時を遡り、白上フブキの宝具開張直後のこと。
Corn of the end 固有結界内。
30XX年
青々とした空のもと、木々が生い茂る森があった。
木とは言えども驚くことなかれ、その森の木々は全てトウモロコシの超巨大な苗だ。
幹の太さが直径2m程のものから3m程のものまで。全てが天高くへと幹を伸ばし、尖った大きな葉が太陽光を吸収し、その木々の全てが緑葉に覆われた巨大な実をつけている。
ちょうど収穫期なのだろうか。トウモロコシの大きな実の付け根にたけのこの形をしたすこん部らが集結し、トウモロコシの解体作業を行っている。
LB『何あれ!僕もやってみたーい!』
はるか上空で
bakatare
『.......猫又おかゆさん、そんなこと言ってる場合じゃないです。近づいたら
bakatareこと
bakatare
『(はぁ、こんな自由奔放な人と違う私が同じ場所で働いてるなんて考えられない....)』
LB
『まぁまぁそんなこと言わないでよ〜、
bakatare『......そっちの私が心配になってきた』
言いながら二人はトウモロコシの木に身を隠しつつ辺りを散策する。かれこれ30分程彷徨ってはいるが景色が一向に変わらないために辟易しているところもあるのだろう。その表情は精神的な疲れを隠そうともしない。
bakatare『こんなに歩いてもずっと森なんて.....
LB『....フブキちゃん、なんでころさんを......ん?』
おかゆが動きを止め、その感覚神経を
dakatare『どうしました?』
LB『なんか、甘い
bakatare『まじですか?人いたんだ、この森』
LB『わからない、とりあえず行ってみようよ。この甘い匂い気になるし』
言うとおかゆは舌を舐めずり、スタスタと匂いのする方へ向かう。
bakatare『ま、待ってください!ここは敵の陣中ですよ!?罠に決まって───』
LB『だいじょーぶ!罠じゃないよー!』
bakatare『ちょっと、根拠は!?』
LB『なんとなくだから!』
bakatare『まじか....』
森の中を輝やいた目で突き進むおかゆとその後を辟易した様子で追いかけるフレア。
そして───。
ホロライブ仮面『ふむふむ、順調ですねー。このまま行けば無事ここまで来れるはず.....』
このゲームにおいて最後のステージである魔城フブキ城にて。トウモロコシの形をしたタワー状のソレは天高くそびえ立つ。
そのフブキ城最上階の
ゲーミングチェアにゲーミングデスク、モニターが3台のゲーミングPCやゲーミングヘッドセット....王の自室としてはあまりに堕落していた。
フブキ『さて、あと問題は....』
言いながらフブキはあるプレイヤーの名前に目をやる。
猫又おかゆ 『like blueberry』
フブキ『ブルーベリーが好き..........』
カタカタとキーボードを打つ音。するとモニターに、とある
フブキ『....スバルちゃんの────』
─────
再び時を戻し、
30XX年 砂漠地帯
SHINPU『なんだァ?ありゃァ....』
広大な砂漠の中、神父達から30m程離れた場所。
静止したすこん部達の狭間にたった今、
『しゅばしゅばしゅば....無事潜入成功っすね〜!』
活発そうな黒髪短髪の少女が真っ先に口を開く。
黄色と白の
『ぺーこぺこぺこ!先輩
次に兎耳の少女が口を開く。
バニーガールのような黒い下着に、白い上着を羽織ったうさ耳の少女。水色に白が混じった髪の毛は三編みツインテールにまとめ、なぜか人参を三編みにからませている。
『Ahoy!正直海賊団として
最後に赤い羽織りのサーヴァントが今後の意気込みを話した。
海賊帽といい、眼帯といい、格好は海賊船の船長そのもの。ツインテールにまとめた紅い髪は砂漠の風によく靡く。
GOmeitou☆
『えっ!?スバルにぺこらちゃんに、船長!?』
突如表れた彼女らに
SHINPU
『あァ?まさかあいつらもお前の知り合いなのかァ?』
