COSMOS The Rainbow   作:カズオ

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次回更新は2月といったな…
もう12月も終わりですごめんなさい
次回いつになるか未定ですそれも先に謝っておきます
ごめんなさい


36話 星の破壊者

スコーピスを撃破することに成功したコスモスだったが、スコーピスによってこの星の大気中にガスが異常なまでに蔓延してしまっていたことで、誘爆し周囲は爆炎に包まれてしまった。

 

だがコスモスはすぐさまルナモードへとチェンジし、まだまともに飛行できない宇宙船を庇いつつ宇宙へと脱出して地球へと戻っていった。

 

地球に戻ると、コスモスはエネルギーが尽きてしまったのかSRCの基地の中に宇宙船を降ろしレイビーク星人達が確保されるのと攫われたスクールアイドル達が保護されるのを見届けるとすぐに姿を消してしまった。

 

菜生としても今までと比べて圧倒的に長い変身時間、いくらコスモスの身体が地球内で戦闘を行っているときと比べてエネルギー消費が少ないとはいえかなりの疲労だった。

 

「つ…疲れたぁ……」

 

肩で息をしながら、変身を解除した時に降り立った人気のない広場に座り込んだ菜生は、レイビーク星人達を追った先で戦った怪獣-スコーピスの事を思い出していた。

 

(あの怪獣、今まで見てきた怪獣たちと違った…なんか、カオスヘッダーがコピーしたゴルメデみたいな。悪意だけで動いてるっていうか……)

 

どうして皆を攫った宇宙人も襲われていたのか?菜生にはわからないことが多かった。考えても答えの出ない事象に頭を悩ませていると、突然凛としたそれでいて優しさも感じられる女性のような声が聞こえてきた。

 

『あれは、怪獣兵器スコーピス。奴らは邪悪な生命体、サンドロスが数多の星々を滅ぼすために使役している生物兵器だ』

 

「誰…!?」

 

菜生が周囲を見渡しても、声の主は見当たらない。というより、頭の中に直接響いてくるようだった。

 

『私はそのサンドロスを倒すために、次にヤツが狙う可能性の浮上したこの星へ来た。』

 

「そんな…なんの為にサンドロスは地球に…?」

 

『それは不明だ。ヤツの所在は今のところ明らかになっていない。だが、スコーピスの観測された地点が段々とこの星に近づいてきている。そして、この地球のような星をヤツは既に多く滅ぼしてきている』

 

淡々とそう告げる声に、菜生は息が詰まる。

 

(カオスヘッダーだけでも大変なのに、さっきの怪獣が攻めてきたら…私とコスモスで守れる?歩夢だけじゃない、同好会のみんなを…瑞希ちゃんやお母さんを…)

 

声の口ぶりからしてスコーピスは数の多い怪獣のようだ。一体なら難なく撃破でたが、数が増えればその限りではないし、さらにはそれらを従えるサンドロスという存在も気になる。

 

声の主がどれほどの実力があり、サンドロスを倒すと言っているのかは判らないが、それでもスコーピスの数次第ではかなり厳しいものとなるだろう。

 

『正直言って、この星の住人だけの力ではサンドロスはおろかスコーピスですら脅威と成り得るだろう。それに、彼らから見て宇宙人でしかない私の言葉も信じられぬだろう。だが、お前は違う。だから伝えた。』

 

これから、今までと比べて過激になるであろう戦い。そして今回も何とか助け出せたからいいようなものの、菜生は同好会の皆が宇宙船で連れ去られるのを一度は取り逃がしてしまっている。

 

『お前たちにはこの情報を共有しておいた方が、後々いい方に傾くと思ったから伝えた。いずれまた会うことになるだろう』

 

「まって!あなたは一体何者なの!?」

 

謎の声は最後に「また会おう」というと、もう声は聞こえてこなかった。謎の存在から知らされた、新たな脅威の存在。

 

「わたし…わたしがもっと強かったら、みんなに怖い思いさせないですんだのかな…?」

 

そう思わず零した菜生だったが、コスモスは疲労により眠ってしまっているのか。はたまた、謎の声とのやりとりで、相手から悪意のようなものは一切感じられなかったからなのか何も告げることはなかった。

 

