COSMOS The Rainbow   作:カズオ

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大変お待たせいしました。
最近マジで書く暇がない…


25話 灼熱の太陽

三面異次元人ギギの放った光弾を受け、地に伏したコスモス。だがこのままコスモスが敗北した場合、2000億人にも及ぶ異次元人がこの地球に流れ込んでくることになる。

 

「このままじゃウルトラマンが…」

 

先ほどコスモスに促されて校舎の外に出た穂乃果たちが見たのは、ちょうどコスモスが地に伏すところだった。

 

そしてコスモスにとどめを刺すべく、ゆっくりと近づいていくギギへ防衛軍は攻撃を開始した。

 

だがギギはそれらの攻撃を軽くあしらうと、背後に接近した戦闘機も全て叩き落してしまった。

 

正面からのミサイルは全て腕で叩き落とし、背後からの攻撃は避けそのまま目から光弾を放って撃ち落とす。一方的に蹂躙していく様を見せつけられた。

 

「あの宇宙人、あの顔が付いてる方向全部見えてるのかな…?」

 

「だとしたら死角がありません…どこか隙は…」

 

その様子を見て、ことりと海未がそう呟きながら戦闘の様子を見ていると。穂乃果がハッとしたように目を見開くと、コスモスに大声で叫ぶ。

 

「ウルトラマン、真上!真上は見えてないよ!!」

 

(そっか、ヤツの頭上はガラ空きなんだ。ありがとう穂乃果ちゃん)

 

菜生は心の中でそう穂乃果に礼を言うと、何とか跳ね起きてギギの放った光弾を回避。そのまま飛び上がって頭上をすれ違う形で通り過ぎる刹那。

 

「セリャア!!」

 

そのまま真下のギギの頭頂部目掛けてルナストラックを放ったのだ!

 

「―――ッ!?」

 

突然のコスモスの攻撃を、唯一の死角である頭上から浴びせられたギギは悶え苦しみ始める。

 

「トリャア!!」

 

その隙に静かに着地したコスモスは、そのまま右拳を突き上げ。赤き太陽の巨人へと姿を変える。

 

対するギギは、先の攻撃が余程想定外だったのか。冷静さを失いコスモスへと駆け寄っていく。だが、コロナモードのコスモスにとっては向こうから肉弾戦を仕掛けに来てくれた方が戦いやすい。

 

コスモスも駆け出すと、相手の放った拳を左手で払いのけるとそのままの勢いで回転し、左の裏拳を叩きこむ。

 

腹部に渾身の力で放たれた裏拳を食らいのけぞるギギだったが、すぐさまコスモスへと掴みかかろうとするも、コスモスはその腕を払いのけ逆に相手の胸元を両腕で突き飛ばし、さらに両の拳を打ち込む。

 

だが、それでも耐えて反撃しようとするギギへ、さらにコスモスは回し蹴りを見舞う。

 

最初のように、距離を保ったまま高速移動を駆使して戦っていればまだ勝機はあったのかもしれないが。コロナモードになったことで、ルナモード時よりスピードもパワーも強化されたコスモスと殴り合うのは得策とは言えなかった。

 

完全に下に見ていた相手に想定外の反撃を受けたことで、ギギは完全に余裕を失っていた。

 

「穂乃果!」

 

「絵里ちゃん、みんな!」

 

コスモスとギギが戦闘を繰り広げる最中、ギギに偶然襲われずに済んでいた6人が穂乃果たちを見つけ合流してくる。

 

「まったく心配したじゃない!」

 

「まーまー無事やったんやし、よかったやん?」

 

最初に穂乃果たちを見つけたのが絢瀬絵里で、それを追って現れた矢澤にこに東條希ら3年生が現れた後に、残りの1年生も現れる。

 

「そうだみんな、菜生ちゃんていう。虹ヶ咲学園から取材で来てくれた女の子見てない?真っ黒い髪をツインテールにした女の子なんだけど…」

 

「いや、ここにくるまで誰も見かけなかったわ」

 

「そんな…でもウルトラマンは私たちを助けてくれた時に『先に救出した』って言ってました」

 

穂乃果にそう問われて、髪を触りながら残念そうに首を横に振ったのは、一年の西木野真姫だった。そして海未はそれが納得できないという様子だった。

 

「でも凛たちもあの宇宙人が現れるまで学校に近寄れなかったし、多分敷地の外には出てないと思う」

 

「もしかしたら学校の中で迷っちゃってるのかも…」

 

そう告げるのは活発そうな印象を受ける少女、星空凛と。逆にオドオドした印象を受けるのは小泉花陽だった。ここへくるまでは、一切人影を見ることもなく。ならばまだ校舎の可能性がある、ならば戻るべきか?

