COSMOS The Rainbow   作:カズオ

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お久しぶりです。
最近またモチベーションが戻ってくるきっかけを貰えたのでなんとか更新にこぎつけることができました。
今月はゲームのコミュニティ大会的なのに出ることになったのでまた少し更新まで空いてしまうかもしれませんが気長に待っていただければ幸いです。


35話 Another of sun

レイビーク星人によって宇宙へと連れ去られた皆を救うべく、宇宙へ飛び立った菜生とコスモスだったが、宇宙にはまだレイビーク星人の他にもまだ別の脅威が潜んでいた。

 

 

 

 

 

【怪獣兵器スコーピス】

 

本来、通常の生物とは違い。自然に産まれた生命体ではなく、何者かが悪意を持って兵器として生み出した怪獣だ。そしてその何者かはレイビーク星人ではなく、レイビーク星人もその『何者か』に対して恐怖を抱いていた。

 

「ナ…何故こんなトコロにスコーピスが…」

 

「ここで捕らえタ人間を引き渡す手はずだとイウのニ…」

 

彼らにとっても想定外となった怪獣の出現に、宇宙船は再び浮上を始めようとする。がしかし、怪獣は宇宙船を発見すると一目散に襲い掛かっていった。

 

「□□□~ッ!!」

 

怪獣が頭部から放つ光弾が宇宙船をかすめる度に、その個所は少しずつ劣化し崩れ始めていく。

 

逸れたものも周囲の自然に命中し、緑豊かだった景色が一転し草木は枯れ果て周囲はガスに覆われ始めていく。

 

当然宇宙船もそんな中で飛行し続けることなど当然できるわけもなく。敢え無く墜落してしまう…。

 

「キャアッ…!?」

 

「な…何?どうなったの?」

 

だがその衝撃で縮小され、囚われの身になっていたスクールアイドル達は元に戻ったことで解放された。しかし、いきなり宇宙人の宇宙船、それも墜落しその原因を生み出した怪獣が迫ってきているこの状況下では、さらなる混乱を招くだけだ。

 

「助けて!」

 

「イヤだ…私まだ死にたくない!」

 

パニックになる少女たち。中には何とか外へと脱走できないかと試みるものもいたが、この騒ぎの中で気づかれないはずもなく。

 

「ニンゲンが逃げるゾ!」

 

「再ビ捕まえロ!」

 

「スコーピスが迫ッテいるんダ。やむをえん言うことヲ効かない奴はコロしても構わン!!」

 

騒ぎに気が付いたレイビーク星人達は、そのスクールアイドルたちを再び捕えようと動き始めるかと思いきや、沈静化を最優先としたらしくわざわざ捕まえた少女たちに武器を向けようとしたのだ。

 

だがそんな事をして、目の前の現実から逃げられるはずがない。

 

スコーピスは少しずつ、確実に宇宙船に追い付いてきていた。そして、レイビーク星人もそれらに攫われた少女たちも、スコーピスにとってはただの獲物でしかない。

 

少女たちに逃げる先など、助かる方法などあるはずがないのだ。

 

だが少女たちはそのことを認めたくなかった。

 

仮にここから宇宙船が再起してスコーピスから逃げきったとしても、それはレイビーク星人にどこかの星に売り払われることを意味し、スコーピスに追い付かれればそのまま死ぬだけだ。

 

きっと生きて帰れる。そう信じることだけが、今の彼女たちにできる唯一の事なのだから―

 

だがそれはただ現実から目を逸らしていることにだけでしかなく、目の前の事態は何も変わらないしレイビーク星人を倒す手段など少女達は持たないのだから。

 

なんとか宇宙船は再浮上し、スコープスから再び逃走を図ろうとしていた。

 

だがレイビーク星人も理解できていなかった。本人達も知らない星に不時着し、さらに怪獣に狙われているという事態が、如何に危険なのかと―

 

 

 

 

 

 

 

レイビーク星人の目を掻い潜り、格納庫と思わしき開けた場所へと逃げ込んだ虹ヶ咲の面々は置かれていたコンテナ類の影に隠れていた。

 

「これからどうしようか…」

 

「このまま外に出ちゃいましょうよ!」

 

なんとかあの宇宙人を撒くことはできたもののここは彼らの宇宙船の中、見つかるのは時間の問題だろう。

 

歩夢の声に、外に出てしまおうと提案するかすみだったがそれをせつ菜が制した。

 

「でも逃げてる時に窓から見えた景色は私たちの暮していた街並みとは全然違いました。もしかしたらもうここは地球じゃないのかも…」

 

「それでもここよりは安全だと思います」

 

それでも外の方が安全であるはずだと返すかすみだったが、現在いるこの星は地球とは全く違う環境。普通の人間が生身で外に出てタダで済むはずがない。

 