GOmeitou☆
『え?うん、スバルたちも余と同じ、ホロライブのメンバーなんだよ....』
SHINPU
『....オイオイまたかよォ。今回の聖杯戦争、まさかとは思うが全員そっから来てんじゃねェだろうな?』
辟易する神父はため息をつき、とりあえず上空に浮かぶホログラムに目を向ける。
そのホログラムの画面に映し出されているのはあやめと同じく驚いた顔をしたホロライブ仮面は。
ホロライブ仮面
『やっぱり、スバルちゃん....』
独り言のようにそう呟いた。
SHINPU
『(....「
乱入者を察知していたのなら対応できていたはずだが.....?)』
GOmeitou☆『なぁ人間様よ。やっぱり独り言多くないか?』
SHINPU
『.....おい、ホロなんちゃら仮面、この心の声が聞こえちまうのどうにかなんねェのか?やりにくいわ色々と』
ホロライブ仮面
『....キャラクターの考えてることが
SHINPU『....あ?』
そんな会話を神父達が交わす中、乱入者たる3体のサーヴァントは少なくとも置いてきぼりになっていた。
マリン『....スバル先輩、準備OKです。かましちゃってください』
ぺこら『乱入者っていうレア枠を無視するなんて言語道断ぺこ』
スバル『スゥ───....』
3体のサーヴァントの内1人、大空スバルがふるふると肩を震わて、
スバル『じゅばあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッッ!!!!』
瞬間、神父達は音を忘れた。
SHINPU『ッッ!?』
正確にはその激大な
神父とあやめは手で咄嗟に耳を塞ぐがそれでも尚、この叫びは消えてくれない。
GOmeitou☆『やあああああああ!!』
空気が破裂する。大地が激動する。世界が崩れる気さえするその叫びは同時に全てを震撼させた。
その間たったの数十秒程度。しかし、たかが数秒でそれは何もかもを殺すだろう。現に周囲に居た数千人のすこん部が、一瞬でその姿を消していた。あの叫びに消し飛ばされたのだ。
GOmeitou☆『ぐ──あ───』
ホロライブ仮面『あやめちゃん!!』
あやめがその場に
SHINPU『鬼野郎お前ッ───ッッ』
30m程の距離があるにも関わらず、この威力。このままでは百鬼あやめもすこん部の二の舞となるだろう。
白上フブキ『なんで....プレイヤーはプレイヤーを攻撃できない筈なのに───スバルやめて!あやめちゃん達が死んじゃう!!』
ホロライブ仮面が、
SHINPU『(クソッ!鬼野郎が....コイツだけは俺の手で殺さなきゃなんねェってのに....ここは───)』
神父が瞬時に動き出す。最中、その両手を耳から離し、あやめを担ぎあげた。
GOmeitou☆『にんげん、様....?』
虚ろな目であやめが神父を見る。だがその意識は神父の次の言葉と共に消えた。
SHINPU
『
────
─────
後に、爆音が
砂漠に残るは3体のサーヴァントとモニターの向こうに映る白上フブキのみ。神父達は既にその場所から居なくなっていた。
フブキ『スバルちゃん、ぺこらちゃん、マリン船長....どうして....あんなことを.....』
フブキはどうしても理解できないと言った表情だった。それもそのはず。目の前で、人を殺しかねない"攻撃"を大空スバルが、ましてや仲間に向けて放ったのだ。
フブキが知る限り、大空スバルという人間はどんな天変地異が起きようとそんなことをする人間ではなかった。
マリン『フブちゃん、それはフブちゃんにも言える事よ?....
フブキ『そ、それはっ! .......でもっ!あのままなら、あやめちゃん相手なら...誰も傷つくことなんてなかった!』
数千人のすこん部軍。その数ならばたったの二人を蹂躙することなど容易であった筈だ。
ぺこら『フブキ先輩...』
だが事実、
その軍勢は百鬼あやめによって一瞬で封じられてしまった。
彼女を慕うすこん部とは、それほど弱かったのだろうか?