もしくは、あくまで菜生に全て委ねようとしているのか。彼女自身のために。

 

「強くなるんだ、どこまでだって…!」

 

守る為には力がいる。いずれ来るであろう、サンドロスとの闘い。そして、またいつ襲い来るかわからないカオスヘッダーの脅威から皆を守れるだけの力が―

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後、もう夏休みも終わろうとしているが未だにうだるような暑さが続いていた中、同好会のメンバーはSRCの医療施設で検査を受けていた。

 

宇宙船で未知のウイルスに感染していないかなど、目に見えない影響を受けていないかの検査だ。今回は人数が多く、宇宙船に乗せられはしなかったが、宇宙人に襲われた菜生や璃奈、美月も同様に検査を受けるためにずっと施設の中に閉じ込められていた。

 

なので検査が終わった時はこれでやっと同好会の活動を再開できるとほっとしたものだった。

 

「あ~…やっと外に出れる~。あたしは大丈夫だって言うのに、全ッ然菜生のおばちゃん聞いてくんねーんだもんなぁ?」

 

「美月さん、何かあってからじゃ大変だから」

 

「解ってるけどさぁ~なんであたしらまで…」

 

廊下を歩きながら愚痴をいう美月に璃奈がそう告げる。この二人はレイビーク星人に追いかけられこそしたが、コスモスの介入によって助かったのだが菜生の母のしのぶに連れられて検査の結果が出るまで、他の連れ去られた者たちと同様にずっと施設にいたのだ。

 

「あっ、美月ちゃん璃奈ちゃんお疲れさま」

 

「歩夢お疲れ~なぁんだみんなの方が先に終わったんだ」

 

施設の出口近くのベンチに座っていた歩夢に声を掛けられ、そちらを向くと連れ去られていた同好会のメンバーたちが居た。

 

「あれ?菜生さんは?」

 

「菜生さんも、もうすぐ終わるからみんなでお昼食べて帰ろうって話してたんです」

 

せつ菜がいうには、どうやら菜生が一番最後になってしまったらしい。お昼は何にしようか?そんなことを話していると、前を通りかかった他の学校の生徒二人組のうちの一人が歩夢の顔を見て近寄ってきた。

 

「あれ?あなたたちは」

 

「あっ、あの時の!大丈夫だった?」

 

「はい。私たちもこれから帰るところなんです」

 

歩夢と愛がその少女にいち早く気が付くと立ち上がって声を掛けると、近寄ってきた方の少女もにこやかに答える。

 

「私、青蘭高校二年の斉藤加奈(さいとうかな)って言います。この子は友達でサラ・マリーネちゃん、あの日は私のライブを見に来てくれてたの」

 

そう名乗った少女は真っ黒い髪を腰まで伸ばし、紺色のセーラー服に赤いリボンといった出で立ちで大人しそうな雰囲気を纏っており。宇宙船で出会った時もかなり怯えていたようだったが今日は一転してかなりかわいらしい笑顔を見せていた。

 

「よろしく」

 

そして加奈に紹介された青髪の少女はそう一言だけ発すると頭を下げた。加奈とは打って変わって、まるで水のように冷たい印象を受ける。

 

「ここでまた会ったのも何かの縁です。もしよかったら、お昼一緒に行きませんか?」

 

「えっ?いいの?行きたい行きたい!ね?サラちゃん?」

 

「私はどっちでも…」

 

「じゃあ決まりで!」

 

折角だからとせつ菜が昼食に誘うと加奈はすぐに一緒に行きたいと言い、微妙な反応をするサラも押し切っていくことにした。

 

「みんなお待たせ~。…あれ?お知り合い?」

 

「菜生ちゃんお疲れ様。うん、宇宙船で知り合ったんだ」

 

そんな中、検査の終わった菜生が駆け寄ってくると初対面の加奈とサラが気になるが歩夢がそう説明した。

 

「わたしは高田菜生、よろしくね!」

 

「こちらこそ」

 

「…」

 

菜生は手を差し出し握手を求めたが。加奈は返してくれたが、サラは菜生の顔をじっと見つめるだけで動かなかった。

 

「えっと…」

 

「すまない、まだこういうのには慣れてなくて…」

 

気まずさを感じて手を下げようとすると、サラはそう言って菜生の手を取った。

 