だがそんなことを彼女たちは知るはずがない。

 

「あト確認シテないのハ格納庫だけダ」

 

「絶対ニ、いるハズダ!」

 

すぐ近くにはスイッチさえ見つけ出せば開けられそうなハッチ。そして船内の方から聞こえてくる宇宙人たちの声と足音。

 

「こ…こっちに来てませんか?」

 

「あそこにスイッチがある!あれを押せばハッチが開くかも」

 

「このまま捕まったら元も子もないわ」

 

愛がスイッチを見つけ、果林ももう外に逃げるしか手はないだろうとハッチを開けることを提案する。

 

「ダメ。ここは地球とは全く別の星、そのまま外に出たら死んでしまうわ」

 

だがそれを制止する声がした。

 

「誰…?」

 

「あなたは…」

 

声のする方を見ると、イベントに参加していた他校の制服に身を包み青い髪を三つ編みにして背後に垂らした。

 

「だからできることはこうして隠れていることだけ…この宇宙船がスコーピスに破壊されるか、レイビーク星人の星に連れていかれて売られるか。私達に残された道はこの二つ」

 

「そんな事…」

 

諦めたような目でそう呟く少女の言葉を否定したい歩夢だったが、続く言葉が出てこなかった。

 

「どっちも嫌なら、もうそこのハッチを開けて即死するくらいね」

 

「でもあなたも、それが嫌だからここに隠れてたんじゃないの?」

 

「それは―」

 

果林にそう言われたのが図星だったのか、少女は言葉に詰まり目を逸らしてしまった。

 

 

「ち…違うんです!サラちゃんは私を助けようと―」

 

「加奈(かな)は黙ってて、いいから隠れてて」

 

少女の影からもう一人加奈と呼ばれた少女が現れた。制服を見るに、この二人は同じ学校なのだろう。

 

「中かラ声がすル!ココダ!!」

 

「ちっ…!勘付かれたわね」

 

「ど…どうしましょう」

 

外からレイビーク星人の声が再びした瞬間、扉をこじ開けようとしているのか打撃音がする。

 

歩夢たちがここに隠れた時に、手近にあったコンテナで扉を塞いでおいたので暫く時間は稼げるだろうが。先ほどサラと呼ばれた少女の話が正しければ、外に出ようとした瞬間に命を落としてしまうだろう。

 

だが、格納庫からは外に出るか今レイビーク星人達がこじ開けようとしている扉かのどちらかしか出口は無い。

 

「動くナ!」

 

扉をすぐに破壊することにしたのか、すぐさま扉は轟音と共にはじけ飛んだ。

 

「大人しくシロ!さもなくバ…」

 

煙の中から姿を現したレイビーク星人は5人。それぞれが銃で武装している。

 

「射殺すル」

 

レイビーク星人達も捕まえたスクールアイドル達を生きたまま連れ帰れる余裕はなくなりつつあった。

 

なんとかスコーピスから逃げてはいるものの、逃げ回るスクールアイドル達に割く余力はないのだ。

 

こうなってしまっては人質より自分たちの安全が最優先だ。

 

「このままじゃ…」

 

じりじりと格納庫の端に追い詰められていく歩夢たち、このまま再び捕まるのかそれか最後の抵抗をするかの二択を迫られていた。

 

だが次の瞬間、スコーピスの攻撃が再び宇宙船をかすめ、船が大きく揺れ動いた。

 

「シッ…!」

 

真ん中に立っていたレイビーク星人を、青い球体が襲った。揺れる船内で態勢を崩していたこともあり、その球体の直撃をまともに喰らうとそのまま後方へと吹き飛んだ。

 

「こっち!」

 

「え?」

 

「なにが…」

 

「いいから早く!死にたいのかっ!!」

 

言うが早いかサラは加奈の手を引くと宇宙船の中へと走り出した。

 

「私たちも行きましょう!」

 

そんなサラの様子を見て、せつ菜たちも駆け出した。

 

「マテ!」

 

「逃げるナ!」

 

それを見て残ったレイビーク星人達もすぐさま銃を構え直すが、またさっきと同じ球体が4発。宇宙船内の方向から飛んできて最初のレイビーク星人とは『逆』方向に大きく吹き飛んだ。

 

「今の攻撃は何だったんでしょう?」

 

「さあね」

 

良くは見えなかったが、明らかに攻撃された様子だったレイビーク星人達をしり目にそう口にしたしずくだったが、サラはなんでもない様子でそう言い放った。

 

「…スコーピス」

 

宇宙船の窓に見えるスコーピスの影がどんどん近づいて来る。それを視界の隅に捕らえたサラはぎりりと奥歯を鳴らした。

 