ペこら
『.…やっぱり「手加減」してたぺこですよね。フブキ先輩のすこん部が、あんなに弱い訳ないペコですよね?』
そう。
白上フブキを信じ、慕い、尊び、憧れた
つまり、すこん部の軍勢は最初からプレイヤーに負ける仕様だったのだ。
フブキ
『…そうだよ。プレイヤーと対峙する敵キャラは全部弱くしたし、最後には必ずプレイヤーが勝つようにしてある……。
でも、それなら、なんでスバルちゃん達はプレイヤーより強いの...?プレイヤーの敵になった時点で弱くなる設定なのに……』
スバルが神父たちに浴びせた先程の攻撃は加減されたものではない。それどころか強すぎる程だった。
もし神父達が数秒でも逃げ遅れるものならその時点でこのゲームは終わっていた。
プレイヤーのいないゲームなど、ゲームとして機能しない。
スバル
『このフブキ先輩の世界はゲームそのもの。なら、基本的にプレイヤーより強い敵なんていない。
けどスバル達は、
……この
フブキ
『どうして、どうしてそんなことするの!?このゲームはこのままなら誰も傷つかないのに!
このゲームはみんな幸せになる
スバル
『──────敵キャラは、どうなるんすか』
一瞬。白上フブキが、言葉に詰まる。
そこにスバルは重ねて続けた。
スバル
『このゲームの平和エンド…たしか「ころねを攫った敵を倒し、ころねを
そのエンディングが導き出した
つまり、白上フブキの宝具は現実世界の既成事実をゲームのエンディングで上書きするものだった。
ともすれば現実世界の歴史や
フブキ
『っ……知ってるんだ…。
なら、なおさらどうして止めるの?スバルちゃんはみんなで幸せになりたくないの!?』
スバル
『みんなが傷つかないならスバルだってこのままでよかった。
けれど、倒された敵は…ううん、このゲームのラスボス、フブキ先輩は、現実世界でどういう
フブキ
『そ、それは────』
大規模な現実改変。そんなものはまず世界が許すはずがない。世の理は発生した矛盾を埋めるために世界の修正力を用いて、矛盾を消しにかかるだろう。
その修正力を一身に受けるのが敵として設定されたキャラ。つまり生贄の魂だ。
世界の膨大な修正力を受け止めるなど、普通なら生贄として何百万もの魂が必要になるもの。けれど白上フブキの宝具ならその生贄の数を最大限少なくできよう。
「プレイヤーみんなが仲良くなる」という結果の場合、プレイヤー全員の大きな過去改変が必要になる。
プレイヤーが聖杯戦争に参加するまでに至った過去、プレイヤーが過去に干渉した歴史、プレイヤーが元いた世界の事象、その全てを大幅に変える。
ともすれば、この聖杯戦争がなかったことにすらなるかもしれない。
そんな大規模な過去改変がたった一人の魂で完結する。
その魂は連なる並行世界で消え去り、その魂の過去や現在や未来が全て消え去り、全てを忘れ、忘れられ、輪廻の外へ、永遠に修正力をその身に受ける世界の奴隷となり────────────
けれどその犠牲は、最小なのだ。
フブキ
『───────っ』
白上フブキが息を飲む。
想像すらできないような、この身に降りる“罰”を目の当たりにして、身がすくんでしまう。
スバル
『フブキ先輩。スバル達は。』
否定しないでほしい。
フブキ
『……や、めて』
みんなのためだった。
だから、止めてほしくないのに─────
スバル
『みんなは───そんな世界で、生きていたくないよ!!』
フブキ
『─────やめてッッ!!!!』
スバルの言葉を遮るように、白上フブキはゲームを中断した。
─────
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書いてもろて
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いや、まぁ、書いてもろて
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知らんがな
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う〜ん
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お前は敗北者じゃけぇ