四天王の重要任務   作:プレイズ

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水中花③

2つ目のデータを得たレヴィアタンは、すぐさま次のデータを探しに向かった。

そして3つ目のデータに関しても、彼女はすぐに見つけ出してみせた。

やはり先程のモニター画面映像を完璧に脳裏に暗記しているため、彼女は部屋を間違える事がない。

「フフ、3つ目も見つけたわ」

微笑むと彼女は早速中身を閲覧してみた。

【ファイルデータ100128--???--】

【ネ##ィ#ト##四##の生##親…】

【かつ#栄#を誇#た……英#…】

【#精#争にて……数々の殊#を上#る】

【その#……#りにつくが……##年後……#ク#ー#エ#の#によ#て、再#目##る】

【激し##闘#末……##ガやバ##を倒し…】

【#類と#プ#ロ##にと#て多くの成#を上げ#】

【#イ#を倒#た後に#亡##が……とあ#技術に#って復#した……】

「何これ……所々字がつぶれてて読めないわ」

閲覧出来るデータは綺麗な文章ではなかった。

歯抜けになった不完全なものであり、これでは読み取れない。

どうやらデータが一部壊れているらしい。

「仕方ないわ。本部に持ち帰って技術班に修復してもらいましょ」

今はデータが不完全で読めないが、本部の技術班に任せれば、おそらく読めるように直してくれるはずだ。

彼女はひとまずこのまま壊れたデータを持ち帰ることにする。

 

「さて、これであと1つなわけだけど」

4つのデータのうち、残るはあと1つ。

ミッション達成は目前だが、彼女はふと疑問に思った。

これまでデータがあった部屋に関してである。

見た所どの部屋も殺風景で物が置かれていない。

室内の“地形”は微妙に異なっているものの、見通しがよくて邪魔な物が何一つ置かれていないのだ。

彼女は少々訝しみつつ、改めて部屋を見渡してみる。

今居る場所の傍の床には一箇所穴のような空洞が空いていた。

そして天井にも一箇所穴が空いている。

さらに、両サイドの壁にも同様の穴がそれぞれ空いていた。

これは、実はこの部屋だけではない。

さっき2つのデータを見つけた各部屋でも同様だったのだ。

(この不自然に空いてる穴は何なのかしら…?3部屋続けて同じように部屋の四方に穴が空いているなんて)

違和感をぬぐえない彼女は不信感を抱く。

これは、もしかすると何か意図があるのかもしれない。

彼女は警戒心を強め、いつでも戦闘態勢に入れるように心づもりをした。

 

部屋を出たレヴィアタンはすぐに4つ目のデータも探し当ててみせる。

またしても1発回答で正解の部屋を当ててみせた彼女は、部屋の奥にデータを見つけた。

「はい、これでコンプリートね」

造作もない、といった顔をして彼女は最後のデータの中身を閲覧した。

【ファイルデータ444649--ギラテアイト--】

【システマシエルではエネルギーを補えない一部のレプリロイドに対してエネルギー補給が出来る稀少エネルギー鉱石】

【利用価値は一部のレプリロイドに対するエネルギー供給に留まらず、様々な用途へのエネルギー供給に活かされる】

【活用されるのは表社会だけに限らず、裏の社会における各種武器へのエネルギー供給にも転用される】

【このエネルギーの価値は非常に高く、各界から需要が高い】

【裏社会からの依頼も含め、取引によって多額の利益を得ることが可能】

「……ギラテアイトの価値が書かれているわね。裏社会からの依頼、ね」

やはりこの稀少エネルギーは利用価値が高いため、様々な闇組織からも目を付けられているようだ。

それらの組織と不正に売買する事で、所有者は利益を得ているようである。

「このエネルギーは困っているレプリロイド達にとっての貴重な資源よ。あくどい連中のためなんかに使わせてなるもんですか」

不快な顔を見せてレヴィアタンが吐き捨てる。

と、そこへ上から気配がした。

「!」

瞬間気配を察知した彼女はバックステップで後方に飛びすさる。

 

ダム!

