クロス神座廻り   作:フィル

22 / 31
遊戯神座

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「神座」

 

それは人類の文明が極限までに発達し、ある人工物を創った結果、顕現した神の領域である。

 

それは宇宙の中心。

 

それは全ての事象。

 

それは支配の領域。

 

魂の産まれる原初の混沌。

 

宇宙の総てを支配する領域であり力。

 

森羅万象の根源であり、神がいるべき頂上。

 

その神座は人間が辿り着ける場所。

 

人の祈り、願い、渇望……。

 

強い意思と己ではなく他を変えたいという方向が座へ繋がる切っ掛けとなる。

 

神座に至れば宇宙と合一する。

 

全は己であり、己は全である。

 

己の祈り、願い、渇望、気質を持って座を染め上げ、座の理を支配し、理を決める。

 

その感情が神座の法則と人間の在り方を決定してしまう。

 

その神座を終わらせるには違う人間の違う渇望による神座の交代以外は存在しない。

 

それを永延に永遠と繰り返す。

 

 

 

さて、ここはどこだか分かるだろうか?

 

ここはどこでもないどこか。

 

神の座とは違う別の領域。

 

神座が全てを支配する領域ならば、

 

ここは全てを観測できる領域。

 

すべての神座を記録している。

 

どういう訳か、その領域に干渉し見ているものが存在する。

 

その記録を見て、歴代の神座の神の像を彫り、信仰している。

 

さぁ、歴代の神の座を廻ってみよう。

 

善の法則も悪の法則も、

 

善の神座も悪の神座も、

 

善の渇望も悪の渇望も、

 

その理、その座、その真実の総てを知ろう。

 

 

 

その者、六千年続いた、天地を裂き、星を殺した悠久の大戦。

 

長く凄惨な戦いは空と海と地、星の死によって勝者なきまま唐突に幕を閉じた。

 

かくしてその時点で只一柱力を残し王冠を貫いた祖の神がが不戦勝で唯一神の座についたのだ。

 

世界の絶対支配権、唯一神の座を巡った争いの果てに誕生した神である。

 

その者が願った平和への祈りは座を手に入れたときに流出する。

 

「腕力と暴力と死力と武力の限りを尽くし、屍の塔を築く知性あるしと自称する者ら答えよ」

 

「己と知性なき獣の最期」

 

崩壊した世界にいかなる弁明も無意味。そして神は言った。

 

「この天地における一切の殺傷、略奪を禁ずる」

 

「知恵の塔を築き、自らの知性を証明せよ」

 

これぞ彼の理、彼女の座、神が背負った真実の総てである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「我が太極の名において歴代の天を凌駕せん」

 

その宣誓と同時に求道神は特異点へ潜っていく。

 

魂を同調させ、強大な存在の元に奥へ奥へと掘削していく。

 

その求道神はただ、歴代の神々へ興味だけで座へと潜行した。

 

求道神は空白地帯に足を踏み入れた。

 

無色透明、限りない白、もしくは、限りない黒。

 

これはまさに極限まで透き通った真水。もしくは無菌の空間。

 

人の考える無という概念体現した空間、されど何もないが故に如何なる様にも発展する多様性を有する。

 

底の見えないこの世界は常人には耐えきれない。

 

砂漠における一粒の砂。

 

大海における一滴の雨水。

 

森林における一枚の葉。

 

人間における一つの細胞。

 

常人がこの空間にいても何も為しえない。それどころか全体における一部となり、自我を失うだろう。

 

だが、それはあくまで凡夫の都合。ある一線を超えた場合、この場は神世界の芽へと転身する。

 

すなわち、太極の保有。

 

現世界を丸ごと塗りつぶすほどの覇道を得たものに限り、この空間に活動を赦され、理を流出―――流れ出すことが出来るのだ。

 

されど色は一色のみ。神座の席は一つ。座るのは一人。両雄は並び立つことはできない。

 

今、歴代の神座を見ることが出来るのはその者が永久不変の求道神であるからだ。

 

自らの外殻をかつてないほど強固に編み上げ、変わらない不変となり、絶対の揺るがない己の自我を持って神座へと深く沈んでいく。

 