そして丁度自分たちが走っている廊下の窓の真正面にスコーピスが写ると、すぐに口から放たれた光球が一直線にこちらへと迫ってくる。

 

「伏せて!」

 

誰が叫んだかもわからないその声に合わせて全員が屈む。

 

だがこのまま直撃したら誰も助からないだろう。

 

その時だった。

 

どす黒い赤色の光球とは違う、銀色の光が光球を搔き消すと、今度はスコーピスの方へと軌道を変えてスコーピスを撃ち落としたことで轟音が鳴り響いた。

 

「こ…今度はなんなんですか~!?」

 

眩い光がおさまると立ち上がった一同は外を見る。

 

スコーピスを弾き飛ばした光の中から、銀色の巨人が姿を現した。

 

「あれは…」

 

「ウルトラマン…コスモス!」

 

「でも姿が違う…?」

 

歩夢たちの前に姿を現したのは間違いなくウルトラマンコスモスだった。

 

(なんとか間に合った!でもこの星、まるで死の星だ…)

 

スコーピスの攻撃によって宇宙船が不時着した時から更に砂漠化が進んでいた星は、菜生とコスモスがたどり着いた頃には砂ばかりの殺風景な場所になっていた。

 

コロナモードとシルエットこそ同一だが、銀色の身体に左右対称の紫のラインが入ったその姿は。宇宙空間での戦闘に特化した形態であるスペースコロナモードで現れたのだ。

 

レイビーク星人の宇宙船を追ってきたものの、その宇宙船が怪獣に襲われていたので囚われているスクールアイドル達を守るために、コスモスはスコーピスとの戦闘に入るのだった。

 

「---!!」

 

「ゼヤッ!」

 

立ち上がりコスモスを威嚇するように吠えるスコーピス目掛けてコスモスは走り出すと。胴体へと素早く拳を打ち込み、よろけたところにさらに裏拳を叩きこみ一気に攻勢に出た。

 

だが態勢を戻したスコーピスの口からすぐさま光線が放たれる。

 

放たれた光線をなんとか回避したコスモスだったが、標的を失った光線はそのまま後ろの山に直撃するとその山は砂になって消えてしまった。

 

「ッ!?」

 

(こいつが、この星を砂漠に―!)

 

最初はこの星の生命体かと思った菜生だったが、今の攻撃でこの怪獣がこの星を破壊していることを感じ取ったことで、菜生にとってもこの怪獣は普通ではないことは理解できた。

 

そして再び同様の光線がコスモスへと放たれると、コスモスはそれを飛び上がって回避。そのまま降下する勢いを利用して蹴りを繰り出しスコーピスの右肩部を破壊した。

 

そしてスコーピスの背後に着地すると、再び眼前へと迫る勢いで駆け出した。

 

スコーピスの方も、コスモスへ反撃すべく先端がさす又状になった尻尾を突き出したがそれは片腕で簡単に止められ、もう片方の腕で繰り出したアッパーカットで簡単に尻尾は粉砕された。

 

(みんなが危ないんだ!邪魔しないでッ!!)

 

尻尾を破壊した直後、コスモスの身体は高速で移動しスコーピスをすれ違いざまに殴りつけ。さらに顔面に目にもとまらぬ速さで連続蹴りを叩きこんだ。

 

あまりのダメージにスコーピスの巨体は地に伏すが、すぐさま立ち上がると今度こそとコスモスめがけて光線を放つ。

 

コスモスは両腕に青いエネルギーを滾らせると、そのまま両腕を前に突き出しオーラを纏ったそのエネルギーの塊をスコーピス目掛けて打ち込んだ。

 

「ゼヤァアア!!」

 

スペースコロナモードの最高威力の技、オーバーループ光線はそのままスコーピスの光線を打ち消しながら直進、そのままスコーピスの巨体を貫き大きな爆発が起こる。

 

だがこの星の空気は現在、スコーピスによって砂漠化している。菜生にはそう見えたようだったが、厳密には大気もガス状になっていたのだ。

 

そのまま誘爆を起こし、想定より大爆発が起こり宇宙船を巻き込む勢いだった。

 

すぐさまコスモスは飛び上がると宇宙船を掴み、この星からの脱出を図るのだった。

 

このスコーピスとの闘い、そして歩夢たちがサラと加奈と出会ったことが何を意味するのか。

 

この時はまだ誰も理解できていなかった―




出したかったスペースコロナモードの登場です。
幼少期はアシンメトリーなコロナモードよりこっちのが好きでした。
本家コスモスでいう劇場版二作目のお話にこれから入っていきます!
新キャラのサラと加奈、彼女たちは一体何者なのか?
感想等頂けると励みになります。もしよければ一言だけでもとてもうれしいです。
二月中には次回も更新できると思いますのでお待ちください。
それでは
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