 

その直後、1秒前に居た場所に上から打撃が加えられた。

頭上から敵が降ってきたのである。

敵の“尾っぽ”が鞭のように振り下ろされ、地面を叩いていた。

だがレヴィアタンは反射的な反応でそれを避けてみせる。

「……だ……誰だ……オレのなわばりに……来たヤツは……」

少し怯えたふうに眼前の敵が言う。

ウナギのようなフォルムをした外観は、明らかにそれまでの雑魚とは違う敵だ。

おそらく、この敵がこの図書館のボスだろう。

 

「あら、私を知らないのかしら?」

軽く挨拶がてらに彼女は問いかける。

「この“妖将レヴィアタン”を」

「……レ……レヴィアタン……!ひっ……ひひっ!そうか、オマエか……ひひっ!」

怯えながら笑い、彼は言う。

「オレは…暴雪月花の1人ノッラ様に仕える1番の部下…ヴォルテール・ビブリーオ」

「あらっ?あなたってたしか」

レヴィアタンはおやっと思った。

何故なら彼の名前には聞き覚えがあったからだ。

「“バイル八神官”の一人じゃなかったかしら?ヴォルテール・ビブリーオっていう名前は確か聞き覚えがあるわよ」

「ほう……俺の名を、知っているのか」

「まあ顔も能力もよく知らないし、あなたの名前だけだけどね。あの忌々しいバイルの手下の一人って事は認識してるわ」

彼女は思い出す。

自分の愛するネオアルカディアがバイルによって一時実行支配されていた事を。

奴は四天王を幹部の座から降ろしたあげく、コピーエックスを騙して葬った。

ダークエルフ確保のために人間の市街地にミサイルまで落とした。

目的のためなら他の犠牲も顧みない残虐な男であり、彼女にとっては相当な敵意を抱く対象だ。

「…オレはもうバイルの手下じゃねえ」

「どういうこと?」

「オレはかつてゼロに倒された…だが、ネオ・ディストピアのおかげでこうして復活できた」

「………」

「…今は敬愛するノッラ様に仕えている」

かつてゼロに倒されたという事は、完全に破壊されたという事だ。

だが、どういうわけか彼は一度倒された後で再修復されて復活したらしい。

「…完全に身体が無くなった状態で、どうやって復活したの?」

「それをあんたが言うのかい…?あんただって一度死んだって聞いたぜ」

「…まあ、そうね」

確かに、レヴィアタンもかつて命を落とした過去がある。

ハルピュイア、ファーブニルと共にオメガの爆発からゼロを庇った事で彼女は一度死んだのだ。

だが、彼女達のメモリーチップはネオアルカディア本部のサーバーに適宜同期されており、コピーが残されていた。

そのデータを使ってこうして再修復され、復活を果たしたのだ。

当然身体の方もデータが残っているので、設計図を元にまた元通りに作られた。

結果、元の彼女と寸分違わぬ見た目・精神でこうしてこの場に存在しているというわけである。

だが、もちろんすぐに復活できたわけではない。

彼女のような知能の高い、能力の高いレプリロイドは再修復するのにかなりの時間を要する。

これが通常のミュートスレプリロイドならば、思考回路も単純なためさほど時間をかけずに復元が可能だった。

だがネオアルカディア四天王ともなればそうもいかないため、彼女の再修復には実に1年を要した。

(ま、あなたは普通のミュートスレプリロイドだから修復も容易でしょうね)

