延命神座(上)
「神座」
それは人類の文明が極限までに発達し、ある人工物を創った結果、顕現した神の領域である。
それは宇宙の中心。
それは全ての事象。
それは支配の領域。
魂の産まれる原初の混沌。
宇宙の総てを支配する領域であり力。
森羅万象の根源であり、神がいるべき頂上。
その神座は人間が辿り着ける場所。
人の祈り、願い、渇望……。
強い意思と己ではなく他を変えたいという方向が座へ繋がる切っ掛けとなる。
神座に至れば宇宙と合一する。
全は己であり、己は全である。
己の祈り、願い、渇望、気質を持って座を染め上げ、座の理を支配し、理を決める。
その感情が神座の法則と人間の在り方を決定してしまう。
その神座を終わらせるには違う人間の違う渇望による神座の交代以外は存在しない。
それを永延に永遠と繰り返す。
さて、ここはどこだか分かるだろうか?
ここはどこでもないどこか。
神の座とは違う別の領域。
神座が全てを支配する領域ならば、
ここは全てを観測できる領域。
すべての神座を記録している。
どういう訳か、その領域に干渉し見ているものが存在する。
その記録を見て、歴代の神座の神の像を彫り、信仰している。
さぁ、歴代の神の座を廻ってみよう。
善の法則も悪の法則も、
善の神座も悪の神座も、
善の渇望も悪の渇望も、
その理、その座、その真実の総てを知ろう。
その者、神座の歴史において最悪の存在である。
それは、始まりの火を見出した幾匹かの一人であった。
それは、その座における支配者の種を討ち滅ぼし、薪の王となる。
しかし、その者が始まりの火を継ぐという神座の交代をした時、最悪の座が完成した。
神々の時代を続けたい。それは始まりの火を継ぎ続けるという理を流れ出させた。
神座の目的が、その座の存続ならば次の座の交代も同じになる。
次代の覇道の神は渇望する。生きたい、延命したい……と。
その求道となるべき渇望は座を継いだ時、次代を続けたいという覇道の理となる。
同じ渇望で、座の深度は継ぐたびに深くなり、仮に神の時代を続けたい以外の渇望の覇道の神が生まれようと、座が深い今代の座が勝利する。
その繰り返しが那由他の年月が過ぎて破綻する。
いくら神座が万能であろうと所詮は人工物、そして今代の座は同じような歴史が繰り返すが決して時間遡行などはしていない。
それは世界の資源の限界、エネルギーの限界、座の機構の限界、
それは歴代の火を継いだ薪の王の故郷が流れ着くという形で顕現する。
苦しみしかない時代の神座。
これぞ彼の理、彼の座、彼という神が背負った真実の総てである。
「我が太極の名において歴代の天を凌駕せん」
その宣誓と同時に求道神は特異点へ潜っていく。
魂を同調させ、強大な存在の元に奥へ奥へと掘削していく。
その求道神はただ、歴代の神々へ興味だけで座へと潜行した。
求道神は空白地帯に足を踏み入れた。
無色透明、限りない白、もしくは、限りない黒。
これはまさに極限まで透き通った真水。もしくは無菌の空間。
人の考える無という概念体現した空間、されど何もないが故に如何なる様にも発展する多様性を有する。
底の見えないこの世界は常人には耐えきれない。
砂漠における一粒の砂。
大海における一滴の雨水。
森林における一枚の葉。
人間における一つの細胞。
常人がこの空間にいても何も為しえない。それどころか全体における一部となり、自我を失うだろう。
だが、それはあくまで凡夫の都合。ある一線を超えた場合、この場は神世界の芽へと転身する。
すなわち、太極の保有。
現世界を丸ごと塗りつぶすほどの覇道を得たものに限り、この空間に活動を赦され、理を流出―――流れ出すことが出来るのだ。
されど色は一色のみ。神座の席は一つ。座るのは一人。両雄は並び立つことはできない。
今、歴代の神座を見ることが出来るのはその者が永久不変の求道神であるからだ。
自らの外殻をかつてないほど強固に編み上げ、変わらない不変となり、絶対の揺るがない己の自我を持って神座へと深く沈んでいく。