「じゃあそろそろ行こうか」

 

そうして、新たに加奈とサラを加えた13人は医療施設を後にして歩いてファミレスに向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな中で、菜生は納得がいかないといった様子で机を思いっきり叩いた。

 

「そんな!スクールアイドルフェスティバルが、中止だなんて…」

 

ファミレスに着いく直前、街頭のモニターに映されたニュースを見たのだ。

 

「仕方がないよ菜生ちゃん、だってこの前のイベントで宇宙人に襲われちゃった訳だし…今はどこの部活も大会とか中止になっていってるって」

 

そう歩夢がなだめるような口調で告げるが、ここにいる誰もがこの決定は不服であった。

 

先日のレイビーク星人の襲来によって、街は宇宙人への警戒が強まっていた。

 

数十名もの学生が突然襲われ、宇宙へと誘拐されたこの事件。ウルトラマンコスモスが居なければ、解決することはなかっただろう。

 

菜生達の不安を煽らないために施設にいる間は伏せられていたのがが、また行方不明者の出たというニュースが少数ながらこの数日間で報道されていたのだ。

 

それだけではない、現在報道は一切されていないが、SRCや防衛軍はスコーピスの存在に気が付いていた。そしてそのスコーピスが観測された地点が、少しずつ地球へと近づいてきているのだ。

 

「イベントで人が集まっているところでまた宇宙人が来たら、パニックになってけが人も大勢出る。こうなってしまうのも仕方がないわ」

 

「確かに中止になってしまったのは残念だけど…私は、またあんな目に遇うのは嫌だな…」

 

「そうね」

 

淡々と今回の事件の事も含めた上での現実を冷たく告げるサラに加奈もそう同意する。

 

「ショックだけれど、この事態が落ち着けばきっと開催されるはずよ」

 

「そうそう!しばらくのガマンだって」

 

だがずっとイベント事がこの先開催されないとは考えられにくい。だからまた開催されるはずと果林は考えを言い、それに愛とかすみが同意した。

 

「そうですよ!またいつ開催されてもいいように、みんなで頑張りましょうよ!」

 

「そう…そうだよね?きっと大丈夫だよね」

 

菜生はそう自分にそう言い聞かせて自分を落ち着かせると座った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

楽しく談笑しながらの昼食-とはいかなかったが、加奈とサラとは連絡先を交換し、落ち着いたらまた一緒に出掛けようと約束しその日は解散となった。

 

―少しだけ話がしたい。そうサラに告げられた菜生は、歩夢とも一度別れるとサラと二人で浜辺の公園に来ていた。

 

「どうしたの?二人だけで話がしたいって」

 

「…スコーピスから私たちを守ってくれて、ありがとう」

 

サラは菜生に背を向けたまま、そう菜生に言い放つ。

 

「ど、どういうこと…?私は―」

 

「お前じゃない、お前の中にいる巨人に言っているんだ」

 

菜生がコスモスと一体化していることを見抜いていたかのように告げると、菜生は言葉に詰まる。だがそんな様子はお構いなしに、サラは菜生の方へ振り返ると菜生の目を真っ直ぐ見つめた。

 

「お前を一目見た時。お前の中に何かがいるのを感じた。そして手を握って、あの時の巨人だと確信した」

 

「そうだね…確かにわたしは、ウルトラマンコスモスと一体化してる」

 

目の前のサラという少女は何者なのか?このまま正体を明かしていいものなのか?そう菜生は迷ったが、昼間の加奈や、同好会の皆と話していた時のサラの雰囲気から敵意は無いと信じて真実を打ち明けた。

 

「私は惑星ギャシーから来た、お前たちで言う宇宙人だ」

 

「惑星…ギャシー…」

 

「とても美しい星だった。だが、サンドロスが送り込んだ侵略兵器スコーピスが…赤い砂と有毒ガスに覆われた市の星に変えてしまった」

 

「じゃあ、あの時スコーピスと戦った星も―」

 

『惑星ギャシー』サラはそこで産まれた。菜生達地球人からみると宇宙人だという。そしてその故郷は、スコーピスによって滅ぼされた。

 