 

「じゃあ探さないと、私たちの事探してるかも…」

 

「この中で?危険すぎるわ!それにもし行き違いになったら…」

 

「でも放っておけないよ!」

 

校舎内へと戻ろうとする穂乃果を絵里たちは止めようとするが、それでも穂乃果は行くべきだと譲らなかった。

 

だがしかし、校舎の方へと戻るにはコスモスとギギの戦闘している場所に近づいてしまうことに他ならない。今戻るべきではないのは火を見るより明らかだった。

 

「でもウルトラマンもわざわざ危険な場所に置き去り、なんて真似はしないでしょうし…今は信じて待つしか」

 

なんとか海未の言葉で穂乃果も思いとどまったようだったが、それでも納得はできないといった様子だった。

 

一方でコスモスとギギの戦闘も苛烈を極めていた。

 

ギギの攻撃に的確にカウンターを入れていくコスモスだったが、ルナモードの時とは違い。カウンターで拳を思いきりぶつける。

 

コスモスはギギを完全に力で捻じ伏せにかかっていた。

 

「ウオオッ!ダアッ!!」

 

掴みかかろうと伸ばした腕を右足で弾くと、左足で腹部を蹴りつけ。のけぞったギギの後頭部に今度は右足の踵を思いきり叩きつける。

 

武術経験のある菜生と、戦闘形態であるコロナモードの相性は良く。ルナモードで相手の手の内を探っておいたのも相俟ってコスモスが圧倒している形となった。

 

だがギギも、彼らの世界から送り出された軍人であり。このまま一方的にコスモスにやられるわけにはいかなかった。

 

後頭部に強烈な踵落としを受けはしたものの、咄嗟に転がってコスモスから距離を取ると立ち上がり再び目から光弾を放つ。

 

「ッ!?」

 

虚を突かれる形になってしまいはしたものの、回避行動自体は遅れても攻撃を受けることはなかった。だが、ギギはコスモスに命中するまで頭部を回転させながら光弾を乱射し始める。

 

このままでは音乃木坂の校舎だけならまだしも、μ'sのメンバーやまだ校内にいるかもしれない生徒や学校関係者にも危険が及んでしまう。

 

そう判断したコスモスは、その身でギギの光弾を受け始めた。

 

「ぐっ…うおっ……」

 

「どうして避けないの…?」

 

自身が吹き飛ばされたほどの威力の光弾を受け止め続けるコスモスを見て、穂乃果はそう呟くが。コスモスは自身の気を集中させ、そこに光弾を受け止め続けていたのだ。

 

「ウオオオオッ!デリャア!!」

 

そして光弾の連射の感覚が開いた一瞬の隙に、胸元に収束させていたエネルギーを増幅させてギギ目掛けて投げ返した。

 

ルナモードのリバースパイクの強化版であるリバースパイクハイパーによって、再び予想外の反撃を受けることになったギギだったが。怯んでいるうちに、コスモスは必殺の一撃を放つ態勢に入っていた。

 

両腕を広げ、手の先に宇宙エネルギーを貯めた後に、両腕を右肩上あたりで重ねて集めた宇宙エネルギーを終結させた。

 

「ハアアーッ!!」

 

そして、腕をL字に組むようにして最強の破壊光線であるネイバスター光線を放った。

 

 

ネイバスター光線をまともに食らったギギの身体は耐えられず、粉微塵に吹き飛ばされてしまった。

 

爆風が晴れ、対象を殲滅したことを確認すると。コスモスは空高く飛び去り、人知れず菜生の姿へと戻る。

 

こうして、異次元人の陰謀はウルトラマンコスモスによって完全に打ち砕かれたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさか宇宙人に襲われるとはね…」

 

「一時はどうなることかと思いました」

 

そんな会話をしている穂乃果たちを見つけて、菜生は駆け寄っていこうとした。

 

「それにしても菜生ちゃんどこ行ったんだろ?」

 

「もしかしてその娘がウルトラマンかもしれんね」

 

「…ッ!?」

 

だが、希のその一言で足が止まってしまった。

 

(え?バレたの?なんでなんで!?そもそもあの人とはまだあったことないし…いやここは落ち着こう。取り乱したらその通りですよって言ってるようなもんだし)

 

「お~い!!」

 

そう自分に言い聞かせてから、改まって菜生はそう大声でみんなに駆け寄っていく。

 

「菜生ちゃん!よかった~心配したんだよ?」

 

「ごめんごめん。コスモスが助けてくれたまでは良かったんだけど迷っちゃって…」

 

「でもケガもなさそうで安心しました」

 

そう後頭部をかきながらごまかした菜生だったが、海未はそうほっとしたように返してくれたのでなんとかごまかせたようで菜生は内心ほっとしていた。

 

「あなたが取材の?」

 

「はい、高田菜生といいます」

 

そうして、気を取り直して自己紹介を交わし。本来の目的であった取材に取り掛かろうとした時だった。

 

「君たち、まだ異次元人がいるかもしれない。これから調査に入るから今日は帰りなさい」

 

「えぇ~!?せっかく来たのに…」

 

「さすがに大騒ぎになったし、今日の所は大人しく解散するしかないわね…」

 

