COSMOS The Rainbow   作:カズオ

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お久しぶりです、ついに虹のアニメもはじまりましたね
アニメが終わるまでには0章を終わらせて残りのメンバーも登場させていきたいなと思っております。


Ⅱ 嘘じゃないのに

コスモスと別れた後、キャンプ場に戻ると「何してたの?」と歩夢の親に聞かれ、「ウルトラマンに会った!」そう言った。

 

しかし、「ウルトラマンはおとぎ話よ?」と一蹴され信じてもらえなかった。

 

「なんでなんだろ…ウルトラマンは他の人には見えなかったの…?」

 

そう座り込んで呟く菜生に、歩夢は隣に座ると語りかける。

 

「でも、ウルトラマンはちゃんといたよ?わたしたちを乗せて、空を飛んでくれたよ」

 

「そう…そうだよね、だってこんなキレイな物まで貰っちゃったし」

 

そうほほ笑みかける歩夢に、菜生もそう答えると先程コスモスから貰った石。輝石を手の上で転がす。

 

「真の勇者かあ…」

 

そうコスモスから言われた言葉を反芻してみるが、それがどう言う意味なのかまだ菜生にはよくわからない。

 

「また会えるよ、きっと」

 

「そうだよね…うん、絶対会える」

 

歩夢にまた会えると言われて、絶対また会える。なんとなくそういう気がしてきた。

 

 

 

 

 

そしてウルトラマンコスモスが何者かと交戦していた日の夜、防衛軍はE.T. (地球外生命体)のものと思われる怪電波を補足していた。

 

更には誰にも知られることなく、巨大な未確認飛行物体が地球へと迫っていた……

 

そして菜生は、ウルトラマンコスモスが今どこにいるのか?一体なんの目的で地球へやってきたのか?それを考えていた。

 

 

 

「だから、本当にウルトラマンに会ったんだって!」

 

「嘘だー」

 

「菜生ったらまだそんな夢見てたの?」

 

翌日学校で「ウルトラマン」に出会ったと告げると、待っていたのは「嘘だ」というクラスメートからのバッシングだった。

 

「嘘じゃないよ!わたし、本当に会ったんだから」

 

そう言って輝石をとり出そうとするが、ポケットの中の輝石に指が触れた時。なぜか「これは見せびらかしていいものではない」という感情が渦巻き、その手を外に出すことはできなかった。

 

「何かあるなら見せてよ」

 

そう言われても、菜生はその手に持ったものを人に見せることをしなかった。

 

 

 

「やっぱり、この事は秘密にしてようよ?」

 

「でも、嘘じゃないもん…」

 

その日の放課後、一緒に下校していた歩夢にそう言われるが、菜生は頬を膨らませてそう文句を言う。

 

「凄かったんだから、わたしの教室まで聞こえてたよ?」

 

「それは…ごめん…」

 

クラスの違う歩夢やそのクラスメイトにも聞こえるほどの騒ぎになっていたらしい。

 

「そう言えば、今日は博士のところに行くんでしょ?」

 

「うん、また拾っちゃったし。歩夢ちゃんも来る?」

 

「私は今日はやめとく」

 

「そっか」

 

そう残念そうに笑うと、菜生は歩夢と共に一度家まで戻るとあるものをもって再び外へと出る。

 

「こんにちはー!博士いますか?」

 

抱えてきた、壊れたおもちゃを受付に置いてそう大声を出すと中から一人の初老の男性が出てくる。

 

「いらっしゃい菜生ちゃん、また拾ったのかい?」

 

「うん、でもわたしじゃ治せそうになかったから」

 

そう告げると、博士と呼ばれた老人はそのおもちゃを持ち上げると状態を確認していた。

 

「うん、これなら治せる。」

 

「本当?」

 

「本当さ、それと菜生ちゃんに見せたいものがあるんだ」

 

目を輝かせる菜生に、博士はそう告げると奥へと菜生を招き入れる。

 

「わぁ~これ?この前ゴミ捨て場に落ちてたロボット?」

 

そこで菜生が見たものは、右腕が大きいアームになっている50cmほどの大きさのロボットだった。

 

「そうだよ、菜生ちゃんがゴミ捨て場から拾ってきた可哀想なロボットさ。でも今は色んなことが出来る」

 

そう告げる博士の目の前でロボットは足を延ばして菜生より目線が高くなり、さらにそのまま足を縮めて今度は宙に浮く。

 

『ハロー、ハロー。ハワユー?』

 

「わあっ…」

 

更に言葉を発するロボットに驚く菜生を見て、満足げに笑みを浮かべる博士は、そっとそのロボットの背を押し。菜生の方へと押しやる。

 

「クレバーゴンを、君に」

 

「いいんですか?すご~い」

 

抱えてみると、流石にロボットというだけあってかなりずしりとした重さを感じるが、菜生は新しい友達が出来たようでとても嬉しかった。

 