ならばレイビーク星人と戦った星も、砂漠とガスに覆われていたのは、スコーピスの仕業なのではないか。菜生の中で点と点が繋がっていくのを感じていると、サラはこくりと頷いて話を進める。

 

「私たちは自然を再生させる為…惑星ギャシーを蘇らせる為にモデルとなる星を求めて宇宙へ旅立った。」

 

「そして、この地球に辿りついた…?」

 

「だが、砂漠化した不毛の環境を好むサンドロスは私たちの計画を知り、多くの同胞を…家族を殺した」

 

生き残ったギャシー星人達は、数隻の宇宙船で宇宙へ旅立ったがサンドロスによって送り込まれたスコーピスによって、その宇宙船もほとんどが撃墜されてしまったという。

 

「私たちの船が最後の一隻になり、もう助からない。そう思った時だった。光輝く巨人が、スコーピスから私たちを守ってくれた」

 

「つまり、コスモス以外にもウルトラマンが…?」

 

「私も、その巨人の名前を知っているわけじゃないけど、ウルトラマンコスモスに似ていたが確かに別の巨人だと思う」

 

この宇宙は広い。菜生の知らない星、知らない生命体はまだまだ沢山いるだろう。コスモス以外にもウルトラマンが居ても、不思議ではない。

 

「もし私たちがこの星に居ることが知られてしまえば、地球も惑星ギャシーと同じようになってしまうかもしれない…」

 

「大丈夫、私とコスモスは負けない!きっとギャシー星も元通りにできるよ」

 

菜生に事実を打ち明けたのは、きっとコスモスに伝えたいと思ったからなのだろう。

 

菜生は口では大丈夫だとサラを励ましたが、今地球に迫っている脅威がカオスヘッダーだけではない事がわかったばかりだった。

 

スコーピス一体は難なく撃破できたが、残りどれだけの数がいるか分からない。それにまだレイビーク星人のような宇宙人が潜んでいるかもしれない。

 

(絶対…負けられない戦いを、私たちはしているんだ―)

 

まだ17歳になったばかりの少女が背負うには、あまりにも過酷なものだった。

 

「うわぁーー!!」

 

そんな時、大人の男性のものと思われる悲鳴が聞こえた。

 

「なに?」

 

「あっちだ」

 

「行こう!」

 

二人は顔を見合わせると声のした方へと駆け出した。

 

ビルの間を駆け抜け、角を曲がった先にはカバンが落ちており。中身が周囲に散乱していたが、声の主と思われる人間はどこを見渡してもいなかった。

 

「一体どこへ…?」

 

「ダメだ、周囲に人の気配はない。まるで…消えてしまったみたいだ…」

 

周りを見渡す菜生に、恐らく自身の能力で周囲の人間を察知できるであろうサラがそう告げる。

 

『パパ?パパどうしたの?』

 

足元から幼い子供の声がし、二人は下を見ると。画面にひびの入ったスマホが落ちていた。そしてその画面には【しょうた】と表示されていた。

 

父親を心配する声を聴いて、菜生は胸が締め付けられ呼吸が荒くなる。

 

「菜生?どうした菜生!?」

 

「ハァ…ハァッ…ダメ…ダメだよ」

 

苦しそうにしゃがみ込む菜生の方をサラが揺らしながら何度も菜生の名前を呼ぶが、菜生には届いていないようだった。

 

そして気づけば周りには人が集まってきており、サラはひとまず警察へ事情の説明をするのだった―

 

急変した菜生の様子にも気を向けながら、サラもどうしていいかわからなかった。




加奈の学校名はスクフェスだとしずくが元々いたとされている学校ですね。
たまたま思いついた名前が被ってしまったのですが、他の名前が全く思いつかなかったのでそのまま使わせていただきました。
施設の名前も人名も考えるって大変…
そしてギャシー星人登場、ギャシー星人はコスモスの映画の二作目に登場する宇宙人です。サラは一応オリキャラですが…
そして本編で言及したかちょっと記憶があやふやなのですが(ちゃんと確認しろ)、菜生の誕生日は7月7日です。
ウルトラマンコスモス第一話が放送された日と同じ日付なんです。
そうです、本家では本編後の話をまだ中盤くらいの今のタイミングでやります。

次回更新は来年以降になります、皆様良いお年を
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