四天王の重要任務   作:プレイズ

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妖将の任務②--鏡の世界--

そこは不安をかき立てる場所。

まるで外界から隔絶されたような肌寒い世界。

ほの暗い暗闇に覆われた岩肌が周囲一面に広がっている。

虚無と焦燥感を感じさせる、どこか不可思議な場所だ。

一つ言えるのは、現実世界とは明確に趣が違う事。

そう、ここは鏡の世界――。

 

「キャア!」

 

【挿絵表示】

 

ドスン!と鈍い音を立てて彼女は転落した。

上から無造作に落とされたため、受け身が取れず身体に衝撃が走る。

痛みを感じて彼女は悶えた。

だが、すぐに体勢を立て直して彼女は反転して立ち上がる。

突然の不意打ちで崩されてしまったが、良い反射神経をしている彼女はリカバリーが早い。

慌てる精神をなだめ、彼女は周囲を見渡した。

見た所、敵らしき者の姿は見えない。

辺りは少々暗がりになっており、あまり遠くの方までは視認できなかった。

「誰……!」

暗がりの先に向かって彼女は叫ぶ。

いきなり不意打ちの奇襲を受け、鏡の中へ取り込まれてしまった。

何者かが自分へ向けてタチの悪い攻撃を仕掛けてきたのだ。

彼女は無礼極まりない行為に怒りを感じていた。

だが、敵からの理不尽な攻撃は何もおかしな事ではなかった。

彼女はギラテアイトを押収しに、そしてそれを違法保持する者達を摘発しに来たのだ。

敵の立場からすれば、それをみすみす許容できる道理はない。

(くっ……ぬかったわ。敵陣での探索中なのに、つい気を緩めちゃった)

彼女は己の不始末により、敵に寝首をかかれた事を悔いる。

いくら自分の容姿に酔い痴れたとはいえ、流石に気を抜きすぎだった。

 

「へえ、この私とやろうってわけね。どこの誰だか知らないけど、怖い物知らずの馬鹿は痛い目を見るわよ」

相変わらず姿が見えない敵に対し、レヴィアタンは挑発するように声を投げかける。

油断から少々不覚を取ってしまったが、彼女としては不敬な輩との戦闘は望むところだ。

“四天王”に対しての身の程を知らない蛮行はその身を持ってわからせてやらないといけない。

 

周囲は薄い霧がかかったように見えづらかった。

だが、ある程度は視認可能なため位置関係は把握出来る。

地面は岩肌となっており、先程までいた場所と変わらない。

ただし明らかに違う点として、所々に光る何かが点在している事だ。

(これは何……?)

怪しく発光している物体を彼女は訝しむ。

それはまるでワームホールのような、異空間へと繋がっているホールのようにも見えた。

もしや、ここへ入れば元の場所へと戻れるのかもしれない。

 

 

「やめておいた方がいいぜ。そこは亜空間へと通じているからな」

「!」

不意に後方から声がした。

暗がりの奥からだ。

気配を消した足音が近付いてくる。

 

「ようこそレヴィアタン、鏡の世界へ」

「……!」

レヴィアタンが振り向くと、そこに居たのは人型の男だった。

その者はピンクの表皮に紫色を帯びた肌をしている。

一見するとゴブリンのようにも見える風貌だが、体型は細く人に近しい容姿をしていた。

「何者……?」

「察しはついてるだろう?あんたと敵対する存在さ」

「ってことは、私の不意を打ったのもあなたってわけね?」

チャキ、と彼女はフロストジャベリンを彼に向ける。

「その通り。いきなり驚かせて悪いな」

「一応だけど理由を訊いておこうかしら」

「くく、既にわかっているだろう?お前にギラテアイトを押収されるのを防ぐためだ」

「ああ、そうなんだ」

フウ、と妖将がため息をついた。

「って事は、やっぱりここで間違いなかったみたいね」

「そうだ。だが、みすみす渡すわけにはいかないぞ。ここであんたには消えてもらう」

言って、彼はいきなり前方にジャンプした。

地面を蹴って一気に跳躍し、彼女の眼前に迫る。

そしてそのままの勢いで拳を突き出した。

「おッ!?」

だが、それより1秒早く、レヴィアタンは体裁きによって攻撃を回避していた。

不意打ちからの高速攻撃だったのだが、彼女は好反応でかわしてしまう。

「私に対して顔を狙うなんて、命が惜しくないみたいね」

ひゅん、と半転した彼女はカウンターを放つ。

腕が空を切った事で、男は前にバランスを崩していた。

妖将のフロストジャベリンによる薙ぎが、隙が出来た彼の後頭部を打つ。

「ぐあっ…!」

打撃を喰らって、男は数m吹っ飛んだ。

かなりまともに当たったため、彼はそのまま地面に突っ伏す。

「フフ、この私にそんな子供だましな打撃は通用しないわよ」

振るった武具を後ろ手に斜めに下げて、レヴィアタンが微笑んだ。

彼女にはあのようなパワー押しの攻撃は通用しない。

頭を使った戦闘をしなければ、妖将にダメージを与える事は難しいと言えた。

「ちっ……痛っててぇ」

「…!」

倒れ伏した彼だが、しかしゆらりと立ち上がる。

首元を抑えると、彼はゴキゴキと頭を手で揺らした。

まるで外れた関節を戻すように。

「へえ、まだ意識があったのね。てっきり今ので気絶したものだと思っていたわ」

「へへ、今のはなかなか効いたぜ。だが俺の意識を刈るには不十分だ」

薄笑いを浮かべて男は彼女を振り返る。

「あんたはなかなか腕が立つようだ。だがパワーが足りない。今俺を一撃で仕留められなかったようにな」

「生意気な口を利くわね。この私を誰だと思ってるの?」

「もちろん知ってるぜ。四天王の妖将レヴィアタンだろ。あんたは相当強いのは事実だ。だが四天王4人の中では一段落ちる」

「何ですって?」

ピク、とレヴィアタンの顔色が変わった。

「四天王の中で私が一枚落ちる?」

「それはデータにも表われている」

「……?データですって?」

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  • 第1章:稀少資源ギラテアイトを奪取せよ
  • 第2章:敵本拠地を急襲せよ
  • 第3章:エネルゲン水晶発掘所を攻略せよ
  • 第4章:水没した図書館を攻略せよ
  • 第5章:スカイビルでの戦い
  • 第6章:四天王VS暴雪月花
  • その他個別に好きな箇所があればこちらへ
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