 

 

「『クレバーゴン』じゃ呼びにくいし…『ゴンちゃん』でいいよね?」

 

その日の帰り、クレバーゴンを大事に抱えながら歩く菜生はそう提案するとロボットは首を嬉しそうに振る。

 

「歩夢ちゃんもゴンちゃん見たら驚くだろうなぁ~?」

 

などと言いながら歩いていると、急にゴンが菜生の腕から飛び出すと頭が開いて中からアンテナが飛び出す。

 

『警戒セヨ!警戒セヨ!』

 

「どうしたの?」

 

突然目を点滅させながらそう告げるゴンに、菜生は首を傾げる。するとゴンの腹が開き、中からモニターが出てくると画面には何か電波をキャッチしたのかせわしなく波長を刻む。

 

「何?これ…?」

 

『警戒セヨ!警戒セヨ!菜生、カムウィズミー!』

 

そのまま飛び出していくゴンを、菜生は慌てて追いかける。

 

「待ってよゴン!」

 

そのまま追いかけていくと、気が付けば家からそれなりに離れた場所にある大きな公園に辿り着く。

 

「ここがどうしたの…?」

 

「菜生ちゃん?どうしたの?」

 

ゴンにそう尋ねるが、答えが返ってくる前に聞き馴染んだ声が隣から聞こえてくる。

 

「歩夢ちゃんこそ、何でここに?」

 

「ちょっとおつかい。それよりその子は?」

 

そう答えると、歩夢は物珍しいものを見る目でゴンを指さす。

 

「あぁこの子はゴンちゃん、さっき博士に貰ったんだ」

 

「へぇ~―」

 

そこまで言いかけると、突然地響きが起きる。

 

「地震!?」

 

『警戒セヨ!警戒セヨ!』

 

突然の自地震に驚き、思わずその場に屈むが宙に浮くゴンは再びそう危険を呼びかける。

 

すると公園の奥の山が崩れ、中から二本足で腕のない獅子舞のような見た目の巨大な生物が飛び出した。

 

「何…あれ…?」

 

「わかんない…でも逃げよ?」

 

巨大な生物はこちらを睨むと、街の方へと歩み始める。それによって周囲はパニックになるが、菜生は歩夢の手を引いて生物の進行方向とは別方向へ駆けだす。

 

「ちょっと菜生ちゃん?」

 

「とにかく離れなきゃ!あんなのに踏んづけられたら死んじゃうよ!!」

 

いきなり駆け出した菜生に抗議の声を上げるが、菜生はそう言ってペースを上げる。すると今度は防衛軍の戦闘機が現れ、巨大生物を攻撃し始める。

 

ここなら大丈夫と立ち止まって、肩で息をする2人だったが防衛軍による攻撃の様を見て思わず息を呑む。

 

巨大生物も、身長の倍ほどの高さまでジャンプしビルを踏みつぶしたり口から火を噴いて戦闘機を威嚇するが10機を優に超える戦闘機の攻撃に圧倒され、やがて倒れると目を瞑り動かなくなる。

 

「…かわいそう……」

 

「うん…」

 

思わずそう呟く歩夢に、菜生はそう同意した。あの生き物は積極的に街を攻撃しようとはしていないようだった。でも防衛軍は、そんなあの生物を完膚なきまでに叩き潰したのだ。

 

『警戒セヨ!警戒セヨ!』

 

「今度はどうしたの?」

 

再びそう喚くゴンに、菜生はそう問いかける。だが腹のモニターには、再び先程と同じ波長が刻まれていた。

 

「1420Mhz…これって確か宇宙信号だよ」

 

「何それ…?」

 

「宇宙人が交信するのに使ってる周波数だって、聞いたことあるの」

 

菜生には意味の解らない数字だったが、歩夢がそれを見てそう告げる。

 

「じゃあもしかして…ウルトラマンかも!」

 

そう菜生が嬉しそうに顔を輝かせるが、現実はそう甘くは無かった。巨大生命体の背中が爆発すると、中から人間と変わらない大きさのセミのような生き物が飛び出してきた。

 

両手がハサミになっているその生物は、街の人々を驚かすようにいったん目の前に飛び出してきたかと思えば、再び離れると不気味な笑い声を上げながら一瞬のうちに巨大化する。

 

「まさか…宇宙人?」

 

そう呟く菜生達の視線の先で、宇宙人は防衛軍の攻撃を受けるが微動だにせず。ハサミから冷凍光線を放って次々と戦闘機を撃墜していく。

 

さっきとは打って変わって、宇宙人に手も足も出ず撃墜されていく戦闘機たちを見て、歩夢はある事を思いつく。

 

「ねえ?ウルトラマンをあの石で呼べないかな?」

 

「そうか、ウルトラマンコスモスならもしかして…」

 

そう告げられて、いけると思った菜生は駆け出すと、宇宙人が良く見える高台へ移動すると輝石を掲げる。

 

