四天王の重要任務   作:プレイズ

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エピローグ

* * *

 

ここはネオアルカディア本部。

都市の中枢部にある高い塔の上層部には、民を統べる最高機関が存在している。

機関に在籍しているのはネオアルカディア四天王と呼ばれる4人の優れたレプリロイド達だ。彼らはそれぞれエックスの遺伝子を元に作られており、皆秀逸な能力を秘めている。各々はまだ若く年季は浅いが、四天王達が治める統治内政は支持されており、人民・レプリロイド民の双方から人気が高い。

 

ここはその塔上階にある会議用のとある一室。現在、中央の円卓を囲んで再び四天王達が会合を開いていた。

議題は“特殊エネルギー源の確保結果”についてだ。

 

「さて、では改めて本日のミッションの総括をしようと思う」

リーダーを務める賢将ハルピュイアが皆に向けて口を開いた。

「皆ご苦労だった。では各自結果報告と行こう」

トントン、とレポート用紙の束を叩いて整える。

チラ、と彼は脇のファーブニルを見やった。

「へいへい、俺はスカでしたっと。色々探してみたけどよ。どこにもブツは無かったぜ」

「どうやらお前の所は外れだったようだな」

そっぽを向く闘将を見て賢将が言う。

続いて隠将が口を添えた。

「まあ仕方あるまい。拙者の所も何も見つからなかったでござるからな」

「ファントム。わかるぜ。スカを引かされるってツレーよな」

ファントムも闘将同様にしてブツは見つけられなかった。

ファーブニルは他にも仲間がいた事で、少しだけ慰めになった。

「俺の所は少しの成果はあった。空を飛ぶ飛行船にギラテアイトの情報を持っていた者がいてな」

ふう、と息をついて賢将が言う。

「奴らは残念ながらギラテアイトは持っていなかったが、その情報は貴重なものとなる。全員拘束してプリズンへと連行しておいた」

「うむ、それはなかなかの収穫だったなハルピュイア」

「まあ最低限といった所だがな」

「けっ、じゃあボウズだった俺たちゃどーなるってんだ」

淡々と述べるハルピュイアを皮肉るファーブニル。

「フフ、まあ落ち着きなさいよファーブニル」

クスっ、と微笑してレヴィアタンが言った。

賢将にくってかかるファーブニルが、けっとなって彼女を向いた。

「ふふ、レヴィよ。お主はお手柄だったでござるな」

「ああ、お前だけがブツを手に入れてきたからな。それも大量に。大きな成果と言っていいだろう」

レヴィアタンは目的だったギラテアイトを見事押収し、本部へと持ち帰って来ていた。

さらに、悪事に通じていた敵の中枢幹部も捕虜として確保していた。

「お主はギラテアイトの確保に加えて裏組織の重要幹部まで捕らえてきた。これで密売ルートの割り出し・撲滅に大きく前進出来るでござる」

「けっ、まさかお前が1人結果を出すとはな。癪だが、ブツを確保して敵の幹部も連行したんだ。認めるしかねえ」

「フフっ、まあ上々の結果が出せて良かったわ」

四天王3人からの評価に彼女は嬉し気に微笑んだ。

「まさか鏡の中に隠してあるとは思わなかったけどね。念のためにと手を入れてみたら、鏡面の中に沈んだからびっくりしたわ。それで鏡の中に入っていって稀少資源を発見したってわけ」

彼女はブツを見つけた際のいきさつを説明する。

ただし、最初に油断をして敵に強制的に鏡に引っ張り込まれてしまった点については伏せている。

「そこで見つけたわけなんだけど、押収させじと敵が襲いかかってきたの。だから迎撃してやったわ。で残った1人を連行して捕虜として確保」

「うむ、なかなか見事な手際でござる」

「ああ。冷静に状況判断が出来ていたな。隠し場所の発見から戦闘、確保に至るまで」

「ちっ、俺も敵とやり合いたかったぜ」

「もう、あんたってばほんとに戦闘しか頭にないんだから」

相変わらずの闘将に彼女は呆れて失笑した。

だが機嫌はかなり上々のようだ。

(男共を出し抜いて成果を挙げる私……フフ、良い気分だわ)