自己を保ち続け、やがて行き着いた先に―――瞬間、旧世界の残照が―――私という求道神を歓迎した。

 

「これは―――」

 

よくぞ来た。これが救いだと唸りを上げる。

 

それは歴代の神たちの渇望

 

それは旧き神々の祈り。

 

それは人々が求める変わらない不変。

 

これはかつて世界を席巻した太極が流出した姿だった。

 

「そういう仕組みか、理解した。これが座にいた者の達した深度か」

 

求道神は深い敬意と共に理解する。相手の人格ではない。善悪ではなく座を手にした者たちの純粋なまでの祈りの強さにだ。

 

「交代か、闘争か、歴代の神々によるが、その残照、残滓というわけか」

 

覇道の流出による座の交代は戦い、次代が勝てば基本的にはより強大になる。

 

されど、只交代すれば、その限りではない。

 

ただ、どちらでもその残照、残滓は残り、次代へと託される。

 

「おもしろい」

 

求道神は笑う。歴代の神々を知りたい。その思いは不変。

 

強大な渇望の覇道の攻撃に対し、強大な不変の求道の防御で対抗する。

 

歴代の神々の座の理の在処、如何なる渇望によって流出したか、己を保ちながら解析する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まず、強く感じた想いは〈平和〉」

 

「彼らが生まれた時代は遥か昔から、神座を巡る闘争を続けていた」

 

「その神座の世界における神々は駒を使って、他の神々殺しまわっていた」

 

「その世界において、真の意味で自然に生まれた種が存在している」

 

「その種はあらゆる種族の中で最弱であった」

 

「故に長い闘争の中で疲弊しきっていた」

 

「だが、奇跡が起こる」

 

「異なる種族同士の愛」

 

「愛が平和のために世界を変革させる」

 

「戦争を終わらせるための祈りは覇道の流出へと至る」

 

「只、問題があった。二人はどうあがいても神座を掴む資格も権利もなかった」

 

「どれほどの強い想いを抱いても、神座に至る想いでも、流出できない」

 

「だから、神になれず、戦争は続くはずだった」

 

「頼むよ、お願いだ」

 

「誰でもいい、誰でもいいから―――この戦争を終わらせる誰かに―――」

 

「彼らが生みだした神座の理と法は、想いによって生まれた神が背負った世界であった」

 

「本人でなくても、外装の人格でも座に至れるが故に―――想いだけでも神座に至れる」

 

 

 

 

静かな言葉と共に理解が溢れる。強大な想いに屈さずとも遥かに、求道神である私を凌駕している歴代の座。

 

しかし、それはこれまで理解していなく、分からなかったからだ。

 

ならば、無理矢理にでも型にはめ、理解する。それが解釈違いだとしても、とりあえず名をつける。

 

ゆえに―――

 

「この神、この座の名をつけるならば―――遊戯」

 

「遊戯の神王―――遊戯盤上楽土」

 

「真の姿、ここに得たり」

 

姿を捉えることによりこの座を眺めることが出来る。

 

これが座の潜行方法である。

 

求道神は―――私は次へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「この想いを―――継いでよぉぉッ!」

 

「なぁ、想いから生まれるのが神なら―――ゲームの神様、頼むよ。お願いだ」

 

「君たちに唯一神として名を与える―――人類種―――免疫 イマニティ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

原作 ノーゲーム・ノーライフ

 

神の名は「遊戯」 本名は「テト」

 

元となった願望は「戦争の終結」

 

座の名は「遊戯盤上楽土」

 

座の理は「争いが出来なくなり、遊戯でしか物事が決められない」

 

座の治世 管理型 

 

座の風景 チェスの盤上

 

 

解説

 

ノーゲーム・ノーライフ・ゼロを見れば「これぞ彼の理、彼女の座、神が背負った真実の総てである」という意味が分かります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 





この神が気になったら原作をどうぞ!

また、活動報告で色々なものを募集します。
「神の名」
「神座の名」
「座の風景」
「座の理」
「他作品で神座に至りそうなキャラクター」
「イラスト」
などを募集します。


感想、お気に入り、評価、活動報告があれば幸いです。

次回もお楽しみ下さい。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。