「ウルトラマン、来て!」

 

『フォッフォッフォ……』

 

そう叫ぶが、視線の先の宇宙人は最後の一機の戦闘機を撃墜して嘲笑うように体を震わせていた。

 

「何で…?どうして…」

 

「君たち、何してるんだ?早く逃げなさい!」

 

そんな菜生と歩夢を見かけた防衛軍の人間が、そう叫びながら駆け寄ってくる。だが菜生は、諦めることが出来なかった。

 

「ウルトラマン!お願いだから来て!助けてよ…」

 

だが現実は変わらない、ウルトラマンコスモスが現れることは無く。宇宙人も無数に残像を残しながらビル群の陰に消えるようにして姿をくらませてしまう。

 

「なんで…?どうして助けてくれないの…?」

 

「菜生ちゃん…」

 

そう項垂れる菜生に、歩夢はなんと声をかければいいか解らないといった様子だった。だが軍人は、全く逃げる素振りを見せなかった2人に厳しく注意をする。

 

「何で逃げなかったんだい?危ないじゃないか」

 

「ウルトラマンを呼べれば…きっと助けてくれるとおもって…」

 

そう告げる菜生に、少々面食らったような顔をするがそれで納得する大人は居ない。

 

「あのね?ウルトラマンなんておとぎ話なんだよ?第一、居たとしても呼べるとは思えない」

 

「居ますよ!だって私、ウルトラマンに会ったんだもん!」

 

だが菜生はそう言って譲らなかった。

 

「そこまで言うなら何か証拠はあるか?こっちも、何もなしにそれを信じて『次から気を付けてね』で終わらせることはできない」

 

「これ、ウルトラマンから貰ったものです!」

 

その言葉と、菜生はさっきまでの事や学校でのことが重なって熱くなってしまい。つい輝石を差し出してしまう。

 

「綺麗なだけの石にしか見えないけど…そこまでいうなら調べさせてもらう」

 

「わかりました、好きなだけ調べてください!」

 

そう言って菜生は輝石を渡してしまう。結局その後は厳重注意と言う事で終わったが、歩夢はそれは渡していいものとは思えなかった。

 

「良かったの?」

 

「これで本当にウルトラマンがいるって理解してくれるならいいよ…」

 

帰り道歩夢にそう聞かれた菜生はそう答えるが、その顔には後悔の色が浮かんでおり。抱いていたゴンをより強く抱きしめる。

 

「そうだ、わたしおつかい頼まれてたんだ」

 

「一緒に行こうか?」

 

「いやいいよ、菜生ちゃん空手あるでしょ?」

 

そう歩夢に告げられて時計を見ると、もう急いでも間に合うか否かという時間帯だった。

 

「じゃあまた明日ね」

 

「うん、また明日」

 

『マタネ』

 

そう告げると歩夢と別れて帰路に就く菜生だったが―

 

 

 

「キャァァアアアア!」

 

 

 

 

突然歩夢の悲鳴が耳に飛び込んでくる。

 

「歩夢ちゃん!?」

 

それに驚くと、ゴンをその場に置いて歩夢が歩いて行った方へ駆け出す。

 

「どうしたの?歩夢ちゃん!」

 

そう叫んで彼女の姿を探すが、中々見つからない。

 

「ううん、何でもないの。またねーアハハハハ」

 

そんな歩夢の笑い声だけが聞こえてくる。珍しくイタズラされたと菜生は肩をすかすとやれやれといった様子で笑う。

 

「おどかさないでよー、また明日ね!」

 

姿は確認できなかったが、そう叫んで菜生は来た道を戻る。結局その日は空手は巨大生物の件もあって、休みになっていたことが自宅に戻ってから知ることになるのだが…。

 

 

 

 

 

「はい、ETに出会ったという少女の持っていた石。あれには地球上に存在しない物質が含まれていました」

 

先程菜生に出会った防衛軍の隊員は、そう電話で話している。その相手が誰かは解らないが、『他にも地球外生命が地球へ来ている』。その事実は防衛軍としては許しがたい出来事だった。

 

「一匹増えたところで我々の任務は変わりません、必ずETを退治します」

 

そう言い切ると電話を切り、軍人はその部屋を出ていく。

 

しかし、開け放したドアが勝手に閉まる直前何者かが目にもとまらぬ勢いで室内に忍び込んだ。そして、菜生がウルトラマンから貰った輝石を探し出す。

 

「フフフ……アハハハハ……」

 

その『少女』の不気味な笑い声が響いていた。

 

 

そして人類はその日、突然の皆既月食を見ることになった。

 

それも、実に恐ろしい月食を―




いかがでしたでしょうか?まだ私自身手探りの部分が多いので至らぬ所も多いかもしれませんが気長にお付き合いして頂ければ幸いです
3話はなるべく早く仕上げられるよう頑張ります。それではまた次回
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