ヴォルテールを見て彼女は内心でそう思う。

だが、疑問も浮かんだ。

「あなたが復活しているって事は、他のバイル八神官も復活しているってこと?」

「…いや、復活してもらったのはオレだけだ」

「本当かしら?何故わかるのよ」

「…ノッラ様に聞いたからだ。オレだけが特別に再修復してもらったってな」

ヒヒっ、と笑って彼は自惚れる。

「…オレの生真面目で忠誠心の高い気質がお気に召したらしい」

「へー」

「…何だ、その顔は」

全くこちらに興味がなさそうな彼女に、ヴォルテールは興を削がれる。

「ちっ……ま、あんたがどう思おうが関係ねえ。ノッラ様はオレをちゃんと評価してくれているからな」

「その“ノッラ様”ってのは何なの?あなたの上官?」

「ああ……オレを死の世界から救い出してくれた尊いお方だ」

彼はノッラを想うように言う。

「…あのお方は美しく、気高い。この図書館もノッラ様の命で綺麗に整備し直したのさ」

「へえ…?だから水没した状態にもかかわらずこんなに手入れが行き届いてるのね」

「そうだ……」

全てはあの方の素晴らしさのおかげ、と言うヴォルテール。

「…あんたはネオアルカディアで妖将と言われてるらしいが……」

「……?」

「…ノッラ様の方が、あんたよりもさらに美しいな」

「………」

ヴォルテールの放った一言に、彼女の顔色が変わった。

「ふーーん、それは面白いジョーダンね」

「…冗談などじゃねえ。本心さ。あの方の美しさにはあんたですら劣る」

「……フフッ」

完全にカチンときたレヴィアタンは妖将としての血が騒ぐ。

「いいわ。あなたはこの場で丁重に殺してあげる」

「…逆切れかよ……。…ん、?」

やれやれと肩をすくめ、彼はふとレヴィアタンが小脇に抱えている物を見た。

「なんだ…その手に持っているものは…」

「ああこれ?あなた達組織の大切なデータよ」

「なんだと……」

 

「おい……」

 

「そのデータ……かえせ……かえせぇぇぇっ!」

レヴィアタンの持つデータを見た途端、彼は豹変して激高する。

彼はどうやらこの図書館でデータを管理している立場のようだ。

「フフ、残念だけどはいそうですかって返すわけにいかないの」

ボスの怒りなど全く意に介さず、彼女は先手を打つ。

くるりと槍を回すと、彼女は得意技を放った。

「やっ、やっ、やっ!」

槍の先から3発のホーミング弾が発射。

小型の追尾ミサイルがボスのヴォルテールを襲う。

「ギッ!?」

まだ動き出す前だった彼は出鼻をくじかれ、面食らった。

ドカドカドカ!と連弾が腹に命中する。

「ギイイ!」

開幕でダメージを喰らってしまったヴォルテールは苦悶の声を上げるが、即座に反撃に打って出た。

軽くジャンプして浮き上がると、水中を前方に泳いで突進する。

「ヒヒヒっ!」

だがレヴィアタンは身をかがめて体当たりを回避した。

そしてボスが過ぎ去った後ろから攻撃を当てようとする。

「!」

だが、ヴォルテールは壁に空いていた穴の中に入っていく。

そのまま完全に姿が消えて見えなくなった。

この部屋には天井、床、壁の左右の端に大きめの穴が空いている。

そこを隠れ蓑にして敵は姿を隠したようだ。

「どこへ行ったの……」

戦闘が開始して早々に姿をくらまされ、彼女は周囲を見回して敵を探す。

四方の空いているどれかからボスは出てくるはずだ。

「ヒヒっ」

「!」

後ろから声がし、レヴィアタンは振り返った。

すると、振り向いた先の壁の穴からヴォルテールの顔がのぞいている。

「やっ、やっ、やっ!」

彼女は再びホーミング弾を3発発射した。

連弾がヴォルテールの顔目がけて飛んでいく。

「ギイ!?」

すぐに攻撃が飛んで来ると思わなかったのか、彼は回避が間に合わずにまた被弾した。

またしても彼は苦悶の声を上げる。

「フフ、そんなんじゃ私には――あぅ!」

敵に向けて笑いかけたレヴィアタンだったが、その顔が苦痛に歪む。

背後から打撃を受けたからだ。

驚いて彼女が振り返ると、肩にスパークが生じていた。

接触部位にビリビリとした痺れが走り、軽く焦げている。

(こ、これは……?)

ボスを攻撃している間に、どうやら背後から攻撃されたらしい。

感触からすると何かの電撃を当てられたようだ。

これまで投稿された話で好きな話はどれですか?※アンケートの結果で今後の話の展開やキャラの偏りなどに影響が出る事はありません。あくまで皆さんの感想を知りたいために実施するアンケートですので^_^

  • 第1章:稀少資源ギラテアイトを奪取せよ
  • 第2章:敵本拠地を急襲せよ
  • 第3章:エネルゲン水晶発掘所を攻略せよ
  • 第4章:水没した図書館を攻略せよ
  • 第5章:スカイビルでの戦い
  • 第6章:四天王VS暴雪月花
  • その他個別に好きな箇所があればこちらへ
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