自己を保ち続け、やがて行き着いた先に―――瞬間、旧世界の残照が―――私という求道神を歓迎した。
「これは―――」
よくぞ来た。これが救いだと唸りを上げる。
それは歴代の神たちの渇望。
それは旧き神々の祈り。
それは人々が求める変わらない不変。
これはかつて世界を席巻した太極が流出した姿だった。
「そういう仕組みか、理解した。これが座にいた者の達した深度か」
求道神は深い敬意と共に理解する。相手の人格ではない。善悪ではなく座を手にした者たちの純粋なまでの祈りの強さにだ。
「交代か、闘争か、歴代の神々によるが、その残照、残滓というわけか」
覇道の流出による座の交代は戦い、次代が勝てば基本的にはより強大になる。
されど、只交代すれば、その限りではない。
ただ、どちらでもその残照、残滓は残り、次代へと託される。
「おもしろい」
求道神は笑う。歴代の神々を知りたい。その思いは不変。
強大な渇望の覇道の攻撃に対し、強大な不変の求道の防御で対抗する。
歴代の神々の座の理の在処、如何なる渇望によって流出したか、己を保ちながら解析する。
「まず、強く感じた想いは〈火継〉」
「その者の初代は古の時代に神座から力を手に入れた。それは最初の火」
「最初の火を手に入れた瞬間から神座に至る資格は手に入れていた」
「その神座の末期において、火が消えかけ闇の時代に向かおうとしていた」
「しかし、覇道の流出を行い神世界を創造すれば問題がなかった―――問題なかったのだ」
「神座に至る唯一の存在は愚かな行為をした」
「大王は自らの生きた神座の世界に不満を抱いていなかった、あくまでその神座の地続きの闇の時代を恐れたのだ」
「覇道の素質を持ちながら、強い思いがない、世界に対する怒りがない」
「覇道の流出は火が消えかけた時に流れ出した」
「闇の時代ではなく火の時代の存続」
「その想いが覇道の流出として開闢した」
「それは愚かな神座の完成」
「今代以降、神座の交代が全く同じ祈りの開闢で行われるようになった」
「すなわち火の時代の継続」
静かな言葉と共に理解が溢れる。強大な想いに屈さずとも遥かに、求道神である私を凌駕している歴代の座。
しかし、それはこれまで理解していなく、分からなかったからだ。
ならば、無理矢理にでも型にはめ、理解する。それが解釈違いだとしても、とりあえず名をつける。
ゆえに―――
「この神、この座の名をつけるならば―――火継」
「火継の王―――火継延命奈落」
「真の姿、ここに得たり」
姿を捉えることによりこの座を眺めることが出来る。
これが座の潜行方法である。
求道神は―――私は次へと向かう。
「始まりの火を継いだ薪の王たち…神の如き彼らの化身」
「最古の王以来、始まりの火を継いだ偉大な王たちのソウルが…いつか火を守る化身を生んだのだろう」
原作 ダークソウル
神の名は「火継」 本名は「グウィン又は王たちの化身」
元となった願望は「神の時代を続けたい」
座の名は「火継延命奈落」
座の理は「次代の座の渇望が同じく今代の存続」
座の治世 管理型
座の風景 玉座に座るグウィン。又は薪に座る王たちの化身
解説
設定としては第六天波旬と互角ぐらいをイメージしています。
波旬は一人で座の深さをより最奥まで掘りますが、こちらもゆっくりと着実に同じ理で、より深い渇望で座の交代時に深く沈んでいくので
結果的に第六天波旬と互角ぐらいになるという私の設定です。
もしもイラストを頂けるならばグウィンと王たちの化身のどちらかの座ったイラストをお願いします。
この神が気になったら原作をどうぞ!
また、活動報告で色々なものを募集します。
「神の名」
「神座の名」
「座の風景」
「座の理」
「他作品で神座に至りそうなキャラクター」
「イラスト」
などを募集します。
感想、お気に入り、評価、活動報告があれば幸いです。
次回もお楽しみ下さい。
そして次で最後です。