化は続く。

 今度は全身が風船のように膨らみ四肢が肥大化した。ガブリエルよりも背が高くなり、それは頭一つ分、頭二つ分と肥大化して、やがて肥大化は収まって今度は肉体を搾り取るように縮小していく。

 

 肥満症のように膨らんだ四肢は、水分が抜け切ったミイラの如く痩せ細り、胴体も絞られた雑巾のように病的に括れてしまう。指は完全に触手となり、手と思われる部分よりも何十倍も伸びる。足どころか下半身は見るに堪えないほど溶けきって、それこそモンスターのように触手だけで立ち尽くしていた。

 

『……まさか、こんな醜悪な見た目になるなんてね』

 

 声は既に聞き慣れない誰かになっていた。

 思考も徐々に薄れて自分自身が消えていくのを感じる。

 

 

 

 これが天使の最後。何とも滑稽で惨めで憐れだろう。

 最初から自分はなくて、最後は自分ではない誰かになる。

 

 

 

 ——今から汝は我となる。

 ——汝こそが新たなる主神の写し身。

 

 

 

 ——名は『エメラルド・ラマ』——。

 

 

 

 それでも自分が歩んだ道筋だけは本物で、自分だけの物だ。新豊州で過ごしたことは苛立った、ムカついた。けど、それ以上に楽しかった。

 

 

 

 

 ——でも何が楽しかったんだっけ。もう思い出せない。

 

 

 

 でも一つだけまだ覚えている。あの馬鹿の顔を。ほとんど一目惚れに近かったけど、見た瞬間にアイツだけは面白いと感じて、ついつい声を掛けてしまった男の子。

 

 それももう少しで忘れてしまう。

 ならせめて、最後くらいはアイツの名を呼べばよかったかな。

 

 

 

 

 

 レン、あなたを——。

 

 

 

 

 

 …………どう思っていたんだっけ。

 ……でも、あなたの名だけは覚えているわ。レン。

 

 

 

 

 

 …………

 ……

 

 

 

「——今、誰かが呼んでた」

 

「誰かって……誰?」

 

 ここは夢の世界の只中。ここには私とウリエルしか確かな存在はない。

 

 そのはずなのに……聞こえた。どこかの誰かが私の名を呼んだ声が、確かに私の耳に、心に、魂に、その全てが届いたのだ。

 

 今すぐここから出て行かないといけない。

 出て行かないといけない、はずなのに…………。

 

 

 

「ねぇ……私の親が現実にはいないって、どういう意味?」

 

 

 

 正直、頭の中ではその言葉の真意は理解していた。だけど認めたくなかった。認めてしまったら、私の中で大事な何かが崩れてしまうのを本能的に感じてしまったから。

 

 

 

「——言葉通りだよ。現実では君の親はいないんだ。死んで……いるんだ」

 

 

 

 だけど現実は痛いほどに残酷だった。私が予感していた事と一言一句間違いなくウリエルは言葉にした。

 

 それを知って私はやっと理解した。

 一緒にご飯を食べる時も、一緒に話す時も、一緒に遊ぶ時も、一緒に寝る時も、全部が全部私が現実で求めていた温もりだったんだ。

 

 だから、心の底から涙が出そうなほどに全部噛み締めていたんだ。こんな夢みたいな出来事は二度は起こらないのをどこかで感じていたから。

 

 

 

 それを知って、私は…………醜い感情しか出てこなかった。

 

 

 

「真実に辿り着いた君ならここから抜け出せる。ここは原理的には『因果の狭間』と大きな差はない……。君だけが見える線を辿れば、きっと……」

 

「…………いやだ」

 

 

 

 それは『執着心』だ。私の前から両親がいなくなる。それはとても我慢できることではなく、激情は言葉となって吐き出される。

 

 私の手から幸せが消え去るのを理解し、子供のように涙が溢れて止まらない。呼吸が荒くなって鼻水も出てくる。目は潤っているのか乾いているのか分からないほどに涙が続く。

 

 

 

「いやた゛いやた゛いやた゛! 私から奪わないて゛! 私から両親を奪わないて゛!」

 

「……そうだよね。夢から覚めなければ、夢は続く。覚めない夢は『現実』と一緒だ。『現実』と『夢』なんて、観測者からすれば差はないんだ」

 

 泣き叫ぶ私を見て、ウリエルはラファエルと似た優しい笑みを浮かべて「この話は一度ここで終えよう」と言って、私のバッグから『ルーチュシャ方程式』を手に取った。

 

「24時間後、君の家に向かおう。その時に答えを聞かせてくれ。君が…………どう生きるのかを」

 

 そう言ってウリエルは『ルーチュシャ方程式』の資料の一部を回収して去る。

 それは私が『覚めない夢』と『悪夢のような現実』のどちらかを選ぶのを止め、心変わりして『ルーチュシャ方程式』に頼って運命から逃げようとしないための保険でもあり激励だ。私ならきっと選んでくれると思っているから。

 

 一人ぼっちになって改めて考え直す。ウリエルが口にしていた選択を。『覚めない夢』か『悪夢のような現実』のどちらを選ぶべきか。

 

 私が今ここで悩んでる中、きっと現実では誰かが苦しんでいる。誰かが傷ついている。

 それは見知らぬ誰かかもしれない。だけど私がよく知ってる友人かもしれない。もしくは私の友人が大切な人かもしれない。

 

 それを考えると、今すぐにでもここから抜け出して助けに行きたい。いつまでも蹲って何もしないなんて嫌だ。そんな衝動に駆られて早くここから飛び出したい。

 

 

 

「いやだ…………。パパとママがいないのは、いやだ……っ」

 

 

 

 でも大好きなパパとママから離れるのも嫌なんだ。この夢が覚めてしまえば、確実に絶対に決定的にパパとママはいなくなってしまうんだ。

 

 それに、この世界にいる他の誰かもいなくなってしまうかもしれない。

 アニーだったり、イルカだったり、ラファエルだったり……。もしかしたらもっと別の誰かかもしれない。ありえない再会を果たして幸せにしてる者がいるかもしれない。ここはそういう優しい夢の世界だとウリエルは口にしていた。夢とはいえ、誰かが望んでいた幸せをも自分で壊してしまうんだ。

 

 

 

 選べない、選べない。私には選べない。

 そんな選択を私に委ねられての答えが出るわけない。

 

 こんな私に選べるわけがない。

 

 

 

「ごめん、なさ——」

 

 

 

 ……ダメだ。ダメだダメだ。

 それを言ってはダメだ。また繰り返すのか、弱い自分を。

 

 現実のどこかで私は自分の弱さを知っているはずだ。

 それを乗り越えようと強くなったはずだ。

 だから選べない自分を棚上げして、ただ許しを乞うなんて一番やっちゃいけないことだ。

 

 選ぶしかないんだ。どっちの地獄を選ぶかを。

 

 

 

 

 

 永眠を選んで、奪われた現実を夢にするか——。

 覚醒を選んで、美しく悪夢に満ちた現実か——。

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