彼女の内心は今、かなり高揚していた。

普段彼女は自分が女である事に少々引け目を感じているだけに、彼らに先んじて物事を達成したいという欲求が高い。

今回はそれを願望通りに実行出来たのだから、気分は最高だ。

敵の幹部らに戦闘値の事を言われたが、彼女自身その劣等感は感じていた。

彼女は他の四天王達の戦闘値も知っているからだ。

そんなに決定的な差ではないとはいえ、自分が1番強さの面で劣っているのはわかっていた。

だからこそ、彼女は男共を出し抜いて驚かせてやりたい……という欲求に駆られるのである。

本来ならば、都市に重要なエネルギー資源が得られた事の方をより喜ぶべきなのだが、彼女は前述の方の理由で内心ガッツポーズをしている。

「だがよ、その大量のギラテアイトはここまで俺が運んできてやったって事を忘れんなよな」

「ああ、そうだったわね。そこはちゃんと感謝してるわ」

不服そうなファーブニルにレヴィアタンがクスりと笑った。

実は今回の撤収作業には闘将も関わっているのだ。

終盤に彼女がゾルベームグを倒した際、何と彼がひょっこり鏡世界に現われたのである。

最初は何故ここにファーブニルが!?と思った彼女だったが、わけを聞いて納得した。

彼は自分の持ち場の探索を終えたのだが、結果は残念ながらスカだった。

それで口惜しがって本部へ帰ろうとしたのだが、その時に敵基地の中でとある鏡を見つけたらしい。

「成果0で帰るのも何だからちょっと辺りを調べてから帰ろうと思ってよ。研究所の中を色々物色したんだ。そしたら壁に僅かに隙間光が入ってる箇所があった。そこをパンチでぶち抜いたら隠し部屋が見つかったぜ。で、そこの壁に大きな鏡が据え付けられててよ。その鏡面が何か揺らいでやがったんだ」

「それで違和感を覚えたお主は思い切って中に入っていったわけだな?」

「おう。そしたら何か薄暗い紫の世界で面食らったぜ。多分あれが鏡の世界って奴なんだろうが」

「そ。で、調度敵の幹部格を倒した私と鉢合わせたってわけ」

おそらくそれは敵が通ったルートであった。

陽光の森からギラテアイトを持ち出した幹部格が鏡を通じて鏡世界へ移動したというわけである。

本来ならばその“ゲート”は閉じられているはずなのだが、多分に敵は急いでいたらしく、ゲートを繋いだまま放置してしまったらしい。

その鏡がある場所は隠し部屋として隔離してあるため、まさか見つけられるとは予想していなかったと思われる。

「その後お前はレヴィアタンに話を聞いて、共にギラテアイトを探してきたわけか」

「ああ。それで結局ブツの方はレヴィアタンが見つけたわけなんだが、帰りに荷物持ちをさせられてよ」

「だって大量にあったんだもん。私1人じゃ持ち帰れないわ」

「へっ、そんで見つけたギアテライトの大半を俺が持って、そんでレヴィアタンに半殺しにされた爺さんもついでに背中にしょって帰ってきたってわけだ」

ファーブニルは荷物持ちをさせられる傍ら、敵の幹部格も1人連れ帰って来ていた。

それは瀕死の状態まで追い込まれたゾルベームグである。

彼はまだとどめを刺されておらず、辛うじて息があった。そこで彼を“捕虜”として連れ帰る事にしたのだ。

「ほんとはあそこで殺したかったんだけどね。でもそれだと密売保有に関する情報が聞けないし」

「確かに奴は敵幹部格だからな。本部で情報を洗いざらい吐かせた方が有用なのは間違いないだろう」

「うむ。その判断は正しいな」

「爺さんはとりあえず本部の医務機関へ送っておいたぜ。今はまだ治療中だが、回復次第取り調べを始めさせてもらうつもりだ」

現在はとても話が聞ける状態ではないため、まずは医療機関にて治癒させ、その後で彼から色々と聞き出す算段だ。

それによってギラテアイト密売に関する様々な情報が明らかになる事だろう。

 

「今回はレヴィのおかげで稀少なエネルギー資源が手に入った。技術部に早速ブツを解析させるでござるよ」

「うん、これで都市のエネルギー問題解消に一歩前進ね」

「けっ、いい気になるんじゃねえぜレヴィアタン。今回は手柄は譲ったが、次は俺が成果を挙げるからよ」

「俺もだ。リーダーとして劣るわけにはいかんからな」

闘将と賢将が妖将を向いて言った。

だが、彼女は優美に受け流した。

「フフ、別に私はあんた達と競ってるわけじゃないから。私はあくまでネオアルカディアのために最良の結果を出すだけよ」

「……。ああ、まあそうだな」

「けっ、燃えねえ奴だぜ」

男達の気勢をさらりとかわしていなすレヴィアタンに男2人は渋い表情になった。

そしてそれを苦笑しながらファントムが見ている。

 

ネオアルカディア本部で、こうして長い1日が終わった。

四天王達は今日も皆、それぞれの想いを胸に都市の発展のために邁進していくのであった。

 

-FIN-

これまで投稿された話で好きな話はどれですか?※アンケートの結果で今後の話の展開やキャラの偏りなどに影響が出る事はありません。あくまで皆さんの感想を知りたいために実施するアンケートですので^_^

  • 第1章:稀少資源ギラテアイトを奪取せよ
  • 第2章:敵本拠地を急襲せよ
  • 第3章:エネルゲン水晶発掘所を攻略せよ
  • 第4章:水没した図書館を攻略せよ
  • 第5章:スカイビルでの戦い
  • 第6章:四天王VS暴雪月花
  • その他個別に好きな箇所があればこちらへ
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