あからさまに不服そうなリアクションをする菜生に、そう絵里が諭すように告げる。

 

「まあまあ今日は無理でもまた他の日にすればいいし、ウチもいろいろ菜生ちゃんに聞いてみたいことあるし」

 

「まあこういわれたら仕方ないですよね…気づけばそろそろ夕方だし…」

 

気づけばそろそろ日も傾き始めているし、どのみち取材というほどの取材は望めないだろう。だったら日を改めた方が確かにいいのかもしれない。

 

結局異次元人の実験に巻き込まれたせいで楽しみにしていたμ'sへの密着取材は結局行えず一日つぶされてしまったのは残念だったが、それでも彼女たちと出会えたこと。言葉を交わせたことは無駄ではなかったと信じたい。

 

「でも実際困ったわよね。学校が使えないと次のステージに備えてまだまだやることがあるのに」

 

「皆さんも大変でしょうし、せっかくお会いできたのにこんな風になっちゃって残念だけど。また日を改めて取材やらせてもらってもいいですか?」

 

「もちろんだよ!」

 

そんなやり取りを交わした後、名残惜しいがこれ以上いれば調査の邪魔になるし下手をすればつまみ出されるかもしれないので大人しくその日は解散することとなった。

 

 

 

「じゃあまた日にちの打ち合わせはメールで、さようなら!」

 

「ちょっとまって!」

 

後ろ髪を引かれる思いで音乃木坂を後にしようとした菜生だったが、不意に穂乃果に呼び止められた。

 

「どうしたの、穂乃果ちゃん」

 

「菜生ちゃんってさ、ウルトラマンコスモスなの?」

 

「…へ?」

 

一瞬ギクリとなるが、さっき合流する前に他のメンバーがそんなことを言っているのを聞いた気がする。だがここで首を縦に振るわけにもいかないので、脳回路をフル回転させてごまかし方を考えていた。

 

「いや、ウルトラマンも宇宙人みたいなものだし…人間に変身できる宇宙人だっているじゃない?」

 

まさに今日遭遇したギギが人間に化ける能力も持った存在ではあったが、もしかして彼女は菜生はコスモスが人間に擬態した姿だと思っているのだろうか?

 

「えぇっと…穂乃果ちゃん?」

 

「なーんて、そんなわけないもんね。たまたま別々に助けちゃったからはぐれただけだよ。ごめんね変なこと聞いた」

 

「そ、それはいいけど…」

 

恐らくそれを最初に言い出した希は、適当ではなく。その可能性があると思って菜生のことを見ているだろう。

 

幸い今まで一度も疑われなかったことだったが、これからはもっと気を付けるべきなのかもしれないと菜生は思った。

 

「じゃあまたね、バイバイ!」

 

「うん、また!」

 

そう言葉を交わして、今度こそ菜生は帰路につくのだった。

 

『あいつがウルトラマンコスモスか…復讐の相手……』

 

だがそれを、陰で見ているものがいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

結局密着取材どころではなくなってしまったことは残念だったが、菜生にはそれ以上に心掛かりなことがあった。

 

(ワロガの時も今回も、コスモスが居たからなんとかなったけど…)

 

地球で産まれた怪獣とは、いつか分かり合えるかもしれない。でも宇宙から―地球の外から来る命が、必ず地球に対して友好的とは限らないことはこの数日で痛感させられた。

 

(私がもっと強ければ、みんなを守れる…?歩夢や、同好会のみんなに危険が及ばないようにできる?)

 

そう自問しても、答えなど出るわけもなかった。

 

「菜生ちゃん?」

 

「歩夢、練習帰り?」

 

「うん、音乃木坂のあたりで宇宙人とコスモスが戦ってたって聞いたけど大丈夫だった?」

 

家の近くで歩夢と出会った菜生に、歩夢はそう心配そうに問いかけた。」

 

「私もμ'sのみんなも大丈夫だったよ。でも結局取材どころじゃなくなっちゃってまた日を改めて取材させてもらうことになったんだ」

 

「そうなっちゃったんだ…でも菜生ちゃんがなんともなくてよかった」

 

「うん。歩夢はどう?次にやりたいステージのイメージ見えてきた?」

 

「もうちょっとかな?でも、私もスクールアイドルフェスティバルに出たいから頑張るよ」

 

そんな幼馴染同士のたわいもない会話。こうして歩夢と話しているときが、菜生にとって一番安心するのかもしれない。

 

「じゃあ今度こそ、μ'sの凄いとこ吸収してみんなの練習に役立てないとね!」

 

「まっかせといてよ!なんたって私が部長なんだから!!」

 

そう胸を張る菜生。だが現実は無情にも、そんな彼女たちに早くも次なる脅威を密かに迫らせていた。




とうわけで、まだμ's編終わってません。
彼女たちとの交流はまだこの先も続いていきます。
ただ次回まだ決まってないのでもしかしたら違う話挟むかもしれません。
それではまた次回
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